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ミラーリング効果で得られる成果とは?活用方法を押さえて好かれ上手になろう!

記事公開日:2022/07/14

最終更新日:2024/01/11

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人間は、好意や興味がある相手の行動や表情を無意識のうちに真似してしまう「ミラーリング」という行為をします。自分と同じ行動を取る相手に対しては、仲間意識を感じたり、特別な感情を抱いたりする傾向があります。ミラーリング効果は、このミラーリングを応用した心理テクニックのことで、うまく使って新規の契約に繋げる方も少なくありません。

特に賃貸仲介営業においては、ミラーリングを活用することにより、顧客との信頼関係を構築しやすくなります。賃貸物件に対する潜在意識などを把握する際に有効なので、覚えておいて損はありません。
今回は、そんなミラーリング効果について解説していきます。具体的にどんなビジネスシーンで役立つのか、賃貸仲介営業マンならどのような点に気をつけるべきかについて、詳しく見ていきましょう。

※下記の関連記事では会話術を磨くテクニックをまとめてますのでこちらもチェックするとスキルアップにつながります。

ミラーリング効果とは

ミラーリングとは、相手の行動や表情を鏡に映すように真似をすることです。そしてミラーリング効果は、自分と同じ仕草や行動をする人に対して好感を持つ心理効果のことを指し、別名「ミラー効果」とも呼ばれています。

また、心理学には自分を真似る人や似たような人に対して好感を抱く「類似性の法則」というものがありますが、これがミラーリングに関係しています。誰かに自分の真似をされた場合、類似性の法則が働き、その人に対して親近感や信頼感、安心感を持つことも珍しくありません。このミラーリングは、たとえば会社の人間関係や取引先とのコミュニケーション、恋人とのデート中など、あらゆるシーンで役立ちます。

ミラーリングをしてくる相手の心理

ミラーリングをされた側から見た場合、ミラーリングをしてくる相手の心理は、以下のような要素を含んでいます。

共感と理解

ミラーリングをしてくる人は、自分と同じような行動や表情をすることで、共感し理解しようとしています。人によって異なるものの、「仲良くなりたい」「ビジネスパートナーとして尊敬している」といった好意的な感情を読み取ることができます。

親近感と感心

ミラーリングをしてくる人は、相手に対して親近感を抱き、関心を持っていることがほとんどです。自分の行動や表情を真似された場合、相手は自分のことを特別な存在として認識している可能性が高いといえます。

ミラーリングを行って得られる効果

ここからは、ミラーリングによって得られる効果について、シーン別に解説していきます。

ビジネスシーンで得られる効果

ビジネスシーンで得られる効果を3点挙げます。

信頼を得やすくなる

相手の行動や表情を真似することで、「あなたのことを知りたい」「あなたのこと認めている」というアピールが叶います。これによって信頼関係が築かれると、ビジネス上の提案や交渉がスムーズに進む可能性が高くなります。

賃貸仲介営業においては、相手が物件の内見で「この部屋の窓からの眺めがすばらしいですね」と言った場合、自分も「はい、確かにすばらしい景色ですね。この窓からは○○が見えます」と同様に共感し、相手の言葉や感想を反映します。このようにすることで、相手は「自分の意見が理解されている」と感じ、営業マンに対して信頼感を抱くようになります。

仲間意識や連帯感が高まる

ミラーリングを行うことで、相手との仲間意識や連帯感が高まります。これにより、チームやグループの一員としての意識が強まり、協力関係を築きやすくなります。

賃貸仲介営業においては、物件の魅力や条件について、相手と共通の価値観や要望を共有することが大切です。

初対面でも打ち解けやすくなる

ミラーリングは、初対面の相手とのコミュニケーションを円滑にする効果があります。相手と同じような仕草や表情をすることで、相手は自分との共通点を感じ、打ち解けやすくなります。

賃貸仲介営業においては、クライアントや入居希望者との関係を構築する際に、初対面でも相手との共通点を見つけることが重要です。

日常シーン

日常シーンで得られる効果は主に以下の2つです。

友達の協力が得やすくなる

ミラーリングを行うことで、友人や知人との関係性を深めることができます。相手と同じ行動をすることで、親近感や信頼感を抱きやすくなるからです。

人間関係を円滑にできる

ミラーリングは、人間関係を円滑に進めるうえで役立つ手法です。相手に対して共感や理解を示し続ければ、お互いを敬えるような良好なパートナーとなることができるでしょう。

恋愛シーン

恋愛シーンで得られる効果を3点挙げます。

相手に好感を持ってもらえる

ミラーリングは恋愛シーンでも効果的です。相手と同じような行動や表情をすることで、相手は自分に対して好感を持ちやすくなります。

友達以上の関係に進展する

ミラーリングは、友達以上の関係に進展する際にも役立つ手法です。相手を真似することで、相手は自分との親近感や特別なつながりを感じることがあります。

パートナーとの絆が深まる

ミラーリングは、既存のパートナーシップにおいても効果的です。相手の仕草や表情を真似ることで相手への理解や共感が生まれるため、お互いを尊敬し合えるようなカップル・夫婦になることも可能です。

