記事公開日:2022/01/18
最終更新日:2023/11/16
不動産業界(賃貸仲介営業)でも、FAXは主流な伝達ツールとして活用されています。しかし、ビジネスマンとして経験の浅い人や、メールやチャットの普及でFAXを使わなくなった人にとって、FAXのマナーは不慣れなものかもしれません。
そこで今回は、ビジネスシーンや賃貸仲介営業の現場で使える、FAXを送る際に守るべき7つの基本マナーを解説します。これらのマナーは先方に不快感を抱かせず、手間や負担をかけないためにも必要です。
マナーを覚えれば、機密情報・個人情報(顧客や物件オーナー)の漏えい防止につながるほか、先方からもポジティブな印象を持ってもらえるかもしれません。また、最後はFAXを送る際の注意点やFAXを送る手順についても解説していますので、FAXを送ることに慣れていない人は最後までチェックしてみてください。
※下記2本の関連記事もチェックしてみてください
目次
FAXの送り方について、ビジネスマンとして押さえておくべきマナーを7つ解説します。
送信前のFAX番号の確認は、誤送信・情報漏えいリスクなどを防ぐためにも必須です。管理情報なども含まれている場合、誤送信は機密情報の漏えいにもつながります。事前に確認し、先方へ正しく送信できるようにしましょう。
特にミスを軽減させるのが、登録してある番号へそのまま送信することです。これまでも取り引きのある送信先であれば、積極的に利用しましょう。
ビジネスマナーにおいて、FAXの送付状添付もマナーの1つです。送付状とは、誰が・どんな目的で・いつ送信したのかがわかる書類を指します。
次項から、送付状の書き方や送り方について解説します。
以下3点の理由から、送付状は最初に送信しなければなりません。
<送付状を最初に送る理由>
送付状はFAXの概要を示す重要な書類で、ページ数や記載内容、宛先などの情報が盛り込まれています。送付状が先頭になければ、「誰宛の・どんな内容で・どれだけの量があるのか」などが把握できません。たとえ、送り先が物件オーナーなどの個人宅であっても、マナーとして送付状は必要です。
さらに、原稿の先頭に送付状があれば、第三者から原稿の中身が見えません。情報の流出防止としての役割もあります。
また、送付状にテスト送信の旨を記載しておけば、わざわざテスト送信用に別の原稿を用意する必要がありません。確実に先方に送信できるほか、用紙の無駄遣いも防げます。
上記の理由から、送付状は必ず最初に送信しましょう。
送付状は手書きでも問題ありません。あくまでも事務的な機能を果たす書類なので、どのような作成手段でもビジネスマナーは守れます。
ただし、手書きの場合は丁寧な字で記載しましょう。FAXは文字が潰れる恐れもあるため、大きさや間隔なども意識してください。送付状としての役割を果たせるよう、読みやすさは特に注意を払う必要があります。
文字サイズやフォントに関しては「小さい文字、見づらい文字を使わない」でも解説しているので、参考にしてみてください。
送付状の書き方について、必要な項目と内容、テンプレートを紹介します。
項目 | 内容 | 記載する理由 |
宛名 | ・会社、団体名・部署名・名前 | 誰宛のFAXかを明確にしなければ、読んでもらえない可能性がある |
差出人 | ・会社、団体名・部署名・担当者名・連絡先(電話+FAX番号) | 誰からのFAXかを明確にしなければ、要件に対する認識ができず返信もされない可能性がある |
送信年月日 | ・送信した日付を記載 | 先方はFAXを送ったその日に確認するわけではないため、いつ送信したものか明確にする |
挨拶 | ・拝啓、敬具などから始まる挨拶文を記載 | ビジネスマンのマナーとして記載 |
内容 | ・箇条書きで内容を記載・緊急性の高い内容の場合、「至急」といった文言も入れておく | どの要件に対するFAXなのかを一目で理解してもらう |
FAXで送信する書類の枚数 | ・表紙も含めた枚数を記載する | 先方はFAXで送られる書類が何枚あるのかわからないため、不足がないことの確認 |
