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BPRとは何?実践する目的や手順をわかりやすく解説

記事公開日:2022/05/05

最終更新日:2022/04/26

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ビジネスシーンにおいて、知らないビジネス用語に遭遇して困ってしまったことはないでしょうか。そのような言葉の意味を理解していないと、いざ会話に出てきたときに内容を把握できません。社会人にとって、頻出されるビジネス用語の把握は必須です。

今回は、ビジネス用語のひとつである「BPR」について深掘りしていきます。ビジネスシーンで広く使われる用語であるBPRについて、意味だけでなく目的や手順まで詳しく見ていきましょう。

BPRとは?

BPRとは、ビジネスプロセス・リエンジニアリングの略称です。業務の目標に向かってすでに作られた組織や制度を見直し、業務フローや業務プロセス、組織構造や業務内容などを作り直すという意味があります。「目標に向けた業務改革」という意味で使われるBPRは、多くの企業で導入されています。

よく使うビジネス用語に「業務改善」が挙げられますが、BPRは単なる業務改善ではありません。BPRと業務改善の違いは以下のとおりです。

業務改善とBPRとの違い

業務改善と業務改革を意味するBPRは、根本的な意味から大きく異なります。改善とは、劣っている部分をあらためるという意味を持つ言葉です。業務改善の主な目的は、業務効率化を図り仕事をしやすくすることなので、部分的な改善が行われます。

たとえば進めている業務の中で組織メンバーだけに課題がある場合、ビジネスプロセスはそのままでメンバーの再編成だけが実施されます。一方、改革とは現状をすべて否定して制度をあらためるという意味で、たとえ業務フローや業務内容に問題がなくても何らかの問題が生じ業務が滞っている場合には、ビジネスプロセスすべての再構築を行わなければなりません。

業務改善に比べると、BPRは業務そのものが大きく改善される特徴があります。BPRは既存業務そのものを根本的に見直すものなので、プロジェクトが一から編成される可能性もゼロではありません。

業務改善とBPRは既存業務に対する考え方と再構築する部分の範囲が大きな違いであり、業務改善はBPRの一環であるともいえます。

BPRを実践する目的

企業がBPRを導入するのは、主に以下の3つの理由があるからだといわれています。それぞれの内容を見ていきましょう。

目的①:業務効率化を図るため

業務効率化は、日々の雑務の中からムリ・ムダ・ムラを省くことで叶います。ただし、これら3つは内部検証だけではなかなか発見できません。

BPRを実践すると、業務フローや組織構造の全体を俯瞰的に把握することが可能です。俯瞰的に業務を見渡すことで、今まで隠れていた不要な業務を見つけられます。もし不要な業務が積み重なると業務全体の進捗が滞り、予定通りに進まないかもしれません。

このように、BPRを実施することで全体的な業務内容やビジネスプロセスが見え、プロジェクト全体の課題解決に繋がります。

目的②:従業員や顧客満足度を高めるため

業務の目標が明確になれば、従業員のやるべきことも明らかになります。また、業務が効率化されることで無駄な作業を行う必要もなくなり、従業員の満足度も向上します。

生産性が上がることで、商品やサービスの品質が向上する他、提供価格を下げることも可能です。その結果、顧客満足度の上昇も期待できます。

顧客満足度が上がることで商品やサービスの需要も増加し、企業の最終的な目標である利益率の向上にも期待できます。

目的③:コスト削減を図るため

全体的なビジネスプロセスを見直すことで、内部検証では見つからなかった無駄な業務が見つかるかもしれません。そのような無駄を省くことで、企業の悩みのひとつでもあるビジネスコストの削減が叶います。

ビジネスコストには、原材料や人件費、ソフトウェアにかかる費用などさまざまなものが挙げられます。また、従業員の時間や労力、思考力やストレスもビジネスコストのひとつです。

BPRを実施してビジネスプロセスを俯瞰的に見直すことで、無駄なお金や労働力など多くのコストの削減が叶います。その分を他の業務や別の作業に費やすことで、業務全体がブラッシュアップされます。

BPR実践において重要なキーワード

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企業がBPRを実践する場合、BPRの定義に含まれる4つのキーワードを重視することが重要です。これらのキーワードを含まない状態で行われる業務改革は、BPRではなく単なる業務改善である可能性が高いです。BPRを行う前に、以下の4つのキーワードが含まれているかをあらためて見直してみましょう。

①根本的

先述のとおり、BPRと業務改善の大きな違いは再構築する部分の範囲です。問題がある部分だけを修正する業務改善に対し、BPRはビジネスプロセスを根本から再構築します。「根本的」というワードを意識しないで業務改革を行うと、部分的な業務改善で終わってしまうかもしれません。

物事を根本から見直すことは、業務を行う理由や方法が最適なのかを自分自身に問いただすということでもあります。根本的には「物事が成り立つ基礎になるもの」という意味があり、基礎そのものを考え直すことで意味のあるBPRの実践に繋がります。

②抜本的

抜本的とは、物事の根本に戻って全体を考えるという意味です。一見すると根本的と同じような意味に見えますが、抜本的は文字に「抜」と入っているとおり、根本の原因を抜き去って物事を是正するという意味が込められています。

基本的な部分を肯定する業務改善とは異なり、BPRには現状をすべて否定して制度をあらためるという特徴があります。そのため、抜本的な施策をしなければ本来のBPRにはなりません。決まっているルールや慣れている内容を切り捨てることで、効果的な業務改革が叶います。

