記事公開日:2021/12/15
最終更新日:2023/11/16
いくらAIやDXが発達・普及しても、営業職においてお客様とのコミュニケーションが重視されることに変わりはありません。特に、初めて商談を行うお客様とのコミュニケーションにおいて話が弾まないとなると、せっかく準備した商談も前進しないような気がしてしまうものです。
そこで今回は、会話術を磨くテクニックを紹介します。また、会話が苦手な人の特徴や、会話術を磨くための具体的な方法についても解説していきますので、実践的な会話術を身につけたいと考えている方もぜひチェックしてみてください。
なお、賃貸仲介業者の営業担当者にはどうすれば会話術が磨かれるかの具体的手法も公開します。店舗責任者の方から営業初心者まで必読の内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
※下記の関連記事では賃貸営業で成功するためのコツをまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。
目次
普段何気なく行っている会話ですが、会話の仕方1つで、お客様と良好な関係性を築けるかどうかが決まります。
会話はコミュニケーションの基本であり、会話術は多くのビジネスパーソンに求められる技能です。特に、お客様からの信頼・信用が重要な不動産営業において、会話術は身につけておきたいスキルのひとつです。
会話術において大切な要素は、正しい日本語を使うことを前提にしたうえで、大きく「話す力・聞く力」の2つに分かれます。この2つのポイントは後述するので、スキルアップしたい人はチェックしてみてください。
会話術とは、日常生活やビジネスなどさまざまな場面において対人面で発生する「会話」をより盛り上げるための技術のことをいいます。会話術は技術であり、生まれ持った才能ではありません。毎日の意識や練習で身につけることが可能なスキルです。
会話術を体得することで、円滑なコミュニケーションが育まれます。人間関係を構築しやすくなり、日常生活はもちろんのこと、ビジネスシーンにおいては営業活動に成果をもたらすなどの良い効果が期待されます。
下記2本の関連記事(応酬話法、SPIN話法)もチェックするとスキルアップにつながります。
ここでは会話の苦手な人がやってしまいがちな話し方を3つ解説します。原因も含めて解説するので、自分に該当するポイントがないか見てみましょう。
自分が話すことに必死になりすぎるあまり、相手の意見を聞けていない人は会話が苦手な傾向にあります。人は自分の話を聞いてくれる人に好感を持つため、会話術の上達のためには、まずは「聞き役」に回ることを意識しましょう。
まずは「話を聞いてほしい」という相手の欲求を満たせるよう、適度に質問などを挟んで相手の話を引き出すことが大切です。
自分の話す内容が多すぎる場合、本当に伝えたい内容が埋もれてしまうかもしれません。相手が理解できる情報量やスピードを意識して話すことが大切です。
また、ビジネスシーンにおける会話の基本は6W2Hであり、そのポイントは以下のようになります。
これらを意識的に話すことで、必要な情報を的確に伝えられます。余計なことを話して時間を浪費するしまう心配がほとんどなく、時間のない相手でもスムーズに会話できるようになるでしょう。
ネガティブな発言や余計な発言が多いことも、会話が苦手な人の特徴です。そもそも相手の立場や置かれた状況、会話の流れや相手の気にしているポイントなどへの理解ができていないと、悪気はなくてもネガティブな発言をしてしまう可能性が高まるため注意が必要です。
会話をうまく進めていくためにも、「これを言われたら相手はどんな気持ちになるか?」と、常に相手の立場に立った発言を心がけましょう。
会話とはキャッチボールであり、相手がキャッチしやすい場所にボールを投げることで、相手もまた良いボールを自分に返してくれるものです。そのため、相手が投げてくれたボールに対して注文をつけるような言動は慎むべきといえるでしょう。
会話術においても同様で、相手の意見や意思表示、趣味や嗜好に対して否定的な発言をするのは原則NGです。会話とはより良い人間関係の構築のために行うべきであり、討論や議論、指示や指導の場とは一線を画するものです。
会話を行う目的を考えても、相手の話を頭ごなしに否定してプラスに働くことなどありません。きちんと相手の話を聞き、理解しようとする姿勢を心がけましょう。
会話は一方的な状況では発生しません。会話をしている相手が話をしてくれる人であれば良いのですが、口数が少ない人である場合も少なくありません。そのため、相手が話を返しやすいように、会話の最後に質問をすることを心がけましょう。
ここで注意したいのは、「質問を質問で返すようなことはしてはいけない」ということです。きちんと相手方の質問に答えたうえで、相手方に質問をして会話を広げることに注意しましょう。
