記事公開日:2022/02/24
最終更新日:2023/11/16
「スーツのクリーニング費用を抑えたい」「自宅でスーツをメンテナンスしたい」といった人は、アイロンがけの手順やポイントを押さえておくことが大切です。専門的な知識は必要ないため、アイロンがけが初めての人でも問題ありません。基本的な知識とポイントを理解しながら、自宅でスーツのアイロンがけを実践してみましょう。
今回は、スーツへのアイロンがけに関して、ジャケット・スラックス・スカート別の手順やポイントを解説します。賃貸仲介業の営業マンが意識すべき「清潔感」にも触れながら解説するので、「成約率をアップさせたい」「顧客からの信頼を得たい」といった人も要チェックです。
※下記の関連記事では賃貸営業で成功するためのコツをまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。
目次
シワや傷みのないスーツは清潔感があるため、ビジネスシーンでは相手に好印象を与えられます。とくに賃貸仲介会社の営業職など人に接する機会の多い人であれば、大事なお客様からの信頼感にもつながります。成約率アップ・営業成績アップにつながる可能性もあるので、以下のポイントを押さえてアイロンがけを習慣化させてみましょう。
<アイロンがけを行う前に押さえるポイント>
とくに複雑なこともなく、何度か実践して慣れていけば短時間で終えられます。自分自身の清潔感を高め、顧客からの信頼を得るために、休日などを利用してスーツへのアイロンがけを行ってみてはいかがでしょうか。
スーツのアイロンがけをする際は、事前に4つのポイントを押さえておくときれいに仕上がります。とくに賃貸仲介業の営業マンは顧客と接する機会が多いため、清潔感へ配慮するためにも必ず押さえておきましょう。
スーツのアイロンがけでは、当て布を使うと生地の傷みやテカリを抑えられます。当て布をするとアイロンから伝わる熱が分散されるため、デリケートな繊維でもアイロンがけしやすくなります。ただし、素材に合わない温度でアイロンがけしてしまうと、当て布をしていても傷む可能性があるので注意が必要です。
スーツのテカリ・傷みは、「身だしなみに気を遣わないのかな?」など、ネガティブな印象を与えかねません。こちらの提案に集中してもらい、顧客から信頼・信用を得るためにも、ネガティブな要素(テカリ・傷み)は排除しましょう。
アイロンの適切な温度設定は生地の素材によって異なるため、素材別の適切な温度設定を守りましょう。
温度設定 | 具体的な温度 | 素材の種類 |
低 | 80~120℃ | アクリル・ポリウレタン・アセテート |
中 | 140~160℃ | 毛・絹・ポリエステル・キュプラ・レーヨン・ナイロン |
高 | 180~210℃ | 麻・綿 |
スーツの場合は化学繊維(ポリエステル・ナイロン)やウールなどが使われるため、アイロンがけをする際は140℃が目安です。当て布をして素早くアイロンを動かすことで、素材の傷みやテカリを防げます。
アイロンを強く押し当ててしまうと生地の表面がつぶれてしまいます。平らになった表面で光が均等に反射することで、スーツの「テカリ」が発生してしまうため、スーツのアイロンがけは優しく押し当てるイメージで行いましょう。
スーツのアイロンがけは優しく押し当てつつ、同じところを何度も往復しないことがポイントです。万が一テカリが出てしまった場合は、以下の方法を試してみましょう。
軽度なテカリであれば、ブラッシングによって解消できます。また、お酢には繊維を柔らかくする働きがあり、水と混ぜてテカリ部分を湿らせるとテカリ解消効果に期待できるので、テカリの部分が気になったときはぜひ試してみてください。
スーツのアイロンがけをする際は、スチームアイロン(蒸気が出るスチーム機能搭載のアイロン)がおすすめです。前述のとおり、スチームはテカリ解消に期待できます。
さらに、高温のスチームは殺菌効果も見込めるため、臭いの原因である菌の除去にも有効です。物件案内や内見の際、スーツから漂う臭いで顧客に不快感を与えてしまっては、落ち着いてコミュニケーションを取れないおそれがあります。スーツは普段着のように洗濯できないので、スチームアイロンで臭いの除去も行いましょう。
また、手軽さを求める場合は衣類スチーマーでも問題ありません。もし、自宅にスチームアイロンやスチーマーがない場合は、以下の方法で代用できます。
スチームアイロンのようなシワ取り効果は期待できませんが、軽いシワであれば水分を含ませて乾燥させるだけでも取り除けます。乾かすときは直射日光を避け、風通しの良いところに吊るしましょう。
