記事公開日:2022/04/14
最終更新日:2023/11/17
組織の成績や売上を高めるために、営業リストの作成方法や管理方法を見直したいと考えている方も多いのではないでしょうか。「営業活動を効率化したい」「顧客アプローチを最適化したい」といった場合、営業リストの作成・管理にいくつかの工夫をしなければなりません。
そこで今回は、営業リストの作成方法や目的、管理方法などを解説します。また、営業リスト作成における注意点も紹介していきますので、実務での活用をイメージしながらチェックしてみてください。
目次
営業リストとは、見込み顧客の氏名・企業名や連絡先などの情報を管理するためのリストです。営業先の顧客情報が集約されているため、連絡先や住所などを膨大な資料の中から逐一探す必要がありません。さらに、営業の確度やこれまでのアプローチ方法なども記載しておけば、今後の営業活動へ活かせます。
また、営業リスト作成の目的は以下のようなものが挙げられます。
営業リストは、テレアポや新規顧客開拓において必要となる資料です。メリットや注意点なども把握しておき、実践で活用できるリストを作成しましょう。
営業リスト作成のメリットは主に3つあります。実際に使用することを考えながら、どのような恩恵が受けられるのかを見ていきましょう。
営業リストを作成することで、企業情報や顧客情報などのデータを保存し蓄積できます。蓄積されたデータは後からいつでも取り出せるため、大事な時間をロスすることもほとんどありません。
また、適切に管理されたデータは顧客ニーズや課題の発見にも効果を発揮するため、顧客アプローチへの有効な働きに期待できます。たとえば、商談時に使用する資料や提案内容などを顧客情報に沿って作成できれば、良い反応をもらえるかもしれません。
新規顧客開拓に営業リストを使用した後は顧客リストとしても活用できるため、顧客フォローのスピードアップに期待できます。リスト内に顧客情報の詳細(契約内容やアプローチ方法なども含む)を記載しておけば、トラブル解決時の参考資料として活用可能です。さらに契約後のフォローに関しても、契約当時の状況を把握することで新たなニーズの理解にも繋がります。
また、企業情報・顧客情報は一覧で管理されており、情報の閲覧性も高いです。顧客から連絡があった際は、よりスピーディーな対応を実現できます。
営業リストを作成しておけば営業活動の効率化が図れるため、より多くの顧客へアプローチできます。営業活動において、テレアポやメール、訪問などは数をこなすことも大切です。そのためには他の事務作業を効率化させ、本業である顧客アプローチに注力できる状況を作らなければなりません。
営業リストがあれば、顧客情報(連絡先や住所など)を短時間で引き出し、迅速なアプローチが可能です。1件あたりの対応時間が短縮されれば、アプローチ数の増加に繋がります。
ここでは営業リスト作成時に確認したい3つの注意点を解説します。注意点を押さえて、実務へ支障をきたさないリストを作成しましょう。
営業リスト作成時は営業戦略を決めておき、戦略に沿ったリストが作成できるよう準備しましょう。何も決めずに営業リストを作った場合、不要な情報が盛り込まれてしまうことも多く、リストとしての精度が低くなります。そのため、以下のポイントを意識して営業戦略を決めておきましょう。
営業戦略を決めておけば営業方針も定まるため、営業リストの作成目的や収集すべき情報なども明確化されます。
営業ターゲットを明確にして、営業リストへ掲載する顧客層を決定しましょう。営業ターゲットが不明確なままでは、どのような顧客をリストへ載せるべきかがわかりません。統一性がなくなってしまい、余計な情報でリストが埋め尽くされるおそれがあります。
営業ターゲットは以下のポイントを押さえて決定します。
各ポイントから設定されたターゲット像のみに絞ることで、高精度な営業リストの作成が叶います。さらに、営業ターゲットに絞って情報収集が行えるため、業務効率化にも繋がります。
