記事公開日:2022/04/21
最終更新日:2022/11/01
商談や打ち合わせの際、相手との距離を縮めたり、打ち解けたりするために欠かせないのがアイスブレイクです。アイスブレイクは緊張した雰囲気をほぐすために行いますが、「何を話していいかわからない」といった悩みをお持ちの営業マンも多いのではないでしょうか。
今回は、営業中のアイスブレイクの目的や成功させるポイントをご紹介します。また、アイスブレイクにふさわしい話題とタブーな話題についても解説していきますので、日々の営業活動にお役立てください。
目次
アイスブレイクとは、雑談によって緊張した場をやわらげるために行うコミュニケーション術のひとつです。氷のような冷たい場を「アイス(氷)」にたとえ、それを「ブレイク(打ち砕く)」することからアイスブレイクと呼ばれています。
特に、初対面の相手とはお互い緊張しているため、コミュニケーションがスムーズに進みません。相手の警戒心を解くためにも、アイスブレイクは大切なスキルなのです。
営業におけるアイスブレイクの目的は、主に以下の4つです。
ひとつずつ見ていきましょう。
初対面の相手との商談は、説明をする営業担当者も、説明を受ける相手も緊張するものです。挨拶後すぐに本題に入ると、相手は話を聞く準備ができておらず、話の内容が頭に入りません。自分だけでなく、相手の緊張をほぐすためにもアイスブレイクは必要なのです。
訪問後にいきなり仕事の話をすると、相手との距離は縮まりません。営業マンに対して警戒心を抱いていることになり、この状況ではたとえ顧客に有利な提案であっても聞く耳を持ってくれない可能性があります。
初対面の営業マンと気心知れた営業マンがいる場合、多くの人は後者の営業マンから商品やサービスを購入したいと考えます。契約はお互いの信頼関係があってこそ成立するものであり、まずは相手との関係性を築く必要があります。
商談の場では、顧客は「聞くだけ」になり、営業担当者の一方通行になることも少なくありません。これでは商談相手から本音を引き出せず、契約が破談になってしまうおそれがあります。
アイスブレイクで相手の緊張を解き、顧客に主体性を持ってもらうことで、会話のキャッチボールが成立します。また、相手からの本音が引き出せればニーズがわかり、商談を有利に運ぶことが可能です。
営業におけるアイスブレイクは、商談成立のために重要な役割を持っています。しかし、実際にどのような話題を振ればいいのでしょうか。
アイスブレイクにふさわしい話題は、「木戸に立てかけし衣食住」を話題にすると、会話がしやすいといわれています。これは、「季節」「道楽」「ニュース」「旅」「天気」「家族」「健康」「仕事」「衣料」「食」「住居」の頭文字を取った語呂合わせです。ここでは特に使いやすい話題である以下の5つをご紹介します。
それぞれの内容について見ていきましょう。
顧客のオフィスや居住エリアなど、地域に関する話題はアイスブレイクにふさわしいといわれています。たとえば、スポーツの話題は幅広く、場合によっては相手が知らない可能性もありますが、エリアに関して知らないという方は少ないからです。
上記のように、立地や周辺情報について褒めたり質問したりして会話を進めてみてください。
業界に関する話題は顧客にとって身近な話題であり、会話も弾みやすいとされています。また、業界について詳しく調べていることをアピールでき、相手に好印象を与えられます。
不動産営業の場合、戸建てやマンションの動向、家賃相場などの話題を振るのがベターです。また、顧客から話を振られる可能性もあるので、新聞で取り上げられているトピックには軽く目を通しておき、話を膨らませましょう。
アイスブレイクの話題でも特に話題にしやすいのが天気のことです。
天気や気温の話は誰とでもしやすいため、会話のきっかけとして使うことができます。
オフィス訪問や内見の移動中に、飲食店や料理を話題にするのもおすすめです。
自身の体験や顧客の出身地に合わせ、話の内容を変えてみるのもおすすめです。顧客の反応が良ければ、さらに深堀して聞くことも可能です。
また、取引先のオフィス周辺でおすすめの飲食店を教えてもらい、次回の打ち合わせまでに実際に食事をして感想を述べると、「自分のおすすめしたお店に行ってくれた」と大いに喜ばれます。
家族の話題は子育てなど話のネタが豊富で、会話が途切れにくい話題のひとつです。不動産営業の場合、一緒に現在の住まいや理想の間取りについて聞いてみるのもおすすめです。
営業担当者「先日子どもが小学校に入学したのですが、思わず涙ぐんでしまいました」
顧客「私も先日、子どもの卒業式で泣きそうになりましたよ」
営業担当者「卒業式だったんですね。お子さんは今おいくつですか?」
お子さんの話題は空気がなごみやすい話題ですが、相手によっては家族の話題が向いていない場合があります。人によっては「プライベートなことを話したくない」という場合もあるので、相手の反応を見ながら注意して話を進めていきましょう。