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スマートフォンで綺麗な写真を撮影するポイントとは?注力する理由や注意点も解説

記事公開日:2023/09/27

最終更新日:2023/10/12

スマホで写真撮影・編集

昨今は、インターネットで物品やサービスを紹介することがもはや当たり前になっています。SNSの浸透により、文字でセールスをするのではなく、写真とテキストをあわせて提示することで、その効果を高めることがセオリーになっているのではないでしょうか。

また、賃貸仲介業者は営業力やマーケティング力が問われる仕事ですが、物件情報を集めるという商品の仕入れも重要な仕事です。仕入れた物件をポータルサイトやホームページにアップすることで、お客様を呼び込み営業を行うというサイクルを延々と繰り返す、ルーティンワークのような一面も持ち合わせています。物件情報をアップするときに重視するのは、何よりも物件写真です。同じ賃貸物件を撮影しても、人によってばらつきがあるのも事実であり、撮影した写真の良し悪しが反響数に影響するのもまた事実です。

そこで、今回は綺麗な写真を撮影するポイントをご紹介します。とりわけ、昨今はスマートフォンでの撮影も多いと思われますので、スマートフォンでの撮影を前提として解説します。営業担当者によって撮影写真の品質にばらつきがあるとお悩みの責任者の人、もっと写真をうまく撮影したいと思っている営業担当者の人は、ぜひ参考にしてみてください。明日からでも実践できる実用性の高い記事に仕上がっています。ぜひ最後までお読みいただき、同じ店舗のみなさまとも共有しましょう。

※下記2本の関連記事では物件写真撮影のコツ、営業資料作成のコツを解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

一般・賃貸仲介営業マンが写真撮影に力を入れるべき理由

商品やサービスを紹介するときに、その写真が重要という認識をお持ちの方が多いでしょう。しかし、なぜ写真が重要なのでしょうか。賃貸仲介営業であれば、物件の写真にこだわるべき理由はどこにあるのでしょうか。

撮影の具体的方法の前に、写真撮影に注力し、良い写真を撮る必要性を把握しておきましょう。

印象がいい商品やサービスは成約につながりやすい

写真とテキストが並んでいるとき、一般的に写真にまず目がいきがちです。魅力的に撮影された写真は、見た人の第一印象に深く刻み込まれることでしょう。

初頭効果やメラビアンの法則などからも、第一印象と視覚から得られる情報の重要性は明白です。ひいては、写真の良さが商品やサービスの印象に直結し、成約につながりやすくなると考えられます。

文章よりも写真の方がイメージは伝わりやすい

1枚の写真を文章で説明しようとすると、かなり長いものになります。それだけ、写真にはさまざまな情報が集約されているといえるでしょう。

商品や風景、できごとなどが一瞬で伝わり、文章に比べて情報の伝達が濃厚であるため、イメージが伝わりやすいという特徴があります。

信頼性が高まり、購買意欲が高まる

クオリティの高い写真は、商品やブランドに対する信頼性を高める効果があります。お客様は写真と同じ商品を手に入れたり、写真と同じお部屋に住むことを期待したりすることで、商品やサービスを入手したいという購買意欲が高まります。

競合他社と差別化を図れる

ECサイトやポータルサイトで、競合他社と類似する商品が陳列されているとき、写真が良いという理由だけでクリックされる可能性が高くなります。それだけでも、競合他社と差別化を図れるでしょう。

【iPhone編】手軽に撮影できるスマホで綺麗に撮るコツ・ポイント

それでは、スマートフォンで写真をうまく撮影するコツやポイントのご紹介にうつります。まずは、iPhoneからです。

持ち方を上下反対にして持つ

iPhoneのカメラレンズの位置に注目したやり方です。いつもと上下反対にすることで、カメラのレンズがより下のほうにきます。より下からのアングルで被写体を撮影することで、普段は見ない角度から立体感が生まれ、奥行きのある写真を撮影できるでしょう。

AE/AFロックを活用する

AEとは、Auto Exposureの頭文字をとったものです。直訳すれば自動露出で、簡単に説明すると、自動的に明るさを決めてくれる機能のことをいいます。

同じくAFとはAuto Focusの略語で、自動で焦点を合わせるという意味です。要約すると、ピントを自動的に合わせてくれる便利な機能を指します。

やり方は非常に簡単です。iPhoneのカメラ撮影画面から撮影したい被写体を長押しすると、四角の枠が表示されます。上部に「AE/AFロック」と表示されますので、そのまま撮影しましょう。

少し暗いところでの撮影や、夜のイルミネーションの撮影では本当に役に立ちます。暗いところで撮影をしていると、顔が真っ暗になってしまった経験はありませんか?AE/AFロック機能を使えば、適した明るさをiPhoneが自動的に判断してくれますので、失敗することがありません。

AE/AFロック機能には、1点注意しなければいけないことがあります。それは、被写体を長押ししてから画面の他の部分を触ると、ロックが解除されてしまうことです。ロック機能を設定したら、可能な限りすぐに撮影するようにしましょう。

