記事公開日:2022/05/05
最終更新日:2022/09/18
賃貸物件を探しているお客様にとって、内見は住みやすさや希望条件に合っているかを確認する大切な工程のひとつです。そして、不動産賃貸営業マンにとってはお客様とコミュニケーションが取れる機会で、案内の品質が成約を左右するといっても過言ではありません。今回は、営業マンが内見(物件案内)をスマートに行うコツを紹介していきますので、自身のスキルアップや成約率のアップにお役立てください。
目次
営業マンにとっての内見は、賃貸契約をしてもらうまでのステップのひとつかもしれません。しかしお客様にとっては、画像や間取りだけでは把握しきれないサイズ感や希望条件に合っているかをチェックする大事な工程であり、納得のいくまで何度も内見に臨むケースも少なくありません。
営業マンもお客様も、お互いに時間を取って物件を見るという点は同じですが、それぞれ目的が異なります。お客様が持つ内見に対するイメージを理解することが、物件案内をスマートに行うコツになることを覚えておきましょう。
内見は、目的地に到着してからではなく出発前から始まっているともいわれているため、まずは内見前にチェックするポイントを見ていきましょう。
クロージングは内見を終えてからというイメージがあるかもしれませんが、出発前にある程度済ませておきましょう。内見前にクロージングをしておくと、当日申し込みになるかどうかを見極めることができます。
賃貸契約の申し込みでは、契約金のおおよその額や契約入金・審査の流れの説明、必要な書類などの準備をしなくてはいけません。事前にクロージングをして、当日申し込みの可能性があるとわかっていれば、申し込みに必要な情報を準備できるので内見もスムーズに進められます。
当日申し込みにはならなそうな場合、入居予定日や契約金のおおよその額を調べておけば十分なので、準備に余分な時間を取られることはありません。内見前のクロージングは難しいと思うかもしれませんが、「まだ内見前ですが、もし良い物件があれば決められそうですか?」と聞き、その返事次第で申し込みの有無を判断するのがベターです。
申し込みの見込みがない場合、内見を渋りたくなるかもしれません。しかし、内見自体を渋ると信頼を失ってしまう可能性があります。特に慎重なお客様の場合は、たとえ申し込みをしようと思っていても、内見で確認をするまでは契約に関して触れないこともあるので、協力的な姿勢は崩さないようにしましょう。
内見先まで案内するときも、スマートにエスコートできるようにしましょう。物件までの距離にもよりますが、案内中もお客様とのコミュニケーションが取れる大切な時間なので、無駄にしないことがポイントです。では、どのようにコミュニケーションを取っていけば良いのかを見ていきましょう。
成約率を上げるには、希望条件に合致した物件を案内するのはもちろん、信頼を獲得することも重要です。どんなに良い物件でも、営業マンが信頼されていないと、お客様は「契約をしても大丈夫だろうか」「この物件は本当に良い物件なのか」など不安を感じるかもしれません。
希望条件を暗記して再度確認し、今の住まいにどのような不満があるのかなどをヒアリングしながら案内をすれば、お客様との距離も縮まり信頼も得やすくなります。ただし、会話が苦手なお客様もいるので、タイプによっては無言でもOKです。
雑談が得意ではない、口下手というのであれば無理に話す必要はありません。下手に喋ろうとすると、失言をしてお客様を不快にさせてしまうおそれがあります。口下手の場合は、確認が必要なことや物件情報などを話す程度にして、喋りすぎないことを意識しましょう。
営業マンによって営業スタイルは異なり、内見中の対応の仕方も多岐にわたります。しかし、自分の営業スタイルでなかなか成約にいたらないという場合は、内見中の対応に問題があるかもしれないので、内見中の対応方法を見直してみましょう。
内見の際には、お客様のために詳しい説明をしたくなるかもしれません。しかし、内見はお客様が物件の確認をするための場なので、邪魔をしないようにすることが大切です。お客様が自由に物件を見て回れるように配慮をしつつ、積極的に話しかけないよう注意しましょう。
いくら喋らなくて良いといっても、お客様からの質問にはできるかぎり迅速に答えるのが鉄則であり、曖昧な返事ではお客様を不安な気持ちにさせてしまうおそれがあるため注意してください。もし、わからないことがある場合は曖昧にせず、「大家さん(管理会社)に確認します」などうやむやにしないことを示し、その場もしくは内見後に答えられるようにしましょう。
内見が終わると、営業マンとしては契約をするかどうか確認したくなるところですが、急かしてしまうとお客様の不信感に繋がるので気をつけてください。賃貸契約はお客様が「自分で決めた」と思うことが大事なので、スマートに契約に繋げるためのポイントを押さえておきましょう。
物件を見に行った後の車内では、今回の内見の総括(棚卸)をするのがベストです。複数の物件を内見すると情報が混乱し、どの物件の何が良かったかあまり覚えていないというお客様も少なくありません。内見で得た情報を整理してお客様に覚えていただくために、内見の棚卸の提案をしましょう。
「一番気に入った物件はどこでしたか?」「暮らしやすそうな物件はありましたか?」など、それぞれの物件を振り返れるような質問をすると、お客様も内見の記憶を呼び起こしやすくなります。その際、「あの物件は早めに申し込んだ方がいいですか?」「契約金はいくらぐらいかかりますか?」など契約に結びつきそうな質問が来たら、最終的なクロージングに進みましょう。
性別や年齢によって異なりますが、内見後は疲れているお客様が多いので、無理に契約を迫るのは止めておきましょう。疲れているところにしつこく契約の話をしてしまうと印象を悪くしてしまい、契約に結びつかないこともあります。契約の話に乗り気ではない場合には、「後日ご連絡いたします」と再度連絡をする旨を伝えるだけにしておきましょう。
営業マンにとって内見は日々の業務のひとつであり、気を抜いてしまうとおざなりになりがちです。しかし、お客様にとっては自分が次に暮らす家を見つける大事な工程なので、常にお客様目線を心がけて丁寧な内見を行いましょう。たとえ同じことの繰り返しであっても、お客様の立場に立った内見をすれば新しい発見があるかもしれませんので、自身の成長に繋げるためにも目的意識を持って内見に臨んでみてください。