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クレーム対応における3つの心得を学ぼう!手順やテクニックなども紹介

記事公開日:2022/06/16

最終更新日:2022/09/18

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ビジネスでは「クレームは宝」といわれているものの、クレームを歓迎しているという方は少数派ではないでしょうか。人の数だけ考え方は異なるため、クレームをゼロにはできません。大切なことは、クレームにどのように対応し、今後どう活用するかです。

今回は、クレーム対応の3つの心得とともに、手順や役に立つテクニックについてご紹介します。クレームから学べることも多いので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

クレームの種類は大きく分けて3種類!

クレームは、サービスや商品、接客態度などが顧客の期待を下回ったときに発生します。クレームといっても、商品不良による不満や、言いがかりや脅しのような内容まで、その種類はさまざまです。

クレームの種類は主に3つあります。

  1. 一般的なクレーム
  2. 悪意があるクレーム
  3. 的外れ・八つ当たり的なクレーム

クレームを大きくしないよう、それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

一般的なクレーム

一般的なクレームは、顧客が商品やサービスに不満を感じたときに、通常の問合せに近い内容でクレームを入れるものです。業種や業界によってクレームの内容はそれぞれ異なりますが、どのようなクレームにおいても速やかに対応するのがベストとされています。

たとえば、インターネットで商品を購入した場合には、以下のようなクレームが発生します。

  • 頼んだ商品が届かない
  • 誤った商品が届いた
  • 商品が壊れていた

また、不動産賃貸営業であれば、「予約来店なのに長時間待たされた」「問合せへの対応が遅かった」といったクレームが考えられます。

これらのクレームは、「頼んだ商品を届けてほしい」「スマートな対応をしてほしい」という顧客の期待が含まれていることがほとんどです。正当な理由で意見を伝えているため、適切な対応をすれば信頼が生まれ、企業のファンになってもらえる場合もあります。

悪意があるクレーム

悪意のあるクレームは、土下座などの脅迫や不当な金銭の支払いなどを要求してくるものです。「長時間待たされたから土下座をしろ」「SNSに書き込まれたくないなら誠意を見せろ」など、たとえ企業側に落ち度があったとしても、法的に問題のある要求や度を超えた要求などに対しては、毅然と断ることも大切です。

すべてのクレームに納得して、謝罪をするのは避けましょう。

的外れ・八つ当たり的なクレーム

常識の範囲から外れたようなクレームも少なくありません。「お店の看板を蹴ってけがをしたから治療費を払え」「どうして無料にならないのか」など、的外れや八つ当たりともいえる内容です。

対応が難しいことが多いですが、後述する心得や手順に沿って対応すれば、解決に導くこともできます。顧客からのクレームがどのような種類かを理解し、冷静に対応していきましょう。

クレーム対応における3つの心得

クレームは相手が感情的になっており、場合によっては激しい怒りをぶつけられることもあります。怒られて萎縮してしまったり、不機嫌な対応をしたりすると、二次クレームへと発展してしまうおそれがあります。クレームを受ける際には、以下の3つを心得えましょう。

  1. 顧客の話を聴く
  2. 誠意を持った対応を心がける
  3. 顧客の話を疑わない

それぞれ詳しく説明していきます。

クレーム対応の心得①:顧客の話を聴く

顧客からクレームを受けた際は、相手の話をさえぎらないようにします。誰しも話の途中でさえぎられるのは不快なものです。

顧客の話に理不尽な点を見つけ、こちら側の言い分が正しいと感じても、「でも」「しかし」など、顧客の話をさえぎってしまうと相手はさらにヒートアップしてしまいます。顧客の不満やクレームの内容などを最後まで吐き出してもらうため、話はさえぎらずに一通り聴きましょう。

クレーム対応の心得②:誠意を持った対応を心がける

クレーム対応は誰でも嫌なものです。早くクレーム処理を終わらせたいからと適当な相づちを打ってしまうと、それが相手に伝わりさらに怒りを広げてしまいます。顧客の意見に耳を傾けながら、誠意を持った対応を心がけることが大切です。