また、アイロンがけで重要なことは「水分を与えること」です。生地を湿らせると繊維が膨らみ、水分が蒸発する際にシワを伸ばしてくれます。
ここからは、ジャケットをアイロンがけする際の手順とポイントを6つ解説します。
ジャケットのアイロンがけに必要な道具は次のとおりです。
温度設定は140℃を目安に、当て布をしながら優しく押し当てるようなイメージでアイロンをかけましょう。何度も同じ場所にアイロンを当ててしまうと、生地を傷める原因となるので注意してください。また、ジャケットは自身の第一印象にも影響するため、次項の順番を丁寧に守ってシワを取り除きましょう。
ジャケットの肩・袖はラインが崩れないようにアイロンをかけましょう。ジャケットはアイロン台へ着せるように置き、肩の上部からアイロンをかけていきます。このとき、肩のラインを崩さないよう、優しく丁寧にアイロンをかけるときれいに仕上げられますが、強く押し当ててしまうと肩にパットが入っていても形を崩すおそれがあるので注意してください。
前見頃(ジャケットの前面部分)は左右片方ずつにアイロンをかけていきます。このときもジャケットをアイロン台へ着せるような形で置くと、アイロンをかけやすくなります。
前身頃はボタンやポケット、ラペル(下襟)などがあり、強く押し当てるとシワを作ってしまうので、優しくプレス(押し当てる)するようなイメージでアイロンをかけてください。襟の部分は裏側からアイロンをかけ、形を整えていきましょう。
襟の部分は、芯地を引っ張りながらアイロンをかけるとシワが取れやすくなります。襟は構造が複雑なので、以下の手順に沿ってアイロンがけを行いましょう。
注意点として、アイロンを強く押し付けると襟の立体感が崩れてしまうので、優しく押し当てながらアイロンをかけてください。
ジャケットの背中は、中央から外側に向かって広げるようにアイロンをかけます。この場合も、ジャケットをアイロン台へ着せるように置いておくと、アイロンがかけやすくなります。また、アイロンを持っていない手で背中のシワを伸ばしながらかけると、より効果的にシワが取れるので意識してみてください。
ジャケットの腕は、形やラインが崩れないよう優しくアイロンをかけましょう。腕は立体的な形をしており、強く押し付けてしまうと立体感がなくなるため、他の箇所よりも丁寧かつ優しくアイロンがけを行ってください。また、腕の内側に丸めたタオルなどを詰めると、シワも伸びて立体感が保てます。
ここからはスラックスのアイロンがけについて、手順やポイントを解説します。
スラックスのアイロンをかける際は、以下の道具を用意します。
ジャケット同様、スラックスも140℃を目安に当て布をしながら優しい力加減でアイロンをかけてください。
腰まわりは裏地からプレスするようにアイロンをかけていきます。前・後の面を同時にプレスしないよう、スラックスをアイロン台にはかせるようにして置き、片面ずつアイロンをかけることがポイントです。
また、前面にはファスナーがついているので、アイロンにあたらないように注意してください。アイロンの熱で溶けてしまうおそれがあります。
膝部分は、アイロンを若干浮かせるようにかけていきましょう。浮かせながら蒸気をかけることで、生地のたるみ解消効果が期待できます。
また、縫い目やセンターラインがある場合は、これらに沿ってアイロンをかけることが大切です。適当にアイロンをかけてしまうと、スラックスの折り目が複数できてしまうので注意しましょう。
裾は片手で押さえながら、股下までアイロンをかけます。動かないように固定しておかなければ、たるんだ箇所が新たなシワとなってしまうので注意してください。また、スラックスのセンター(折り目)を意識してアイロンをかけると、次に解説するセンタープレス(折り目付け)がスムーズに行えます。
最後はセンタープレスを行って、スラックスにきれいな折り目をつけていきましょう。裾の折り目に沿って、アイロンを軽くプレスしていきますが、このときアイロンを滑らせてしまうときれいな折り目がつかなくなるので注意してください。また、折り目をつける際は片足ずつアイロンをかけ、仕上がりを確認しながら行いましょう。
シワを伸ばして折り目をつけることで、「だらしない」「不潔」といったネガティブな印象は持たれにくくなります。賃貸営業で成果を得るには、顧客からの信頼が必須です。顧客の潜在ニーズを引き出すためにも、スラックスの折り目・シワ伸ばしは丁寧に行いましょう。
最後に、スカートのアイロンがけの手順とポイントをご紹介します。
