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アップセル・クロスセルとは?具体例や営業で活用するには?

記事公開日:2022/08/04

最終更新日:2022/07/29

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営業業績を上げるひとつの方法として、マーケティング用語に基づいた営業手法を実践することが挙げられます。営業マンが知っておくべきマーケティング用語はたくさんありますが、「アップセル」「クロスセル」も違いを理解している方は少ないかもしれません。

そこで今回は、顧客単価の向上に関係する「アップセル」と「クロスセル」について解説していきますので、営業力の向上や売上アップに興味を持っている方はぜひ参考にしてください。

アップセルとは?

マーケティング用語であるアップセルとは、顧客が購入を希望する商品やサービスより上位のものを提案してそれを購入してもらうことです。たとえば不動産営業では、家賃6万円の賃貸物件を希望の顧客に対し、それよりも条件の優れている家賃8万円の賃貸物件を提案し、最終的にそれを契約してもらうことがアップセルにあたります。

アップセルをすることで顧客単価が上がるため、売上アップに繋がります。アップセルを成功させるためには、上位の商品・サービスの方がお得だと顧客に思ってもらうことが重要です。値段は高い分価値があると思ってもらうことで、アップセルが成功しやすくなります。

クロスセルとは

同じくマーケティング用語であるクロスセルとは、顧客が購入しようとしている商品と別の商品を提案して購入してもらうことです。たとえば不動産営業では、物件の提案と併せて、火災保険等の提案をすることがクロスセルと呼ばれます。

クロスセルもアップセルと同じく、顧客単価を上げる効果的な方法です。特に新規顧客は開拓するのが難しく、多くの費用と手間がかかってしまいます。クロスセルを使うことで、顧客の数を増やさずに売上アップを叶えることができます。

クロスセルのポイントは、関係のある商品やサービスをセットで提案することです。一緒に購入することでお得だと思ってもらえれば、セットでの購入が実現するでしょう。

アップセルとクロスセルの違い

顧客単価を上げるという目的は同じであるアップセルとクロスセルですが、この2つには以下のような違いがあります。

マーケティング手法顧客単価向上の方法目的
アップセル顧客が希望する商品・サービスの上位モデルを提案顧客単価の向上
クロスセル顧客が希望する商品・サービスと関連のあるものを提案

それぞれ違う商品やサービスを提案するため、セールストークや提案方法などの顧客へのアプローチが大きく異なります。しかし、どちらの手法も不動産営業で活用できるため、両方とも把握しておいて損はない内容です。

また、アップセル・クロスセルと似たマーケティング手法にダウンセルがあります。ダウンセルとは、顧客が購入を希望する商品やサービスより下位のものを提案して購入してもらうという、アップセルとは真逆の手法です。

顧客によっては、購入を希望する商品やサービスの値段・性能に満足できていない可能性があります。そのような顧客心理をついてランクが下のものを紹介することで、顧客満足度の向上の他、長期の継続利用に繋げることができます。

アップセル・クロスセルを行うメリット

アップセルとクロスセルを行うことで、3つのメリットがあります。

  • 顧客単価を上げることができる
  • 営業効率が向上する
  • ブランド全体のイメージが向上する

それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。

顧客単価を上げることができる

アップセルとクロスセルの大きな目的は、顧客単価を上げることです。売上アップを図るには、以下3つの要素のうちいずれかを上げなければいけません。

  • 顧客数
  • 購入率
  • 顧客単価

新規顧客の獲得は、既存顧客に商品・サービスを販売するよりも5倍以上のコストがかかるといわれています。また購入率を上げるには、顧客の来店頻度と商品・サービスを購入する確率を高める必要があるものの、特に不動産などの高額商品では難しいため、顧客単価を上げることが重要とされているのです。

営業効率が向上する

アップセルとクロスセルは、購入単価のアップだけでなく営業効率を向上させることも可能です。新規顧客を開拓する際、お互いの関係構築が必要ですが、アップセル・クロスセルのメインターゲットは、企業の商品・サービスを購入しようとしている感度の高い顧客です。すでに購入の意思がある顧客に対してアプローチを行うため、新たな商品の提案がしやすく、効率の良い営業活動が叶います。

もし商品の購入やサービスの契約にいたらなかった場合も、初回の提案が顧客ニーズに合っていた場合は顧客からの評価や信頼度が高まります。顧客との強固な関係が構築されることで、次回の商品購入・サービス契約に繋げることができるでしょう。

ブランド全体のイメージが向上する

アップセルやクロスセルで顧客ニーズに合った提案をすることで、多くの顧客が「この企業は自分の欲しい商品やサービスを提案してくれる」と感じます。この考えが顧客満足度に現れることになり、ブランド全体のイメージアップに繋がります。

