エピソード

賃貸物件にゴキブリが!クレーム先と対応するケースを不動産会社が解説

記事公開日:2022/01/12

最終更新日:2023/11/16

ゴキブリ駆除する女性の見出し画像

入居者の住む賃貸物件にゴキブリが大量発生した場合、仲介した不動産会社がクレーム先となる恐れがあります。クレーム時の対応をスムーズに行うためにも、どのようなケースが考えられるのかを事前に想定することが重要です。

そこで今回は、クレームとなるケースやクレーム先の候補となる連絡先について解説します。クレームに対応した際のエピソードも交えて解説しているので、自分自身と置き換えながら参考にしてみてください。また、状況によっては解約となる可能性もあるため、どのような条件であれば解約に至るのかも解説していきます。解約にならないよう、入居者へ伝えるべきゴキブリの対策方法・ゴキブリが出やすい物件についてもチェックしておきましょう。最後まで目を通すことにより、入居者の行動やクレーム内容、対応方法などが見えてきます。

※下記の関連記事では内見(物件案内)のコツ(内見時に意識すべきポイント、潜在的なニーズを汲み取る方法、クロージングまでにとるべき行動など)をまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。

目次

【結論】賃貸物件にゴキブリが出てクレームを入れても”特定のケース”以外対応は期待できない

賃貸物件にゴキブリが出ても、特定のケース以外は大家さんや管理会社の対応に期待できないので注意が必要です。具体的に、どういったケースであれば対応してもらえるのか解説します。

“特定のケース”に該当するもの(大家さん・管理会社による対応が期待できるもの)

大家さん・管理会社による対応が期待できる特定のケースは以下のとおりです。

<対応が期待できる特定のケース>

  • 入居後間もなく、ゴキブリなどの害虫が頻繁に発生した
  • 管理会社の清掃不足が原因
  • 入居者に原因がなく、不自然に害虫が大量発生した
  • 近隣のゴミ屋敷が原因

ただし、上記のケースに該当していても対応してくれないこともあります。たとえば、賃貸契約書に「該当物件以外に害虫発生の原因がある場合、賃貸人(大家さん)は免責に該当する」といった旨の条件があると対応してもらうのは難しくなるでしょう。

賃貸物件にゴキブリが出てクレームを入れる場合の連絡先

賃貸物件にゴキブリが出たとき、クレームを入れる連絡先について解説します。

物件の大家さん・管理会社

賃貸物件にゴキブリが出たときは、まず大家さんや管理会社へ連絡して対応してもらいましょう。基本的に、大家さんは入居者へ適切な状態で物件を使用させる義務(民法601条)があります。

大家さんは、一定の限度で害虫を駆除し、入居者が安心して住める環境を提供しなければなりません。そのため、入居後すぐに物件内でゴキブリが大量発生したときは、まず大家さんへ相談してみましょう。完全駆除は義務づけられていませんが、害虫駆除業者を呼んで対応してもらえます。

また、大家さんが物件の管理を別の会社へ委託している場合は、管理会社へ連絡する必要があります。管理会社は物件の管理を大家さんに代わって行っているため、害虫被害に困っている旨を伝えれば対応してくれる可能性もあるでしょう。

不動産会社(自社管理物件の場合のみ)

住んでいる物件が不動産会社の自己管理物件だった場合、ゴキブリ発生などのクレームは不動産会社に伝えましょう。自己管理物件は、物件の清掃や保守、クレーム対応なども不動産会社の業務範囲です。このようなケースの場合、大家さんではなく不動産会社に連絡します。

ゴキブリが発生した状況や頻度などを詳しく伝え、対応を促しましょう。

【注意】賃貸仲介業者へ連絡しても対応ができない

賃貸仲介業者へ連絡しても、害虫駆除などの対応はしてもらえません。仲介業者の仕事は、物件の紹介や契約手続きなどがメインなので、クレームを入れても対応してもらえないでしょう。

