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業務改善の進め方とポイントとは?注意点やフレームワークなども紹介!

記事公開日:2022/01/12

最終更新日:2022/01/27

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業務改善は、企業の成長・拡大に欠かせないものです。たとえ順調に業績が伸びていたとしても、常に生産性やコスト、効率を見直して改善することが、成長・拡大の継続に繋がります。

しかし、業務改善というのは漠然としているため、何から手をつければいいのか分からないという担当者の方もいるかもしれません。ここでは、業務改善の進め方やポイント、注意点やフレームワークなどを紹介するので、分からない方は是非参考にしてみてください。

業務改善とは

業務改善とは、業務の内容やフローにおける無駄や課題など問題点を抽出し、対策を打ち出して実行することで、改善前よりも良い状態にしていくことをいいます。具体的には、業務の削減や効率化、経費削減、作業の負担を減らすシステム導入などが業務改善となります。

業務改善は1回で終わり、というものではないため、常により良い状態を保てるように続けていくことが重要です。

業務改善の必要性

業務改善の必要性は、改善を検討している企業が抱える問題や成長目的によって異なります。たとえば、人材不足の解消や生産性の向上、働き方改革などに対して必要といえるでしょう。

現在、日本人口は減少傾向が続いており、特に若い労働力を確保するのが難しい状態です。適材適所で人材を配置するには、職場環境や労働環境を整えることが急務とされているため、業務改善が必要になるのです。優秀な人材を確保できれば、作業の効率も上がるので生産性向上も期待できます。

また、働き方改革も推進されていますが、業務がある限り改革は難しいこともあるでしょう。業務改善により、業務フローや業務内容を可視化することで無駄を省いたり、作業の順番を入れ替えたりできるので、業務プロセスを最適化し働き方改革も実践できるようになります。

業務改善は、部署内で生じる問題だけでなく、企業全体の問題解決にも繋がるので、経営上必ず行った方が良いことだといえるのです。

業務改善を行うことで得られるメリット

ひらめくスーツを着た男性の画像

業務改善を行うことで得られるメリットは、3つあげられます。

人材育成のための時間を削減

人材育成に必要な時間を削減したいと考えているる企業であれば、人材育成にかかる時間のコストを削減できるといったメリットがあります。業務改善により、業務に不要なものを削減・標準化することで、業務のマニュアル化が簡単に行えます。マニュアル化を行う事で業務に携わりながら仕事を覚えられるので、時間をかけなくても人材育成が可能になるのです。

あらゆる経費の削減

金銭的コストの削減をめざしている企業であれば、経費削減のメリットを得られます。たとえば、資料やチラシなどを紙で作成している場合、これを改善してデジタル化をする事で、印刷代や紙代、郵送費や保管コストなどを削減できるのです。

また、業務の無駄を省いて効率化ができれば残業代の削減、業務内容を見直してテレワークが推進できれば交通費の削減、というように、あらゆるコストの削減に繋げる事が可能です。

離職率を低下させる

優秀な人材の離職・流出を止めたい場合、業務改善をして働きやすい環境を整えることができれば、離職率を低下させるメリットも得られます。無駄な作業が多く業務負担も大きい、人手不足で毎日残業しなければならない、など社員や従業員が不満を感じるような職場環境では、良い人材はどんどん離れていってしまうでしょう。

業務改善によって、無駄・不要な業務をスリム化したり、作業負担が減らせるシステムを導入したり、価値が感じられる仕事をしてもらえるように職場環境を整えれば、不満や不平を減らする事ができます。働きやすい、もしくはやりがいのある職場であれば離職する人を大幅に減らす事ができるので、人材確保に悩む企業にとって業務改善は大きなメリットといえるでしょう。

業務改善の事例・効果

業務改善の必要性とメリットを不動産仲介業務に当てはめた場合、どのような効果があるのでしょうか。不動産仲介業務では、物件提案や内見以外にも書類作成や物件登録など、細かい事務作業があるため、業務負担の大きいことが課題となります。職場環境を整えることによる人材確保や、人材育成にかかる時間のコスト削減ができれば、営業の担当者は事務作業を事務員に任せることができるので、コア業務に集中できます。

