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LTV(ライフタイムバリュー)とは?重視されている理由や計算方法を押さえて売上アップを図ろう

記事公開日:2022/08/18

最終更新日:2022/09/18

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新規顧客の獲得に向けて、テレアポや飛び込み営業に励む営業マンも多いでしょう。しかし、継続的な利益を出すには既存顧客との関係維持も重要です。そのために欠かせないのがLTV(ライフタイムバリュー)という指標ですが、これはいったいどんなものを表すものなのでしょうか。

今回は、LTV(ライフタイムバリュー)について、LTVが重要視される理由や計算方法、最大化するための施策方法をご紹介します。

LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTV(ライフタイムバリュー)は「顧客生涯価値」と訳され、顧客が生涯を通して企業にもたらす利益の指標といわれています。顧客との一度の取引で得た利益ではなく、それ以降の取引も含め、顧客との取引終了までに得た総額の利益がLTVです。一般的には、顧客が企業のサービスや商品に愛着があるほどLTVが高いといえます。

LTVが重視されている理由

マーケティングにおいてLTVが重視されていますが、その理由は主に以下の3つです。

  1. 新規顧客開拓のハードルが上がっているから
  2. One to Oneマーケティングへと移行しているから
  3. 3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)が規制されるようになったから

それぞれ順番に見ていきましょう。

新規顧客開拓のハードルが上がっているから

日本の人口は減少傾向にあり、商品やサービスの供給に対して需要が落ちているため新規顧客開拓が難しい状況です。また、1:5の法則(新規顧客を獲得するためにかかるコストは既存顧客を維持するコストの約5倍とされる)にもあるように、新規顧客の開拓には大きなコストがかかります。

このように、市場状況やコスト面から考えると、新規顧客の開拓は売上アップの最善の方法とはいえません。そのため、企業は顧客との良好な関係を維持し定着化させる戦略にシフトチェンジしており、顧客との関係性を数値化できるLTVが重視されているのです。

One to Oneマーケティングへと移行しているから

今まではテレビや新聞などを利用し、不特定多数に向けた「マスマーケティング」が一般的でした。しかし、現代はインターネットの普及により情報が大量に溢れています。そのため不特定多数の消費者に向けたマスマーケティングではなく、多様化した顧客のニーズにアプローチする「One to Oneマーケティング」を実践するのが有効とされています。

One to Oneマーケティングの指標のひとつとして使われているのがLTVです。顧客の反応を知るうえで、LTVは欠かせない情報・指標といわれています。

3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)が規制されるようになったから

3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)の説明の前に、まず「Cookie」について解説すると、「Cookie」とはWEBサイトをユーザーが閲覧した際、訪れた日時や入力したデータ、利用環境などの情報のことです。

「Cookie」には種類があり、今アクセスしているWEBサイトの訪問先ドメインから直接発行されるCookieを「1st Party Cookie(ファーストパーティークッキー)」と呼びます。

それに対し、3rd Party Cookie(サードパーティークッキー)とは、今閲覧しているWEBサイトとは別のドメインが発行したCookieのことです。

一方で、
たとえば、Aのサイトを見た後にBのWEBサイトを開いた際、Aの商品が広告として表示されたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。これは「リターゲティング広告」と呼ばれるもので、3rd Party Cookieを用いています。

この3rd Party Cookieは、サイトを離れた後もユーザーを追跡するため、プライバシーの観点から規制する動きが強くなっています。このような背景から、既存顧客からの利益がより重要視されることになります。

LTVの計算方法

次に、LTVの計算方法を見ていきましょう。LTVは、一般的に以下の方法で算出します。

【一般的なLTVの計算方法】

LTV=平均購入単価×購入頻度×購入継続期間

また、上記以外にも以下のような計算方法があるので、さまざまな視点からデータを出してみましょう。

  • LTV=(平均購入単価×購入頻度×継続購入期間)-(新規顧客獲得コスト+顧客維持コスト)
  • LTV=平均購入単価×平均購入回数
  • LTV=顧客の年間購入額×収益率×継続購入期間
  • LTV=利益×取引期間×割引率