質問を質問で返すことは良いことですが、会話の流れが質問によって断ち切られてしまっては意味があまりありません。
たとえば趣味の話になったとき、「趣味は何ですか?」と聞いたとき「サイクリングです」と答えられたとしましょう。会話を広げるためには、「かっこいいですね。長くやっていらっしゃるんですか?」「健康的な趣味ですね。学生時代から体育会系だったんですか?」など、サイクリングという相手が発した言葉から連想・派生される質問をすると良いでしょう。
「趣味はサイクリングです」と言われたとき、「今日の髪型はおしゃれですね。美容院で整えているんですか?」などと返してしまうと、「どうして髪型のことを話したんだろう…?」と相手はぽかんとしてしまうことになりかねません。会話では、相手の発した言葉をよく聞くことが重要なのです。
会話術のスキルが高い人には、いったいどのような特徴があるのでしょうか。会話術は今からでも身につけることができるスキルですが、努力の方向性を間違えてしまうと習得に苦労することになります。以下に紹介するポイントを意識し、少しずつ練習していくようにしてください。
基本的なことですが、話を聞くときは相手の目を見て話しましょう。そして、笑顔で聞き、笑顔で返すことが、会話スキルを高めるコツといえます。
ぶっきらぼうな人と話が盛り上がるということは、そう多くはありません。「この人と話がしたい」と思わせるためには、相手の目を見て「話をちゃんと聞いてくれている」と信頼してもらうことが必要です。そして、笑顔で話をすることで、楽しいという印象を抱いてもらうようにすることも重要といえるでしょう。
人の話を聞くときは、適度な相槌を打つことが重要です。
当たり前ですが、自分の話をきちんと聞いているかどうかなんて、正直なところわかりません。しかし、「聞いています」という意思を表示することで、相手は安心して話をすることができるようになります。
会話術に長けた人の特徴として、「どんな話題であっても会話が途切れない」というものがあります。ただし、これは「森羅万象のすべてに対して知識がある」ということではありません。「どんなテーマの会話であっても相手に質問することでその場を持たせることができる」ということが本質です。
たとえば、「趣味は盆栽です」と相手が話したとしましょう。盆栽に関する知識がある人はそれほど多くはないと思いますが、盆栽に対する質問ならいくつか考えられるはずです。
具体的には、「盆栽については不勉強で知らないのですが、1本の松が盆栽と呼べるものになるまでどのくらいの時間がかかるのですか?」「そもそも盆栽ってどういうことをするのですか?」などです。わからないこと、知らないことを聞くのも会話のひとつです。そのため、「知らない話題を楽しむことができる人=会話に長けている人」といえるかもしれません。
どんなに笑顔で相手の目を見て会話をしていても、相手に理解できる言葉で話をしていなければ意味がありません。たとえば、ビジネス現場で使う横文字を日常生活で使用してみたり、業界内の専門用語を別業界で使用してみたりするようなことが挙げられます。もちろん、状況によっては仕方がないケースも少なくありますが、高い確率で「その言葉ってどういう意味?」などと相手に疑問を持たせてしまうことになるため注意が必要です。
また、妙に難しい言い回しなども、会話術という観点からは避けた方が良いでしょう。「いかに相手が受け取りやすいところにボールを投げられるか」を意識すべきです。
二度目や三度目にお会いした方と、以前お会いしたときやそのときの状況に関連した会話をすることも有効です。
たとえば、初めてお会いした相手から「お嬢様である○○ちゃんの誕生日が近い」という情報を得たとしましょう。この場合、次にお会いしたときに「お嬢様の誕生日はどうでしたか?」と聞いてみてください。そうすることで、相手は「覚えてくれていたんだ」とうれしくなり、その後の会話が盛り上がるようになります。
会話術に長けていると、それだけで営業活動のみならず日常生活においてもさまざまなメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのかどうか、次項で詳しく見ていきましょう。
「初対面の人とうまく話せない」と悩んでいる方は多いでしょう。しかし、会話術に長けていれば、初対面の人であってもすぐに打ち解けることができ、仲良くなることができます。
会話が弾むということは、自分に対し心を許してくれるということになります。言い換えれば、「本音を引き出すことができる関係」ともいえます。ビジネスや趣味を軸とした人間関係ではなく、人間本位を軸とした良好なコミュニケーションの形成に役立つでしょう。