営業リストの作成時は記入する情報の統一化を行い、扱いやすいリストを作成しましょう。記入する情報にバラつきがあると、顧客情報の粒度に差が出てしまいます。連絡先の記載がなかったり、商談状況が明確になっていなかったりするとリストの使い勝手が悪くなります。
情報の記入方法や必須項目、更新方法などは社内で共有し統一しておきましょう。
ここでは質が高い営業リストの特徴を解説していきますので、リスト作成時の参考にしてみてください。使い勝手の良いリストを作成し、実務へ活かしましょう。
常に情報が最新の営業リストは、営業活動のロスが発生しにくくなります。顧客情報は時間の経過で古くなり、情報の更新が途絶えると連絡先や住所などが変わってしまうかもしれません。連絡先が変わってしまった場合、現在の連絡先を調べ直す手間と時間がかかります。
タイムロスは営業活動の弊害となるため、リストは定期的に最新情報へ更新することが重要です。あらかじめリストの更新時期・タイミングを決めておけば、情報の鮮度を保ちやすくなります。
重複する項目がない営業リストはトラブルを未然に防ぐことができます。たとえば、企業名が同じでも、異なる担当者名や連絡先が複数記入された場合、同じ企業に営業メールを何通も送ってしまうかもしれません。
前述のとおり、重複する情報がなくなるように情報の統一化を図り、丁寧にリストを作り上げることが大切です。企業としての信頼に関わるポイントなので、実務での活用を十分に想定したリストづくりを行いましょう。
ターゲットが明確化された営業リストは、営業活動の効率化が見込めます。リスト内にターゲット以外の顧客情報も複数含まれている場合、自社の提案を求めていない顧客へもアプローチしてしまうおそれがあります。時間効率が悪くなるため、リスト内へ記入する顧客情報は絞らなければなりません。
次に、賃貸仲介営業における営業リストの基本的な知識を解説します。各ポイントを押さえて、賃貸仲介営業の効率化や成果アップを図りましょう。
賃貸仲介営業において、以下の内容を営業リストへ記載する必要があるといわれています。
基本的な情報(氏名や連絡先など)はもちろんですが、対応状況や案内物件の履歴なども必要です。また、顧客ニーズの深掘りのために希望条件も押さえておきましょう。これらの情報を集約・管理しておくことで、同じ属性(性別や年齢、条件など)の顧客ニーズを把握しやすくなります。
営業リスト作成において、意識すべきポイントは次のとおりです。
賃貸営業の場合、対応状況が明確になっていないと次回のアクション(契約、入居手続き、物件案内など)がわからなくなります。情報の鮮度は特に重要なポイントなので、リストの更新は日々行いましょう。
さらに、リスト更新時は情報の正否にも気をつけなければなりません。特に希望条件や対応状況などに間違いがあれば、次回の案内時に関係のない賃貸物件を顧客に紹介してしまうおそれがあります。
ここからは営業リストの作成方法を4つ解説していきますので、自社に合った方法かどうかチェックしていきましょう。
インターネット上からの情報収集は誰でも無料で行える方法です。具体的には、以下3パターンの方法が挙げられます。
上記の中でも効率的な方法が業界団体のホームページです。ターゲットとなる業界の企業を一覧でチェックできるため、情報収集が効率的に行えます。
社内で共有している名刺から顧客情報を収集することも可能です。情報の属人化が進んでいる場合、各営業マンが所持している名刺を共有するだけでも営業リストの作成が叶います。過去にアプローチしたことのない見込み顧客であっても、営業戦略を一新した際はターゲットとなるかもしれません。
営業リスト作成ツールを活用すれば、リスト作成にかかる手間と時間が短縮できます。営業リスト作成ツールとは、自社の顧客となる企業や一般ユーザーの情報を収集、リスト化してくれるツールのことです。手作業で行う作業が自動化されるため、空いた時間でも手軽にリストを作成できます。
また、製品によっては無料版やトライアル版などもあります。ツールの使用感を確かめたい場合は、無料のツールから利用してみましょう。
