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【例文あり】成約率を高めるテストクロージングのポイントを紹介!

記事公開日:2022/06/23

最終更新日:2024/01/11

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「成約率が上がらない」「商談をうまく進められない」など営業活動における悩みを抱える人は、テストクロージングを実践してみてはいかがでしょうか。テストクロージングは成約率アップに欠かせないテクニックのひとつであり、習得すればトップ営業マンへの道を切り開けるかもしれません。

本記事では、ビジネスシーンや賃貸仲介業の現場で使える、テストクロージングのコツやポイントを解説していきます。テストクロージングは商談中に行うため、コツやポイントを押さえておくことにより、スムーズに商談を行えるでしょう。

※下記の関連記事では「賃貸営業で成功するためのコツ」をまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。

テストクロージングとは

テストクロージングとは、顧客の購入意思を確かめるための営業トークのスキルのひとつです。特に賃貸仲介業の現場であれば、電話応対や接客中、物件の案内中などさまざまな場面で実施できます。テストクロージングによって、最後のクロージングへスムーズに繋げることが可能です。

営業におけるテストクロージングの重要性

テストクロージングには、さまざまなメリットがあります。賃貸仲介業の営業の方は、これらのメリットを把握したうえでテストクロージングを実施すれば、最大限にメリットを活かせるでしょう。

顧客の信頼や満足度が上がる

顧客は、購入意欲と別にさまざまな不安を抱えているものです。特に、賃貸仲介業の場合は住まいという大きな買い物のため、不安を解消しながら営業を進めると、顧客の信頼獲得や満足度向上も期待できます。

テストクロージングを実施することで、不安点を確認でき、ゴールも明確になります。そのため、顧客に寄り添った物件の提案ができたり、方向性が互いに一致して、よりスムーズなコミュニケーションが取れるようになったりするのです。

相手の購入意思をくみ取れる

テストクロージングを実施すると、顧客の購入意思のポイントを押さえることが可能です。ポイントを押さえてヒアリングを進めていけば、おのずと顧客の求めるものがくみ取れます。

賃貸仲介業の方は、テストクロージングを実施することで、より詳しく相手の求めている条件や契約意思の有無が明確になってくるでしょう。ただし、顧客に話してもらうことが大切なので、こちらから一方的に質問をしてしまうのは逆効果になってしまいます。

スムーズにクロージングができる

テストクロージングを実施すると、顧客の不安点や購入意思が明確になると同時に、解決すべき課題も見えてきます。

賃貸仲介業においては、課題が多く残ったまま営業を進めていても、スムーズにクロージングが行えません。解決すべき課題が見えれば、自信を持って顧客にクロージングを実施できます。クロージングがスムーズにできない方は、テストクロージングを取り入れてみてください。

一般・賃貸仲介営業におけるテストクロージングのタイミング

テストクロージングの実施タイミングは、非常に重要です。賃貸業の営業活動フローを参考に、タイミングを確認しましょう。

<営業活動フロー>

  1. 来店
  2. 顧客対応
  3. ヒアリング(希望条件やイメージなど)
  4. 物件紹介
  5. 物件案内
  6. 顧客側で再検討orクロージング
  7. 入居申込

特に狙っていきたいタイミングとしては【3.ヒアリング】の後と【5.物件案内】の後がおすすめです。これら2つのタイミングでテストクロージングを実施することにより、商談の方向性が明確になってきます。

そのほかのタイミングでもテストクロージングは可能ですが、あくまで顧客の基本情報や商品(物件)に対しての情報と、顧客の意思決定を促せる材料がそろっているかが大切です。

【ヒアリング】後のタイミング

顧客の要望を聞いたうえで、テストクロージングを実施しましょう。ここでのテストクロージング実施の目的は、条件の整理とゴールを決めることです。

顧客によっては、条件が難しい場合もあります。ヒアリング後に条件を整理することで、顧客の意思決定が明確になり、ゴールが見えてきます。

例:家賃10万円以内で4LDKを探している【厳しい条件で物件情報がない】

↓テストクロージング後【現状や相場を伝える】

各居室の広さがあれば3LDKでも良い、希望家賃を12万円まで引き上げる、エリアを広げる【該当物件あり】

条件を整理して顧客に納得してもらうことで、厳しい条件の顧客も、自社物件やこちらで紹介できる他社物件をおすすめできる案件に変わります。

同時に、顧客の求めるゴールである契約獲得も見えるため、自信を持って物件探しとご案内を行えるでしょう。また、理想と現実のギャップを埋めてあげることで、より顧客から理解が得られやすくなり、信頼性と信憑性のある商談が行えます。

金額面については、このタイミングで深く話し込むのはやめましょう。無理に費用について話してしまうと、商品や物件を見る前に条件から外されてしまい、提案の選択肢が減ってしまう可能性があります。

商品の購入やお部屋探しは、新しいものを手に入れる感覚や、引っ越しを行うことに対してのワクワク感もありますので、まずは商品や物件を見てもらうことを意識しましょう。費用については、近隣相場や顧客の質問次第によって、臨機応変に対応することが重要です。

