イケノウハウ

物件写真の撮影における基本とは?きれいに撮影するコツやポイントも場所別で紹介

記事公開日:2023/10/06

最終更新日:2023/11/07

物件写真の撮影

物件写真の見栄えが重要だと気づいているものの、「プロのような撮影はできないよ…」と諦めていませんか?しかし、ちょっとしたコツやポイントを押さえれば、プロのフォトグラファーではなくても、内見率がアップするような写真を撮影できます。

本記事では、物件写真の撮影が大切な理由や撮影における基本ルール、撮影のコツやポイントなどを紹介します。Web反響につなげて内見率や成約率を上げたいと思っている賃貸仲介業の方は、特にぜひ参考にしてください。

※下記2本の関連記事では営業資料作成のコツ、反響営業のコツやマーケティングなどを解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

物件写真の撮影が重要な理由

お客様がインターネットで部屋探しするときには、物件写真で問合せするかどうか判断されてしまう傾向にあります。物件写真の印象が悪い場合、Web反響につながることはほぼありません。物件写真が重要な理由を、以下3つのポイントからあらためて考えてみましょう。

  • 間取りよりも写真を見て部屋をイメージしやすいと感じている人が多い
  • 写真の雰囲気によって問い合わせ率が変わる

間取りよりも写真を見て部屋をイメージしている人が多い

そもそも多くの不動産賃貸ポータルサイトでは、希望の条件を選択したうえで検索できます。すでに希望の条件に当てはまっている物件が表示されるため、あらためて説明文を読む必要がないと思うのも無理はありません。このような心理を考えると、最初に目に入る物件写真で問い合わせに進むかどうか決めるのも理解できます。

また賃貸物件を探すとき、その手軽さからスマートフォンで検索している人が多いです。小さい画面に記載された間取りよりも、物件写真の方が見やすいというのも要因のひとつといえます。

写真の雰囲気によって問い合わせ率が変わる

写真の雰囲気が良い場合、問い合わせ率は上がります。逆に写真の印象が悪ければ、すぐに候補から外されるでしょう。また、室内の写真の枚数が多ければ多いほど、賃貸物件の雰囲気をつかみやすくなるので、なるべく多くの写真を掲載することが重要といえます。

物件写真の撮影における基本

ここでは、撮影の基本ともいえるポイントを紹介しますので、実際の撮影の際に実践してみましょう。

  • 脇を締めた状態でカメラを持つ
  • 太陽を背にした「順光」の状態で撮影する
  • 建物の奥行きがわかるように斜めから撮影する
  • 露出補正で明るさを調整しながら撮影する
  • お天気の良い日や明るい時間帯に撮影する
  • 余計な部分が写らないように撮影する
  • ローアングルで撮影する

脇を締めた状態でカメラを持つ

撮影後にピンボケに気がついた経験はありませんか?ピンボケになる理由として、主に「手ブレ」が挙げられます。

カメラは片手で撮影するとブレやすいため、必ず両手で持つようにしましょう。また脇を締めた状態でカメラをホールドして撮影すると、よりカメラが安定します。それから足を肩幅に開いて立ち、下半身を安定させると良いでしょう。

それでもピンボケする場合は、三脚の利用や土台となる場所にカメラを置いて撮影することをおすすめします。

太陽を背にした「順光」の状態で撮影する

外観写真や窓辺を撮影するときは、太陽の位置も注意しましょう。太陽を背にした位置から被写体を撮影することを「順光」といいます。順光は太陽の光が正面から当たっている状態を撮影できるので、明るく自然な感じに撮影できます。

もし太陽の方を向いて撮影すると、逆光になるため注意が必要です。たとえば外観写真を逆光で撮影すると、光が当たっていない面を撮影することになり、真っ黒に写ってしまいます。

基本的には順光で撮影することをおすすめしますが、あえて建物の立体感を出したいときは、太陽の光が横から当たるように撮影し、サイド光を利用すれば陰影を表現できます。

建物の奥行きがわかるように斜めから撮影する

外観写真を真正面から撮影すると、平面的に写ってしまい、奥行きがわからなくなります。建物は、奥行きが感じられるよう、やや斜めから撮影しましょう。このような工夫をすると、立体感が生まれるほか、重厚感も演出できます。

しかし斜めすぎると全体像がつかめません。撮影ポイントを変えて何パターンか撮影し、感じが良いものを使いましょう。また、右斜めと左斜めでは印象が異なるため、アングルや構図を変えて検討するのもひとつの手です。

