記事公開日:2022/03/17
最終更新日:2024/01/11
「成約率があがらない」「お客様からのクレームが多い」など、賃貸営業がうまくいかないと感じる人は、今回解説する原因とコツをチェックしてみてください。原因では、個人の能力を軸に「なぜうまくいかないのか」を解説しています。自分に当てはめながら、課題となるポイントを見つけていきましょう。
また、コツは大きく3つにわけて解説しています。
それぞれチェックして、自身の営業成績アップへ繋げましょう。
目次
まずは、賃貸仲介営業がうまくいかない原因をチェックして、解決策を確認していきます。
賃貸仲介営業において、ヒアリングは重要です。ヒアリングが不足していると、顧客の望んだ物件提案や、契約獲得における重要なポイントを押さえることが難しくなります。
ヒアリングシートをうまく活用しましょう。ヒアリングシートがない場合は、作成することをおすすめします。事前に必ず顧客からほしい情報をシートにまとめておくと、ヒアリングが苦手な方でも取り組みやすいです。
ただし、質問攻めになってしまうと、顧客に不信感を与えてしまいます。一方的に質問するのではなく、言葉のキャッチボールを意識してヒアリングすることがポイントです。
下記の関連記事もチェックしてみてください。
信頼性を獲得することによって、さまざまなメリットがあります。逆にいえば、どんなに良い物件を提案しても、賃貸仲介営業マンが信頼されていなければ、顧客は逃げてしまいます。
信頼性をあげる方法は、正確な情報を発信することです。質問があった場合に、曖昧な表現や回答ができずにいると、顧客からの信頼性はあがりません。顧客側も、賃貸仲介営業マンをプロだと考えて相談にきています。
常日頃から、自分たちの商品である物件情報や最新の法改正をチェックして、自信を持って回答できると顧客からの信頼性がアップします。
考察・推察力が低いと、顧客は「検討違いの物件を紹介された」「担当に不満がある」などのクレームの原因となります。顧客のニーズを理解することは、非常に重要です。賃貸仲介営業マン個々の性格や能力の個人差も多少ありますが、ポイントをしっかりチェックして改善しましょう。
顧客のニーズを理解するには、さまざまな情報を収集しましょう。物件の条件だけでなく、顧客の家族構成や職場などの属性をヒアリングすると、物件提案の方向性を決められます。方向性が決まって、顧客情報を共有することにより、ニーズを理解した物件の提案を行うことが可能です。成約率の向上やクレームの改善に繋がるでしょう。
下記5本の関連記事でタイプ別賃貸物件の特徴・おすすめな人・提案のコツを解説しているので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
賃貸営業で成功するためのコツを4つ解説します。
賃貸営業のセールストークでは、話し方に注意してお客様へ嫌悪感を与えないようにしましょう。営業マンに対し悪いイメージを持たれてしまった場合、「信頼できない相手」と判断される可能性があります。賃貸物件の良し悪しとは関係なく契約してもらえないかもしれません。
話し方で意識すべきポイントは次のとおりです。
何気ない雑談でも上記のポイントを意識して、「話しやすい営業マン」と認識されるよう心がけましょう。下記の関連記事では会話術を磨くテクニックを紹介してますので、こちらも一度読んでおくと良いでしょう。
賃貸業の営業マンは身だしなみにも気を遣って、スムーズに会話ができる環境を作りましょう。心理学において、人は非言語情報(見た目や表情など)から会話の内容を55%理解・把握するとされています。つまり、賃貸物件の案内や紹介の際、身だしなみから会話の信憑性・信頼性などを判断される可能性があります。身だしなみで注意すべき点を見ていきましょう。
意外と忘れがちなのが靴の手入れです。汚れや型崩れ、シワなどがないか確認しておきましょう。下記3本の関連記事もチェックしてみてください。
お客様のニーズを満たした賃貸物件を紹介するには、ヒアリングにも注力する必要があります。ヒアリングとは、お客様の要望や疑問を聞くだけではなく、最終的な落としどころまで探ることです。
お客様の要望・疑問を把握できていなければ、適切な提案はできません。加えて、要望をすべて満たす賃貸物件は必ずしも見つかるわけではないため、最終的な落としどころを見つける必要があります。
たとえば、以下のように条件を緩和して提案します。
希望条件 | 提案する条件 |
家賃6万円(都心部) | 家賃6万円(都心まで電車1本でアクセスできる郊外) |
間取りは1LDK | 1LDK |
駅から徒歩10分 | 駅から徒歩10分 |