入居中の賃貸物件を管理しているところ(大家さんや管理会社など)でなければ、問題が解決しないので注意しなければなりません。

ゴキブリのクレームに対応したことはある?実際のエピソード

実際に不動産業者が体験したエピソードをもとに、ゴキブリのクレーム対応がどのようなものか見ていきましょう。

<クレーム対応のエピソード>

  • クレームの内容(シチュエーション):ゴキブリがよく出る部屋に住んでいたお客様に、新規の物件紹介をした
  • 対応の有無:入居前に害虫駆除や侵入防止などの対策方法を伝えた
  • 結果:対策後はゴキブリ発生のクレームは来ていない

上記は、過去にゴキブリの発生頻度が高い部屋に住んでいた人に対し、新たな物件を紹介したときの対応エピソードです。実際にクレームが来たわけではなく、クレームを防ぐ意味で事前に対処しています。

この体験をした人が実際に伝えた対策方法は次の3つでした。

<主な対策内容>

  • 害虫駆除用の消毒剤を使う
  • エアコンホースなどの侵入経路にキャップをつける
  • 効果があるといわれる市販製品を教える

入居者の不安を少しでも抑えられるよう、過去の経験から効果的な方法を伝えたようです。新しく賃貸物件を探している人は、仲介業者の担当者へトラブルが起きた際の対応についても確認してみてください。

賃貸物件にゴキブリが出た場合、解約はできる?

パソコンを見ながら頭をかしげる男性の画像

賃貸物件にゴキブリが出た場合、物件の解約ができるかどうか解説します。

基本は合意解約(合意解除)となる

賃貸物件の解約は、入居者と大家さんが双方納得した上で行う合意解約(合意解除)が基本です。賃貸借契約書には合意解約について記載されていますが、その期間や条件などがない場合は法律に則った手順で解約を進めなければなりません。

<基本的な解約の流れ>

  1. 入居者は解約予定日の3ヶ月前に申し出る
  2. 大家さんが合意することで解約可能

上記の流れであれば、ゴキブリの発生などに関わらず解約できます。ただし、即時退去を申し出る場合は、違約金の支払いが発生する可能性もあるので注意が必要です。

即時退去となると、大家さんは次の入居者を見つけるまで収入が途絶えます。このリスクを回避するために、合意解約の条件として違約金の支払いに関する旨が契約書に記載されています。どのくらいの期間であれば即時退去とならないのか、違約金の額はどれくらいか、解約を検討している際は必ず確認しておきましょう。

また、フリーレント物件(入居後1~3ヶ月まで賃料免除)の場合、通常2年間は居住しなければなりません。期間内の解約により違約金が発生するケースも多いため、契約書の確認は必須です。

「債務不履行に基づく契約解除」に該当する場合

責務不履行に基づく契約解除に該当する場合、入居者は違約金を支払う必要はありません。債務不履行とは、どちらか一方が契約内容を満たせない、もしくは契約履行が遅い、といった場合に契約を白紙に戻す制度です。

「物件の大家さん・管理会社」にもあったように、大家さんは適切な状態で物件を貸し出さなければなりません。そのため、物件内に問題があれば、修繕などを行って状況を改善する必要があります。明らかに大家さんの対策不足が原因でゴキブリが大量発生した場合、債務不履行によって違約金の支払い義務はなくなるかもしれません。

ただし、債務不履行により契約が白紙になったとしても、入居時から支払い続けた家賃などのお金は返ってきません。これは民法620条にも定められています。敷金に関しては、部屋の清掃費などから差し引かれて余った分が返ってきます。

