記事公開日:2022/07/28
最終更新日:2024/01/11
不動産営業は顧客対応から内見、契約など複数の業務を同時に抱えており、業務の漏れを防ぐためにはタスク管理が欠かせません。手帳や付箋に書き込んで管理している方も多いのですが、「Trello(トレロ)」というツールを使って管理している方も少なくありません。
今回は、Trelloの活用方法や登録方法などについて解説していきます。賃貸仲介営業・一般営業それぞれの活用事例も紹介しているので、タスク管理にお困りの方はぜひ参考にしてください。
目次
Trelloは複数の案件でやるべきことと、進捗状況が視覚的にわかるツールで、個人だけでなくチームでの共有ができます。全世界で200万を超えるチームが使用しており、社内でのプロジェクト管理から個人のタスク管理まで幅広い使い方ができます。
運営会社 | アトラシアン |
ユーザー数 | 2,500万人以上 |
主な機能 | ・ラベルによる色分け・タスクの詳細設定・期限の設定・チェックリスト・添付ファイルの追加・進捗状況の数値化・カレンダー機能・外部アプリケーションとの連携・通知機能 |
Trelloでは、付箋をボード上で移動したり剥がしたりするような感覚でタスク管理をします。カード型に登録されたタスクをボードと呼ばれる場所で管理し、「ToDo」「進行中」「完了」といった進捗状況に合わせて移動する方法です。
登録されたタスクや進捗状況が可視化されるため業務の取りこぼしが減り、チーム内での情報共有がスムーズに行えます。シンプルな機能とアナログ的な操作方法で、運用も始めやすいのがポイントです。
またチームだけでなく、個人業務やプライベートのタスク管理にも活用できます。たとえば、「名刺管理」というボードを作成して会社ごとに名刺を登録すれば、大量の名刺をファイルで管理せずに済むほか、必要な際にすぐに取り出せます。さらに資格取得といった目標に関することも、テキストの範囲や購入する参考書をタスクとして登録するなど、幅広い活用方法ができるのもTrelloの特徴です。
チームでの業務管理だけでなく、個人の仕事管理ツールとしても使えるTrelloのおすすめポイントを4つご紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Trelloでは、「カード」と呼ばれる付箋のようなものを使ってタスクを管理します。このカードを業務の進捗状況に合わせて移動させ、自身のタスク状況を把握するといったやり方です。未着手の仕事や完了した仕事が何かを一目で把握できるため、複数のタスクがあっても「やるべきことを忘れていた!」というミスを減らせます。
また、カードはドラッグをするだけで移動できるため、面倒な機能を使うことなく直感的に操作できる点もメリットです。内見の予定や顧客の来客予約など、各業務をカードとしてタスク化すると非常に便利なので一度試してみると良いでしょう。
タスクの時間管理を自動生成のガントチャートで行えるのも、Trelloの魅力のひとつです。
ガントチャートとは、作業の進捗状況を棒グラフで表したもので、これにより作業全体の進捗状況が把握できます。カード単体では全体の状況を掴むのは難しいですが、ガントチャートを使えばそれも容易に叶います。
このガントチャートは、Chromeの拡張機能「Elegantt for Trello」を追加すれば表示できるため、必要に応じて使い分けていくと良いでしょう。たとえば、顧客のクロージングまでをガントチャート化することで、次回のアクションを可視化できます。
Trelloはパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応しています。これにより、外出先でも進捗状況を確認したり、タスクを追加したりすることが可能です。
スマートフォンの場合は専用のアプリが必要なので、あらかじめダウンロードしておきましょう。内見などで外出する機会も多い不動産営業にとって、スマートフォンから業務ができるのはうれしいポイントです。
Trelloは個人だけでなく、チーム内での使用にもおすすめです。プロジェクトごとに「ボード」と呼ばれる管理場所を作成し、メンバーを招待すればチーム内で進捗状況の共有が可能です。
タスクごとに担当者を振り分けることもできるため、営業担当者と事務の間で進捗状況をいちいち確認する必要がありません。全員の作業状況が把握しやすく、業務をスムーズに進められるのです。
賃貸仲介業の場合、個人で動くことが多いかもしれません。しかし、昨今は「チームとして事業所全体の成績を上げる」といった事例も多々あります。Trelloによる情報共有のスムーズ化は、業務改革の一端を担える可能性があります。
Trelloのメリットを4つ解説します。Trelloの導入により社内の問題・課題を解決できるのか確認していきましょう。
Trelloのタスク管理はクラウド型なので、スマホやPC、タブレットなどを使ってどこでもタスクの状況を把握できます。賃貸仲介業の場合、顧客案内や問い合わせ対応、物件情報の整理など多岐にわたる業務をこなす必要があり、タスク管理に時間を取られてしまうことも少なくありません。
しかし、Trelloであれば、視覚的にわかりやすいUI(表示画面)で個人はもちろん、事業所内全員のタスクも把握できます。スマホやPCがあればいつでもTrelloにアクセスできるため、内見やオーナーとの商談など、社外にいるときでも今日のタスクを随時チェック可能です。