営業リスト作成にかけられる手間や時間がない場合は、リストの購入も検討してみてください。顧客情報のリストを販売している会社があり、購入したリストはそのまま社内で活用できます。ただし、リスト内の記載項目や掲載情報は販売会社によって異なるため、自社に合っているかどうか購入前に確認しておくことをおすすめします。
最後に営業リストの管理方法を3パターンご紹介します。管理方法によって作業効率や費用などが異なるため、社内へ導入できるかどうか見極めましょう。
少しでもコストを抑えたい場合は、Excel(エクセル)での管理方法を検討してみてください。Excelにはリスト作成に必要な機能や関数などが用意されているので、使い方さえ理解できればすぐにでも営業リスト作成に取り掛かれます。では、Excelのメリット・デメリットから使い勝手について見ていきましょう。
メリット | ・汎用的なソフトなので扱いやすい。 ・すでにExcelが社内に導入されている場合、 費用をかけずに始められる。 |
デメリット | ・汎用的な反面、営業活動に特化していない。 ・管理データが膨大になると、 動作が重くなるおそれがある。 |
Excelは知識さえあれば扱いやすい反面、データ量が多くなると起動時や画面遷移などの際に動作が遅くなるおそれがあります。そのため、小規模・少人数での営業リスト作成や、一時的にデータを管理したいときに適した方法です。
顧客管理システムを使えば、営業リストの管理を効率的に行えます。顧客管理システムは主に2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
各システムのメリット・デメリットを見ていきましょう。
CRM | SFA | |
メリット | ・集約した顧客データを 基に、最適な アプローチ方法を 選択できる。 ・徹底した 顧客管理により、 契約後のフォローも 迅速に行える。 | ・営業活動の進捗を 具体的な数値も用いて 見える化できる。 ・商談履歴の管理も できるため、 ノウハウや知識の共有が できる。 |
デメリット | ・システム導入のコストが かかる。 ・業務フローを新たに 構築しなければ ならない。 ・どちらのシステムも 顧客データがあって 初めて効果を 発揮するため、 十分なデータを 揃えておく必要がある。 |
CRMは顧客関係管理とも呼ばれ、顧客との関係性を良好に保つためのツールです。集約した顧客情報をもとに、顧客の行動を分析して最適なアプローチ方法を選択できます。一方、SFAは営業支援ツールと呼ばれ、商談の進捗管理や営業マンの行動を効率化させるのが主な役割です。
それぞれの役割・目的に違いがあるため、システム活用時のメリットも異なります。デメリットに関しては、どちらもシステム導入時・稼働時に共通した問題が発生します。
十分な予算を用意し、理想的な効果が得られるまで長期的な視点で運用できれば、各種問題をクリアできるかもしれません。
営業リストの作成~管理を専門の外注業者へ依頼することで、リスト作成にかかる負担が軽減されます。以下のメリット・デメリットから、外注すべきかどうか判断しましょう。
メリット | ・営業リスト作成業務が通常の営業活動に 支障をきたさなくなる ・ノウハウなしでリストを作成できるため、 時間効率が良い |
デメリット | ・情報漏洩のリスクが増す ・発注時のコストがかかる |
専門業者への発注は効率的かつ社内への負担も抑えられますが、コストや情報漏洩などのデメリットについても事前にチェックしなければなりません。外注先を選ぶ際は、情報漏洩への対策や過去の実績なども確認して慎重に決定しましょう。
営業リストを作成し、営業活動の負担軽減や効率化を図りましょう。営業リスト作成には以下のメリットがあります。
顧客情報の引き出しや社内での情報共有が効率化されれば、よりスピーディーな営業活動が行えます。ただし、営業リストには今回ご紹介した注意点があることも忘れてはいけません。作成方法や管理方法を間違えると、企業としての損失に繋がる可能性もあるので気をつけましょう。
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