ここでポイントなのが、利益優先の商品やサービスを提案するのはNGということです。たとえば家賃6万円の賃貸物件を希望する顧客に家賃8万円の賃貸物件を提案する場合、ただ家賃が高いだけではなく、顧客ニーズに合っているような賃貸物件を提案しなければ、顧客満足度のアップに繋がりません。アップセルやクロスセルを行う場合は、ブランドイメージにも意識した提案を行いましょう。

アップセル・クロスセルを行うときの注意点

主に3つのメリットがあるアップセル・クロスセルですが、慎重に行わなければ反対に顧客が離れてしまう可能性があります。顧客ニーズに合っていないアップセル商品やクロスセル商品を提案すると、顧客が「押し売りされている」と感じ、信頼性を大きく損ねる可能性があるからです。

たとえば、物件と同時に保険を提案するクロスセル戦略を行うと仮定します。顧客の希望に合ったA社の保険と利益率の高いB社の保険がある場合、B社の保険を提案したくなるかもしれません。しかし、顧客の利益や長期的な関係性を考えると、A社の保険をおすすめすることが重要です。

アップセル戦略・クロスセル戦略で重要なのが、顧客ニーズに合った商品やサービスを提案することです。顧客のニーズを無視して、利益優先の商品やサービスを強引に提案すると、顧客離れが起こってしまうでしょう。

顧客にアップセル・クロスセルの必要がないと判断できれば、これらの施策を無理に行う必要はありません。営業マン目線で顧客単価を上げたいと感じても、無理強いせずに顧客の利益になる商品提案をすることが重要です。

アップセル・クロスセルで顧客単価を上げる具体例

アップセル・クロスセルで顧客単価を上げたい場合、ここから紹介していく具体例を参考にしてみてください。多くの知識を覚えれば、売上アップ・成績アップまでの期間も短くなるでしょう。

アップセルの場合

■不動産:物件購入を検討している顧客に対し、購入を希望している物件よりもハイグレードな物件を提案する

なぜこの物件が高額なのか、この物件にどんな価値があるかを詳しく説明することで、高価格の物件であっても契約してもらいやすくなります。顧客が物件に対して求めているニーズを探り、それを満たすような上位の物件を提案しましょう。

■ストリーミングサービス:無料版の会員に対し、有料版サービスの誘導する

顧客が無料版サービスの機能制限にストレスを感じたタイミングで、有料版へのアップグレードの通知を行うことで、有料版会員の増加を促します。顧客が抱える課題に対して適切なタイミングで対応すれば、アップグレードへの誘導がよりしやすくなります。

■インターネット通販:商品ページに関連する商品の上位のものを提案する

関連商品を表示できるインターネット通販では、同じ種類で価格が高い商品をおすすめ商品として提案することでアップセルが叶います。購入しようとしている商品と提案されている商品にはどのような違いがあるのかと顧客に思わせて、上位モデルの商品に対して関心を持たせましょう。

クロスセルの場合

次に、クロスセルの例を見ていきましょう。

■コンビニ:レジの前に饅頭やお菓子を陳列する

饅頭やお菓子などをレジ前に陳列し、顧客の「ついで買い」を誘います。また、常連の方にうまく声をかける方も多く、これも顧客満足度と顧客単価の向上に効果的です。

■ファーストフード店:単品で注文をした顧客に対し、サイドメニューやドリンクなどを提案する

対面での注文の際、他の商品の提案やお得になるセット商品の提案も、クロスセル戦略のひとつです。上記のコンビニと同様、「ついで買い」を顧客に提案し続けることで、大きな利益に繋がる場合もあります。

■アパレル:1つの商品を購入する顧客に対し、コーディネートの提案をする

顧客がトップスを購入しようとする際に、コーディネートとしてパンツやアウターなどを提案すると購入率が高くなります。単体アイテムだけではコーディネートを組みにくいと考えている顧客に対し、このクロスセルは有効です。また、店舗に置かれているトルソーもクロスセルの役割を担っています。

「SFA」活用でアップセル・クロスセルを実現しよう!

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上位商品・サービスを提案する戦略のアップセルと、別の関連商品を提案する戦略のクロスセルは、それぞれアプローチ方法は違うものの、どちらも顧客単価を上げるための有効な手段です。顧客単価だけでなく営業効率やブランドイメージも向上するため、営業マンは知っていて損がありません。

また、アップセル・クロスセルを実現するには顧客情報の一元管理が欠かせません。顧客データの管理に有効なSFAを活用して、アップセル・クロスセルを実践してみてはいかがでしょうか。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。