LTVと併せて確認したい重要指標

LTVをより活用するためには、以下に挙げる指標についても理解しておく必要があります。

  1. ARPA(Average Revenue Per Account)
  2. CAC(Customer Acquisition Cost)
  3. MQL(Marketing Qualified Lead)
  4. チャーンレート(解約率)
  5. ユニットエコノミクス

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ARPA(Average Revenue Per Account)

ARPA(Average Revenue Per Account)は、1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標です。主に、動画配信サービスやスマホのゲームアプリなど、月額課金ビジネスに使われています。

ARPA(Average Revenue Per Account)の計算方法は以下のとおりです。

【ARPAの計算方法】

ARPA=売上金額÷アカウント数

ARPAは、1ユーザーではなくアカウント数で収益を求めます。近年は、一人がスマートフォンやタブレットなど複数の端末を持っている場合が多いです。そのため、端末ごとよりも契約者ごとで算出するARPAを用いて、より実態に近い数値を出します。

CAC(Customer Acquisition Cost)

CAC(Customer Acquisition Cost)は、「顧客獲得費用」や「顧客獲得単価」と訳され、顧客獲得のためにかかるコストを指します。

【CACの計算方法】

CAC=顧客獲得のための費用÷新規顧客獲得数

顧客獲得のための主な費用は、マーケティング費用や営業費用です。ただし、企業によっては人件費や外注費用などを含める場合があります。

MQL(Marketing Qualified Lead)

MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティングにより得た見込み客のことです。展示会などで得た顧客情報からメルマガなどで顧客を育成し、感度が高まった顧客をMQLといいます。また、MQLの中でもさらに温度感の高い顧客はSQL(Sales Qualified Lead)と呼ばれ、このSQLは営業部門がアプローチします。

MQLは、自社製品やサービスに興味を持つ購買意欲が高い顧客です。取引開始までは時間がかかりますが、一度取引が始まれば継続的に購買する可能性を持っています。

チャーンレート(解約率)

チャーンレートは、サービスの解約や、有料プランから無料プランへの変更した顧客の割合です。「退会率」や「顧客離脱率」とも呼ばれています。

チャーンレートは、サブスクリプションビジネスで使用されることが多い指標です。サブスクリプションは顧客が利用しやすく、解約もかんたんにできます。つまり、新規顧客は獲得しやすいものの、サービス次第ではすぐに他社に移ってしまう可能性が高いのです。

解約が多ければ収益にも影響が出るため、チャーンレートにも注目する必要があります。

【チャーンレートの計算方法】

チャーンレート=一定期間内に解約した顧客の数÷期間前の総顧客数×100%

ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスは、1顧客あたりの収益性を表す指標のことです。ユニットエコノミクスの計算には、CAC(Customer Acquisition Cost)とLTVが用いられます。

【ユニットエコノミクスの計算方法】

ユニットエコノミクス=LTV÷CAC

ユニットエコノミクスの数値が1以上であれば利益が出ているといえます。しかし、数値が1未満であれば新規顧客を獲得するたびに赤字になる状態です。このユニットエコノミクスは、3以上の数値が健全な状態とされています。

LTVを高めるマーケティング施策方法

LTVを高めるにはどのようなマーケティング施策が必要なのか、具体的な方法を4つご紹介します。

  1. 購入単価の値上げを行う
  2. 購入頻度を高める
  3. コストを抑える
  4. 定期的にメールを配信する

自社に合った方法を実践し、大きな成果に繋げていきましょう。

購入単価の値上げを行う

まずは購入単価の値上げで、商品やサービスの単価を上げればLTVも向上します。ただし、顧客が納得できない単純な値上げは、反対に解約に繋がってしまうため、一般的にはクロスセル・アップセルのどちらかを使って値上げを図ります。

クロスセルは、関連する商品やサービスの購入を促す手法のことです。通販サイトに表示される「この商品と一緒に購入されている商品」というような表示で、追加購入した経験をお持ちの方も多いでしょう。このようなおすすめ表示も効果的なクロスセルのひとつです。