外観を気にする方も一定数存在します。外観も魅力的に見えるように撮影し、Web反響につなげましょう。

露出補正で明るさを調整しながら撮影する

カメラの露出補正を使うと、明るさをコントロールすることができます。室内が暗いと感じるときや、外観写真を明るく撮影したいときに便利です。また撮影ポイントに制限があり、逆光になってしまうときにも使えるテクニックです。

たとえば、黒っぽい建物を撮影したときに、カメラの機能が暗くなりすぎないよう、明るく補正することがあります。実際の色よりも白っぽくなってしまうことがあるので、そのような場合は露出補正をマイナスにして、実際の色に近くなるように補正しましょう。

せっかく写真を掲載するのであれば、印象がよい写真にしたいものです。ちょっとした工夫で印象が変わりますので、ぜひお試しください。

お天気の良い日や明るい時間帯に撮影する

これはすでに実践している方も多いかもしれませんが、なるべくお天気が良い日の明るい時間帯に撮影するようにしましょう。空が青い日に撮影すると、外観写真がきれいに映えます。また、室内も明るく撮影できるため、印象が良い写真を撮影できます。

どうしてもお天気に恵まれないときは、写真編集アプリやツールを使って修正しましょう。「賃貸物件の写真編集で大切な加工法・修正法5選|注力する理由や違反性も解説」では便利なアプリやツールを紹介していますので、気になる方はこちらも参考にしてみてください。

余計な部分が写らないように撮影する

被写体を魅力的に見せたい場合は、なるべく余計なものが映らないように工夫します。もし通行人や駐車している車が一緒に写ってしまうと、外観写真の見栄えが悪くなるため注意が必要です。

ほかにも、電線やゴミ置き場など、マイナスイメージになるものが写らないアングルや構図になるように、撮影ポイントを変えて撮影するのも有効です。撮影する物件が際立つように撮影し、Web反響アップを目指しましょう。

ローアングルで撮影する

外観写真を撮影するとき、その建物の高さによっては写真に納まらないケースがあります。そのようなときに使えるテクニックが「ローアングルからの撮影」で、これはしゃがんで体を低くし、見上げるように撮影する方法です。このテクニックを使い、外観写真に迫力や重厚感を出す方も少なくありません。

※【資料ダウンロード】下記のリンクから「外観・内観写真の撮影のコツやポイント」を写真付きでまとめた詳細資料をダウンロードできます

【場所別】賃貸物件の写真を撮るコツやポイント

最後に、賃貸物件の写真を撮るコツやポイントを場所別に紹介します。賃貸物件の見てもらいたい箇所を上手に写真で紹介し、他社と差別化して内見率や成約率をアップさせましょう。

  • ①居間
  • ②浴室
  • ③トイレ
  • ④寝室
  • ⑤クローゼットなどの収納
  • ⑥キッチン
  • ⑦玄関
  • ⑧外観

撮影のコツ:①居間

居間は、室内の中でも特に日当たりや広がりを感じたい空間です。なるべく明るく、広く感じるように撮影しましょう。

晴れた日に撮影するのに越したことはありませんが、そううまくいくとは限りません。雨戸やシャッターが閉まっている場合は、面倒でも開けましょう。それでも暗い場合は照明をつけますが、明るい場合は自然光の方がきれいに撮れます。

室内の場合でも順光を利用し、太陽の光を取り込むように撮影します。なるべく部屋の隅に立ち、対角線方向を見て撮影しましょう。もし一辺が長い長方形の部屋であれば、短辺を背にして撮影すると、広がりを感じるように撮影できます。

なお、カメラを構える高さも重要です。高い位置から撮影すると、床部分が小さく写るため狭く感じます。カメラの高さは、おおよそ150~160cmを意識しましょう。

撮影のコツ:②浴室

浴室は清潔感や明るさを意識し、照明をつけて撮影します。撮影者自身が浴室に立ってしまうと至近距離から撮影することになり、圧迫感を覚える写真になってしまうためアングルや構図に注意しましょう。

浴室を撮影するときはドアの外に立ち、なるべく全体が写るように撮影します。それでも全体を撮影するのが難しい場合は、あえて高いアングルから撮る方法もあります。

なお、鏡の位置にも注意してください。自分の姿が映り込まないよう、角度を変えて撮影します。追い焚き機能や窓がある場合はアピールポイントになるため、上手に写真に収めるようにしましょう。