なぜ賃貸物件にゴキブリが出る?ゴキブリの生態

なぜ賃貸物件にゴキブリが出てきてしまうのか、その生態について解説します。

【日本にいる代表的なゴキブリの種類と特徴】

ゴキブリの種類特徴好物
クロゴキブリ・体長30~40mm、黒褐色・行動範囲が広いため、屋外からでも侵入する・湿気が多く、温かい場所を好む・メスは7~10日ごとに20~30個の卵を産む(生涯で17回程度)・雑食でなんでも食べる・植物(草や花など)
チャバネゴキブリ・体長10~15mm、薄茶色・群れを作る習性がある・寒さに弱いため、温かい屋内を好む・メスは1ヶ月に1度、30~40個の卵を産む・肉類を好む・水分の含まれるやわらかい食べ物
ヤマトゴキブリ・体長25~30mm、黒褐色・低温の場所に強い・メスは4~6日間隔で卵を産む・生息域が幅広く、屋内や樹木、下水溝など・雑食でなんでも食べる・植物(草や花など)

基本的に、ゴキブリは国内のどこにでも生息し、雑食なのでなんでも食べます。産卵ペースの速い種類のゴキブリもいるため、「1匹いたら100匹いる」というのも、あながち嘘ではありません。

次項からは、ゴキブリの侵入経路や具体的な対策方法を解説します。特徴を踏まえた上で、効果的な対策をしましょう。

ゴキブリの侵入経路

ゴキブリの侵入経路を7パターン解説します。

【ゴキブリの侵入経路】

侵入経路侵入方法
玄関・玄関の隙間はもちろん、開いていればそのまま入ってくる
・玄関先に置いてあるゴミへ反応する
ベランダ・家庭菜園などをしている場合、プランターの底に住み着く恐れがある
・集合住宅(マンションやアパート)の場合、隣の部屋から侵入されることもある
・壁伝いに上って窓から侵入する(2階以上にも登る)
自宅の亀裂部分・天井や壁などに亀裂があると、そこから侵入する
排水口・排水トラップ(S字やU字のパイプ)がない場合、配管を伝って侵入する
換気扇・換気扇に隙間がある場合、そこから侵入する
エアコン周辺・エアコンから伸びる配管の隙間を使って侵入する
・排水ホースの中から侵入することもある

ゴキブリは嗅覚が鋭く、水やエサとなる食べ物を求めて侵入してきます。さらに、においを覚えて再度同じ場所へ戻ってくることもあるので、侵入経路を塞ぐことはゴキブリ対策の重要なポイントです。

また、ゴキブリは小さな隙間からも侵入してくるので、物件が老朽化している場合は修繕などの対策も行う必要があります。物件の老朽化に関しては、大家さんや管理会社へ相談しましょう。

効果的なゴキブリ対策

侵入経路別の効果的な対策方法について、それぞれ解説します。

【侵入経路別の対策方法】

侵入経路侵入方法
玄関・においのある生ごみを玄関先に置かない
・ゴキブリの住処となりやすい靴箱にはベイト剤(殺虫製剤)を置いておく
ベランダ・ベランダには不必要なものをなるべく置かない
・ゴミが溜まりやすくなるタイルなどは敷かない
・落ち葉や枯れ葉などは定期的に掃除する
・網戸を取りつけて隙間を少なくする
・隙間テープなどで侵入経路を塞ぐ
自宅の亀裂部分・シリコンやパテで亀裂を埋める(業者へ依頼するのがおすすめです)
排水口・排水口にフタやネットをして侵入経路を塞ぐ
・シンク下に食べ物は置かない
換気扇・網目の細かい金網などで侵入経路を塞ぐ
エアコン周辺・排水ホースが劣化して破損している場合は、ホースを取りかえる
・ホースの先端に防虫キャップを取りつける

ゴキブリは雑食なので食べ物はもちろん、食べカスや野菜の切れ端などが落ちていても寄ってきます。特に、キッチン周りは食べ物以外にも、排水口や換気扇、窓など侵入経路も豊富です。生ごみなどは長期間置かず、すぐに処分しておきましょう。

