記事公開日:2022/05/05
最終更新日:2023/11/17
賃貸仲介営業を始めてまだ成果を出せていない人は、「内見で差をつけて誰よりも早く成果を出したい!」「効率よくスマートに内見できる方法が知りたい…」といったお悩みがあるのではないでしょうか。賃貸に関わらず、不動産の営業で内見は腕の見せどころです。その分、上手くできる人とそうでない人とでは、成果が大きく変わってしまいます。筆者も、新卒で賃貸仲介営業を始めた頃は、成果が出ませんでした。しかし、先輩方から現場で教えられた方法を都度メモして実行することで、約3ヶ月で安定して成約を取れるようになりました。
結論、大切なのは、内見時にお客様のニーズ(大切にしている条件)を正しく把握できているかどうか、お客様から信頼してもらっているかどうかです。この記事では、その理想の状態にするために、以下に分けてそれぞれ詳しく解説しています。
賃貸仲介営業マンとして、今すぐ成果を出したい!と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
※下記の関連記事では賃貸営業で成功するためのコツをまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。
目次
営業マンにとっての内見は、賃貸契約をしてもらうまでのステップのひとつかもしれません。しかしお客様にとっては、画像や間取りだけでは把握しきれないサイズ感や希望条件に合っているかをチェックする大事な工程であり、納得のいくまで何度も内見に臨むケースも少なくありません。
営業マンもお客様も、お互いに時間を取って物件を見るという点は同じですが、それぞれ目的が異なります。お客様が持つ内見に対するイメージを理解することが、物件案内をスマートに行うコツになることを覚えておきましょう。
賃貸仲介営業では、内見が肝です。内見時にお客様の信頼を高められるか?お客様の考えや潜在的なニーズ、大切している条件などを探れるかによって、成果が大きく変わってきます。賃貸仲介営業マンが内見時に力を入れるべき3つの理由と、それぞれのポイントを解説します。
内見時には、真摯な姿勢をアピールし、信頼を勝ち取る努力をしましょう!内見に行く道中や内見の行動は、すべてお客様にチェックされていると思ってください。
イメージすると良いのが、一流のホテルマンです。自分がホテルマンになって接客をしているつもりで行動すると、自然と真摯な姿勢を見せられます。例えば、以下のような行動です。
これらはほんの一部ですが、意外にできていない賃貸仲介営業マンが多いため、簡単に差別化できます。なお、売買仲介営業ではできていないと、上司から叱責されるレベルです。
一流のホテルマンだったらどうするかをイメージして、ぜひお客様からの信頼を勝ち取ってください。
内見時には、ヒアリングや提案時にはわからなかった、お客様の性格やタイプがわかります。内見時は、お客様はリラックスしており、本音が出やすいためです。内見の道中は雑談などを交えながら、お客様と積極的に話をしてみましょう。
私は、内見時にお客様のタイプを見極めるようにしていました。人間は簡単に分類できるほど単純ではありませんが、次の2タイプのいずれの傾向が強いかだけでも把握できれば、内見から戻ってからの提案がやりやすくなります。
<明るいフィーリング思考型>
このタイプの人に有効な提案方法は、「皆~だ」「~が人気」「~なら同行者(彼女など)も喜ぶのでは?」などです。人を重視するため、人との繋がりや人気度などを絡めて提案してみると良いでしょう。
<暗めの論理思考型>
このタイプの人に有効な提案方法が、「~の方がお得」「〜よりは安い」「〜の方が〜帖広い」などです。実利を重視するため、人気度などをおすすめしてもあまり響きません。数字を絡めて提案すると良いでしょう。
お客様の潜在的なニーズを捉えることは、賃貸仲介営業にとって極めて重要です。なぜなら、お客様の希望条件をすべて満たす物件はこの世にないからです。妥協できるところと、そうでないところを内見時の反応や会話の中で探りましょう。
例えば「共益費込みで6万円まで」で「駅徒歩5分以内」、さらに「築年数は10年未満」といった条件をすべて満たすのが難しい場合、なぜその条件が必要なのかそれぞれ聞きだしましょう。
上記の場合、「駅徒歩5分以内」が妥協してもらえるポイントになります。確実に抑えなければいけない条件を、内見時のリラックスした会話の中で探りましょう。
内見は、目的地に到着してからではなく出発前から始まっているともいわれているため、まずは内見前にチェックするポイントを見ていきましょう。
