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営業のクロージングとは|成約率を上げるための12のテクニックと3つの注意点

記事公開日:2022/01/25

最終更新日:2022/01/28

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営業のクロージングは営業活動の最終段階のことで、契約締結を指します。クロージングは成約にかかわる重要なポイントですが、営業担当者にとっては課題の多い工程です。

今回は、クロージングにおいて、成約率を上げるためのテクニック12個と注意点についてご紹介していきます。

営業におけるクロージングとは?

ビジネスにおけるクロージングは、契約の締結を意味します。実際には、契約書を交わす段階ではなく、契約に至るまでの工程全体がクロージングです。

業種などによって営業フローは異なりますが、一般的には以下の流れです。

1.事前準備

2.アプローチ

3.アポイント

4.提案

5.クロージング

6.契約

クロージングは、営業フローの中でも契約につながる最も重要な段階となり、クロージングをしないままでは、他社に契約を取られてしまう可能性があります。

たとえば、クロージングをせずに商談を続けると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 時間を置いて考えている間に空いてが契約へ消極的になる
  • リサーチをしたり他の人の意見を聞いたりして競合他社を選ぶ

クロージングは、ユーザーの不安を解消し、決断してもらう段階です。「契約がうまくいかない」のは、ユーザーが決断するきっかけを逃しているからかもしれません。

成約率を上げるクロージングのテクニック12

クロージングの成功率を上げるため、ときには心理的なテクニックを取り入れながら、ユーザーを決断に導いていく必要があります。

ここでは、112のクロージングテクニックをご紹介していきましょう。

1.テストクロージングをする

2.契約後のビジョンをイメージさせる

3.BANT条件を確認しておく

4.いくつかの選択肢を提示する

5.金銭面の話は慎重に進める

6.イエスセット話法を活用する

7.沈黙で「考える時間」を作る

8.ドア・イン・ザ・フェイス法を活用する

9.断る理由を解消する

10.イエスバット法を使う

11.デメリットを伝えることで信頼関係を築く

➀テストクロージングをする

テストクロージングは、商談の途中でユーザーに質問を重ね、興味のレベルや契約への意思を確認することです。

「価格抜きで考えたら、AとBのどちらの物件を選びたいですか?」

「ご説明の中で不明点はございますか?」

「ご紹介した物件で気に入った点はございますか?」

上記のような質問で、ユーザーの契約意思をはかれたり、契約に対する温度感を高める事ができます。

②契約後のビジョンをイメージさせる

スーツを着て腕組みして悩む男性の画像

ユーザーが契約に至るには、その物件に住む事で「抱えている問題点を解消できるか」「快適な暮らしができるのか」などで判断します。ユーザーの不安点や課題をヒアリングの段階で把握し、契約後のビジョンまでイメージできれば、ユーザーは自然と「契約後の姿」を想像しながら話を進めるのです。

また、「この物件を契約したら、内装はどうしますか? 」など、ユーザーに寄り添いながら契約後のイメージを考えられれば、一緒に歩んでくれる担当者として認識され、他社より一歩進んだクロージングができます。

③BANT条件を確認しておく

BANTは下記の頭文字を取った言葉で、ユーザーが契約に必要とする4つの条件を指します。ヒアリングの段階でBANT条件を確認しておかないと、ユーザーの求めるものに対してズレが生じてしまいます。

B:予算(Budget)

A:決裁・決裁者(Authority)

N:必要性(Need)

T:導入時期(Timeframe)

たとえば、ユーザーが思っていた予算(Budge)よりも大幅に高い物件を提案したり、最終的な決裁者(Authority)からNGが出たりするのです。また、そもそも商材や物件の必要性(Need)がなければ契約には至りませんし、物件の入居時期やサービスの提案時期(Timeframe)が明確でない場合は、商談がまとまりません。

できればBANT条件を詳細に聞き出し、クリアできていない条件はユーザーと一緒に解決していくと良いでしょう。

④いくつかの選択肢を提示する

こちらから一方的に説明をしたり、契約への決断を迫ったりするのは、成功率が低いクロージングです。成功率を上げるには、商談の途中で選択肢をいくつか提示し、ユーザーに主導権を渡します。主導権を渡されたユーザーは、「自分が決めた」ことに納得をして、契約に至りやすくなるからです。

選択肢を提示する際、可能であれば「AとBとCの物件ではどれが気になりますか? 」と3つの選択肢を用意するのがおすすめです。人は何かを選ぶとき、真ん中を選ぶ傾向があります。その心理を利用すると、契約して欲しい物件を真ん中に置いて提示すると、成約の可能性が高まるのです。

なお、選択肢が2つでも、ユーザーが決めることに変わりはないため問題ありません。ただし、選択肢が多すぎると決められなくなるので、選択肢は3つ程度に抑えましょう。

⑤金銭面の話は慎重に進める

営業で金銭面は重要な話ですが、タイミングを誤ると成功率は下がってしまいます。「重要な話だから早く説明しなければ」と焦ると、ユーザーは商材やサービスの情報整理ができないまま、金銭面の話を聞かなければなりません。

ユーザーが頭の中で整理したタイミングをうかがい、不明点がないかを質問します。提案物件やサービス内容について一度区切りをつけたところで、金銭面の話に進むようにしましょう。

⑥イエスセット話法を活用する

イエスセット話法は、質問をする際にイエスを積み重ね、最終的に大きなイエスを引き出すテクニックです。

人間の心理の1つに「一貫性の原理」があります。これは、自分の言動に対して一貫性を保ちたい心理が働くことを指します。イエスを繰り返すことで、最後に契約というイエスを得るわけです。

