記事公開日:2022/02/17
最終更新日:2023/11/16
怒りをコントロールができず、仕事中にキレてくるやっかいな上司や先輩に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。また、職場の人に限らず、ときには大切なお客様がキレてしまうこともあるでしょう。相手が突然怒り出すと慌ててしまいますが、いったいどのように対処すればいいのでしょうか。
今回は、仕事でキレる人の心理について解説します。実際のエピソードをふまえた対処法や、自分がキレそうになったときの怒りのコントロール方法についても紹介していきますので、お悩みの方は参考にしてみてください。
目次
まずは人がキレてしまう理由について、4つの感情・心理別に見ていきましょう。
それぞれの特徴について説明していきます。
自分の考えが正しいと確信している人は、他の人の意見を受け入れられません。視野が狭く、物事の判断を自分の基準で決めており、思い通りに進まないとキレてしまいます。仕事の場では思い通りになることが少ないため、怒ることが多くなるのです。
マウントとは、自分が相手よりも優れていることをアピールし、相手より上の立場のポジションを取ろうとする言動や行為です。どんな些細なことでもマウントを取りたい人は、「周囲からすごいと思われたい」「褒められたい」という承認欲求が強い傾向にあります。
承認欲求が強い人は、抱えている劣等感が大きいことも少なくありません。自分が他人よりも劣っていると思われたくないという気持ちから、何としてでも有能さをアピールしようとします。しかし思うようにアピールできず、自分が下だと感じてキレてしまうのです。
プライドが高い人は、人から指摘されるのが恥ずかしく、相手にキレることでプライドを保ちます。反対に傷つきやすい人は、自分の非を認めることでつらくなるのを避けるために、人のせいにしたりキレたりします。仮に自分の非が明確であっても、相手や周囲のせいにして自分のせいだと認めないのです。
自分の感情をコントロールできない人は、どこにキレるポイントがあるかわからず、雑談中にもかかわらず突然キレることがあります。怒りの沸点が低く、感情に流されやすい気分屋でもあります。
なかには理不尽にキレる人もいますが、多くの人は何らかの理由があり怒りを爆発させます。ここからは、職場で上司やお客様がキレた場合の対処法について解説していきます。また、実際にキレたお客様の対応をした不動産営業マンのエピソードも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
職場の同僚や上司がキレてしまった場合は、以下の2つの方法で対処しましょう。
それぞれの理由について見ていきます。
同僚や上司が怒っている際に反論してしまうとさらにヒートアップしてしまうおそれがあります。怒りの感情は一時的なものであり、ピークがすぎると落ち着きを取り戻すので、相手が落ち着くまでは適度に相づちを打ちながら聞き流しましょう。キレた同僚や上司は徐々にトーンダウンしてくるので、こちらに言い分がある場合はそのときを待ってから話し始めます。
同僚や上司とは毎日顔を合わせることになるため、何が原因でどんなタイミングでキレるのかを把握することも重要です。キレるポイントがわかれば、伝え方や話し方を変えることで対処できる可能性があります。
また、すぐキレる人の近くにいると、自分にまでイライラした感情が移るため、一歩距離を置いて流されないようにしましょう。キレやすい同僚や上司が職場にいる場合は、仕事上の最低限の付き合いだけにして距離を置くのが大切です。
お客様がキレてしまった場合は、以下の2つの方法で対処しましょう。
上記2点について、詳しく見ていきましょう。
まずはお客様がなぜキレているのかを知るために、不満に思っていることを話してもらいます。相づちを打ちながら話を聞き、相手の立場になって共感しましょう。お客様が一通り話し終えたら、トラブルの発生理由や問題点など、クレームの内容が事実かどうかを確認します。
解決策は最大限の誠意を込めて提示します。解決策はできるだけ早く提示し、一方的ではなくお客様の立場に立って話を進めていきましょう。このとき、お客様が求めるものと解決策が合わない場合は代替案を提示します。
なお、こちらに非があれば丁寧に謝罪しましょう。お客様からの信頼度が下がっている状態なので、誠意を見せて信頼回復に努めます。