電話で対応する場合は、聴く姿勢として相づちが重要です。黙って聴いたままでは、顧客は「本当に話を聴いているのか」「話を聴いてくれない」と感じてしまいます。相づちや頷きを丁寧に行い、真剣に話を聴いていることを示しましょう。

対面の場合は、メモを取りながら適度に相づちを挟むと、「話を聴いてくれている」「話を理解してくれている」という姿勢が相手に伝わります。内容を問わず、クレームをつける理由に共感することで、心がこもった誠意のある対応へとなるのです。

クレーム対応の心得③:顧客の話を疑わない

的外れや八つ当たりのようなクレームは、「本当かな?」と疑ってしまうような内容もあります。しかし、「本当ですか?」「そんなことはありません」と内容を否定するのは避けましょう。

顧客は疑われたことに対して不愉快になり、場合によっては二次クレームに発展するおそれがあります。信じられないようなクレームでもまずは話を受け入れ、その後に事実確認を行いましょう。

クレーム対応における基本的な手順

クレームの基本的な対処は、以下の手順に沿って行いましょう。

  1. 顧客の気持ちに寄り添う
  2. 原因や事実確認を行う
  3. 代替案や解決策の提示を行う
  4. 最後に謝罪と感謝の気持ちを伝える

想定外のこともあるかもしれませんが、基本に沿って実践してみてください。

手順①:顧客の気持ちに寄り添う

まずは顧客に対して謝罪をします。ただし、クレームだからといって、すぐに「申し訳ございません」と謝罪するのは避けましょう。何に対するクレームなのか詳細がわかっていない中で謝罪をすると、全面的に非を認めたことになります。

<例文>
  • 「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
  • 「お手数をおかけして申し訳ございません」

上記のように、「不快な思いさせたこと」「手間を取らせてしまったこと」など、何に対してのお詫びなのかがわかるようにします。ただ「申し訳ございません」を繰り返すだけでは誠意が伝わりません。顧客が何に対して怒っているのかを汲み取り、顧客の気持ちに寄り添ったお詫びをすることで、相手の怒りも静まります。

手順②:原因追及や事実確認を行う

顧客の話を一通り聴き終えたら、質問を重ねながら内容を整理します。たとえば入居手続きの連絡がないことへのクレームには、担当者の連絡ミスなのか、それとも連絡をしたのに顧客に届いていなかったのかなど、どの時点でクレームの原因になったかを確認します。

事実確認をしている間は顧客を待たせることになるため、時間がかかるようであれば折り返し電話をすることを伝え、一度電話を切りましょう。このとき、いつまでに折り返しをするのか、明確な時間を伝えることが大切です。

<例文>
  • 「担当者に確認いたしますので、しばらくお待ちいただけますでしょうか?」
  • 「〇分後にお電話差し上げます」

手順③:代替案や解決策の提示を行う

クレームの事実確認ができ、こちらに非があった場合には、あらためて謝罪をして代替案や解決策を迅速に提示します。解決策は一方的に提案するのではなく、顧客が求めているものや意向を汲み取ることが大切です。

<例文>
  • 「◯◯のようにさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
  • 「◯◯もしくは◯◯と考えておりますが、いかがでしょうか?」

代替案を2つほど用意して、顧客に選んでもらうのも有効です。なお、顧客の勘違いなどでこちら側に非がなく、要望に応えられない場合は、専門用語などを並べずにわかりやすい言葉で伝えるように心がけましょう。さらに、相手の誤りを指摘せずに、共感を持って話すように工夫するのも大切です。

手順④:最後に謝罪と感謝の気持ちを伝える

解決策に納得してもらえた場合は、もう一度お詫びをして感謝の気持ちを伝えます。クレームは、商品やサービス、業務などの改善に繋がる顧客からのヒントでもあります。時間を割いて連絡をしてくれたことへ、心を込めて感謝の気持ちを述べましょう。