コミュニケーションは、社外に限らず社内においても必要です。コミュニケーションに長けた人は、上司や他部署からの相談事が自分に集まりやすい傾向にあります。また、重大なプロジェクトや重要会議への参加が求められるようになるなど、社内で一目置かれる存在になりやすいほか、そこから出世につながるケースも少なくありません。
人間本位の軸をベースとした人間関係が築かれることによって、自然と仲良くなり、誘ったり誘われたりということも増えてくるでしょう。いつも1人で食べているランチなども、同僚のみならずお客様や友達とともにすることで、その輪がより広がるようになるはずです。
少々打算的に思われるかもしれませんが、会話に自信を持つことができれば、異性との会話もそつなくこなすことができるようになります。異性との会話の機会や回数が増えることにより、恋愛のチャンスが増え、将来のパートナーも見つけやすくなるのもひとつのメリットといえるでしょう。
お客様に好かれるための会話術として、ここからは話し方に関するポイントを8つほど解説します。不動産賃貸仲介営業でも使える具体的な方法もご紹介しますので、無理のない範囲で実践してみてください。
自己紹介では、はじめに信頼と共感につながるような内容を盛り込みましょう。ビジネスシーンでは、取り扱っている商品やサービスの中身だけではなく、どんな人が取り扱っているか、どのように販売しているのかといったポイントも重要になります。商品・サービスの質が高くても、担当者や会社が信頼されなければ、お客様に選ばれることはありません。
そのため、第一印象の要となる自己紹介では、信頼・共感してもらうための自己開示(自分の情報を出す)が大切です。不動産仲介営業でいえば、今住んでいる物件を選んだ理由や家族構成、出身地や物件選びで大切にしているポイントなどが挙げられます。ただし、初対面での長々とした自己紹介は敬遠されがちなので、タイミングを見ながら自己開示してみましょう。
また、対面での会話のみが会話術であるとは限りません。昨今の賃貸仲介営業では、飛び込みのお客様のみならず、反響の対応も重要な業務といえます。反響の対応では、どうしてもお客様からの質問とその回答という流れに終始してしまいがちですが、回答に留まらず追加の質問と提案を行い、信頼関係を強めていきましょう。
具体例としては、特定の物件に対する反響で初期費用の見積依頼があったとき、近隣で同じような物件があればそちらの見積もりを添えて物件提案してみるなどです。「初期費用は安いものの月々のコストが高い」「駅から3分ほど遠くなるだけで○万円家賃が安くなる」など、顧客にとってメリットとなる違いが必ずあるはずです。
お客様からの質問に答えるだけではなく、その質問をされる意図や意味についても深く考えましょう。
相手の名前を呼び、目を見て話すことで「1人の人間」として会話していることを伝えられます。ビジネスシーンにおいて、お客様の不安や疑問、気になるポイントなどを会話のなかで探ることも多いでしょう。このときお客様と距離感のある状態では、より深い会話ができません。
お客様との距離を少しでも縮められるよう、相手の名前を呼び、親しみを持って接しましょう。これに加え、目を見て話すことで、より誠実な印象を与えやすくなります。もちろん、友達のような言葉遣いになってはいけませんので、最低限のマナーを守りつつ会話を進めていくようにしてください。
飛び込みのお客様であれば、可能な限り丁寧に対応しましょう。一方、反響のお客様であれば過去のやりとりを見返し、会話を盛り上げる「会話のネタ」をいくつか準備しておくことをおすすめします。誠実さに面白さや新鮮さをプラスさせるための会話術を発揮して、お客様を虜にしましょう。
相手の話し方・ペースに合わせることで、信頼関係を築きやすくなります。これはペーシングとも呼ばれる技術です。会話のスピードやリズム、声の調子などを合わせて会話することで相手との一体感が生まれ、信頼を得やすくなります。
商談の場においても、初対面の相手と会話する際にはペーシングを意識してみましょう。安心して会話してもらえるようになるほか、うまく相手の要求を探ることができるようになります。
情報量を抑え、伝えたい内容を明確にすることにより、相手の話をより深く聞くことができるようになるため、前述した6W2Hを意識して話をまとめてみましょう。
お客様への提案が伝わりやすくなるほか、気になる点があればお客様から質問してもらえるようになります。会話の中にあえて隙を作り、お客様とコミュニケーションを取ってみてください。
賃貸仲介営業でいえば、自己紹介も終わり、場が和んだところで、今日の商談の流れを説明すると良いでしょう。
【具体例】
具体例を交えながら会話すると、お客様は商品・サービス購入後のイメージがしやすくなります。「リーズナブルな商品」「注目度が高い」といった抽象的な会話では、使用感やメリットなどがわかりません。実際に使用した際のイメージを持ってもらうためにも、なるべく具体的な情報を盛り込むように意識しながら会話を進めましょう。