クロージングは内見を終えてからというイメージがあるかもしれませんが、出発前にある程度済ませておきましょう。内見前にクロージングをしておくと、当日申し込みになるかどうかを見極めることができます。
賃貸契約の申し込みでは、契約金のおおよその額や契約入金・審査の流れの説明、必要な書類などの準備をしなくてはいけません。事前にクロージングをして、当日申し込みの可能性があるとわかっていれば、申し込みに必要な情報を準備できるので内見もスムーズに進められます。
当日申し込みにはならなそうな場合、入居予定日や契約金のおおよその額を調べておけば十分なので、準備に余分な時間を取られることはありません。内見前のクロージングは難しいと思うかもしれませんが、「まだ内見前ですが、もし良い物件があれば決められそうですか?」と聞き、その返事次第で申し込みの有無を判断するのがベターです。
下記の関連記事ではテストクロージングのコツやポイントについて詳しく解説しているので、こちらも一度読んでおくと良いでしょう。
申し込みの見込みがない場合、内見を渋りたくなるかもしれません。しかし、内見自体を渋ると信頼を失ってしまう可能性があります。特に慎重なお客様の場合は、たとえ申し込みをしようと思っていても、内見で確認をするまでは契約に関して触れないこともあるので、協力的な姿勢は崩さないようにしましょう。
大前提として、事前準備は完璧に済ませておきましょう。特に、車の清掃と事前に用意しておくべきものは、車に必ず積んでおくと効率的です。
<車の清掃>
車の清潔さは常に意識して綺麗に保ちましょう。どれだけ良い提案や会話ができていても、お客様が乗車する際に、少しでも嫌な思いをしてしまうと大きなマイナス要因となります。
<車に積んでおくべきもの>
上記3つは、必須で車に積んでおきましょう。傘は急な雨に対応でき、スリッパは物件に用意されていないことも多いため、あると好印象を持たれます。また、ウェットティッシュは、お客様が何かこぼしたときなどにサッと差しだせるとスマートです。お客様ファーストの精神で、必要なものは何か?考えるようにしましょう。
内見先まで案内するときも、スマートにエスコートできるようにしましょう。物件までの距離にもよりますが、案内中もお客様とのコミュニケーションが取れる大切な時間なので、無駄にしないことがポイントです。では、どのようにコミュニケーションを取っていけば良いのかを見ていきましょう。
成約率を上げるには、希望条件に合致した物件を案内するのはもちろん、信頼を獲得することも重要です。どんなに良い物件でも、営業マンが信頼されていないと、お客様は「契約をしても大丈夫だろうか」「この物件は本当に良い物件なのか」など不安を感じるかもしれません。
希望条件を暗記して再度確認し、今の住まいにどのような不満があるのかなどをヒアリングしながら案内をすれば、お客様との距離も縮まり信頼も得やすくなります。ただし、会話が苦手なお客様もいるので、タイプによっては無言でもOKです。
雑談が得意ではない、口下手というのであれば無理に話す必要はありません。下手に喋ろうとすると、失言をしてお客様を不快にさせてしまうおそれがあります。口下手の場合は、確認が必要なことや物件情報などを話す程度にして、喋りすぎないことを意識しましょう。
※下記の関連記事もチェックしてみてください。
営業マンによって営業スタイルは異なり、内見中の対応の仕方も多岐にわたります。しかし、自分の営業スタイルでなかなか成約にいたらないという場合は、内見中の対応に問題があるかもしれないので、内見中の対応方法を見直してみましょう。
内見の際には、お客様のために詳しい説明をしたくなるかもしれません。しかし、内見はお客様が物件の確認をするための場なので、邪魔をしないようにすることが大切です。お客様が自由に物件を見て回れるように配慮をしつつ、積極的に話しかけないよう注意しましょう。
いくら喋らなくて良いといっても、お客様からの質問にはできるかぎり迅速に答えるのが鉄則であり、曖昧な返事ではお客様を不安な気持ちにさせてしまうおそれがあるため注意してください。もし、わからないことがある場合は曖昧にせず、「大家さん(管理会社)に確認します」などうやむやにしないことを示し、その場もしくは内見後に答えられるようにしましょう。
下記5本の関連記事は内見時のお客様からの「この物件は雨漏り、湿気・結露・カビ、収納、防音ってどうなの?」「ゴキブリ出ないですよね?」に対して役立つ情報なので1度チェックしてみてください。
内見が終わると、営業マンとしては契約をするかどうか確認したくなるところですが、急かしてしまうとお客様の不信感に繋がるので気をつけてください。賃貸契約はお客様が「自分で決めた」と思うことが大事なので、スマートに契約に繋げるためのポイントを押さえておきましょう。
