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リモートワークに適した賃貸物件とは?主な特徴やおすすめの人、賃貸仲介営業で成功する提案のコツを紹介

記事公開日:2023/09/27

最終更新日:2023/10/07

リモート・テレワーク向け賃貸物件

近年、コロナ禍を過ぎてもなお、リモートワークが新しい働き方として認知されています。多くの人々がさまざまな理由から、自宅で仕事をすることを求めているのです。そこで今回は、リモートワークに適した賃貸物件について解説します。

賃貸仲介営業において、その仕事の性質上から、リモートワークやテレワークを行うことは非常に困難です。しかし、世間では、リモートワークやテレワークが一般的な勤務形態となっています。あらためてその中身を整理して把握することは、今後の賃貸仲介営業において必要であることは明白です。

今まで、特にリモートワークについてお客様から問い合わせがなかった場合であっても、今後リモートワークに関する問い合わせには対応していかなくてはいけません。さらに、今現在はお客様がリモートワークを必要としていなくとも、出産や育児によりリモートワークを選択する可能性もあります。この機会にしっかりと、リモートワークと賃貸物件の関係を理解するようにしましょう。

※下記の関連記事では賃貸営業で成功するためのコツをまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。

リモートワークに適した賃貸物件とは

リモートワークに適した賃貸物件には、立地・間取り・インターネット環境など、さまざまな条件が想定されます。ライフスタイルや頻度、リモートワークで行う仕事内容などによって、必要となる条件が異なることに注意しましょう。

リモートワークに適した賃貸物件の需要・必要性

近年、テクノロジーの進化と働き方改革の重要性が浸透し、リモートワークの需要が急速に拡大していることが背景にあります。リモートワークが浸透した最も大きな事象は、コロナウイルスの影響でしょう。多くの企業がテレワークを導入し、労働者は自宅や外出先から仕事をすることが求められました。

そして、この動向は、社員の生産性向上や通勤時間の削減、ワークライフバランスの向上を促し、従来の働き方を見直す良いきっかけとなったのです。結果的には、コロナウイルスが一段落ついた現在においても、新しい働き方として定着しています。

企業と社員の双方が新たな働き方に適応したため、リモートワークは今後も重要な働き方の選択肢として成長していくでしょう。そのため、自宅を生活空間としての本拠としてのみならず、仕事場の一部としても捉える必要があります。賃貸物件においても、そのライフスタイルに呼応する必要性があるのです。

リモートワークに適した賃貸物件の主な特徴

それでは、リモートワークに適した賃貸物件には、どのような特徴があるのか見ていきましょう。実際のエンドユーザーがどのようなところを重視しているのか、賃貸物件を取り扱う賃貸仲介業者は知っておく必要があります。

オンオフがしやすい間取りや広さ

仕事とプライベートは分けたいと思うのが人の常です。自宅でくつろいでいるときに、仕事がちらほら目に入るようでは休まるものも休まりません。仕事をするスペースと、プライベートな空間を明確に分けられる賃貸物件がリモートワークに適しているといえるでしょう。

理想としては、仕事部屋として1室確保できると良く、さらにその部屋が施錠可能であればなお良いでしょう。それが困難であれば、LDKや居室の片隅にワークスペースを作ることになります。そのときは、パーテーションやカーテンで、仕切るような形にすることをおすすめしましょう。ウェブ会議で、生活感あふれる自宅が背景に映し出されることは避けたいものです。

インターネット環境

高速かつ安定したインターネット接続が確保されていることは、リモートワークにおいて非常に重要です。そもそもリモートワークは、インターネット環境なくして成立しません。

仕事でインターネットを利用するため、ウェブ会議や大容量のデータ転送がスムーズに行える環境がないと話にならないのです。

建物の防音性

リモートワークにもさまざまな職種がありますが、ウェブ会議システムを通じて、打ち合わせやプレゼンを行うことが想定されます。そのとき、外部からの音が頻繁に入ってきたり、自分の話し声が近隣住戸の迷惑になったりするようでは、仕事に集中できません。

仕事をするスペースですので、総じて静かな環境が求められることに注意しましょう。

下記の関連記事でも詳しく解説しているので、こちらも一度読んでおくと良いでしょう。

日当たりの良さ

仕事を行うにあたり、太陽の光を浴びたり感じたりすることは、リモートワークに限らず重要な環境といえます。賃貸仲介業者の方々でも、始業から就業時間まで事務所にこもって書類作成や物件登録を行っていると、いつもより疲れを感じた経験があるのではないでしょうか。

気分転換やストレスを感じないためにも、暗いところではなく、太陽の光を浴びられる環境は、仕事をするうえでも重要です。

賃貸仲介営業の担当者なら必ず知っておきたいリモートワークに適した賃貸物件がおすすめの人

次に、どのようなお客様に対して、リモートワークに適した賃貸物件がフィットするのでしょうか。お客様自身が気付いていなくとも、その可能性を事前にキャッチして提案することが、今後必要になるスキルであると考えられます。

リモートワークを取り入れている企業に勤めている人

当然のことながら、お客様本人がリモートワークの必要性に迫られている場合は、優先的にリモートワークを行う前提で賃貸物件を提案すべきです。

休みの日にパソコンを触る機会がある人

プライベートにおける調べもの程度であれば気にするまでもありませんが、どうしても仕事が気になってメールチェックをしないと気が済まないといった方もいらっしゃいます。また、本来望ましいことではありませんが、休日や夜間であっても海外の取引先から連絡が入ることも考えられます。

本格的にリモートワークをしない方であっても、暗にその需要があることを理解しておきましょう。

フリーランスや起業したての人

フリーランスとして働く人や、起業してすぐの人は、自宅で仕事をするのは珍しいことではありません。そのため、自宅で仕事ができる環境を作る必要があるため、リモートワークに適した環境に近い賃貸物件をおすすめしやすいでしょう。