新築 | リノベーション済み |
上記の場合、希望条件からズレるものの、「家賃が安い・駅から近い・きれいな物件」という要望を汲み取って新たな提案をしています。このような落としどころを見つけることが、賃貸営業におけるヒアリングです。
ただし、ヒアリングに注力しすぎるあまり、質問攻めにしてしまっては、警戒心を持たれてしまう可能性があります。パーソナルな情報はお客様自身が話し始めるまで待つことが大切です。
ヒアリング時のテクニックとして、軽い雑談から情報を引き出す方法があります。趣味や旧居の話などの雑談から、お客様が何を考え・求めているかを引き出しましょう。
飛び込み来店以外のお客様は、スムーズに営業できるように事前準備を行いましょう。メールや電話にて詳しくヒアリングして、事前に物件資料の準備や案内ルート、駐車場の有無などを把握し、スムーズな対応ができると良いです。
行き当たりばったりの営業になってしまうと、お客様に不信感を与えてしまいます。事前に来店予定の顧客には、徹底した事前準備をして営業に臨みましょう。
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物件案内において、賃貸営業を成功させるコツを3つ見ていきましょう。
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賃貸営業を成功へ導くには、土地勘を磨いて対応力のアップを図りましょう。物件を案内する際お客様から周辺環境(お店や病院、交通網など)について質問されることがあります。このとき土地勘があれば、買い物できるお店の情報や、病院までのルートなどのを説明が可能です。
さらに、お客様の属性(性別や世帯人数など)に合わせて説明できれば、潜在的なニーズを満たせる可能性もあるので、契約に向けた会話の糸口を掴めるように予め土地勘を磨いておきましょう。
成約率アップを目指す営業マンは、効率の良さも意識して対応の回転率をあげることが大切です。1日のうちに案内できる顧客数は限りがあるため、非効率な業務をしていると成約率はあがりにくくなります。
物件案内の際は、成約に繋がらないであろう不良物件や希望条件から完全に外れた物件などは避けましょう。顧客ニーズを満たし、ポジティブな反応をもらえそうな賃貸物件に絞ることで、顧客案内の回転率アップ+契約に繋がるチャンスが増える可能性があります。
ただし、効率だけを重視して、お客様へストレスを感じさせることは避けてください。希望条件に当てはまっているものの、必要以上に物件を提案する、説明を省くなどはストレスを与えてしまう恐れがあります。契約へ至らない可能性もあるので、お客様の気持ちを第一に考えることが重要です。
また、提示された条件から少し外れた賃貸物件を最初に提案し、後に提案する本命の評価を高めるというテクニックもあります。このテクニックを使う際も、条件から完全に外れた賃貸物件を提案してしまうと、興味を示してもらえず業務効率が悪くなる可能性があります。お客様の優先度を第一に考え、注意して提案しましょう。
賃貸仲介営業で成功するためには、武器である物件を上手に扱いましょう。顧客は、自身で物件をピックアップしている可能性もあります。その中で、気になっている物件を営業マンが複数提示することにより、成約率がより上がります。
また、似た条件の物件をいくつか提示することで、顧客に選択肢を与えることが可能です。条件が良い物件を1件提示しても、他にも良い物件があるかもと他社に流れてしまったり、検討に時間がかかったりする可能性があります。選択肢を複数与えることで、契約をするかしないかではなく、どちらを契約しようという思考に切り替わりやすいため、クロージングが行いやすくなります。
注意点として、似た物件の中にも、差別化できる違いを把握しておきましょう。細かい設備の違いや初期費用などを明確にして、提案していきましょう。
賃貸営業のクロージングを成功させるコツを4つ解説します。
※下記の関連記事もチェックすると成約率アップにつながります。
賃貸営業におけるクロージングでは、お客様の不安要素を取り除くことが大切です。賃貸物件を探すお客様は、「この不動産会社は信用できるのか」「紹介される賃貸物件に問題はないのか」など不安を抱えている可能性があります。このような不安は契約へのブレーキとなってしまい、払拭できないままでは契約に至りません。
不安を取り除くには、信頼関係の構築から始めていきましょう。信用できる不動産会社・営業マンであることを理解してもらえれば、その後の話も安心して聞いてもらいやすくなります。
信頼関係の構築には、以下のテクニックを使ってみてください。
