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営業力を上げる人材育成の方法とは?ポイントやアイデア、NG行為などを解説!

記事公開日:2023/09/24

最終更新日:2023/10/03

営業人材育成

近年の消費活動の変化により、営業マンの業務は複雑化の一途をたどっています。そのため、業績アップを目指すのであれば、メンバー全員のスキルアップが欠かせません。しかし、実際にどのように指導したら良い営業マンに育つのかわからず、悩んでいる方も少なくありません。

本記事では、営業における人材育成の重要性を検証し、人材育成を成功させるためのポイントやアイデアを紹介します。また、賃貸仲介営業マンの育成を想定し、教育するためのポイントや具体的な方法なども提案していますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

営業における人材育成の重要性

会社の稼ぎ頭である営業担当の成長なくして、会社の成長は望めません。つまり会社の業績アップを目指すのであれば、人材育成は目下の課題です。

まず営業における人材育成の重要性を、3つの視点から検証します。

  • 顧客の消費活動の変化
  • 会社全体の業績アップ
  • モチベーションによる離職率の低下

顧客の消費活動の変化

2000年頃までは、テレビCMなどのマスメディア広告が人々の消費活動に影響を与えていました。「商品を欲しいと思ったら購入する」というシンプルなプロセスです。しかしインターネットの普及とともに、消費者は自ら商品やサービスの情報を収集して比較するようになり、口コミなどの評価が重視されるようになりました。

さらに、コロナ禍以降はさらに変貌し、人と人が対面することなく営業活動が行えるようになり、オンライン消費が増加しました。また家で過ごす時間も長くなり、消費に対する価値観の変化も見られます。

消費者は情報収集を十分に行ったのち、具体的に検討する段階になってから営業と接点を持つことが増えています。すでに情報は得ているため、単なる商品やサービスの説明だけでは物足りないと感じるでしょう。このような背景があることから、消費者の購買意欲をかきたてるようなプラスアルファの提案ができなければ、今後営業担当として生き残ることは難しいかもしれません。

参考 :消費活動の変化とそれに伴う影響(令和3年版 情報通信白書)|総務省

会社全体の業績アップ

個々の能力アップは、会社全体の業績アップに繋がります。営業スキルは個々のセンスによるものだと思われがちですが、優秀な営業マンによる効果的な指導によって伸ばすことができます。優秀な営業担当のノウハウや行動パターンを社内で共有し、ボトムアップを目指しましょう。

モチベーションアップによる離職率の低下

社員の人材育成によって業績を上げやすい環境が整うと、営業担当者のモチベーションは向上します。

モチベーションがアップすると、離職率は低下する傾向があります。つまり、人材育成は好循環を生み出す重要なファクターといえるでしょう。

営業における人材育成を成功させるためのポイント

次に、営業担当の人材育成を成功させるために押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

  • コミュニケーションが取りやすい環境を作る
  • 成果に繋がるノウハウやナレッジを共有する
  • 育成マニュアルを作成する
  • 教育担当者もスキルアップする

※下記の関連記事では人材育成のためのコーチングの定義や基礎的な知識、役立つテクニック、実践するうえで必要なスキルなどについて解説しているのでチェックしてみてください。

コミュニケーションが取りやすい環境を作る

コミュニケーションが取りやすい環境は、社員同士の意見交換が行われやすくなります。業務や営業に関する相談がしやすい状況になり、自然に助け合おうという意識が生まれるからです。

また、他部署であってもお互い教え合うことで組織は活性化します。社員自身も成長することに意欲的になり、場合によっては「受け身の仕事」から脱却できるケースも少なくありません。

成果に繋がるノウハウやナレッジを共有する

すでに成果に結びつくノウハウやナレッジがあるのであれば、社内で共有しましょう。またマニュアルをデータ化してクラウド上に保存しておけば、オフィス以外でもチェックできるようになるのでおすすめです。

育成マニュアルを作成する

先輩の営業現場に同行するなど、実地による学びは重要です。しかし、ノウハウなどは育成マニュアルとしてデータ化した方が、より体系的に学ぶことができます。なお、マニュアルは定期的に見直し、情報が古くなっているようならアップデートしましょう。