撮影のコツ:③トイレ

トイレは浴室よりもさらに狭い空間です。ドアを開けて引いて撮影するか、便器を上から撮影するアングルにします。また基本的に、便器のふたは閉めて撮影します。

温水洗浄便座が設置されている場合や、トイレに収納がある場合、これらがよくわかるように撮影しましょう。家賃によってはついていないケースもあるので、十分魅力的なアピールポイントになります。もし汚れが気になる場合は、軽く清掃してから撮影することをおすすめします。

撮影のコツ:④寝室

寝室は居間に比べて暗く、やや狭い空間であることが多いでしょう。そのため、なるべく明るい印象になるよう、意識しながら撮影します。

基本的には、居間の撮影とコツやポイントは同じです。雨戸やシャッターは開けて、照明は必要に応じて点灯させます。

クローゼットや押し入れがある場合は、その有無がわかるように撮影しましょう。イメージとしては、入り口付近の角に立ち、窓やクローゼットが写真に納まるよう、斜めを向いて撮影します。このような工夫を行うことで写真の情報量が多くなり、お客様に興味を持ってもらえる可能性が高まるためおすすめです。

撮影のコツ:⑤クローゼットなどの収納

クローゼットなどの収納スペースは、奥行きや高さがわかるよう、扉を開けて撮影します。クローゼットや押し入れが複数ある場合は、なるべく全箇所を撮影して収納力が高い物件であることをアピールしましょう。

また、クローゼットの扉のタイプも気になるポイントです。折れ戸なのか開き戸なのかわかるよう、きちんと撮影するのがポイントです。

撮影のコツ:⑥キッチン

キッチンは伝えたい要素が多いため、なるべくすべての設備が入るように撮影します。不動産賃貸ポータルサイトなどに複数枚掲載できる場合は、何枚かに分けて撮影しましょう。

ガスコンロの有無や、IHもしくはガスコンロなのかは特に重要なポイントです。ほかにも、シンクや作業スペースの大きさや、つり戸棚の有無もわかるようにしたいものです。それぞれアングルを変えて撮影しましょう。

またキッチンは比較的接近して撮影するため、平衡感覚を失いがちです。可能な限り、水平を意識して撮影するように注意しましょう。

撮影のコツ:⑦玄関

玄関の写真も忘れずに撮影しましょう。玄関の場合、玄関自体の広さだけでなく、シューズクローゼットの有無・大きさなどもポイントです。もしシューズクローゼットがついてるようなら、なるべく容量がわかるように撮りましょう。

撮影のコツ:⑧外観

外観写真を撮影する際に大事になるポイントは、青い空と構図の2つです。鮮やかな青い空は、建物自体を明るく見せてくれるので、できるだけ晴れた日に撮影することをおすすめします。写真編集ツールなどで加工することもできますが、不自然な印象になることもあるので注意しましょう。

構図については、エントランスがある正面をやや斜めから撮影し、重厚感が出るようにすると良いでしょう。道路の幅員によっては、角度をつけるのが難しいかもしれません。その場合はローアングルなど、撮影する高さを変えて撮影します。

外観写真は余計なものが写りやすいので、タイミングを見て撮影しましょう。植栽や街路樹がある場合は、建物と一緒に写るように撮影すると印象が良くなります。

※【資料ダウンロード】下記のリンクから「場所別の物件写真撮影のコツやポイント」を写真付きでまとめた詳細資料をダウンロードできます

まとめ

不動産賃貸ポータルサイトなどに掲載する物件写真は、内見率や成約率に大きく影響しますが、だからといって難しく考える必要はありません。大事なポイントを押さえて撮影すれば、多くの人の目を引く魅力的な写真を撮れるようになります。太陽の位置や撮影する時間帯を意識するだけでも変わるはずなので、本記事で紹介した内容をおさらいし、Web反響アップに努めましょう。

※下記2本の関連記事では「スマホでの写真撮影のコツ・ポイント」や「写真撮影代行サービス・メリット」などを解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

桜木 理恵

この記事を書いた人

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、念願の不動産仲介営業として約8年従事。その後結婚・出産を機にハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し5年ほど勤務。現在は不動産の知識や経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。保有資格は他に2級ファイナンシャル・プランニング技能士と管理業務主任者。

■現在の職業・肩書き・資格など
Webライター / 宅地建物取引士 / 管理業務主任者 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

記事へのコメント
1
2
3
4
5
送信
     
キャンセル

コメントを書く

CHINTAI JOURNAL
レビュー:  
 0 コメント