スカートのアイロンがけを行う際は、以下の道具を用意しましょう。
アイロンの温度設定は他と同じく140℃が目安です。ただし、スカートの裏地には熱に弱い素材が使われていることも珍しくはないため、当て布をしながら温度を下げた状態でアイロンをかけましょう。
まずはスカートを裏返し、腰から裾に向かってアイロンをかけていきます。スカートはアイロン台へはかせるように置くと、アイロンをかけやすくなります。ただし、アイロン台に入らない場合は無理にスカートを通す必要はありません。
アイロンをかける際は、腰から裾へまっすぐ線を引くようにアイロンを動かします。アイロン台を軸に、スカート自体を回しながらアイロンをかけていきましょう。
また、裏地は透け防止などを目的に、表とは異なる素材の生地が使われていることもあります。熱に弱い可能性があるので、低温からスタートして様子を見ながらアイロンをかけることが大切です。
スカートを表側に戻し、気になるシワをアイロンで取り除いていきますが、表側に戻す際、生地がたるんでいないことを確認してください。仮にたるんでいる場合、アイロンをかけたあとに新たなシワができてしまう可能性があります。また、お尻部分など丸みのある箇所は、そのなかにタオルを入れると立体感を保ったままアイロンがけできるので試してみてください。
スカートの裾は、横方向へ動かすようにアイロンをかけます。このときも、スカートを回転させながらアイロンをかけると効率的です。
また、空いた片手で裾を固定し、生地がたるまないようにしましょう。横方向にアイロンを動かしていると生地がたるみ、アイロンによるシワができる可能性があります。
シワや生地のたるみは、顧客にだらしない印象を与えかねません。賃貸といえども、顧客にとっては大きな買い物です。安心感を与え信頼してもらうためにも、細かい部分まで目を配ってシワを丁寧に取り除きましょう。
時間がないときでも手軽にできる、スーツのシワを取る方法について解説します。アイロンがなくてもシワを取り除ける方法なので、勤務先や出張先などでも試せます。
以下の手順で霧吹きを使うと、スーツに残った多少のシワは取り除けます。
<霧吹きの使い方>
水をかけすぎるとスーツを傷める原因となるほか、乾燥に時間がかかります。そのため、シワのある箇所をピンポイントで湿らせる程度に留めましょう。シワを伸ばす際も、スーツを引っ張りすぎないよう注意してください。
また、風通しの良い日陰であれば、スーツの日焼けを防ぎつつ、スーツのなかにこもった湿気まで取り除けます。臭いの発生源であるカビや雑菌の繁殖も防げるため、直射日光の入らない窓際などへ干してください。
注意点として、湿らせた箇所をドライヤーで乾かすのは避けましょう。スーツの縫い目が縮むおそれがあり、場合によっては生地が傷んでしまう可能性があります。
シワ取りスプレーであれば、スーツのシワを取り除きつつ、消臭や除菌効果などにも期待できます。
<シワ取りスプレーの使い方>
スーツの傷み防止のためにも、スプレーは吹きかけすぎないよう、注意してください。風通しの良い場所であれば、10分程度で乾きます。
また、シワ取りスプレーには消臭や除菌など、シワ取り以外の機能を備えたものも多くあります。清潔感が求められる賃貸営業マンは、多機能なシワ取りスプレーを持参しておきましょう。自宅用だけではなく携帯用も販売されているので、訪問先でも使用できます。
湿気のある浴室の場合、以下の手順でスーツのシワを取り除けます。
<浴室での干し方>
おおよそ30分程度で完了するので、時間のない朝などは他の準備・作業の前に行うと良いでしょう。ただし、浴室内に湿気が溜まっている状態でしか効果を発揮しないので、朝のシャワー後などに干すことをおすすめします。
また、「①霧吹きでシワを伸ばす」でも解説したように、天日干しやドライヤーはスーツの日焼け・傷みにつながるので、乾かす際は必ず「風通しの良い日陰」の場所を選んでください。湿気の吸収&自然乾燥により、スーツに染み込んだ汗や雑菌の発散効果にも期待できます。
日々の手入れによって、スーツは見た目の清潔感を維持できます。1日10~20分程度でも簡単な手入れはできるので、清潔感が重要な賃貸営業マンはスーツの手入れを習慣化させましょう。
スチームアイロンであれば、ハンガーにかけたままアイロンがけできるタイプも販売されています。殺菌による消臭効果にも期待できるため、顧客からの悪印象を避けるためにもおすすめです。
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