アップセルは、現在契約中の商品・サービスよりも、アップグレードしたものを勧める手法です。アップセルを用いる場合、顧客が上位の商品やサービスを使うことで得られるメリットを提示する必要があります。

購入頻度を高める

2つ目は、購入頻度を高める施策方法です。顧客に対して継続的に情報提供をしたり、会員限定のポイントシステムやクーポンを配布したりして購入頻度を高めます。商品によっては、サブスクリプションサービスを導入するケースも少なくありません。

コストを抑える

3つ目は、コストを抑えてLTVを高める方法です。コストには、新規顧客獲得にかかるコストと既存顧客の維持にかかるコストの2つがあります。

先述のとおり、新規顧客の開拓には既存顧客維持の5倍のコストがかかります。展示会やテレアポ、人件費などの費用がかかるため、広告施策の見直しや、SNSやSEO施策といった費用を抑える施策に注力してコストダウンを図りましょう。

既存顧客の維持コストを抑えるには、CRMやSFAなど顧客管理ツールを活用する方法があります。ツールを活用できれば、顧客に適切なアプローチができ、作業工程も削減可能です。

定期的にメールを配信する

4つ目の施策方法は、メルマガやリマインドメールなど定期的なメール配信です。新商品や関連商品の紹介など、企業が有益な情報を届けることで顧客は企業に好感を持ちます。顧客が企業のファンになれば、価格などで判断せず「このブランドのものだから」という理由で購入してもらえるかもしれません。

不動産営業マンであれば、顧客の希望条件に合った物件情報を配信し、顧客との関係性の維持に努めましょう。場合によっては友人や知人などを紹介してくれるかもしれないので、時期とタイミングを見ながら定期的なアプローチが大切です。

LTVを高めるには「MA(マーケティングオートメーション)」の導入が有効的

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング業務の効率化を図るツールです。LTVを高めるには、顧客の購買履歴や趣味趣向など個々に合わせたアプローチが求められますが、多くの顧客に対しOne to Oneマーケティングを行うのは難しいものです。そこで、MA(マーケティングオートメーション)で顧客の情報を一元化し、無駄のないマーケティング活動を行っていきます。

それでは、MA(マーケティングオートメーション)の活用で得られる3つのメリットをご紹介します。

  1. 顧客データの一元管理
  2. 定期的&継続的なフォロー
  3. クロスセルやアップセルの提案

上記3つのメリットを把握し、LTVの向上を目指しましょう。

MA活用のメリット①:顧客データの一元管理

日々の業務に追われてしまうと、顧客からいただいた名刺が引き出しの中で眠っていることも多く、見込み客へのフォローやアプローチができないケースがあります。MAは顧客情報データを一元管理できるため、顧客の獲得経緯や属性など必要な情報をデータとして集約・管理するのに役立ちます。

MA活用のメリット②:定期的&継続的なフォロー

MAは、顧客情報に基づいて一人ひとりにアプローチできるため、既存顧客と良好な関係を維持するためのフォローができます。同じ内容のメールを一斉配信するのではなく、顧客の温度感や段階に合わせた内容のメールを自動配信できるため、顧客に寄り添ったフォローも容易です。

MA活用のメリット③:クロスセルやアップセルの提案

MAでは、WEBサイトの閲覧履歴など、オンライン上の行動から顧客の隠れたニーズを汲み取ることができるため、最適なタイミングでクロスセルやアップセルなどの提案ができ、LTVの最大化が期待できます。

LTV向上は顧客との関係維持がポイント

男性営業マンの画像

市場や時代の変化により、新規顧客の獲得が年々難しくなってきています。そのため、既存顧客との関係維持による長期的な収益アップに力を入れる企業も少なくありません。

LTVを最大化するためには、顧客一人ひとりへのアプローチや、クロスセル・アップセルによる購入単価の値上げなどが必要です。また、マーケティング活動の自動化ができるMAの活用も有効なので、自社に合った方法を実践してLTVを高めましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。