また、お客様に向き合う時間も確保できるので、入念な来店準備や、より丁寧なのヒアリングを行う事で、成約率のアップも狙えるでしょう。企業にとっても、顧客満足度や信頼性の向上が期待できるので、一石二鳥のメリットを得られるのです。

その他にも、人手不足による残業の負担が大きいと、その負担のせいで退職する従業員が増えてしまうという事にも繋がります。そのため、働き方改革にも繋がる内容の見直しを行ったり、作業効率が向上するシステムを導入する事によって、従業員の負担を大幅に軽減でき、退職のリスクを防ぐ効果も期待できます。

業務改善の効率的な進め方(プロセス)

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業務改善を効率よく進めるためには、手順をしっかり把握することがポイントです。ここでは、業務改善のプロセスを紹介するのでチェックしておきましょう。

①現在抱えている問題点をすべて洗い出す

まずは、現在抱えている問題点をすべて洗い出します。内容はざっくりでも良いので、「どの部署にどのような問題があるのか」「どの業務が非効率なのか」など、ミーティングや会議などで議論をしながら洗い出してください。業務改善は、問題を把握していないと意味がないので、洗い出しはとても重要なプロセスになります。

②業務をすべて見える化する

業務をすべて見える化する、というのは洗い出しの次に重要なプロセスです。いくら問題点が見つかっても、業務内容が可視化されなければ、解決策や改善点を見つけられません。

見える化は、業務の全体像を捉えるとともに、コストやフローを具体的に把握できるので、部署はもちろん企業にとってメリットがあります。見える化は、業務を可視化するツールやフレームワークなどを活用すると、スムーズに進められます。

③課題と目標について優先順位を含めて設定する

問題点の洗い出しと業務の見える化ができたら、次は課題と目標について、優先順位を含めて設定しましょう。課題とは、目標と現状の差を埋めるために行うことを指します。まずは、業務を効率化するための課題を複数設定し、どの目標から達成していくのか優先順位をつけてください。

また優先順位をつけると同時にKPI(重要業績評価指数)も設定しましょう。KPIとは、目標を達成するうえで、達成の度合いを計測するための指標であり、業務改善の効果を判断するため数字です。

たとえば不動産仲介業者であれば、賃貸物件の契約数をKPIに設定します。これが設定できていないと、業務改善の効果が検証できず、実行した施策が有効なのかどうかが把握できないので、KPIの設定は必ず行いましょう。

④施策の計画とマニュアルを作成し、実施する

施策の計画とマニュアルを作成する事で、スムーズに業務を進める事が可能です。

計画・作成した内容は事前に上司に伝え、もし計画を変更、もしくはカスタマイズするのであればその旨をきちんと報告し、施策の結果に対する評価を正確に伝えられるようにしましょう。

⑤定期的に施策の結果を評価・振り返りを行う

施策が完了したら、業務改善効果が得られたのかどうかを、設定したKPIと照らし合わせながら評価・振り返りを行います。業務の効率化に成功したのか、無駄な残業を減らすことができたのかなど多角的に評価をして、効果が高いと判断できた施策はその後も現場に定着できるよう、継続して取り組むことが最善の方法です。

また、業務改善効果が得られなかったと判断された施策は、良かった点悪かった点などを振り返り、再度問題点を洗い出して、さらに改善を行うよう取り組みましょう。

業務改善を実施するうえでの注意点・落とし穴

左手の手の平をこちらに向けて広げるスーツを着た男性の画像

業務改善のプロセスはそれほど難しくありませんが、実施をするうえでは注意点があります。また、思いがけない落とし穴もあるので、きちんと理解して業務改善を進めてください。

そもそも現場がどういった問題を抱えているのかを把握できているか

一番の注意点は、「現場がどういった問題を抱えているのかを把握できているか」ということです。業務改善では、問題点の洗い出しの際に現場の意見をヒアリングする必要があります。しかし、ヒアリングは幹部や管理職が行うことも多いため、一般社員や役職が下の社員の場合、心証を悪くしないように「問題はない」「業務はスムーズにまわっている」など、報告上よく見せようとすることがあります。