FAXで送信する書類にはページ番号をふり、先方が混乱しないよう配慮しましょう。ページ番号が記載されていない場合、書類の順番がバラバラになってしまう恐れおそれもあります。
さらに、ページの抜けがあると、先方はどのページが抜けているのか判断できません。ページの下部には1/5、2/5などわかりやすい番号をふっておきましょう。
FAXを送る際は、原稿の向き・順番・サイズを整えなければ、先方に送信できない可能性があります。原稿の向きのそろえ方から見ていきましょう。
※メーカーや製品によって違いがあるため、事前に取扱説明書を確認してください。
順番に関しては、送付状が一番上にくるよう並べます。その後、ページ番号順に並べて送信すれば、先方は順番に原稿をチェックできます。
また、先方のFAXがA4サイズしか受信できない場合、こちらがA3サイズの原稿を送ると縮小されて文字が読めないかもしれません。可能であれば、事前に連絡してサイズをそろえるべきか確認しましょう。
FAX送信の前後には電話で連絡して、先方が確認できるよう配慮することも大切です。
連絡なしでFAXを送ると、いつ気づいてもらえるかがわかりません。場合によっては翌日ということもあるので、「FAXを送る」という旨だけでも伝えておきましょう。急ぎの要件であれば、原稿が来るのを先方に待っておいてもらう必要があります。
また、原稿のボリュームが多い場合、すべての枚数が出力されるまで時間がかかります。先方の機器を独占してしまう恐れがあるので、事前に連絡して原稿を送っても問題ないタイミングを確認しておきましょう
また、送付後に相手からの連絡がほしい場合は、送付状や事前の連絡であらかじめその旨を伝えておくことも大切です。
次に、FAX送信後に連絡を入れる理由について見ていきましょう。
FAXは送信エラーになると届かないことがあります。さらに、文章が途切れていたり、原稿の一部が印刷されていなかったり、問題が起きている可能性も否めません。ページ数の不足、誤字脱字などの確認も兼ねて、念のため連絡しておきましょう。
FAXは夜間・深夜帯を避けて送信し、個人情報・機密情報の漏えいを防止しましょう。FAXは夜間・深夜帯でも送信できます。しかし、送った書類は翌朝まで放置されたままです。
先方が法人の場合、清掃や警備会社などが先方のオフィス内へ入るため、個人情報や管理情報などが漏えいする原因になりかねません。そのため、先方が原稿を受け取ったかどうか確認できる、日中にFAXを送ることがマナーです。
ただし、このマナーはあくまでも推奨される時間帯なので、可能であれば先方が希望する時間帯を確認しておきましょう。
初めて先方とFAXでやり取りする際は、事前にテスト送信をして、問題の有無を確認してください。
「⓵送信前にFAX番号を確認する」で解説した内容とは異なり、テスト送信は先方から教わった番号が正しいかの確認も兼ねています。「テスト送信」と記載した紙を一度送って、番号の間違いがないか確認しましょう。さらに、テスト送信はFAXを送受信する機器に問題がないかの確認にもなります。
また、テスト送信後は、テスト時に登録した番号宛に予定している原稿を送信すれば、誤送信のリスクはありません。
FAXを送る際の注意点を3点解説します。マナーとしてはもちろん、先方に負担をかけないためにも押さえておきましょう。
FAXにおいて、大量の枚数を先方へ送るのは控えましょう。「⑤FAX送信の前後に電話で連絡する」でもあったように、大量の枚数を送ってしまうと先方の電話機や複合機を独占してしまうかもしれません。
さらに、用紙を余計に消費してしまうので、コストをかけさせてしまいます。やむを得ない場合は事前に連絡を入れ、その旨を伝えましょう。
また、FAXでなくとも、メールや郵送といった手段もあります。臨機応変に対応方法を変えて、先方に負担をかけないことがマナーです。
小さい文字は見づらくなってしまうため使用してはいけません。FAXの場合は文字が潰れてしまうこともあり、小さい文字では内容が伝わらないケースも考えられます。さらに、文字のサイズだけではなく行間や色使いなどにも気をつけて、先方が読みやすいように配慮をしましょう。