不動産仲介営業においても、たとえばクローゼット付きの物件であれば、「大きいクローゼットがあると便利」のような抽象的な表現ではなく、「玄関に近い位置にあるのでコートなどの収納に便利」「奥行きがあるのでウォークインクローゼットのような使い方もできる」など、具体例を交えながら紹介をしてみましょう。
また、会話術に自信がない人は、SNSなどにアップされている「映えた」写真を見せるのもひとつの手です。このようにすることで、よりはっきりとしたイメージを持たせることが可能です。自分に適した物件かどうかを判断してもらうために、入居後の生活をイメージできるような情報をさまざまな方法で提供してみてください。
商談をうまく進めるためにも、本音・価値基準を会話の中で聞き出すことは重要なポイントです。不自然にならないよう、以下の方法で探っていきましょう。
多くの賃貸仲介の営業担当者は、自分の物件探しに関する経験を話した後は、「○○様の場合は○○のこだわりはございますか?」といったような質問をします。自己開示は相手に安心感を与えるほか、お客様から本音を聞き出すことにも役立つのです。
また、「頭を前方に出す」という仕草は興味・好意がある表現といわれています。もし会話の中でこのようなボディーランゲージがあれば、そこにお客様の本音が隠れているのかもしれません。お客様の本音・価値基準を探りながら、本当の要望が叶えられるような提案を行いましょう。
商談中にこちらが説明を続けても、お客様に理解されていなければ意味がありません。お客様からの質問がない、こちらが提案しても返事が曖昧といった場合は理解されていない可能性があるため、以下のポイントを押さえながら話を進めるようにしましょう。
一方的に話し続けても、相手からの理解は得られません。話をまとめつつ、相手に考える余裕を作りながら会話してみましょう。
特に会話に苦手意識を持っている人にとって、沈黙が続いてしまうことは避けたいものです。そこで、会話の内容(ネタ)をいくつか用意しておくことで、不安なく会話をすることができるようになります。
会話のネタとは、時事ネタや最近の出来事など、雑談に近いことでも構いません。お客様の緊張を和らげて、次の会話につなげられるようなネタを用意することが大切です。
上記のように、物件の周辺で起きた出来事や便利なスポットなど、お客様がイメージしやすい内容を盛り込んでみましょう。もしお客様の反応が薄ければ話題を変えつつ、リアクションが良い話題を探してみるようにしてください。
ここからは、お客様に好印象を持ってもってもらうために必要な聞き方に関するポイントを5つ解説します。こちらも一般的な会話術ですが、しっかりと身につけておくことで商談をスムーズに進められるようになります。
会話中は適切なリアクションを取り、話を聞いていることをアピールしましょう。「笑う」「頷く」「驚く」といったリアクションを取ることで、相手は自分に興味を持ってもってもらえていると感じるようになります。
相手の感情に合わせたリアクションを取ることで、より信頼感を深められます。これは「ミラーリング」と呼ばれるテクニックですが、あまり多用しすぎると効果が半減してしまうため、タイミングを見ながら実践する必要があります。
相手の話の内容に合った質問を交えることで、会話をきちんと聞いている、興味があることを示せます。話をただ聞いているだけでは、「本当にわかってくれるのかな?」と、お客様に不安を抱かせる可能性があります。
基本的に、相手の話を理解していなければ質問することはできません。そのため、こちらからの質問は話を聞いている証拠とも言えるでしょう。安心してお客様に話してもらうためにも、耳を傾けながら適宜質問することも大切です。
会話の中でお互いの共通点を見つけて、お客様の要望を引き出しましょう。お客様の話を聞き、自分にも共通する点があれば、そこから会話を発展させていくことができます。
たとえばお互いに「食べることが好き」という場合、キッチン設備の充実した物件や、飲食店の多いエリアなどの方向性で会話を進められます。おすすめ・行きつけのお店なども紹介できれば、より親近感を持ってもらえるかもしれません。
聞き役に徹している間は共通点・共通ポイントを探りながら、お客様の要望を汲み取ることへも気を配りましょう。
否定的な言葉を使用しないことにより、お客様の意見を尊重しながら会話を進められます。具体的な方法は以下のようになります。
イエスアンド法は、「そうですね、実は○○という設備もあるんです」といったように情報を追加します。イエスイフ法は「おっしゃる通りです、もし家賃が安くなる場合は再度検討していただけないでしょうか」と仮定の話から会話を進めます。
どちらの場合でも、お客様の意見を否定せず、一度受け止めてから会話を進めていくようにしましょう。