※下記の関連記事ではヒアリングシートに取り入れるべき項目や、効果を高めるポイントついて解説してますので、こちらもチェックしてみてください。

【物件案内】後のタイミング

物件案内後のテストクロージングについては、まず物件や商品の感触をヒアリングしましょう。好感触の場合は、金額についてどのように思うのか、ステップを進めて契約の意思決定を探りましょう。反応がいまいちの場合は、どこが気になったのか、条件や顧客の理想にあっているのかを聞いてみてください。

顧客によっては、ご自身で伝えてくる場合もあります。基本的にこのタイミングでの質問は、不安点を解消したい顧客がほとんど、もしくはすでに意思決定をしている可能性が高いです。再度ゴールを顧客と共有しつつ、クロージングへとステップを進めていきましょう。

※下記の関連記事では内見時に意識すべきポイント、潜在的なニーズを汲み取る方法、クロージングまでにとるべき行動などまとめてますのでチェックしてみてください。

一般・賃貸仲介営業の成約率を高めるテストクロージングのポイント

一般の営業マンや賃貸仲介業の方も押さえておきたい、成約率を高める方法を解説していきます。テストクロージングのタイミングだけでなく、次の項目に対しても意識して取り組むことで、成約率を高めていきましょう。

商品やサービスの価値を提示する

商品やサービスの価値を提示して、顧客が納得できるよう導くことも意識しましょう。どの顧客も同じ価値基準を持っているとは限りません。同じ商品・サービスを各顧客に紹介しても、人によっては「価格に見合わない」と感じる可能性があります。

顧客に合わせて商品説明を行ったり市場相場を説明したりするなどして、価値基準の共有を図りましょう。相場や費用を理解してもらうことで、顧客に納得して契約の意思を固めてもらい、トラブルを減らす効果も期待できます。

顧客に不快感を与えない尋ね方を徹底する

テストクロージングを行う際は、顧客に不快感を与えない尋ね方を徹底しましょう。たとえば、金額面の話をする場合、顧客の懐事情に踏み込んで話をします。聞き方や言葉の表現を間違えると、相手を不快にさせるおそれがあるため注意しなければなりません。

ただし、会話に気をつけるあまり、曖昧な表現を使うのは避けましょう。テストクロージングは購買意欲を確認するテクニックなので、曖昧な尋ね方では購入・契約へ至るかどうか判断できないおそれがあります。「購入」「導入」「契約」など具体的なワードを使い、大事な意思確認を行ってください。

自然な流れでテストクロージングを行う

テストクロージングは、顧客の契約意思の確認を行う作業です。書面などを締結して、契約を確定させるためではないので、会話の流れのようにテストクロージングを行っていきましょう。

セールストーク感を出してしまうと、顧客としては「契約の無理強い」という認識をされてしまいます。契約に前向きな顧客も身構えてしまう可能性がありますので、自然な流れで顧客が提案に対してどのように思っているのかを聞くようにしていきましょう。

テストクロージングのトーク例文

人差し指の画像

テストクロージングの際に困らないよう、ここではトーク例文を4つのパターンにわけて解説します。どれも活用しやすいものなので、実際の商談をイメージしながらチェックしてみてください。

例文①:沈黙するテストクロージング

沈黙するテストクロージングとは、検討する時間・余裕を顧客に与えるテクニックです。一方的に商品説明や購買意欲の確認を続けていては、顧客が検討する時間を奪いかねないため、以下のような「会話の間」を意識して沈黙するテストクロージングを実践してみましょう。

<沈黙するテストクロージングの例(一般営業マンの場合)>

営業マン「質問や不安な点はございませんでしょうか?」
顧客「特にありません」
営業マン「ありがとうございます。では、購入についてはいかがでしょうか?」
営業マン「…(沈黙)」
顧客「…(検討中)」
顧客「条件はピッタリですが、予算がギリギリで…」

<沈黙するテストクロージングの例(賃貸仲介営業マンの場合)>

営業マン「物件のご見学ありがとうございました。なにか気になる点などございませんか?」
顧客「特にありません」
営業マン「ありがとうございます。物件の申込はいかがでしょうか?」
営業マン「・・・(沈黙)」
顧客「・・・(検討中)」
顧客「物件の立地やお部屋は気に入ったのですが、初期費用が予算オーバーです・・・」

会話中の沈黙は不安に感じるかもしれませんが、スムーズに商談を進めるためにも我慢しましょう。続けざまに会話を挟んでしまうと、顧客は次の会話内容に耳を傾けてしまいます。顧客の様子を見つつ、検討する時間・余裕を設けることも意識してみてください。

例文②:強引に提供しないテストクロージング

商品・サービスに対し興味を示す顧客には、強引に提供しないテストクロージングを実践してみましょう。こちらからはあえて購入・契約を促さず、顧客側から「購入・契約したい」という意思を引き出すテクニックです。