また、ガスコンロやシンク周辺は清潔に保ち、ゴキブリが寄りつかない環境を整えることが大切です。

入居者に「ゴキブリが出やすい物件を教えて!」と言われたら?出現しやすい賃貸物件の特徴

殺虫剤の画像

契約前にチェックすべき、ゴキブリが出やすい傾向にある賃貸物件を紹介します。ただし、条件に該当した物件だからといって、必ずしもゴキブリが出るわけではありません。自分の理想とする物件が次項の条件に該当することもあるので、あくまでも参考程度にしてください。

物件の1階が飲食店・コンビニ・コインランドリー

物件の1階が飲食店・コンビニ・コインランドリーなどの場合、ゴキブリは出やすい傾向にあります。飲食店は特にゴキブリ対策へ気を配っていますが、食べ物を扱っているため集まってきやすいです。配管を通して自分の部屋に侵入してくる可能性があります。

また、コンビニの場合は食べ物以外に、店内外に設置されたゴミ箱もゴキブリが集まりやすい原因です。コインランドリーの場合、稼働している機械の温かさや水分などを求めて、ゴキブリが集まる可能性もあります。湿気を好む習性のあるゴキブリがコインランドリーへ集まってきます。

マンションなどの1階に上記のようなお店がある場合、どうしても気になる人はなるべく高層階の部屋を検討しましょう。まったく出ないわけではありませんが、リスクは少なくなります。

スーパーや八百屋、商店街がかなり近い

スーパーや八百屋、商店街が近い賃貸物件も、ゴキブリの集まりやすい条件がそろっているので注意しましょう。スーパーや八百屋は食品を扱っているため、廃棄された生ごみなどへゴキブリが集まってきます。もちろん、お店側でも害虫対策をしていますが、集まりやすい条件であることに変わりはありません。

商店街においても、飲食店が多ければゴキブリは集まってきます。お店が近くにあるのは便利ですが、近すぎるとゴキブリが出やすいので注意しなければなりません。

築年数が古い木造物件

築年数の古い木造物件はゴキブリの発生頻度が高くなります。木造物件の場合、湿気の多い時期や雨が降った日は柱などの木に湿気が溜まりやすいです。湿気を好むゴキブリもいるため、時期によっては集まりやすい条件がそろってしまいます。

また、古くなった木造物件は経年劣化による亀裂が生じ、そこからゴキブリが侵入します。生息しやすい環境でもあるため、入居する際は大家さんや仲介業者などに確認しておきましょう。

階数が低めの物件

階数が低めの物件も、ゴキブリが自宅内に侵入してくる可能性があります。ゴキブリは排水管や壁伝いに登ることができます。階数が低い物件は簡単に登れてしまうため、ゴミや食べ物などが部屋の中にあると侵入されるかもしれません。

また、「物件の1階が飲食店・コンビニ・コインランドリー」でも解説したように、1階に飲食店がある場合は特に注意しましょう。階数が低ければ、飲食店に集まったゴキブリの一部が侵入してくる可能性もあります。

外置きタイプの洗濯機

ベランダや部屋の外に洗濯機置き場がある物件も、ゴキブリが出やすい物件の1つです。ゴキブリはホコリやカビなどを食べるために、洗濯機内に侵入します。

配管や壁をつたって洗濯機内に侵入するため、以下のような対策が必要です。

  • 排水ホースを防ぐ
  • 洗濯機カバーをかぶせる
  • 洗濯機をきれいにしておく

洗濯機の排水ホースに網目状のものをかぶせたり、ゴキブリの侵入を防止する排水溝カバーを設置したりするのが効果的でしょう。また洗濯機カバーをかぶせておけば、ゴキブリだけでなく、他の虫の侵入も防ぎます。さらにカビを防ぐために、洗濯機のフタを開けた状態で洗濯機カバーをかけるのもポイントです。

そしてなによりも、洗濯機にホコリやカビが発生しないよう、常に洗濯機を清潔にしておくことを心がけましょう。

長い期間「空室状態」の部屋が近くにある

上下左右の部屋が、長い期間「空室状態」になっている物件も、ゴキブリが発生しやすいため注意が必要です。空室になっている部屋には、ホコリやゴミが蓄積しているため、ゴキブリが住み着いている恐れもあります。