これを鵜のみにしてしまうと、問題の本質をつかめず、効果のある業務改善ができません。本音や現状の問題点を報告してもらうためには、現場の社員や担当者と信頼関係を結んでおくことが重要なので、良い関係作りを心掛けましょう。

意思疎通と理解が、上層部だけでなく現場まで落とし込まれているか

業務改善では、意思疎通や理解が上層部だけでなく、現場まで落とし込まれているかを確認する必要があります。問題点は現場から吸い上げますが、どのように改善をしていけば良いか、施策を考えるのは上層部の仕事になります。そのため、業務改善に対する意思の疎通や理解が上層部だけでしか共有されていないことがあるのです。

実際に業務改善の施策を実践するのは現場なので、意思疎通や理解が共有できていなければ改善効果が得られません。改善を行う際には、上層部からしっかり現場に落とし込むことを忘れないようにしましょう。

施策期間と評価対象が短期間すぎないか

施策期間と評価対象が短期間すぎると、改善の検証ができないので注意しましょう。業務改善は一朝一夕で達成できるものではありません。また、コストに関しても同じことがいえるので、長期的な目線が大切です。

短期間で効果を出したい、検証したいという気持ちもわかりますが、本気で業務改善を行うのであれば、適切な施策期間と評価対象を設けるようにしてください。

業務改善をするメリットが企業だけでなく従業員単位にも存在するか

業務改善をするメリットが、企業だけでなく、従業員単位にも存在するかもしっかり考えましょう。たとえば、コスト削減は企業にとってメリットですが、従業員に直接的なメリットはありません。そのため、コスト削減の業務改善だけにフォーカスした施策では、従業員のモチベーションが上がらず、結果的に改善もスムーズに進まない可能性があります。

実際に施策を実践する従業員のモチベーションを上げることは、業務改善の効果を得るために必要です。そのため、業務フローの見直しやシステム導入による業務負担の軽減や効率化など、従業員のメリットもしっかり考慮して施策を考えましょう。

業務改善の際にチェックしておきたいフレームワーク8選

紙の上に「PDCA」と書かれたサイコロとペンと電卓の画像

業務改善の際には、フレームワークをチェックしておきましょう。フレームワークは、改善を進めるときはもちろん、業務改善を提案したい場合でも利用できるので、役職に関係なく活用できます。

ここでは、業務改善におすすめのフレームワーク8選をご紹介します。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価・測定)」「Action(改善・対策)」という4つの検証型プロセスを繰り返すことで、目的や目標を達成できるフレームワークです。PDCAサイクルのプロセスは、一見特に真新しいものではなく、普段の業務でできているようなイメージがあるかもしれません。

しかし、従業員一人ひとりが設定された目標を計画に基づいて実行し、その結果について検証するプロセスを徹底することで、計画を継続すればいいのか、さらに改善が必要なのかなどを的確に分析できます。

QCD(QCDF・QCDS)

QCDは、「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字を取った言葉で、生産管理で重視される3つの要素を表しています。またQCDの派生語であるQCDFのFは「Flexibility(柔軟性)」のことで、主に製造業やサービス業で使われており、QCDSのSは「Safety(安全)」のことで、こちらは主に建設業界で使用されています。

QCDのフレームワークは、業務の無駄を減らして生産性をアップさせるために活用するのが一般的です。仕事の「求められるクオリティ」を意識し、「どの程度のコストをかけられるか」を計算し、「いつまでに納品(完了)させるべきか」を決めて、納品(完了)後の結果を分析します。プロジェクトごとにQCDを活用することで、結果が出る業務の進め方を身につけられます。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)は、「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(順序変更)」「Simplify(簡素化)」の頭文字を取った言葉で、業務改善の「順番」とそれを進める「視点」を見直すフレームワークのことです。