これらは心理学における「傾聴」と呼ばれるテクニックで、「ちゃんと話を聞いてくれる」という印象を与える効果が期待できます。信頼関係を構築するきっかけになるので、不安を取り除くためにも実践してみてください。
契約前提で話を進めると、クロージングを成功に導きやすくなります。「契約前提」とは、契約時の具体的な話を織り交ぜながら、賃貸物件を案内することです。
たとえば、「入居後はこちらの駐輪スペースが利用できます」「契約時の初期費用は〇〇円です」など契約に関する話をします。このような会話に対しお客様がポジティブな反応を示していれば、実際の契約の話へスムーズに移行できます。
ただし、以下の条件を満たしていなければ警戒される恐れがあるので注意しましょう。
まずは物件情報とお客様の希望条件が一致しているか、会話の中で探りながら反応を伺う必要があります。いくつか質問をして、興味を示しているか把握するところから始めましょう。
今契約すべき理由を説明して、競合他社に顧客をとられないようにしましょう。希望条件と一致した賃貸物件が見つかっても、「他にもっと良い物件があるかも」と悩んでしまうお客様もいます。この場合、その場での契約には至らず、他社で賃貸物件を探すかもしれません。
顧客流出を防ぐため、「フリーレント期間」や「家賃の値引き」などのPRポイントを今契約すべき理由として説明しましょう。たとえば、「今契約していただける場合、大家さんに家賃の値引き交渉いたします」と提案します。このような提案を行うことで、契約を踏みとどまっているお客様の背中を押すことができるのです。ます。
成約に至っても至らなくても、営業マンは必ずアフターフォローを徹底しましょう。まずは、来店いただいた旨のお礼を行います。さらに営業中に伝えられなかった情報や、内見後に条件などが変わった場合はおすすめの物件情報などを、メールで添付しましょう。
成約率が高い賃貸仲介営業マンは、再来店の顧客や紹介の案件も多いです。アフターフォローができるようになると、顧客からも「この物件は取り扱っていますか?」などの反応があります。
成約に至った顧客もより満足度が向上し、紹介や更新の際に部屋探しの案件を与えてくれる可能性がありますので、賃貸仲介営業マンはアフターフォローを実施していきましょう。
現在も賃貸仲介営業をしている私が、成約を成功させるためにしていることを紹介します。
賃貸に関係する情報収集は、徹底しています。新築の情報や競合物件の把握はもちろん、法改正なども日頃からチェックしています。
顧客の信頼を得てライバルに勝つためには、いかにこちらに頼ってもらえるのかが重要です。物件の設備などもすぐに伝えられれば、顧客からの信頼性も獲得できます。賃貸仲介営業マンは、情報収集を常日頃から実施していきましょう。
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ファンになってもらうとは、自分に何でも相談してくれる営業マンになることです。顧客は部屋探し以外にも、引っ越しの家具について知りたかったり、雑談中に悩みや話を聞いてほしかったりする方も多いです。
それらに真摯に対応し、おすすめの家具家電や雑談などもこなせるようになると、顧客は営業マンのファンになり、この担当者で物件を決めたいという心理になります。結果的にファンになると成約率があがり、クレームもかなり減るので、これらのことを心がけて営業を行っています。
下記の関連記事では顧客の反応に対して上手に切り返すトーク術の応酬話法について解説してますのでチェックしてみてください。
情報収集や顧客の考察、自身の接客などについて、まわりの力を借りることも意識しています。顧客もさまざまなので、客観的な意見は成約をとるためにも非常に有効です。自分では気づかない点を指摘してもらうと、違った方向性で顧客にアプローチできます。
また、まわりの力を借りて情報の共有をすれば、クレームを防いだり最小限にとどめたりすることにも有効です。
とくに賃貸仲介の店舗は、必ず店長やエリアマネージャーが在籍していることが多いと思いますので、日頃からコミュニケーションをとることで、よりアドバイスや情報収集がスムーズに行えます。
賃貸営業がうまくいかないと感じている人は、自分にどんな原因・課題があるのか理解することが大切です。原因・課題が見つかれば、それを解決するだけで営業成績がアップするかもしれません。
また、より高い営業成績を収めたい場合は、今回解説した「コツ」をチェックしておきましょう。
失敗する原因を理解し、成功のコツを習得して賃貸営業を成功に導きましょう。
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