また、複合機の種類によっては、画質調整機能が搭載されています。適宜使用して、見やすい原稿を送信しましょう。
情報漏えいリスク軽減のため、親展・機密事項(顧客の個人情報含め)が含まれる書類は送ってはいけません。一度送ってしまった原稿は取り消しできず、機密事項が含まれていては情報漏えいにつながってしまいます。誤送信の可能性も考えて、親展・機密事項は原稿へ記載しないようにしましょう。
また、ビジネス上、FAXの送信先(番号)は会社宛のケースも多いです。先方の担当者のみが見るものではないので、漏らしてはいけない情報が含まれる場合は削除してください。
同業者とFAXでやり取りする際、水曜日(定休日)に送信しても見てもらえないため避けましょう。「⑥営業時間内に送信する」でも解説したとおり、すぐにチェックされないFAXはセキュリティ上の問題があります。
賃貸仲介業の定休日は水曜日が一般的なので、FAXは別日に送信するよう心がけましょう。
物件の最新情報を取得する場合は、FAXではなく電話を活用して、出遅れるリスクを回避しましょう。物件情報の取得や申し込みは、競合他社も同時に行っている可能性があります。
REINSに物件情報が掲載されて「現在募集中」と記載されていても、「FAX原稿の作成→送信→先方(元付会社)が確認」という段取りでは、先んじて競合他社が申し込むかもしれません。
このような状況ではスピード感を重視して、電話で物件の在庫確認を行いましょう。
FAX送信時のトラブルは信用・信頼を損なう恐れもあるため、起こりうるトラブル別に対処法を解説します。
FAXが送信できない原因は、以下が考えられます。
<FAXが送信できない原因>
・先方の機器にトラブル(故障や紙詰まりなど)が起きている
・先方がFAX回線を使用している(通話中など)
・送信枚数が多すぎる
先方のトラブルであれば、事前に電話連絡を入れるか、時間をおいて再度送信しましょう。
特に注意が必要なのは、FAXの枚数です。機器によっては、FAXの送信・受信枚数に上限が決められており、それ以上の枚数を送ろうとしても受け付けてもらえません。目安として20枚以上を送る場合は、個別に送信する旨を事前に伝えておきましょう。
不要な番号は事前に削除しておき、希望しない相手に送信するリスクを避けましょう。FAXを送信する際、登録した番号を選択する方が誤送信を防げます。
しかし、確認を怠ると、FAXを希望しない相手に送信してしまうリスクがあります。このようなトラブルを避けるためにも、不要な番号はすべて削除してトラブルを回避しましょう。
誤送信を防ぐには、テスト送信やFAX番号のダブルチェックが有効です。誤送信は、情報漏えいのリスクがあります。信用・信頼に影響を及ぼすため、多少の手間はかかったとしても必ず対策しましょう。
先方の担当者にFAXを送信する際は、送付状や電話連絡を活用しましょう。「<h4>送付状は最初に送信する</h4>」でも解説したとおり、送付状はFAXの宛先を明確にする役割もあります。
また、電話連絡を入れておけば、こちらのFAXが他の書類に埋もれてしまっても探し出してもらえます。確実に担当者へ届けられるよう、上記のような工夫が大切です。
FAXの送信手順について、複合機・電話機のそれぞれで解説します。
FAX機能付き複合機で原稿を送る手順について解説します。
詳しい手順は機種によっても異なります。取扱説明書などで使い方を把握したうえでFAXを送りましょう。また、複合機の場合、カバーを閉じなければ綺麗に読み取りされない可能性もあるので注意してください。
FAX機能付きの電話機でFAXを送る手順について解説します。
電話機においても、機種により細かい手順が異なるので事前に確認しておきましょう。
FAXを送るだけでも、ビジネスマンとして押さえておくべき基本マナーがあります。改めて、ご紹介した7つのマナーを振り返りましょう。
また、「FAXを送る際の注意点」で解説した注意点を把握しておかなければ、先方へ余計なコストをかけさせてしまう恐れがあります。
相手を不快にさせず、手間をかけさせないためにも、ここで解説したマナーはしっかりと把握し、正しくFAXを送りましょう。
記事へのコメント | |