「Eliminate(排除)」では不要な業務やルールがないかを分析し、「Combine(統合)」ではまとめられる業務がないかを分析します。さらに「Rearrange(順序変更)」は作業の順序変更や、業務内容を再度整理して効率化できないかを分析し、「Simplify(簡素化)」は業務が複雑化していないか、効率化できないかを分析します。

これらのワークによって業務フローを全体的に見直すことで、業務の効率化・スリム化を実現し、コストや時間の余裕を生み出すという業務改善を実現できるのです。

BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)

BPMNは「Business Process Modeling Notation」の略語です。アメリカのOMGによって国際標準に定められているビジネスプロセスモデリング表記法になります。

BPMNは、業務工程のフローや担当者などを図形化して、矢印などを使って可視化し、課題点や問題点を発見するフレームワークです。可視化するためのモデル図に使う描画記号は種類が多く、フローの作成工程は少し複雑です。しかし、誰でも理解しやすい業務フローを作ることで、業務の流れがスムーズになります。

業務が滞りやすい場合、BPMNを使えば簡単に滞っている箇所を見つけられるので、原因をすぐに分析できます。

KPT(ケプト)

KPTは、「Keep(継続)」「Problem(問題)」「Try(トライ)」の頭文字を取った言葉です。つまり、「業務の振り返り」を書き出して、業務改善を行っていくフレームワークのことを指します。

「Keep(継続)」は成功したことや今後も続けた方が良いこと、「Problem(問題)」は失敗したことや止めた方が良いことを意味します。「Try(トライ)」は「Keep(継続)」と「Problem(問題)」を踏まえたうえでの改善策や新たに実行していくべきことを書き出しましょう。

社員がそれぞれのKPTを書き出して可視化することで、本人だけでなく周りの人間と業務内容を共有し、良い点や悪い点をしっかり分析できるのが、このワークのメリットです。

ロジックツリー

ロジックツリーの画像

ロジックツリーは、ツリー(樹形図)を使って、特定の問題の原因を論理的に分解していくフレームワークです。トラブルや問題が起こった場合、その原因を追及しなければ同じ失敗を繰り返すことになります。

ロジックツリーでは、1つのワードから派生するワードを順番にあげていき、一つひとつのワードを論理的に分析しながら問題の原因を掘り下げていきます。ツリー状に書き出すことで、原因と関係性のある事項が漏れたり、重複したりすることなく深く追求できるというのが特徴です。

また、このワークでは1つの問題を解決するだけではなく、掘り下げた際に、新たに浮上する問題点も発見できるので、効率よく業務改善ができます。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、開発や生産、マーケティング、アフターサービスなど業態に関わるすべての業務を機能ごとに細分化し、どの機能(工程)で価値が生み出されるのかを分析するフレームワークです。サービスや商品が顧客に届くまでのプロセスを可視化し、どの活動が自社の強みになっているのか、どの活動にどれだけのコストがかかっているかなども分析します。

バリューチェーン分析では、強みと問題点を把握することで業務の改善点を洗いあぶり出せますが、同時に事業戦略にも役立てることが可能となっており、あらゆる業態で活用されています。

マンダラート

マンダラートは、多くのアイデアを出したいときに活用するフレームワークです。3×3の9マスの紙を用意し、中央にテーマを書いて、放射線状に広がる周囲8マスに関連ワードを書いていくことでアイデアを発想していくという、シンプルなワークになります。

8マスを埋めたら、最初の9マスの周囲をさらに3×3の9マスで囲み、最初に書いた関連ワードを元にさらにアイデアを発想することで大量のアイデアを生み出せます。

効率的な業務改善で業績アップ!

右肩上がりのグラフを掲げるスーツを着た男性の画像

業務改善というのは、生産性を高めることが一番のポイントです。作業の効率化やシステム化、コスト削減などの改善策は、すべて生産性のアップに繋がることなので、一つずつ丁寧に取り組んでいきましょう。

何から始めればいいのかわからない、迷ってしまうという場合は、紹介したフレームワークを活用して業務改善の一歩を踏み出してみてください。最初は効果の見えないような小さな改善でも、積み上げていくことで将来的に生産性を大きく変えられる可能性があるので、フェーズに適した業務改善を実践していきましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。