教育担当者もスキルアップする

教育担当者のスキルアップも重要です。教える立場の人のインプットが足りていないと、部下や後輩は混乱してしまいます。また、行動が伴っていないと「口だけの人」になってしまう可能性があるので、教育担当者の方もスキルアップするようにしてください。

営業における人材育成を成功するためのアイデア

次に、営業担当の人材育成を成功させるために実践したいアイデアを3つ紹介します。

  • ロールプレイング
  • 先輩社員の営業現場に同行する
  • 短期目標を立てる

ロールプレイング

ロールプレイングとは具体的な場面を想定し、2人以上でお客様役と営業マン役になりきって演じる研修方法です。研修を受ける者にとっては、実践的に学ぶことができるのが魅力です。また教育担当者は、部下がどの程度できるか確認できるメリットがあります。

下記の関連記事でも詳しく解説しているので、こちらも一度読んでおくと良いでしょう。

先輩社員の営業現場に同行する

先輩の営業スタイルを、実際の営業現場で見て覚えるのも有効です。お客様との会話や提案、クロージングなどを一通り学ぶことができます。可能であれば複数の先輩の営業スタイルを学び、その中で自分に合ったスタイルを実践すると良いでしょう。

短期目標を立てる

大きな目標ではなく、ほぼ必ず達成できるような小さな目標を立てましょう。小さな成功であっても、その成功体験を繰り返すことによって、徐々に自信を持って行動できるようになっていきます。モチベーションも維持しやすくなるため、特に若手社員におすすめの方法です。

あなたは大丈夫?営業の人材育成でしてはいけない3つのこと

続いて、人材育成で見られがちなNG行動を3つ紹介します。

  • ダメ出し
  • 画一的な指導
  • 営業担当者への丸投げ

ダメ出し

ダメ出しとは、相手の欠点や過ちを否定的な言葉を使って指摘することです。近年はパワハラになることを懸念して、逆に注意できなくなったという話も聞きますが、心当たりがあるようでしたら注意してください。

画一的な指導

近年のダイバーシティ化に伴い、多様性という言葉をよく耳にするようになりました。ビジネスの場面でも、いろいろなタイプの人がいることを意識し、人それぞれにあった指導や育成を行うようにしましょう。

上司の営業手法が正しいとは限りませんし、人によっては別の施策の方が結果を残せるかもしれません。画一的な指導にならないよう、なるべく1人の人に任せず、複数人で育成することをおすすめします。

営業担当者への丸投げ

ビジネスマナーは人事が指導することが多い一方で、営業の実務についての教育はどうしても営業担当へ指導を任せがちです。指導者になっても自分の数字を作らなくてはならないため、指導がおろそかになることも珍しくありません。教育担当者によって指導に差ができないように、人事と共同で育成することが望ましいでしょう。

【賃貸仲介営業マン向け】人材育成に有効な教育制度

ここでは賃貸仲介営業マンに向けて、人材育成に有効だと思われる教育制度を3つ紹介します。どれも取り入れやすいものなので、ぜひ実践してみてください。

  • 1on1ミーティング
  • ジョブローテーション
  • 社内資格制度

1on1ミーティング

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談です。これは、人事評価のための面談とは異なり、部下の育成のために行うものです。

1on1ミーティングは週に1回、30分程度が一般的で、導入する企業も徐々に増えてきています。企業によって異なりますが、少なくとも1ヶ月に1回以上の実施が望ましいでしょう。

定期的の部下の現状をヒアリングし、適宜フォローやアドバイスを行います。忙しく仕事をしている上司には話しにくいと感じても、対話の時間を設けることで、部下も相談しやすくなります。また、定期的に行うことでコミュニケーションも取りやすくなり、信頼関係を築きやすくなるのもメリットです。