ミラーリング効果の活用方法とポイント

ここではミラーリング効果の活用方法とポイントをご紹介します。手軽に実践できるものも多いので、無理のない範囲で実践してみてください。

活用方法①:相手の仕草を真似る

相手の仕草を真似るのはミラーリングの基本です。相手の動作や姿勢、表情などを観察し、それらを真似してみましょう。

たとえば、友達とカフェでコーヒーを飲んでいるときは、相手がコーヒーを飲むタイミングに合わせて自分も飲みましょう。また、「会社の上司がむかつく」という話になった場合は自分も怒った表情をするというように、動作や表情を合わせるのがコツです。

また会議や打ち合わせのときは、相手がパソコンを開いたら自分は手帳を開く、前のめりで説明をし始めたら自分も前のめりになって話を聞くなどすると、相手との連帯感が生まれます。

活用方法②:相手が発した言葉を真似る・繰り返す

動作や姿勢などを真似るのが難しい場合、相手が発した言葉を真似る、あるいは繰り返しましょう。これはオウム返し(バックトラッキング)とも呼ばれており、比較的楽に会話が続けられる方法とされています。

たとえば、会社の同僚との会話で「今日は忙しかったんだ」といわれた場合、「忙しかったんだね」と共感する形で返事をします。また、彼氏や彼女との会話中「この間読んだ○○という本がおもしろかったんだ」といわれたら「それは良かったね。どんな内容の本だったの?」というように、同じ言葉を取り入れながら質問をしてみましょう。

相手の言葉や言い回しを真似することで、相手は「伝わっている」「話を聞いてくれている」と感じ、より信頼が深まります。

活用方法③:相手の声のトーンやテンポ、大きさに合わせる

会話が多い人に対しては、相手の声のトーンやテンポ、大きさに合わせるという方法を取り入れてみましょう。声のトーンを合わせるのは難しいかもしれませんが、たとえば初対面の相手と話す場合、相手がハイトーンで話している場合は、自分もいつもより高めのトーンで話すというだけで問題ありません。

また、相手がテンポ良く話し続けているのであれば自分もそれに合わせる、逆にゆっくりと話すのであればスローなテンポを心がけるなど柔軟に対応しましょう。会話のトーンやリズムが同じ場合、それだけで親近感を持ってもらえることがあるので、初対面の相手でも比較的早く打ち解けられるかもしれません。

活用方法④:相手のテンションに合わせる

テンションを合わせるというのも重要なポイントです。たとえば商品について説明する際、一生懸命説明しようとしてテンションが上がってしまいがちです。このとき相手が冷静だった場合、ハイテンションの状態で営業をされると引かれてしまうかもしれません。

相手が冷静であれば、自分のテンションも抑えることで、伝えたい内容を聞き取ってもらえるようになる可能性があります。もし相手の反応が良い場合には自分もテンションを上げるというように、うまく自分の話し方をコントロールすればテンポ良く会話を続けることができます。

賃貸仲介営業中に活用できる具体的なミラーリング例

ミラーリング効果は賃貸仲介営業においても活用することができます。以下では、具体的なミラーリングの例とその活用方法について解説します。

希望条件を復唱する

お客様が希望する物件条件を伝えてきた場合、その希望条件を復唱しましょう。たとえば、お客様が「南向きの明るい部屋が希望です」と言った場合、自分も「南向きで明るい部屋ですね」と同じように言い返します。このような対応をすることで、お客様は自分の言葉が正しく理解されていることを実感し、自分に対して好感を持つようになります。

相手のペースに合わせて物件を案内する

お客様のペースに合わせて物件案内をするのもミラーリングのひとつです。たとえば、お客様が「じっくりと内見をするタイプ」の場合、ゆとりを持ったスケジュールを作成し実践します。一方、「スピード感を持って多くの物件を内見したい」と考えているお客様なら、1つの物件にかける時間を短くし、効率良く見て回れるプランを考えて実行に移すと良いでしょう。

※内見(物件案内)については下記の関連記事もチェックしてみてください。

相手の歩幅に合わせて歩く

お客様と一緒に行動する際は、相手の歩幅に合わせて自分も歩くことが重要です。お客様が急いでいる場合には自分もスピーディーに動き、お客様がゆっくりと歩く場合には自分もゆっくりと歩きます。相手の歩幅に合わせることで、お客様との一体感を生み出し、協調性をアピールすることができます。