「商品・サービスへ興味があるものの費用面がネックになっている顧客」を例に挙げ、強引に提供しないテストクロージングのテクニックを見ていきましょう。

<強引に提供しないテストクロージングの例(一般営業マンの場合)>

営業マン「ここまでの説明でご質問等ございますか?」
顧客「特にありませんが、費用が高いですね」
営業マン「たしかに、判断が難しいとおっしゃるお客様も多くおられます」
顧客「…(検討中)」
営業マン「もちろん無理に購入していただく必要はございません」
営業マン「私としては、お客様に後悔なく購入していただきたいと考えておりますので、今回はご縁がなかったということで」
顧客「ちょっと待ってください、もう一度よく検討させてください」

<強引に提供しないテストクロージングの例(賃貸仲介営業マンの場合)>

顧客「物件の立地やお部屋は気に入ったのですが、初期費用が予算オーバーです・・・」
営業「たしかに、敷金や礼金などもあるため、相場より費用が高くなります」
顧客「・・・(検討中)」
営業「もちろん、今すぐ申込をしていただく必要はございません」
営業「私としては、お客様にご納得いただいたうえでのお申込をいただきたいと考えておりますが、しかし人気エリアではあるので・・・」
顧客「・・・(検討中)」
顧客「いえ、毎月の賃料は問題ないので、初期費用を親に相談してみます。いったん申込を書くので、部屋を押さえてください!」

必ずしも上記のような流れになるとは限りませんが、「もう一押しで購入・契約してもらえるかもしれない」と感じたときは実践してみてください。あえてこちらが一歩引くことで、顧客側の購買意欲を高められる可能性があります。

例文③:想像力を高めるテストクロージング

顧客の想像力を高めることで、成約率アップに期待できるテストクロージングもあります。以下の具体例を参考に、自身の商談の場で実践してみてください。

<想像力を高めるテストクロージングの例(一般営業マンの場合)>

営業マン「○○を契約して、1日あたり1~2時間の余裕が生まれたとしたら生活はどう変化されますか?」
顧客「普段は子どもの世話で自分の時間が取れていないので、取得したいと思っていた資格の勉強が進められそうです」
営業マン「なるほど!趣味に費やす時間も増やせそうですし、資格取得後は新しい仕事にもチャレンジできそうですね」
営業マン「お客様ご自身を含め、ご家族のためにも○○はおすすめできるサービスですよ」

<想像力を高めるテストクロージングの例(賃貸仲介営業マンの場合)>

営業「○○の物件を契約いただいたら、通勤時間が短縮できますね!生活スタイルは変わっていきそうですか?」
顧客「通勤の時間が短くなれば、趣味のフィットネスに時間を作れそうです」
営業「なるほど!日々の生活にゆとりが取れるようになりそうですね」
営業「○○の物件は周辺環境も良好なので、仕事帰りに買い物なども済ませやすいですよ!」

購入・契約するか否かを確認する前に、購入・契約したい気持ちを高めることで成約へ繋げられるテクニックです。より具体的に想像できるよう、数字やデータなども活用しましょう。

例文④:選択肢を与えるテストクロージング

選択肢を与えるテストクロージングとは、自然に購入・契約する方向で商談を進めるテクニックです。次の具体例から、どのようにして購入・契約へ至るのか見ていきましょう。

<選択肢を与えるテストクロージングの例(一般営業マンの場合)>

営業マン「○○様の場合、セキュリティのことを考えてオートロック付きか、管理人常駐の物件がおすすめです」
顧客「困ったときは気軽に相談したいので、管理人常駐の物件でお願いします」

<選択肢を与えるテストクロージングの例(賃貸仲介営業マンの場合)>

営業「お客様の場合、お子様は元気が良いお年頃なので、1階の居室か戸建て賃貸がおすすめです」
顧客「男の子で声も大きいし走り回るので、戸建て賃貸が希望です」

上記のように、「契約するかどうか」ではなく「どちらを契約するか」という流れで商談を進めます。選択肢を絞ることで選びやすくなるほか、自然に契約する方向に話を持っていけます。

テストクロージングのポイントを押さえて成約率をアップさせよう

テストクロージングは成約率アップに効果的な営業テクニックのひとつです。うまく活用できれば、顧客が抵抗感を覚えることなく成約へ繋げられます。テストクロージングのポイントを頭に入れて、実際の商談で活用できるよう準備しましょう。

<テストクロージングのポイント>
  • タイミングを見極める:商談説明の前、金額提示の前
  • 商品やサービスの価値を提示する:顧客の価値基準を理解する
  • 不快感を与えない尋ね方を徹底する:言葉や表現に気をつける

より実践的なノウハウを身につけたい人は、今回ご紹介したトーク例文を参考にしてみてください。自分の業務をイメージしながら、テストクロージング用のトークスクリプトを用意しましょう。

株式会社OFFICE河﨑 / オフィスKK

株式会社OFFICE河﨑 / オフィスKK

この記事を書いた人

賃貸営業と住宅および売買営業を経験後、現在は不動産事業にて悲願の独立開業を果たしました。不動産の事が大好きで趣味の筋トレと不動産は人々を幸せに導くと信じて精一杯活動しています。
みなさんにより不動産の事を知ってもらい【あなたの親愛なる隣人になれる】情報を発信していきたいです。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 不動産キャリパーソン

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