不動産会社の営業マンは、キレてしまったお客様にどのように対応しているのでしょうか。ここからは、実際にあったエピソードをご紹介します。
営業マンのAさんは、部屋探しの際にお客様にキレられてしまったそうです。お互いに「言った・言わない」という認識の齟齬が発生し、お客様に激しい口調で怒鳴られてしまったのです。
お客様の感情を逆撫でしないように言い分をじっくりと聞き、冷静になるまで聞き役に徹することで、どうにかその場は収まりました。そこから過去に送ったメールなどを確認したところ、お客様の勘違いだったことがわかり、納得していただいたそうです。このような経験から、お客様が勘違いしそうなポイントは繰り返して伝えるようにし、とくに約束の時間や待ち合わせ場所などの大事な情報は3回以上お伝えするようにしているそうです。
この他にも、専門用語をできるだけ使わない、クレームについてこちらに非がある場合は丁寧に謝罪するなど、自分のなかでルールを作ることも重要だとおっしゃっていました。なお、明らかに理不尽なクレームには、同調せずに冷静に対処しているそうです。
周囲の人ではなく、自分自身がキレそうになることもあるはずです。日頃から以下のことを忘れずに仕事に打ち込みつつ、怒りが込み上げてきたときには落ち着いて対処するようにしてください。
ひとつずつ見ていきます。
アンガーマネジメントとは、怒りに振り回されず、怒りの感情とうまく付き合っていく心理トレーニングです。怒るべきときは正しく怒り、怒る必要がないときは怒らないなど、感情のコントロールができるようになるために訓練します。
アンガーマネジメントには、「怒りが湧いたら6秒待つ」という方法があります。怒りのピークは6秒までといわれており、6秒をすぎると落ち着きを取り戻せるので、怒りに任せて反論したり物を叩いたりせず、6秒だけ待ってから問題を解決していきましょう。
また、自分が何に対してキレるのかを把握するのもひとつの方法です。怒りの感情が湧いたときにその場でメモなどを残し、なぜイライラしたり怒ったりしたのかを客観的に分析します。たとえば、満員電車でイライラしていたら電車の時間を変えるなど、怒りのポイントを知ることで対処できる問題も少なくありません。
そもそも怒りの感情は、自分の「○○であるべき」が強く、相手が「○○べき」を裏切ったときに生まれます。「裏切られた」と感じるのは、相手への期待が大きいからです。そのため期待しないことを意識すると、小さなイライラも気にならなくなります。
思うように進まない仕事など、怒りの対象を意識しているとイライラはいつまでも続きます。そんなときは、眼の前にある書類のフォントを眺めたり、手のひらを観察したりと、目の前にあるものに意識を集中させましょう。これは「グラウンディング」と呼ばれるもので、意識を別のことに集中させ怒りをそらす方法です。
ストレスを受けていると、イライラしやすくなります。私生活でストレスを溜めないようにするには、バランスの良い食事を取り、軽い運動をするのがおすすめです。
ストレスが溜まると好きなものばかりを食べて解消してしまいますが、暴飲暴食は「食べてしまった」という罪悪感からかえってストレスの原因となります。主食・主菜・副菜がバランス良く揃った食事にし、ストレスに対抗するための栄養素であるビタミンC、たんぱく質やマグネシウムなどを積極的に食事に取り入れましょう。
運動をすると、セロトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、軽い運動でも効果があるといわれています。無理せず自分のペースに合った運動をして、気分をリフレッシュさせましょう。
怒りは人間の自然な感情ですが、職場にキレる人がいるとこちらまでイライラしたり、怒るたびに仕事の手が止まったりしてしまいます。キレる人とは距離を置き、怒っているときは反論せずに聞き流しましょう。
また、お客様からキレられることもあります。こちらに非があった場合は、解決策の提示をして謝罪をしましょう。キレられたことに慌てず、お客様の立場になりながら対応することが大切です。
そして、自分がキレないようにするためには、まずは怒りの感情を認め、怒りを抑えずに一緒に付き合っていくような形でコントロールしましょう。場合によっては大事な信頼を失ってしまうおそれもあるので、怒りに任せず冷静な対応を心がけてみてください。
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