③劇的

劇的とは、物事が大きく変化する様を指します。BPRには大きな改革がつきもので、改革内容が部分的である場合、一般的な業務改善で終わることも珍しくありません。劇的という言葉にふさわしい大胆な業務改革を行うことで、大きな効果が生まれる可能性が高くなります。

④プロセス

プロセスとは、過程や工程、方法という意味を持つ言葉です。一般的な業務改善は、すでにあるプロセスを見直しながら実践されますが、BPRはプロセスが最善の形で運用されるような施策が行われます。

プロセスに合う人員の見直しや理念の変更を行うことで最適なBPRとなるため、BPRのプロセスにはさまざまな要素が取り込まれるのが一般的です。

BPRを実践する流れと手順

BPRを行うときは、正しい流れを知り、それに合わせて実施しなければいけません。ここからは、BPRを実践するための流れと手順を解説していきます。

①検討

ファーストステップである検討では、主に以下の2つが実施されます。

目的・目標の設定を行う

現状業務で改善するポイントを洗い出し、どのような目的や目標を設定するのかを考えます。このときのポイントは、企業戦略に沿っている目的・目標を立てることです。さまざまな階層の従業員からヒアリングすることで、全体的な改善点を洗い出すことができます。

BPRは業務全体の業務改革が目的なので、目標を1つに絞ると漏れが生じる可能性があります。そのため、目的や目標を設定するには業務全体で定めるのではなく、組織・システム・人の3つの領域にわけ、それぞれの目的・目標を考えることが重要です。

対象業務範囲の設定を行う

目的・目標が設定できたら、どこまでの業務を改革するのかを決めましょう。対象になる単位やキープロセス、ビジネス・システム・ユニットなどの再構築の単位をあらかじめ考えておくとスムーズに進みます。

改革を行う対象があやふやなままBPRを進めてしまうと、抜本的な改革が叶いません。対象業務の範囲をできるだけ具体的にしておくことで、BPRの成功率が高まります。BPR後のビジョンと課題を思い描き、関係している従業員全員で共有するのも重要なポイントです。

②分析

分析のフェーズでは、現状のプロセスで生じる課題の分析それらの改善方法の検討が求められます。現状の課題を見つけ出す場合は、解決方法が見えるように行うと改善策が立てやすいです。業務内容によって課題の質や数はさまざまなので、問題が多い部分に時間をかけて改善を図るケースも少なくありません。

課題の把握には、分析ツールの活用がおすすめです。さまざまな分析ツールがありますが、BPRの分析にはABC手法やBSC手法を使ったツールが活用できます。

  • ABC手法:時間と単位と回数を使ってコストを割り出す方法
  • BSC手法:目標設定や現状分析などのステップを通じてコスト以外の効果を割り出す方法

このような手法を使った分析ツールから、ビジネスプロセスの分析、そしてBPRの効果を測定します。

③設計

分析で浮き彫りになった課題に対して、最適な解決策の方針を決めるのが設計です。設計で考えるべき内容は、主に以下の2つです。

改善に向けた戦略や方針を策定する

戦略が1つだけでは、全員が納得できない場合や不具合が起きたときにファーストステップからやり直さなければいけません。そのため、改善に向けた戦略や方針ができるだけ多く提示し、従業員全員が納得するような戦略を考える必要があります。

具体的なプロセスを設計する

さまざまな戦略を立てた後は、効果が高いと予想できるものからプロセスを再設計します。検討のステップで立てた目標や目的を実現するような、具体的なプロセスを設計しましょう。

また、具体的なプロセスの設計には体制の整備も欠かせません。メンバーやコストなど具体的な内容設計を行い、漏れがないよう従業員全員に共有することが重要です。

④実施

検討・分析・設計はBPRの準備作業です。4つ目のステップである実施において、これまで準備してきたものを使いながら課題解決に向けて取り組んでいきます。

BPRは業務を根本的に覆す業務改革なので、目標の達成には多くの時間がかかります。長時間かけることで本来の目的から逸れる可能性もありますが、その都度軌道修正を行い目標に沿っているかを常に確認しましょう。

目標の達成に時間がかかりすぎる場合は、最終的な目標までの間にいくつかのスモールゴールを設置することで、実施の効果を定期的に見直すことが可能です。たとえば不動産仲介業者の場合、反響数や見込み顧客数などをスモールゴールに設定することも少なくありません。どんなに小さなゴールでも社内で必ず共有し、目標達成のために社内一丸となってBPRに取り組むことが重要です。

⑤モニタリング・評価

BPRを実施した後は、アフターフォローも欠かせません。最後のフェーズであるモニタリングや評価では、以下の3つを測定します。

  • ビジネスプロセスがうまく機能しているか
  • 問題発生時の原因は特定できたか
  • どれほどの効果が生まれたか

これらに問題が生じれば、その都度修正することが重要です。また、上記の3つを社内で共有してお互いの認識を揃えることで、意味のあるBPRが叶います。

BPRの実践には目的の把握と事前準備を徹底しよう

目標に向けた業務改革という意味を持つBPRは、業務改善よりもスケールが大きいことが特徴で、実施の際は根本的・抜本的に再構築を行います。BPRは業務効率化や従業員・顧客満足度の上昇の他、コストの削減も見込めるため、多くの企業が実践しています。

最後に、BPRの手順をおさらいしましょう。

  • 検討
  • 分析
  • 設計
  • 実施
  • モニタリング、評価

正しい内容で行わないと、効果的な業務改革とはなりません。業務改善とは一線を画すBPRを行い、客数アップ・売上アップなどを図ってみてください。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

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