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論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付けよう!活用できる方法も徹底解説

記事公開日:2022/07/28

最終更新日:2022/09/18

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スキルアップのひとつとして、論理的思考力(ロジカルシンキング)関連の書籍を読んで自己研鑽に励む方も多いのではないでしょうか。「ロジカルシンキングって何だか難しそう」と身構えてしまうかもしれませんが、ビジネスにおいて論理的思考力(ロジカルシンキング)は、身に付けておくべきスキルのひとつです。

今回は、論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付ける方法や、ロジカルシンキングの力を伸ばすフレームワークについて解説していきますので、ぜひ今後の仕事にお役立てください。

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、筋道が明確で矛盾のない考え方・思考法のことです。物事を直感や感覚ではなく、整理・分解しながら結論を導きます。

ロジカルシンキングは、自分のアイデアや主張をわかりやすく伝えたり、問題解決をしたりするときに役立つスキルで、これを使いこなして結果を出しているビジネスパーソンも少なくありません。論理的思考力を身に付けるメリットについてはのちほど詳しく説明しますが、ビジネスシーンにおいては自身の主張に説得力を持たせる、環境や考え方が異なる相手の意見を理解しやすくなるなどが挙げられます。

論理的思考と「○○思考」との違い

論理的思考の他に、「直感的思考」「批判的思考」「水平・垂直思考」の3つがあります。この3つの思考は、論理的思考とどのような違いがあるのでしょうか。

直感的思考との違い

直感的思考は、その名のとおり自身の直感で物事を決める思考のことで、多くの人がよく使っている判断方法といわれています。たとえば、昼食のメニューをカレーと決めるときに「たまたま目に留まったから」といった理由で選ぶことが多く、そこに明確な理由はありません。

一方、論理的思考は「なぜ昼食にカレーを選んだのか」を考えます。筋道を立てて説明できるものが論理的思考で、無意識に出した結論が直感的思考といえます。

【論理的思考との違い】
  • 直観的で結論にいたるまでの理由がない
  • 無意識に決定している

批判的思考との違い

批判的思考(クリティカルシンキング)は、物事をひとつの角度から捉えるのではなく、多様な視点から疑問を投げかけたり検討したりして正しい結論に導く思考法です。前提が本当に正しいのか、物事を常に疑いながら検証をして結論を出します。そのため、場合によっては論理的ではない常識外れともいえるアイデアによって結論を出すことも少なくありません。

【理論的思考との違い】
  • 物事の前提や推論を疑う
  • 論理的ではない意見やアイデアも検討材料にする

水平・垂直思考との違い

水平思考(ラテラルシンキング)は、前提や枠にとらわれない発想法です。新しい視点から自由にアイデアを出し、問題解決に導きます。

垂直思考(バーティカルシンキング)は、水平思考とは真逆の思考法です。与えられた条件や枠の中から問題の解決策を出す思考法で、ロジカルシンキングと同じように考えられます。

【論理的思考との違い(水平思考)】
  • 自由で枠にもはまらない考え方
  • 前提も覆す発想ができる
【論理的思考との違い(垂直思考)】
  • 事実やデータに基づきながら課題解決に努める
  • 新しい発想は生まれにくい

論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付けるメリット

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論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付けるメリットは以下の3つです。

  1. 問題解決力が向上する
  2. プレゼン力や提案力が向上する
  3. コミュニケーション能力が向上する

それぞれ1つずつ見ていきましょう。

問題解決力が向上する

ロジカルシンキングは、問題の原因を突き止めて解決するため、問題解決力が向上します。仕事中にトラブルが発生したとき、そこには何らかの「原因」があるはずです。しかし、根本的な問題がわからないまま闇雲に対策をしてしまうと、時間もかかり同じ問題が繰り返される可能性があります。

のちほど詳しく説明しますが、「ロジックツリー」などのフレームワークを活用すれば、根本的な原因から解決までの筋道が立てやすくなります。

プレゼン力や提案力が向上する

プレゼンや提案が通るのは、相手がその内容に納得するからです。提案内容に矛盾があったり、理論が飛躍したりすると、話に説得力がなく理解もしにくくなります。

ロジカルシンキングを使えば、相手の立場や意見が違った場合でも筋道が通った説明ができるようになるため、商談や交渉を有利に進めやすくなるのです。

コミュニケーション能力が向上する

先述のとおり、ロジカルシンキングを身に付ければ相手にわかりやすく説明できるようになり、話を受け入れてもらいやすくなります。また、自分が話を聞く側であっても相手の意見の要点を把握し、論理的に理解できなければお互いの認識にズレが出てしまうでしょう。