賃貸営業はスピード感が求められる場面も多いので、Trelloのタスク管理を活用して業務効率アップを目指しましょう。
Trelloの自動化機能により、一部の雑務を効率的に処理できるようになります。TrelloにはButlerと呼ばれる機能が搭載されており、プログラミングなしでカスタマイズした自動化機能を追加できます。
たとえば、毎週行われる事業所内ミーティングや勉強会などのタスクを入力する際、同じ内容を手作業で入力する必要はありません。Butlerにより繰り返し行われる作業(タスク入力)を自動化することで、面倒な手入力を省略できます。
賃貸営業は雑務が多い仕事なので、上記のような自動化で業務効率化を図りましょう。
TrelloのUI(表示画面)はシンプルな構造なので、PCソフト・アプリを使い慣れていない人でも簡単に扱えます。不動産業界はアナログな一面があり、なかにはデジタル機器の扱いに慣れていない方も少なくありません。しかし、TrelloのUIはさまざまな工夫が施されているため、ITに馴染みが薄い方も安心して扱えます。
たとえばタスク管理機能の場合、入力したタスクを付箋のような見た目で画面上に貼り付けられます。「誰が・どんな作業を・どこまで完了したか」などを一目で把握できるため、デジタル機器の扱いに慣れていない人でも親しみやすいUIです。さらに資料添付もできるため、必要な情報の一元管理も叶います。
新しいツール・ソフトへ抵抗感がある人でも扱いやすいため、アナログ管理で効率化ができていない不動産会社は導入を検討してみましょう。
Trelloの活用により、属人化されがちな情報を共有化でき、業務効率化・成約率アップなどのメリットが生まれます。不動産業界において、営業活動は属人化されがちです。属人化した業務があると、特定の個人の負担が大きくなるほか、業務停滞のリスクもあります。
そのため、Trelloの共有機能を活用し、属人化解消を図りましょう。前述したように、Trelloはクラウド上で情報管理できるほか、社内・チーム内の全員で閲覧・編集などが可能です。各自が抱える情報を共有すれば、業務の属人化を防げるだけでなく、各人のスキルアップやフォロー体制の構築なども図れます。
なお、商談の進捗や顧客のヒアリング状況を共有するのも有効です。これにより、たとえ担当者が不在であっても別の誰かが対応できるようになります。
Trelloは「ボード」「リスト」「カード」の3つを使い、タスクやプロジェクト管理を行います。Trelloの使い方はシンプルで、3つのステップに沿ってタスクを作成します。
それではTrelloの基本的な使い方を確認していきましょう。
まずは、「ボード」を作成します。Trelloのボードとは、ホワイトボードやスケジュール帳のような役割であり、タスクを貼り付けて管理する場所です。
ボードは「A店舗」「営業チーム」といった店舗やチーム、「個人業務」や「名刺管理」のような個人の仕事など状況に合わせて細かく作成できます。ボードごとにメンバー登録が可能で、「非公開」を設定すれば登録されたメンバーしか共有されません。
リストは進捗状況のステータスを管理する場所です。たとえば、不動産営業の顧客管理の場合は、「未対応」「対応中」「完了」とリストを作成し、カードを進捗状況に沿ったリストに移動させます。また、リストは編集・追加ができるので、業務によってリストを変えることも可能です。
カードとは、タスク内容が書かれた付箋のようなものです。カードがボードの基本となり、このカードを進捗状況に応じてリストに移動させます。
このカードはラベルで色分けしたり、詳細説明やファイルを添付したりすることも可能です。カード内にはコメントも残せるため、チーム内でタスクに関するやり取りもスムーズに行えます。また、カードに「場所」を追加する機能もあり、これにより物件情報を記載したり取引先の場所を載せたりすることも可能です。
Trelloはタスク管理機能を応用して、個人・チームで以下のような使い方もできます。
個人の場合、Trelloは以下のような使い方もできます。
<個人での使い方>
Trelloでは、メールを転送してタスク化する機能も搭載されています。この機能を活用すると、顧客から届いたメールがTrelloに転送され、メールの返信漏れやクレーム対応の優先度などをタスクとして明確化できます。
また、Trelloはチャットツールと連携し、チャット内のやり取りをタスクとして追加可能です。業務連絡はもちろん、ちょっとしたアイデアなども保存できるので、自分用の記録媒体としてTrelloを活用する方も少なくありません。
個人のタスク管理を効率化させ、コア業務へ注力できる環境を構築しましょう。
チームの場合、Trelloは以下のような使い方もできます。
<チームでの使い方>
Trelloは拡張機能の追加もできます。たとえば、カレンダー Power-Upは、カレンダー上で各人の業務負担を可視化(日別・曜日別)させられます。
カード エイジングは、時間経過によりタスクのデザインが変化していくため、どのタスクが遅れているのか一目で判断可能です。これらのような拡張機能の活用により、チーム内のフォロー体制が構築され、業務効率や生産性アップなどに期待できます。
チームとして協力し合える環境を構築し、組織全体の成約率アップ・売上アップを目指しましょう。
チームや個人の仕事管理に役立つTrelloですが、利用前には以下の3つの点に注意が必要です。