副業をしている人

最近は副業を行うことも市民権を得ており、本業は会社に勤務して、帰宅後に副業を行うという方も多くいらっしゃいます。自宅で副業を行う方も、リモートワーク環境と近い賃貸物件がマッチするでしょう。

家事や育児を行っている人

育児や家事と両立しながらリモートワークをする場合、自宅の中で仕事ができる環境が求められます。よくウェブ会議中に子どもが乱入してくる動画がありますが、仕事とプライベートを分けるためにも、リモートワーク環境が整備された賃貸物件が必要です。

リモートワークに適した賃貸物件を希望するお客様に向けた賃貸仲介営業で成功するコツ

それでは、リモートワークを必要とするお客様や、将来必要となりうるお客様に対する接客ポイントをご紹介します。

※下記の関連記事ではヒアリングシートに取り入れるべき項目や、効果を高めるポイントついて解説してますので、こちらもチェックしてみてください。

①なぜリモートワークに適した賃貸物件にこだわっているのかヒアリングをする

リモートワークの必要性や、現在感じられている不満についてヒアリングをしましょう。

ヒアリングすべきポイントは、その方の必要性や頻度により異なります。また、お客様のリモートワークの経験値によってもその後の対応が変わりますので、分けて解説します。

リモートワークをすでに行っている方が賃貸物件を探すケース

リモートワークをすでに何らかの形で行っている方に対しては、現在のリモートワークの状況を事細かにヒアリングしてください。

現在住んでいる間取りと各部屋の利用用途、リモートワークの頻度、行っている仕事内容、現在のリモートワークにおいて賃貸物件に対する不満、理想のリモートワーク環境など、細かく整理する必要があります。さらに、住居としての賃貸物件に関するヒアリングを行うことで、具体的に提案すべき賃貸物件が見えてくるのです。

リモートワークや在宅ワークを始めるために賃貸物件を探すケース

今からスタートさせるお客様には、理想のリモートワーク環境と住居についてヒアリングを行います。すでにリモートワークを行っているお客様との違いは、リモートワークにおける注意点をこちらから、部屋探しのプロの視点を持って説明することです。

お客様の要望に基づいてお部屋探しをすることは重要ですが、それだけではリモートワークと住居の両立は困難といえます。リモートワークに適した賃貸物件の特徴で説明した内容をもとに、適しているかどうかを客観的にお伝えすることが重要です。

②家具のレイアウトをイメージする

リモートワークをするとき、仕事用の家具配置は極めて重要です。壁を背にすると開放感が生まれますが、リビングや居室に設置している家具や家電が目に入るため、集中力に欠けます。壁を正面にすると圧迫感を覚えますが、集中力が増すことが期待されますので、入力作業がメインの方には向いているでしょう。

また、窓に近いところに仕事スペースを設けると、手元に太陽光が射し込みます。自然の明るさを感じながら、仕事ができるでしょう。

このようなレイアウトを絡めて賃貸物件を提案することで、リモートワークをより生産性の高いものにできます。ひいては、お客様からの信頼を得ることにつながるでしょう。

収納をイメージする

リモートワークや副業をしたことのある方は経験があるかもしれませんが、ことのほか在宅で仕事をすると書類がたまりやすくなるものです。簡単に捨てるわけにもいかない書類を整理するためには、収納も必要となります。

1室をリモートワークスペースにするときは、あまり気にする必要はありません。しかし、リビングの片隅やニッチをリモートワークスペースにするときは、このあたりまで気にかけて提案を行うと印象が良いでしょう。

※下記の関連記事では誰もが悩む賃貸物件における収納問題について解説していますので、チェックしてみてください。

共用ワークスペースがある賃貸物件を提案する

まだまだ数は少ないですが、都心を中心として、共用部分にワークスペースが設置された賃貸物件も増えてきています。思い切って、こういった物件を紹介してみるのも一つの手でしょう。

ワークスペースを確保する手段を提案する

リモートワークを賃貸物件で実現しようとすると、どこか妥協しなければいけないことも出てくるものです。そういったときは、ワークスペースを確保する手段を提案してみるのも良いでしょう。

書斎スペースすら確保できそうになければ、ワークブースを室内に作る方法があります。突っ張り棒で作成しますので、原状回復の心配も軽減され、賃貸物件での導入も可能といえるでしょう。最近では、段ボール製のものも販売されています。

空間を仕切るまでに至らないときは、パーテーションの設置も考えられます。また、リモートワーク用のプライベートテントを利用する方法もありますので、積極的に提案してみてください。

まとめ

リモートワークのニーズがあるお客様への接客においては、賃貸物件知識だけで勝負するのは誤りです。リモートワーカーの方々がどのような悩みをお持ちなのか、そして賃貸物件で解決できないときは、関連商品を絡めてその悩みを解決していくのかなどによって、提案方法は変わってきます。

もはや賃貸仲介業者は、ライフスタイルに合わせてさまざまな事情や背景を把握しておかないと、務まらない職業になっているといえます。不動産業界自体にアナログな一面があることは否定しません。しかし、世の中の流れをきちんと把握して理解しておかないと「そんなこともわかっていないのか」とお客様に指摘される可能性もあるでしょう。

KS

この記事を書いた人

大学卒業後、賃貸仲介業や管理業を約4年間経験したのち、知人の独立を手伝い賃貸仲介会社を2社立ち上げ。後に賃貸管理業のプロパティマネージャーやアセットマネージャー、総合不動産会社での経営企画室室長としてのキャリアを積む。
現在は、賃貸事業、管理事業、注文住宅事業の立て直しのため、店舗店長を兼任し、マネジメントを行っている。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

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