ゴキブリは食べ物だけでなく、ハウスダストなどのホコリもエサにします。定期的に物件を巡回して、以下のような対策を行うことがおすすめです。

  • 部屋の窓を開けて湿気を逃す
  • 掃き掃除とモップ掛けを行う
  • ゴキブリ用駆除エサ剤を置く

特に、湿気の多い夏場の空室では、徹底したゴキブリ対策を行いましょう。

入居者からのゴキブリのクレームに対応するための5つの方法

入居者からゴキブリのクレームを受けても、落ち着いて対応しましょう。ここでは、入居者からのゴキブリのクレームに対応する5つの方法を詳しく解説します。

ヒアリングを必ず行う

入居者によっては、パニックになって連絡をしてくる方もいます。まずは、相手を落ち着かせて、冷静に対処しましょう。

相手に確認することは、以下のとおりです。

  • ゴキブリが発生した日時
  • ゴキブリが発生した場所
  • 発生したゴキブリの数

入居者との間でトラブルにならないように、上記3つは必ずヒアリングを行い、メモしておきましょう。また、ゴキブリが発生した場所を入居者に確認することで、ゴキブリ駆除がしやすくなります。

今後の対応方法について丁寧に説明をする

入居者に、ゴキブリが再度発生した場合の対処方法を説明してあげるのも、賃貸仲介業者の大事な仕事です。たとえば、以下のような説明があります。

  • ゴキブリが発生したら慌てず駆除用のスプレーなどで対応する
  • ゴキブリが発生した場所に「ゴキブリ用駆除エサ剤」を置く

このように、基本的に入居者自らで対応してもらうように促すことが大切です。ただし、以下のような状況の場合、賃貸業者側で確認しましょう。

  • ゴキブリが大量発生する
  • ゴキブリが頻繁に発生する
  • ゴキブリ対策をしても納まらない

なお、入居前の賃貸契約時にあらかじめこの「ゴキブリ発生時の対応方法」を説明しておくと、入居者も安心します。ぜひ実践してみましょう。

発生現場や周辺を確認する

実際に発生現場や周辺を確認すると、ゴキブリの発生原因が一目で分かるケースもあります。

  • 入居者の部屋が汚い
  • キッチンや洗濯機の排水溝に隙間がある
  • 隣接の空室にゴキブリが発生している
  • 周辺にゴミ屋敷がある

しかし、ゴキブリの発生箇所が分からない場合や、賃貸業者で対応できない場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。そのため、ゴキブリの発生現場や周辺確認の際には、専門業者と一緒に行くようにしましょう。

ゴキブリが部屋へ侵入するのを防ぐ

部屋にゴキブリを侵入させないためのポイントとして「侵入経路を塞ぐ」という方法があります。ゴキブリの主な侵入経路は、以下のとおりです。

  • 玄関の隙間やドアポスト
  • 網戸とサッシの間
  • エアコンの排水ホース
  • 換気扇
  • キッチン、洗濯機、洗面所、お風呂の排水溝
  • 押し入れやクローゼット内の壁穴

侵入経路に隙間を発見した場合、市販のパッキンテープやパテなどで塞ぎましょう。

専門業者に駆除を依頼する

ゴキブリの侵入を防いでも発生が納まらない場合や、賃貸業者で対処できない場合は、専門業者に駆除を依頼しましょう。その際は、あらかじめ貸主に状況を報告して「ゴキブリ駆除の費用が貸主負担になる可能性がある」旨を説明することが必要です。

入居者の責任以外の原因でゴキブリが発生し、駆除が必要な場合は「貸主の費用負担」になります。貸主とのトラブル防止のためにも、あらかじめ報告しておきましょう。

※下記の関連記事もチェックしてみてください。

賃貸仲介営業歴5年の私が経験した、ゴキブリのクレーム3つと解決方法

ここでは、私が経験したゴキブリのクレームを3つ解説します。解決方法も合わせて確認してみてください。

①入居3日目なのにゴキブリが大量発生…

築30年の1Rアパートに入居した、70代男性からのクレーム体験です。入居前のリフォームにより、古くなっていたキッチンを新品に取りかえました。しかし、入居して3日後にゴキブリが大量発生したとの連絡があったのです。