HDR設定をONにする

HDR(High Dynamic Range)機能は、写真撮影において、明るい部分と暗い部分の両方にフォーカスできる機能のことです。

簡単にいえば、通常の写真は明るい場所で暗い部分が見えにくく、逆に暗い場所で明るい部分が見えにくいことがあります。しかし、HDRを使うと、明るいところと暗いところの両方を綺麗に写すことが可能です。

通電されていない空室を自然光だけで撮影しようして、暗くなりすぎた経験はないですか?あとから明るさを補正しようとすると、窓の周りが真っ白になってしまうこともあるでしょう。そんなときは、ぜひHDR機能を活用してみてください。

HDR設定の方法も簡単なので、ぜひ覚えましょう。まず「設定」アプリを立ち上げて、「カメラ」の項目をタップします。下の方に「HDR」がありますので、それを「OFF」にしておきましょう。

HDR機能をOFFにした状態でカメラアプリを立ち上げると、上部に「HDR」と表示されています。HDR機能を利用して撮影しようとするときは、そのまま撮影してください。逆に、HDR機能が不要なときは、HDRの表示をタップすれば解除できます。HDR機能を使っているかいないかは、HDRの表示に斜線が引かれているので、視覚的にもすぐにわかります。

※【資料ダウンロード】下記のリンクから「iPhoneを使った物件撮影のコツやポイント」を写真付きでまとめた詳細資料をダウンロードできます。

【Android編】手軽に撮影できるスマホで綺麗に撮るコツ・ポイント

Androidについても同様に、コツやポイントを解説します。しかし、Androidはメーカーによりカメラの仕様が異なりますので、操作方法や機能が説明と違う可能性があります。

本体の逆さ持ちはAndroidでも有効

iPhoneでご紹介した本体の逆さ持ちは、Androidでも活用できます。ぜひ一度お試しください。

ベストショット機能を使う

Androidのカメラには「ベストショット」機能がついているものがあります。これは、水準器という平行を見るためのガイド線を表示しているときに、ここに合わせるといい感じの写真が撮れますよと教えてくれる機能です。

構図や明るさを自動的に判断してくれますので、どう撮影して良いかわからないときはぜひご利用ください。使い方は簡単で、ベストショットと白い丸が表示されたら、そこに標準を合わせて撮影するだけです。ただし「それを撮りたいんじゃないんだけど…」というときもありますので、そのときは平行だけでも見ておきましょう。

音声でシャッターを切れる

Androidでは、音声でシャッターを切ります。

※iPhoneでもアクセシビリティ機能を使って音声でシャッターを切れますが、設定が複雑であるため割愛いたします。

写真を撮影しようとすると、自分の影がどうしても映りこんだり、無理な体制でシャッターを押すときに手ブレが生じたりすることがあります。そういうときには、ぜひ音声でシャッターを切る機能を試してみてください。

カメラアプリを立ち上げたら、左上の歯車マークからカメラ設定に入りましょう。一般の項目内に「撮影方法」とありますので、そのなかから「音声コマンド」を選択し、ONにするだけです。特定のワードを発することで、シャッターを切れるようになります。

カメラを使うべきところをスマホで撮影する際の注意点

いくらスマートフォンが便利で使い勝手が良く、画素数が良いとされていても、本職であるカメラにその性能で勝ることはありません。スマホで撮影を行う際の注意点を確認しておきましょう。

画素数が要求される印刷物に用いる場合はカメラのほうが良い

スマートフォン内蔵カメラの画素数が1,000万画素あれば、スマホ画面での視聴にはまったく問題ないとされています。しかし、大きく印刷して掲示するときなどは、やはり画素数が低いと粗く見えてしまうこともあるでしょう。拡大印刷を予定しているときは、スマートフォンでの撮影は控えておいた方が良いと考えられます。

撮影現場でプロ意識が希薄だと感じられる可能性がある

自社の商品やサービスについて、写真を通じてマーケティングしようとするとき、スマートフォンで撮影を行うことで「本当に売る気持ちがあるのかな?」と思われることがあります。

スマートフォンよりもカメラのほうが安価なことがある

スマートフォンは、カメラ以外にもさまざまな機能を有しており、もはや我々の生活に欠かせない存在になっています。スマートフォンは多様な機能を有するがゆえに、高額化していることは否定できません。価格面のみを考えると、カメラを購入するという選択肢もあり得る話です。

最新のiPhone 14 proは、広角で4,800万画素、それ以外の撮影では1,200万画素で、カメラ機能のグレードの高さが際立っています。そのお値段は149,800円からとなっており、品質が良い反面、価格もそれなりにするようです。

一眼レフカメラでは、安いものであれば7~8万円から販売されています。この価格帯におけるカメラの画素数は1,600~2,000万画素ありますので、ほとんどのスマートフォン内装カメラの機能を上回っているといえそうです。

賃貸仲介営業の担当者は特に注意!賃貸物件の「写真編集・加工」は違反になる!