不動産会社を訪れるお客様は年代や職業が幅広いため、相手にとってわかりやすい言葉で伝える必要がある他、相手が伝えようとしていることを汲み取らなければなりません。意思疎通がうまく図れないと意見が食い違ってしまうため、コミュニケーション能力の向上のためにもロジカルシンキングが役立つといえます。

論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付ける方法

論理的思考力(ロジカルシンキング)によってさまざまなスキルが向上しますが、いったいどのようにすれば論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付けることができるのでしょうか。

  1. 具体的な言葉を用いた会話を心がける
  2. 意識的に自分の考えを批判的に見る思考を持つ
  3. 本質的な課題や背景を押さえる

ロジカルシンキングを身に付けるのは難しそうに感じますが、何度も繰り返して練習すれば習得できるスキルです。上記3つの方法について、詳しく見ていきましょう。

具体的な言葉を用いた会話を心がける

会話の中で「抽象度が高い」言葉を無意識に使っている場合は、抽象度を下げて具体的な言葉を用いるように心がけましょう。

たとえば、「暮らしやすい部屋」といっても人によってそれぞれ異なります。家賃が安い部屋、セキュリティ面が充実している部屋、駅から近い部屋のいずれも「暮らしやすい部屋」といえます。

また、ビジネスの場でよく聞くのが「できるだけ早く」です。自分は明日〜明後日のつもりで伝えたとしても、相手の「できるだけ早く」は今日中かもしれません。抽象的な言葉の場合、相手と同じイメージを持てず理解が難しいため、できるだけ具体的な言葉を使うように意識してみてください。

意識的に自分の考えを批判的に見る思考を持つ

人には、それぞれ「思考のクセ」があります。たとえば、物事を0か100かで考えたり、どうでもいいことにこだわったりしていないかなど、考えの偏りに気づくことが大切です。

自分の思考のクセを把握したら、批判的思考(クリティカルシンキング)を用いて物事に疑問を持ちましょう。偏った思考にならないよう、自分の意識を批判的に見る習慣をつけることが重要です。

本質的な課題や背景を押さえる

日々の業務がどのような課題を解決するためのものか、「なぜ」を問いかけながら考えるのもロジカルシンキングを身に付ける方法のひとつです。本質的な課題を見抜けなければ、業務が効率的に進まなかったり、表面だけの解決になったりします。

本質的な課題を見抜くためには、まず課題の背景を確認しましょう。課題の背景を確認しておかないと、考えるべき検討範囲がわからない他、そもそも課題自体が間違っている場合も少なくありません。

論理的思考力(ロジカルシンキング)をより活用できるフレームワーク

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、以下のフレームワークで伸ばすことができます。

  1. ロジックツリー
  2. マインドマップ
  3. ピラミッドストラクチャー
  4. MECE(ミーシー)

それぞれどのようなフレームワークなのか、具体的に見ていきましょう。

フレームワーク①:ロジックツリー

ロジックツリーは、問題をツリー状に分解して原因や解決策を探すためのフレームワークです。このロジックツリーは、以下の手順に沿って進めていきます。

■What?(要素を分解する)

問題点を洗い出し、どこに問題があったかを特定します。

■Why?(原因を追究する)

考えられる原因を洗い出し、なぜ問題が発生したかを明らかにします。

■How?(解決策を考える)

「Why?」で突き止めた原因から解決策を洗い出します。ロジックツリーを使って狭くなりがちな視野を広げ、解決策のアイデアを出していきましょう。

また、問題や原因を網羅的に洗い出すことで問題の全体像を可視化し、偏った考え方をなくして問題を特定することも可能です。最初にテーマを決めて、3つのツリーに分けて解決すべき物事と向き合っていきましょう。

【ロジックツリーの特徴】
  • 問題の特定や原因を網羅できる
  • 具体的な解決策を出しやすい

フレームワーク②:マインドマップ

マインドマップは、頭の中で考えていることを可視化したいときに使う思考整理術のひとつです。やり方は、テーマを中心に置いて、キーワードやイメージなど思い浮かんだことを放射状に書いていきます。

ロジックツリーと似ていますが、マインドマップは頭の中にあるイメージをどんどん書き出していくのが特徴です。課題発見はもちろん、斬新なアイデアを出したいときにも役立ちます。