賃貸仲介営業中にしてない?ミラーリングの失敗例

ミラーリングは効果的なコミュニケーション手法ですが、誤った使い方をすると、かえって逆効果となる場合もあります。以下に、賃貸仲介営業中において、問題となる可能性のあるミラーリングの失敗例を挙げます。

強制的な真似

ミラーリングは、相手の行動や表情を強制的に真似することではありません。基本的に、相手に対して自然体で接することが重要であり、無理に真似をすることは相手に不快感を与える可能性があります。ミラーリングは、相手の動きを敏感に察知し、自然に反応することがポイントです。

賃貸仲介営業においては、相手が特定の物件に対して否定的な意見を述べた場合、自分も同じように否定的な意見を持つように見せることは避けるべきです。相手の感情や意見に寄り添いつつ、適切なアプローチをするようにしてください。

反応の遅さ

相手の行動や表情に対し、適切なタイミングでミラーリングを行うことも重要です。反応が遅い場合、「自分の行動が無視された」「理解されていない」と感じるかもしれません。

賃貸仲介営業においては、希望者との打ち合わせ中、「ここは収納スペースが少ないですね」と言った瞬間に反応せず、数分後に「確かに収納スペースは少ないですね」と返すのは好ましくありません。相手の言葉や表情に敏感に反応し、共感を示すことが重要です。

相手との一貫性の欠如

ミラーリングは、相手との共通性を感じさせるために行うものです。しかし、一貫性の欠如があると、相手は違和感を覚えるかもしれません。

賃貸仲介営業の仕事をすると、さまざまなお客様と会って話をすることになります。たとえば、自分に対して「几帳面な人」という印象を持っているお客様がいたとしましょう。このとき、「服装がだらしない」「書類に誤字脱字がある」といった失敗をしてしまった場合、一貫性がないと判断され、信頼関係にヒビが入る可能性があるので注意が必要です。

ミラーリング効果の活用における注意点

ミラーリングを実践することで、相手に親近感を持ってもらえる可能性が高まります。しかし、活用方法を間違えると逆効果になってしまうことがあるので気をつけましょう。ここからは、ミラーリングを行うときに注意すべきポイントを紹介します。

注意点①:露骨に真似をしすぎない

ミラーリングは、相手にバレないことで効果が発揮されるので、露骨に真似をしすぎないことが重要です。「意図的に真似をしている」ことがわかってしまうとかえって不快感を与えてしまうおそれがあります。ミラーリングでは、「自然に行うこと」が特に重要ということを覚えておきましょう。

注意点②:すべてをミラーリングしようと意気込みすぎない

相手の動作をすべて真似するのはNGです。ミラーリングを意識しすぎてしまうと相手との会話に集中できなくなります。大事な商談や会議中、見当違いなことを発言してしまうかもしれません。

また、本来なら自分の意見を述べなければいけない場面で単に相手の意見を真似してしまうと、「何も考えていない」「自主性がない」と思われてしまうこともあります。ミラーリングは少しやってみるだけでも効果があるといわれているので、すべてではなく、できる範囲で真似してみることから始めましょう。

注意点③:同じタイミングでミラーリングをしない

同じタイミングでミラーリングをしないということも大切です。真似をするのが遅すぎると相手はそれに気づかず、ミラーリングの効果が発揮されなくなってしまいます。しかし、ほぼ同じタイミングで真似をしてしまうと相手に感づかれてしまうので要注意です。

相手の様子を見つつ、4~5秒ほど置いて、相手が次の話題や動作に移ったときがベストです。ただし、上記の時間はあくまでも目安なので、「自然」「無意識」の2点を頭に入れながらミラーリングを実践しましょう。

ミラーリング効果を活用して理想の人間関係を作ろう

スーツ姿の男性の画像

人間は一人ひとり性格が違うので、自分の理想どおりの人間関係を作るのはかんたんなことではありません。しかしミラーリングを実践すれば、周りの人間関係を円滑にできる可能性があります。もちろん、あからさまに相手の真似をしたり、大げさなジェスチャーで同意したりすると逆効果なので注意してください。

仕事・プライベート問わず、人間関係で悩んでいる方は少なくありません。ミラーリングを意識的に取り入れて、理想の人間関係づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

記事の監修者_エクセイト

エクセイト

この記事を書いた人

不動産コンサルタントや不動産投資(大家業)、不動産ライター・ブロガーを生業としています。地主さんに対しては、様々な土地活用(アパート・マンション経営、トランクルーム、店舗など)を提示し、有効活用していただきました。また、注文住宅のコンサルティングも請け、ハウスメーカーが提示する図面に対してアドバイスをしています。これまで携わったコンサルティング内容をブログ記事として残しています。趣味は、カヤック一人旅、サックス(JPOP・JAZZ)です。

■現在の職業・肩書き・資格など
1級建築士 / 1級土木施工管理技士 / 宅地建物取引士

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