1つずつチェックしていきましょう。
Trelloを利用するにはアカウントの作成が必要です。登録は無料ででき、メールアカウントを入力して登録する方法と、Google・Microsoft・Appleのいずれかのアカウントからログインする方法があります。
すでにアカウントがあれば、選択してログインするだけなので登録も手間なく済みます。なお、Googleアカウントの場合は拡張機能やGoogleカレンダーとの連携ができるため、Trelloを使うにあたって便利です。
先述のとおり、Trelloは「ボード」「リスト」「カード」を基本に使用します。最初のうちは、この仕組みや操作方法自体に慣れるまで時間がかかる場合があります。Trelloの機能自体はシンプルですが、必要な機能を追加するために拡張機能や外部サービスとの連携をする場合、「少し難しいかも…」と感じてしまうかもしれません。
混乱してしまう方は、今まで付箋に書いて机に貼っていたものが画面上に移動しただけと考えてみてください。リストやカードはドラッグ&ドロップするだけなど直感的に使えるため、慣れれば問題なく扱えるようになるでしょう。
Trelloの基本的な作業は無料プランでも可能ですが、組織の人数や機能によっては有料プランも検討する必要があります。
【Trello料金体系】
FREE | STANDARD | PREMIUM | ENTERPRISE | |
料金 | $0USD | $5USD | $10USD | $17.50USD |
FREEプランは個人での使用や少人数でのチーム利用におすすめです。必要に応じて拡張機能を追加すれば基本的なタスク管理ができます。一方STANDARDは、FREEプランよりも人数が多い場合や作業管理が多いプロジェクト向きのプランです。
そしてPREMIUMは複数のプロジェクトがあり、メンバー数が最大100人になるようなチームの活用に向いています。このプランから、カレンダービューやマップビューといったデータを可視化する機能が使用できる他、チームボードが無制限になります。
さらに上のENTERPRISEではセキュリティ面がより強化されるため、長期にわたるプロジェクトなどを管理するときに活用すると良いでしょう。
一般営業と賃貸仲介営業、それぞれの営業活動(賃貸仲介・一般)におけるtrelloの活用事例を解説します。
一般営業では、以下のようにtrelloが活用されています。
<一般営業の活用事例>
一般営業では、主にタスク管理を主体とした活用方法がメインです。
顧客・取引先が法人の場合、各タスクに対応する人員や作業プロセスが多くなります。そのため、案件・取引先別のタスク管理の方が、進捗や状況を把握しやすいでしょう。
一方、顧客が一般消費者の場合、担当者別の管理にすることで、顧客の要望や担当者の提案内容などが把握しやすくなります。業種や業態に合わせて、タスクの管理方法を工夫してみましょう。
賃貸仲介営業では、以下のようにtrelloが活用されています。
<賃貸仲介営業の活用事例>
紙媒体で管理していた物件情報をtrelloに移すことで、管理にかかる手間を削減できます。視覚的にも各情報が見やすくなり、管理業務の効率化も可能です。
また、trelloにはマップビューという機能が搭載されており、地図上から物件情報を書き込めます。チーム内での共有もできるので、情報のやり取りに手間・時間はかかりません。
賃貸仲介営業の場合、膨大な資料をtrelloで管理・共有できます。業務効率化によって、コア業務へ集中しやすくなるでしょう。
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最後に、Trelloの登録方法を見ていきましょう。いずれもスムーズにできますので、興味がある方はぜひ登録して活用してみてください。
Trelloの公式サイトへアクセスし、「アカウントを作成する」ボタンをクリックします。メールアドレスを入力するか、Google・Microsoft・Appleいずれかのアカウントでログインが可能です。
氏名とパスワードを入力し、サインアップをすると登録完了です。
アカウントを作成したら、練習として業務ごとのボードを作って名前をつけていきます。
リストを作ると、「ToDo」「作業中」「完了」と進捗状況に合わせた表示がなされます。そのまま使用しても問題ありませんが、編集して業務に沿った内容に変更することも可能です。
タスクとなるカードを作成します。カードをクリックすると、期限や添付ファイルなどを追加できます。
「さらにボードを作成しましょう!」をクリックすれば練習は終了です。最初のうちは困ってしまうこともあるかもしれませんが、少しずつTrelloに慣れていきましょう。
Trelloは、ToDoリストを付箋に記入しパソコンやデスクに貼っていたものを、そのまま画面上に移すような感覚で使えるタスク管理ツールです。複雑な進捗状況を可視化できるほか、スマートフォンでもチェック可能なため、外出が多い不動産営業マンにもおすすめです。煩わしい管理の手間が少なくなれば、本来やるべきタスクに時間を割くことができるようになるので、仕事の業務管理方法に悩んでいる方は、Trelloを使って作業の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。
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