ユーザーからのイエスが必ず引き出せる質問を用意し、最後に本命の質問を投げかけるのがポイントです。

⑦沈黙で「考える時間」を作る

沈黙に耐えきれず、間を埋めるように矢継ぎ早に話を続けてしまう事が多いかと思います。一通り話し終えた後、ユーザーが黙っているときは「契約をしていいのか」「問題点はないか」と考えている時間です。情報を整理している最中に話しかけてしまうと、ユーザーは考えが中断され、決断する機会を失ってしまいます。

自らチャンスを潰しているため、相手の表情をうかがいながらタイミングを見計らい、「どの点で悩んでいますか? 」などの質問を投げかけましょう。つまり、沈黙はチャンスです。

⑧ドア・イン・ザ・フェイス法を活用する

ドア・イン・ザ・フェイスは、最初に大きな要求を提示して断られた後、本当に通したい要求を提示して承諾させるテクニックです。

たとえば、予算20万円の相手に、家賃20万円前後のB物件を契約してもらいたいとします。

①まず初めに「A物件は家賃30万円です」

②やはり「予算を超えていて難しい」

③であれば「同じ条件で家賃20万円のB物件はいかがでしょうか」

という具合に、ユーザーは一度断ったがその結果「割引された」印象を抱き、契約に至りやすくなります。これは、相手から何かをしてもらったら返したくなる「返報性の原理」を使ったテクニックです。

ただし、予算度外視の金額や無理な要求を提示すると、ユーザーは不快感を抱き、話が進みません。あくまで、相手が断るのに困らない程度の要求を最初に提示しましょう。

⑨断る理由を解消する

契約を断る理由には、主に以下の3つがあるとされています。

①他に安いものがないか

②もっと良いものがないか

③営業担当者を信じていいか

これらのユーザーの迷いに対し、丁寧に提案をしながら不安を解消していけば、決断もしやすくなるでしょう。

⑩イエスバット法を使う

ユーザーから問題点を指摘された場合は、一度「そうですよね(イエス)」と受け取り、その後「しかし(バット)」で続ける、イエスバット法を使います。

相手の意見に対して、「でも」「しかし」「いや」などの否定から入ると、その相手は否定された感覚になり、これ以上話をしたくなくなります。日常生活でも否定から入る口ぐせがある人は、無意識のうちに商談の場でも使用している可能性があるため、注意が必要です。

⑪デメリットを伝えることで信頼関係を築く

握手をするスーツを着た男性の画像

信頼関係を築くためには、デメリットもしっかりと伝えることが大切です。物件やサービスの良さを伝えるのは当然ですが、メリットだけ伝えていてはユーザーの信頼を得られません。

良い言葉だけを並べられると、「本当はデメリットがあるのに隠しているのではないか」と疑ってしまいます。メリットだけ伝える営業担当は「うさんくさい人」と認識され、信頼関係を築きにくくなるのです。

なお、私たちの脳は、言葉の最後の印象が頭に残りやすくなっているため、伝える順番にも気をつけましょう。

「A物件は新築なうえに家賃は安いですが、駅から徒歩20分かかります」

「A物件は駅まで徒歩20分かかりますが、新築のうえに家賃が安いです」

同じ内容で順番を変えただけですが、後者の方が良い印象になります。

クロージングを行うときの3つの注意点

クロージングの12のテクニックをご紹介しましたが、一方で3つの点に注意が必要です。

1.テクニックだけに頼らない

2.相手の目線に立って提案する

3.決断を急かさない

1つずつ見ていきましょう。

テクニックだけに頼らない

成功率を上げるために、人の心理に基づいたテクニックも使いながら商談を進めるのは大切です。しかし、テクニックをマスターしたからといって、必ずクロージングが成功するわけではありません。

契約に至るまでには、物件の魅力やメリットはもちろん、営業担当者の言葉づかいや態度、誠実さや自社サービスへの理解度など、さまざまな要素を総合的に判断しています。いくら提案する物件やサービスが良くても、「担当者の印象が悪い」などの理由で契約を断る可能性も十分にあり得る話です。

テクニックだけにとらわれず、自分の印象が扱う物件やサービスの価値を左右していると意識しましょう。

相手の目線に立って提案する

提案をする際には、「なぜ引っ越しを検討しているのか」など、相手と同じ目線で提案をするのが大切です。一方的に「この物件はとても良い」とアピールするだけでは、ユーザーにとってメリットはありません。

「なぜ必要なのか」「契約後に得られるメリットは何か」など、相手の目線に立ちながら提案ができれば、ユーザーから「同じ立場で考えてくれる信頼できる担当者」となり、クロージングも成功しやすくなります。

決断を急かさない

ユーザーから質問が多くなり、物件のある一点を指して「いいですね」と言われたら、契約も決まったようなものと力が入り、「いかがですか? 」と発してしまいたくなります。

しかし、ユーザーはある一点を評価しただけで、提案された物件やサービスすべてを評価したわけではありません。「いかがですか? 契約しますか? 」と言われた相手は、いきなり決断を迫られたことで前のめりだった気持ちが冷めてしまい、契約へのチャンスを逃してしまうのです。焦る気持ちを抑え、決断は急かさないようにしましょう。

営業のクロージングは成約率を上げるために外せない

右手を広げるスーツを着た男性の画像

成約率を上げるために、クロージングで使えるテクニックと注意点についてお伝えしました。テクニックは心理学を応用したものもあり、タイミングを見ながら使えば成約につながる手段です。しかし、大切なのは相手に合わせたクロージングをすることです。

テクニックを取り入れながら、相手の立場になってクロージングを進めていきましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。