【マインドマップの特徴】
  • アイデアを出すときに役立つ
  • 頭の中の考えを可視化できる

フレームワーク③:ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、自分の理論展開をピラミッド型に整理した図のことです。プレゼンや提案の際、途中で話が飛んだり、内容とは関係のない説明をしたりする場合があります。自分が伝えたいことが整理できなければ、聞き手は「結局何が言いたいの?」と説明内容を理解できず、主張がうまく通りません。

ピラミッドストラクチャーの作り方のポイントは以下の3つなので、それぞれ押さえておくようにしましょう。

①自分が最終的に伝えたいことを頂上に置く

ピラミッドの頂上には、主張内容のまとめ・結論を置きます。

②頂上の下に主張の根拠を置く

「なぜそれを伝えたいのか」など、導き出した結論の理由について書いていきます。

③その下にさらに理由を書いて落とし込む

そして、②の根拠の理由を書いていきましょう。

ピラミッドストラクチャーは、自分の主張がどのような理由で組み立てられているかがわかるため、結論がブレることなく相手に伝わりやすくなります。また、プレゼンだけでなくメールや報告書にも活用できるため、実用性が高いフレームワークともいわれています。

【ピラミッドストラクチャーの特徴】
  • 説明内容を整理できる
  • 主張と理由を繰り返すことで相手が納得できる内容になる

フレームワーク④:MECE(ミーシー)

MECEは、問題や課題を明確にするために役立つフレームワークで、以下に挙げる4つの言葉の頭文字を取ったものです。

  • Mutually(お互いに)
  • Exclusive(重複せず)
  • Collectively(全体に)
  • Exhaustive(漏れがない)

それぞれ表現の仕方が異なりますが、まとめるとダブりや漏れがない状態のことを指します。このMECEを使う際には、MECE特有の分け方を覚える必要があるといわれています。ここでは、不動産会社の来店客を分類したいケースで考えてみましょう。

MECEで切り分けられている・性別
・年代別(20代、30代…)
ダブりや漏れがある・会社員
・カップル

年代や性別を切り口とした場合、ダブりや漏れがありません。しかし、会社員やカップルなどで分けると、「会社員でカップルの方」などといったダブりが発生します。そのため再度分析をすることになり、非効率的になったり解決策にズレが生じたりしてしまうのです。

MECEはロジカルシンキングの基本となるフレームワークで、課題の全体像を掴み、それを解決するために使われます。

【MECEの特徴】
  • 問題を明確化するために必要なロジカルシンキングの基本
  • 比較的短時間で問題解決が叶う

論理的思考力(ロジカルシンキング)を身に付けるうえで注意すべきこと

論理的思考力(ロジカルシンキング)はビジネスパーソンに必要なスキルですが、身に付けるうえで注意する点が2つあります。

  1. 自分の意見を押し通しすぎない
  2. 感情論に流されないように注意する

それぞれ確認していきましょう。

自分の意見を押し通しすぎない

ロジカルシンキングは話に筋道が通っている他、明確な根拠もあります。そのため、「正しい意見だから」と相手に主張を押し通してしまいがちです。意見を押し通しすぎて相手の意見に耳を貸さないようであれば、職場の雰囲気は悪くなり、やがて孤立してしまうかもしれません。

ロジカルシンキングを使って主張するときは、一方的に論破しないよう、相手の立場や気持ちに配慮することを忘れないでください。

感情論に流されないように注意する

会議の雰囲気や参加者によっては、感情によって結論が決定されてしまい、本質を見失ってしまうことがあります。ロジカルシンキングを使って説明する場合にも、やはり感情論に流されてしまうことも珍しくありません。

的外れな問題解決になったり、提案内容に矛盾が生じたりする場合もあるため、自分の意見を述べるときは「余計な感情が入っていないか」を意識し、言い回しや表現方法に注意しながら伝えてみてください。

論理的思考力(ロジカルシンキング)はビジネスに不可欠なスキル

本を読んでひらめく営業マンの画像

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、問題解決力や提案力、コミュニケーション能力の向上が期待できる思考方で、ビジネスパーソンには欠かせないスキルです。プレゼンや会議でも言いたいことが伝わりやすく、相手からの理解も得やすくなります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、練習すれば次第に身に付いてくるようになるので、論理的思考を習得して今後のビジネスに役立てましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

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