相槌を打つなど会話を広げるために共感の意を示すことも重要ですが、根本的な部分で相手の話の腰を折るようなことがあってはいけません。これは、「結論を最後に持ってくる」といった話し方をする方がいるためです。話を聞くときは、これが最も伝えたいことだといえる結論を受け取ることを心がけてください。
商談の場においては、お客様との共通点や会話の盛り上がりポイントを見つけると、すぐに食いついてしまいがちです。状況によって異なりますが、自己紹介の場で出身地が一緒というケースでは、早めに食いついた方が得策といえます。これは、自分・相手の双方が会話の糸口を探しているためです。
しかし、商談の最中ではそこをぐっとガマンすべきです。一通り話を聞いたうえで、「先ほど○○という話がありましたが、非常に共感しました。実は私もこのような経験がありまして…」と返すことで、相手の意見を取り違えることなく話を進めることができます。
賃貸仲介の営業担当者では「押しが強い営業」をする人がいますが、ゴリゴリと一方的に話を進めるのが押しの強い営業ではありません。本当に強い押しとは、強弱が効いていることと理解しましょう。
ここからは、会話のスキルを高めるために実践したい、おすすめの方法を3つご紹介します。
同僚や上司とロープレ(実践形式での練習)を行い、実務での会話術を磨きましょう。ロープレの際は、実際にお客様と会話することを想定して進めていきます。このとき、自分の会話を録音して聞き返すとより効果的です。
ロープレが終わった後は、会話のトーンやテンポ、リアクションなどに不快な表現がなかったかをチェックしましょう。また、継続してロープレを行い、数週間後の変化を確認することも成長を実感するためには大切です。
初対面の人とも積極的に話し、ビジネス会話に慣れておくことも重要なポイントです。お客様との会話の多くは初対面の状態からスタートします。同僚や上司とのロープレにはない、初対面ならではの緊張感にも慣れておかなければなりません。
また、人によって質問の仕方や気になるポイントなども異なります。臨機応変な対応力を身につけるためにも、初対面の人との会話は積極的に行いましょう。
興味・関心の幅を広げて、お客様が自由に会話できる準備をしておきましょう。スムーズに会話できる内容が数パターンしかない場合、お客様の会話についていけなくなってしまう恐れがあります。
お客様に適切な提案をするためにも、興味・関心の幅を広げて柔軟に対応できる会話力を身につける必要があります。普段からさまざまな方面へアンテナを張り、興味・関心のないジャンルからの情報をキャッチする習慣を身につけておきましょう。
少々恥ずかしい方法ですが、思い切って自分のトークを録音して後で聞き返してみましょう。最初は抵抗を感じますが、徐々に慣れていくため大きな問題はありません。また特におすすめしたいのは、先述したロープレの内容を記録することです。
改善すべきポイントが修正されていれば自身の成長記録となるほか、社内的にも良い教材になるからです。とりわけ、ロープレは上司の主観により問題点や改善点が定義されますので、成果や方向性が人によって異なるというデメリットが存在しています。しかし、さまざまなロープレ記録が積み重なることにより、ある人によっては許せることもある人にとっては許せないというグレーゾーンをあぶりだすことができます。
なお、録音ではなく録画にするのも有効です。これにより、ちょっとしたクセも直せるようになります。また、会話術というトークスキルに留まらず、服装や態度という客観視できない部分に対しても改善することが可能です。
お客様との会話や特徴は、そのときは鮮明に残っていてもたくさんのお客様と接する中で忘れてしまうものです。そのため、賃貸仲介業者や新規開拓を生業とする営業担当者は、カレンダーやスケジューラーに面談の内容を箇条書きで残しておくことをおすすめします。
残しておく内容はささいなことで構いません。あくまでも会話の入り口になれば良いので、ネクタイの色やボールペンの種類、会話の内容の切れ端程度でも次回の会話に十分役立つことでしょう。
※下記2本の関連記事ではおすすめスケジュールアプリ、メモアプリを紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
言葉の使い方や間の取り方などを意識することで、徐々に会話がうまくなっていきます。まずは、どのような会話がNGなのかを把握して、自分の会話術に足りていない部分を見直しましょう。
また、会話術を磨くことでお客様からの印象が良くなり、新たなビジネスチャンスを作れる可能性も上がります。難しいところもあるかもしれませんが、今回ご紹介した話し方・聞き方のポイントを押さえて会話のスキルを高めていきましょう。
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