実際に現地を確認すると、確かに数匹のゴキブリがいたのです。調べてみると、新品に取りかえたキッチンの排水口の「つなぎ目の隙間」から侵入していました。

排水口にカバーを設置して、専門業者に消毒をお願いしたらようやく発生しなくなり、それ以来ゴキブリの発生はありません。

キッチンを新品設備に取りかえたものの、物件は築30年越えのいわゆる「築古物件」です。築古物件は配管も古く、湿気や汚れが蓄積してゴキブリが好む環境になっています。

その反省を活かして、今では設備が新品だからといって安心せず、入居前のチェックでゴキブリの侵入を防止する対策を行うようにしています。

②入居前チェックを怠り大クレーム…

室内クリーニングをしっかりと行っている物件を引き渡したときの体験談です。室内クリーニングから半年ほど経ってはいたものの、一度きれいにしているため、入居前チェックをせずに部屋を引き渡してしまいました。

すると案の定、引っ越し日当日、部屋にゴキブリの死骸が大量発生しているというクレームになったのです。結局、私と上司で部屋の掃除を1日中行い、許してもらいました。

きれいにハウスクリーニングを行っても、時間が経っている物件は、ゴキブリや虫などが発生する確率が高くなります。そのため、以下のような徹底したチェックが必要です。

  • 入居前に再清掃する
  • 入居前に部屋チェックを行う

③物件内覧時にゴキブリの死骸が…

急な内覧予約が入ったため、内覧前の準備ができないままお客様を物件に案内しました。すると案内時にゴキブリが発生し、一緒にいたお子様が号泣してしまったのです。お客様は逃げるように帰っていき、結局他の不動産会社が管理する物件に入居されました。

このような急な案内にも対応できるように、常に物件をきれいにした状態に保っておくことが大切です。

  • 週に1回はモップ掛けを行う
  • 定期的に換気を行う

プロとして、いつ案内予約があってもいいように準備しておきましょう。

賃貸物件でのゴキブリのクレームは然るべき連絡先に

住み始めた賃貸物件にゴキブリが大量発生した際は、大家さんや管理会社へ連絡してみましょう。自己負担なしで対応してもらえる可能性もあります。ただし、どんな条件でも対応してもらえるとは限りません。

<対応に期待できる条件>

  • 入居後間もなく、ゴキブリなどの害虫が頻繁に発生した
  • 管理会社の清掃不足が原因
  • 入居者に原因がなく、不自然に害虫が大量発生した
  • 近隣のゴミ屋敷が原因

契約書には入居者トラブル発生時の対応について記載されていることもあるため、入居時は必ず確認しておきましょう。また、気に入った物件でゴキブリが出た場合は、「なぜ賃貸物件にゴキブリが出る?ゴキブリの生態」を参考にしてみてください。対策方法はもちろん、ゴキブリの生態や侵入経路などを知ることも大切です。

合同会社ゆう不動産 岩井佑樹

合同会社ゆう不動産 / 岩井佑樹

この記事を書いた人

不動産業界10年の経験と知識を活かし、今まで作成した不動産関連記事は250記事以上。記事を読む人が「どんなことで悩んでいるのか」「どんなことを知りたいのか」ということを日ごろから心がけている。

・不動産業界10年の経験と知識を活かした記事作成
・不動産業者&不動産ライター&アパート大家(投資家)の観点から書く記事作成
・不動産業界で働いているからこそ発信できるリアルな情報をもとにした記事作成
以上の強みを活かして、不動産のことで悩んでいる個人の方や企業様を助けていくのがモットー

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 不動産Webライター / シニアライフ相談士

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