賃貸仲介営業の上司と部下が行う1on1ミーティングであれば、現在抱えている顧客について部下が報告し、上司は問題点はないか確認します。必要に応じて、提案する物件のエリアを広げてみるなど提案を加えるとよいでしょう。

ジョブローテーション

ジョブローテーションとは、社員のスキルアップを目的として部署を異動させ、異なる職務を経験してもらうことで成長を促す制度です。

部署を異動することで視野が広くなり、他部署のことを考えて仕事ができるようになります。また異動することで、適性を知ることができるメリットもあります。

しかし、異動するごとに新しい職務を覚えなくてはならず、その都度時間がかかるのがデメリットです。

賃貸仲介営業ではジョブローテーションが難しい場合もあるでしょう。たとば契約部門や管理部門があれば、部門ごとにどのような仕事をしているか把握するだけでも、会社全体の業務の流れを把握することができます。

社内資格制度

社内資格制度とは、社内で独自に設定した資格に合格するために、社員が学ぶことを期待するものです。社員のスキルアップを目的としており、資格を取得した社員は相応の評価を受けます。社員のスキルアップや活性化にもつながるため、社内資格制度の実施に力を入れている企業も少なくありません。

賃貸仲介営業であれば、宅地建物取引士の資格取得が最優先ですが、ほかにも賃貸経営不動産管理士やファイナンシャルプランナーなどを推奨するとよいでしょう。

下記の関連記事では「営業職で役立つ資格」、「賃貸仲介営業におすすめの資格」を紹介してますのでチェックしてみてください。

賃貸仲介営業マン(担当教育者)はどのように時間を作る?

日常の業務に追われながら後輩や新人の教育をしなければならず、思うように教育する時間がないと悩んでいる営業マンは少なくないでしょう。最後に、制約がある中でも時間を作れる方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  • 部下に同行してもらい、その都度指導する
  • ランチの時間や移動時間を有効に使う
  • 人事に社内研修の時間を設けてもらう

※下記の関連記事では業務改善の進め方やポイント、注意点やフレームワークなどを紹介してます。教育する時間を作るための参考に、こちらもチェックしてみてください。

部下に同行してもらい、その都度指導する

まずは「新人に同行してもらい、その都度指導する」という方法です。この場合、先輩営業マンは普段通りに営業活動ができるので、時間を別に作る必要がありません。また、新人は先輩の営業スタイルを間近で見られるので、非常に効率的です。

ただし見ているだけでは、営業スキルを習得できません。空き時間を使ってフォローまたはレクチャーしましょう。

ランチの時間や移動時間を有効に使う

内見中にレクチャーするのは難しいため、移動時間やランチの時間を使ってフォローします。内容は、今抱えている案件について説明したり、成功事例や失敗談など話をしたりするのが一般的です。また、ランチの時間であればざっくばらんに話ができるので、お互いの仲も深まることになるでしょう。

人事に社内研修の時間を設けてもらう

どうしても時間が取れないという場合、人事に相談して社内研修を開いてもらいましょう。営業スキルの指導については難しいかもしれませんが、自社商品・サービスの知識や、一般的なビジネスマナーであれば説明できるでしょう。基本的な部分が欠けているために成約に繋がらないケースも多いので、実施する価値は大いにあるといえます。

下記2本の関連記事では新人研修、社内研修で学ぶ内容・カリキュラムを作成するポイントを紹介してますのでチェックしてみてください。

まとめ

人材育成は手間と時間がかかるため、つい後回しにしがちです。しかし、会社全体の業績アップを考えるのであれば、体系的な人材育成は欠かせません。状況によっては難しいかもしれませんが、気になる方は短時間の社内研修の実施や、簡単な人材育成カリキュラムの作成から始めてみてはいかがでしょうか。

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桜木 理恵

この記事を書いた人

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、念願の不動産仲介営業として約8年従事。その後結婚・出産を機にハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し5年ほど勤務。現在は不動産の知識や経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。保有資格は他に2級ファイナンシャル・プランニング技能士と管理業務主任者。

■現在の職業・肩書き・資格など
Webライター / 宅地建物取引士 / 管理業務主任者 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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