記事公開日:2022/02/09
最終更新日:2022/09/18
革靴は、ビジネスパーソンにとって欠かせない仕事道具のひとつであり、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、日々の業務で疲れてしまい、革靴の手入れができずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、革靴の正しい手入れ方法について解説します。また、ベストなタイミングやクリームの選び方などもご紹介しますので、革靴の手入れに困っている、どんな道具を使っていいのかわからないという方はぜひチェックしてください。
目次
革靴の手入れを怠ると、以下のようなトラブルが発生します。
まずは上記の内容について詳しく見ていきましょう。
定期的にスーツをクリーニングに出し、センスの良いネクタイや時計をして気を配っているものの、革靴にまで意識が回っていないビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。革靴が汚れていると、細部まで気を使えない人というイメージをお客様に持たれてしまいます。お辞儀をするときなど、足元は相手の目に入ることが多いので注意が必要です。
特に、不動産など高額な商品や商材を扱う場合、革靴の状態で営業成績が変わってくることも少なくありません。細部にまで気を使えない人は、仕事もいい加減と思われたり、靴を磨く余裕もない人だと思われたりして、お客様からの信頼を失ってしまうのです。
革靴を手入れすれば、味わいのある変化を楽しめます。しかし、手入れをしないとただ劣化していくだけであり、長年履いていない状態が続くとカビが生えてしまうことも少なくありません。
人間は、1日歩くだけで両足から約コップ1杯分の汗をかくと言われています。手入れをせずに湿気が抜けないまま履き続けると、カビが発生しやすくなるのです。
靴屋や大手の通販サイトなどで革靴のケア商品を購入している方も多いのではないでしょうか。値段や種類もさまざまあり、どれにしようか迷ってしまう方も少なくありません。一般的に、革靴の手入れには以下のものが必要です。
ブラシ(馬毛ブラシ・豚毛ブラシ) | クリーナー |
クロス | クリーム |
ワックス | シューキーパー |
防水スプレー |
馬毛ブラシは毛先が柔らかく、ホコリなどの汚れ落としに使用します。また、豚毛ブラシ毛先が硬く、クリームを馴染ませるために使います。
汚れを落とすためのもので、メイクを落とす際のクレンジングのような成分が含まれています。
汚れ落としやクリームを塗る際に使用します。靴磨き専用のクロスも販売されていますが、着古したコットンのTシャツでもかまいません。
革靴に栄養を与えるために使います。
革靴に光沢を出すために使用します。
革靴にできる履きジワや反り返りを復元します。
雨や汚れを防ぐスプレーです。
上記の商品を揃えることで革靴のケアができるので、値段や使いやすさなどを考慮し、自分に合ったものを使ってみてください。
ここからは、革靴の基本の手入れ方法を5つのステップで解説していきます。
上記の順番で行うことで、今まで使っていた革靴がきれいになる他、傷や劣化なども抑えられます。大事なポイントもあるので、ひとつずつ見ていきましょう。
革靴についた汚れやホコリは、馬毛ブラシでブラッシングします。馬毛ブラシは毛先が柔らかいものの、力を入れすぎると表面に傷がついてしまうため、肩の力を抜いて靴全体をブラッシングするのがポイントです。なお、縫い目にもホコリが溜まっているため、忘れずにブラッシングしましょう。
ブラッシングでホコリを落としたら、指に巻いたクロスにクリーナーをつけます。かかとなどの目立たない部分から汚れを落としていき、その後全体に薄く塗っていきます。
ここでの注意点は、クリーナーを直接革靴に塗ったり、適量以上に塗りすぎたりしないことです。シミになる可能性があるため、適量を必ず布に取ってから塗布するようにします。
クリーナーで汚れを落とした後は、クリームで革に栄養を与える工程に入ります。コーヒー豆1粒分をクロスに取り、万遍なく塗っていきます。履きジワは、シワの流れに沿って塗り込んでいきましょう。
クリームを塗る際には、過剰に塗らないよう注意してください。ツヤを出すためにたくさん塗ってしまうと、反対にツヤが出にくくなります。クリーナーで汚れを落とした際、クロスに前回のクリームがべっとりと付着していたらクリームの塗りすぎなので、量を調整しましょう。
クリームを塗って革靴を保湿したら、豚毛ブラシでクリームを馴染ませます。このブラッシングにより、余分なクリームを弾くことも可能です。
ムラにならないよう、ミシン目や履きジワに溜まったクリームも忘れずにブラッシングしましょう。豚毛ブラシがなければ、布で乾拭きしてもかまいません。
最後に防水スプレーをかけて仕上げます。防水スプレーは、水分はもちろん油分からも守るので、汚れがつきにくくなる効果があります。
仕事中、突然の雨で革靴が濡れることも少なくありません。革靴を濡れたまま放置すると、カビが生えたりシミになったりするため、帰宅後の手入れは欠かせません。
帰宅したら、革靴の表面についた水分をタオルなどで押しつけるようにしながら拭き取っていきます。内側にも水が入り込んでいる場合は、新聞紙やタオルなどを革靴の中に詰めましょう。このとき、靴底が地面についたままだと乾きにくいため、革靴を斜めに立てかけて陰干しするのがポイントです。