ここまでは、写真を撮影することについて説明を行ってきましたが、ここからは撮影した写真の編集や加工について解説します。

ポータルサイトや自社ホームページに物件写真を掲載するにあたり、写真を編集したり加工したりすることがあるでしょう。しかし、これはどこまで許されるのでしょうか?悪質なものは掲載の取り消しになり、ポータルサイトとの取引が制限されることも考えられますので、よく理解しておきましょう。

違反になる行為①:誇大広告

よくいわれる誇大広告は、不動産広告で一番やってはいけない広告です。とりわけ、写真で行われる誇大広告といえば、あからさまに実物よりも良く見せることと定義できるでしょう。

なお、不動産の表示に関する公正競争規約施行規則によれば「宅地又は建物の写真は、取引するものの写真を用いて表示すること」が求められています。

一般的に、ワンルームとファミリーの間取りが混在している建物では、ファミリータイプのほうが良い設備が利用されていることがほとんどです。ワンルームにファミリーの設備写真を使うことは、当然あからさまに実物よりも良く見せることに該当しますので、NGになります。

当たり前のことですが、ワンルームにはワンルームの写真を使うようにしましょう。

違反になる行為②:デメリットを隠す広告

バルコニーからの壮大な眺望を、広告として掲載することもあるでしょう。そのとき、実は目の前に煙突があって景観を損ねている場合でも、昨今の写真技術をもってすれば、この煙突を消してしまうことなど容易です。言わずもがな、こんなことをやって許されるわけがありません。

悪い部分やデメリットも、包み隠さず広告として掲出することが求められています。ただし、一般駐車車両のナンバープレートや表札などが映りこんでいるとき、個人情報に配慮する形であれば問題はありません。

違反になる行為③:パースやCGを掲載すること

新築の場合、イメージパースやCGを外観に利用していることもあるのではないでしょうか。これは、厳密にはNG行為となります。やはりイメージパースやCGは実物とそもそも異なるうえ、電線や周りの環境がすべて反映されているとはいえません。

完成したものとの乖離が生じたとき、あらぬトラブルやクレームにならないとも限りません。可能な限り、現地での建築写真を利用し、商談の説明ときに完成イメージパースとして補足する程度に留めておきましょう。

なお、こういったパースやCGデータはイメージパースのため、現況と異なることを付記すれば掲載しても問題ないと、誤った理解をしている方が多いです。しかし、これは完全な誤情報になります。首都圏不動産公正取引協議会も、このような誤情報には注意するように啓蒙していますので、くれぐれもお止めください。

不当表示の禁止 | 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

違反になる行為④:過度な加工を施すこと

低層階や北向きのお部屋を、いい部屋なんだけどもっといい部屋に見せたいといったとき、ホワイトを上げて明るく見せることはありませんか?実はこれもNGな行為です。

もちろん軽微なものであれば問題はありませんが、まったく日が当たらないのに、あたかも直射日光がさんさんと入っているような写真に加工するのはお話になりません。撮影技術とカメラスペックを上回る加工は、原則禁止だと覚えておきましょう。

まとめ

今や、インターネットやECサイトで商品・サービスを宣伝・販売することは、何も珍しいことではありません。そのため、そこに利用する写真素材や撮影技術によって、商品やサービスの見た目に優劣がつき、販売効果に影響を与えることはもはや当然のことといえます。

もちろん、予算や納期によってプロの撮影カメラマンを利用できれば良いのですが、そうはいかないときもあるでしょう。そのときに役立つのは、やはり自分の撮影技術になります。

賃貸仲介業者の場合、すべての部屋の撮影をプロのカメラマンに依頼していては、さすがに販売管理費が増大してしまい、商売として成立しなくなることもあり得るでしょう。そういった販売やサービスの現場のことを考えると、営業担当者が撮影技術を身につけておくことは必須といえます。

今回ご紹介した内容は、普段あまり使わない機能を使うことで、すぐにでも活用できるものばかりです。仕事で写真撮影を行うときに限らず、普段の何気ない写真を撮影するときから気を付けてみてはどうでしょうか?それだけでも、撮影技術はぐんとアップすること間違いなしです。日々の積み重ねによって、みなさんの撮影技術がアップすることを祈っています。

※下記の関連記事では物件写真の撮影代行サービス・メリット・注意点などを解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

KS

この記事を書いた人

大学卒業後、賃貸仲介業や管理業を約4年間経験したのち、知人の独立を手伝い賃貸仲介会社を2社立ち上げ。後に賃貸管理業のプロパティマネージャーやアセットマネージャー、総合不動産会社での経営企画室室長としてのキャリアを積む。
現在は、賃貸事業、管理事業、注文住宅事業の立て直しのため、店舗店長を兼任し、マネジメントを行っている。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

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