クレーム対応で役に立つテクニック・ポイント

人差し指を上げる男性の画像

最後に、クレーム対応で役に立つテクニックとポイントをご紹介します。

  1. クッション言葉を活用する
  2. 声や態度まで意識する
  3. 事実をわかりやすく記録する
  4. 謝罪だけではなく感謝まで行う

大事なポイントを押さえて、より顧客に寄り添った対応を行いましょう。

クッション言葉を活用する

クッション言葉は、相手に断りや依頼、質問などをする際に、こちらの言葉を受け入れやすくしてもらう前置きのことです。クッション言葉を挟むことで、会話にやわらかい印象を与えられます。クレーム対応中では、顧客の情報を引き出すために使われます。

<例文>
  • 「お差し支えなければ、お気づきの点をお聞かせいただけますでしょうか?」
  • 「恐れ入りますが、もう一度状況を教えていただけないでしょうか?」

他にも、以下のようなクッション言葉があるので、会話に合わせて活用しましょう。

  • 失礼ですが〜
  • 申し訳ございませんが〜
  • あいにくではございますが〜
  • お手数をおかけいたしますが〜
  • 真に勝手ではございますが〜

声や態度まで意識する

いくら言葉でお詫びや共感を示しても、声や表情、態度などが伴っていなければ、相手に誠意は伝わりません。声のトーンを落とし、聞き取りやすいテンポでゆっくりと話しましょう。このとき、萎縮して小声で話してしまうと顧客は余計に苛立ってしまうため注意が必要です。

また、表情や態度にも意識しましょう。表情は、無表情になったり微笑んだりせず、神妙な顔つきを保つのがベターです。座る場合はいすに背中をつけず、猫背にならないよう意識します。

電話でクレーム対応する場合、相手に表情や態度が見えないからといって、他の仕事をしながら片手間に話を聴くのはNGです。意外にも、このような態度・状況は電話越しでも相手に伝わります。対面・電話問わず、声や表情、態度まで意識して対応しましょう。

事実をわかりやすく記録する

クレームの経緯を記録に残す際は、誰が見てもわかるように工夫することが重要です。記録の内容がバラバラだったり、要点をつかめていなかったりすると、原因や状況が正しく伝わらなくなってしまう可能性があります。原因や状況を間違って把握してしまうと、「そんなことは言っていない」とよりクレームが大きくなってしまうかもしれません。

メモを取る際には、5W1Hに沿って書くと整理された記録内容になるのでおすすめです。また、メモを取ることが難しい場合、スマホに録音して後で文字に起こしましょう。

謝罪だけではなく感謝まで行う

先述のとおり、クレーム対応には謝罪とともに感謝も行うことが大切です。たとえば、商品の使用中に故障があった場合には、製造過程で問題が発生しているかもしれません。また、想定外の使い方によって発生したものであれば、注意を呼びかけることができます。

これらの気づきを与えてくれたことと、指摘の手間をかけたことに感謝を伝えてください。クレームを入れた顧客にとっては、企業に対して信頼が落ちている状態です。信頼回復に繋げられるよう、最後まで真摯に対応をすることが重要です。

<例文>
  • 「このたびは貴重なご意見をありがとうございます」
  • 「◯◯様のご意見は、次回◯◯の場で課題とさせていただきます」

クレームは企業の財産になる

どんなクレームにも、顧客には「クレームをつける理由」があります。なかには、まったく関係のない内容でクレームをいわれることもありますが、じっくりと話を聴いて相手に共感をすれば、ほとんどのクレームは解決します。

また、誠意を持ってクレーム対応をすることで、クレーマーからファンに変えることも可能です。クレームはネガティブな印象がありますが、企業の成長や改善に直結する財産でもあります。クレームをポジティブなものと意識を変えれば、ただ謝罪をするだけの対応から脱け出せるかもしれませんので、今回ご紹介した心得やテクニックなどを参考にして、クレームをチャンスと捉えてみてください。

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CHINTAI JOURNAL編集部

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