また、新聞紙やタオルは湿ったら入れ替え、常に乾いたものを詰めるようにしましょう。陰干しをして革靴が半乾きの状態になったら、型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れます。再び斜めに立てかけ、風通しの良い場所で完全に乾くまで数日間放置してください。
早く乾かそうと考え、ドライヤーを使って乾かす方も多いのですが、ひび割れの原因となるためドライヤーの使用はやめましょう。梅雨の季節などに備え、防水機能のある革靴を用意するのもおすすめです。
最後は革靴をクリームで保湿します。雨に濡れた革靴は油分がなくなっているため、革靴が完全に乾いたらクリームを塗って油分を補給しましょう。
革靴の手入れは、10回程度履いたら基本の手入れを1回行うのが良いと言われています。クリーナーやクリームを毎日塗ってしまうと、反対に革を傷めてしまいます。
しかし、クリームなどは塗らなくとも、基本の手入れは毎日欠かさずに行ってください。シューキーパーを入れて馬毛ブラシでブラッシングし、最後に布で乾拭きをするだけです。数分で終わるので、毎日の手入れを習慣化しましょう。
手入れに使うクリームには、主に以下の4種類があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
乳化性クリームは、水・油・ロウを主成分としてできています。水と革に栄養を与える油、ツヤを出すロウが混ぜ合わさっており、それぞれの特徴を活かしたバランスの良いクリームです。肌のスキンケアにたとえるなら、保湿クリームと言えます。
乳化性クリームは伸びが良く、革に栄養を与えツヤも出ます。乳化性クリームだけで革靴のケアができるので、靴磨きに慣れていない方や、新卒の営業マンの方などにおすすめです。
乳化性クリームがスキンケアなら、油性クリームはメイクにあたります。油とロウが主成分で、光沢を出すためのクリームですが、革に栄養を与えるものではないため、「乳化性クリームだけでは光沢が足りない」「もっとツヤを出したい」という場合に使用します。また、水分も含まれていないため、乳化性クリームと一緒に使うようにしましょう。
油性クリームは、乳化性クリームよりも硬くて伸びにくいため、塗りムラができる可能性があります。初めて油性クリームを使う際には、かかとなどの目立たない部分で試してから使ってみてください。
ワックスは光沢を出すためのクリームですが、油性クリームよりもさらにツヤを出す鏡面磨きのために使います。油性クリームと同じく主成分は油とロウですが、油性クリームは油の量が多い一方、ワックスはロウの割合が大きくなります。
ワックスは保湿効果がなく、あくまで光沢を出すためのものです。傷や雨から守る役割も多少ありますが、通気性が悪くなる点には注意が必要です。
ワックスは使い方がほかのクリームと異なり、つま先とかかとだけに塗ります。使い方にコツが必要ですが、革靴をピカピカに光らせたい人はワックスの使用がおすすめです。
デリケートクリームは、革靴に水分と油分を与えるものです。主成分は水と油で、約8割が水分とされており、スキンケアでたとえるなら化粧水のイメージです。乳化性クリームと異なりロウが入っていないため、ツヤ出し効果はありません。
また、デリケートクリームは革靴以外の革製品にも使用できます。ただし、スエード革・ヌメ革・エナメル革には使えないため注意しましょう。デリケートクリームは、革靴が雨に濡れたときや新しく革靴を購入したときなど、集中的に潤いを与えたいときの使用におすすめです。
革靴は手入れだけでなく、保管方法にも注意が必要です。以下の2つのポイントを押さえて保管しましょう。
毎日使っている革靴を休ませるために使用するのがシューキーパーです。靴の形状を保つために、靴に似た形の器具を装着します。特に革は変形しやすいため、型崩れを防ぐためにも、シューキーパーに入れて保管することが大切です。
シューキーパーを使うことで、型崩れだけでなく履きジワによるひび割れも防げます。また、木製のシューツリーであれば吸湿効果があり、場合によっては悪臭を抑える効果もあります。
革靴を長持ちさせたり、型崩れを防いで履き心地を良くしたりするためにも、シューキーパーを装着する習慣をつけましょう。装着が面倒であれば、靴を取り出した場所にシューキーパーを置いて、帰宅後に無理なく装着できる環境を作るなど、習慣化させるための工夫に努めましょう。
靴箱は湿気が溜まりやすく、カビが繁殖しやすい環境です。数日置きに使う革靴であれば、手入れをしてシューキーパーに入れればいいのですが、長期的に保管する場合は注意が必要です。
湿気が溜まらないように靴箱を開けて換気をしたり、靴箱に除湿剤を入れたりしましょう。また、風通しの良い場所で定期的に陰干しするのも有効です。やっかいなカビが生えないように、自分にできる方法と実践してみてください。
ボロボロの革靴を履くのはお客様への信用にもかかわってくるため、定期的に磨いたり、汚れを取ったりする必要があります。シューキーパーに入れる、ブラッシングをするなど簡単な手入れを毎日行い、10日に1回ほどはクリームを用いた基本の手入れをしましょう。手入れされた革靴は、長持ちするだけでなく、お客様への好印象に繋がります。
自分は見られていないと思っていても、気づかないところで多くの方がチェックしています。営業成績をアップさせるためにも、毎日の手入れを習慣化し、きれいな革靴でお客様に対応してみてください。