物件を見に行った後の車内では、今回の内見の総括(棚卸)をするのがベストです。複数の物件を内見すると情報が混乱し、どの物件の何が良かったかあまり覚えていないというお客様も少なくありません。内見で得た情報を整理してお客様に覚えていただくために、内見の棚卸の提案をしましょう。
「一番気に入った物件はどこでしたか?」「暮らしやすそうな物件はありましたか?」など、それぞれの物件を振り返れるような質問をすると、お客様も内見の記憶を呼び起こしやすくなります。その際、「あの物件は早めに申し込んだ方がいいですか?」「契約金はいくらぐらいかかりますか?」など契約に結びつきそうな質問が来たら、最終的なクロージングに進みましょう。
性別や年齢によって異なりますが、内見後は疲れているお客様が多いので、無理に契約を迫るのは止めておきましょう。疲れているところにしつこく契約の話をしてしまうと印象を悪くしてしまい、契約に結びつかないこともあります。契約の話に乗り気ではない場合には、「後日ご連絡いたします」と再度連絡をする旨を伝えるだけにしておきましょう。
賃貸仲介営業マンがよくつまずく、内見時の失敗例と解決策を解説します。
皆がよく体験してつまずくポイントは、実は前提となる考え方が間違っていることが多いです。あらかじめ理解しておくだけで、他の賃貸仲介営業マンと差をつけられるでしょう。ぜひ参考にして、明日から実践してみてください。
お客様が求めている条件をすべて満たすものは、基本的にありません。妥協できない条件とそうでない条件を見極めることがとても大切です。
詳しくはこの記事内の『③お客様が潜在的に抱えている希望条件などが分かる』をご参照ください。
お客様は、背中を押してほしいと思っている可能性があります。なぜなら、自分の判断だけで決めるのは気が引けるからです。「不動産の専門でもない自分が、本当にこれで決めて良いのか?」と心の中で思っている人も多いでしょう。そんなときには、賃貸仲介営業マンであるあなたが「良い物件ですね!これにしましょう」と気持ち良く声掛けをすることで、お客様は気持ちを固められます。しかし、重要な点は、それまでに営業マンが信頼を獲得できているかどうかです。
ファッションを例にして、詳しくご説明します。
私は、ファッションセンスに自信がありません。そんな私でも、たまには少し高めのオシャレなお店に入ることがあります。そんなとき、自分が「これが良い!」と思っていても、なかなか決断できないことがあります。自分の判断に自信がないからです。しかし、それまでに接客してくれた店員さんが「確かにこのデザインは今人気がありますし、おすすめですよ!」といってくれると「これでいっか!」と決断できます。一方で、話す中で「何か合わないな…」「話し方が雑な人だな…」などとマイナスイメージを持っているときは「おすすめですよ!」が響いてきません。
つまり、背中を押すべきタイミングまでに信頼を勝ち取れるかが、営業には大切です。もし、背中を押してもなかなか決め切らないお客様がいた場合は、まだ信頼してもらえていない可能性があります。自分の接し方や接客姿勢に問題がなかったかどうか、振り返るようにしましょう。
お客様からの質問や疑問がない場合は、まだお客様が興味を持てていない可能性があります。お客様に限らず、人間は興味があることにしか疑問を持ちません。結果として、質問も出てこないでしょう。それを賃貸仲介に当てはめて考えた場合、質問が少ない理由として以下が考えられます。
本気でない場合に深く追求する必要はありませんが、物件をイメージできていなかったり、賃貸仲介営業マンにまったく興味がなかったりする場合は問題です。提案方法を変えたり、話し方、身だしなみなどを変えたりすることで、改善できるでしょう。特に、提案方法は相手に合わせて変える必要があります。論理的なタイプの人に「人気があります!」は通用しません。
詳しくは、この記事内の『②お客様の性格やタイプが見えてくる(人間は大きく2つのタイプに分かれる)』をご参照ください。
営業マンにとって内見は日々の業務のひとつであり、気を抜いてしまうとおざなりになりがちです。しかし、お客様にとっては自分が次に暮らす家を見つける大事な工程なので、常にお客様目線を心がけて丁寧な内見を行いましょう。たとえ同じことの繰り返しであっても、お客様の立場に立った内見をすれば新しい発見があるかもしれませんので、自身の成長に繋げるためにも目的意識を持って内見に臨んでみてください。
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