記事公開日:2022/02/24
最終更新日:2022/09/18
営業職である以上、毎月の「営業ノルマ」と向き合う必要があります。しかし、場合によってはノルマを達成できないことも多く、「きつい」、「仕事が嫌になる」などノルマに対してマイナスイメージをもつ人も多いのではないでしょうか。
今回は、ノルマ営業がきついと思われる理由やノルマ達成への方法、トップ営業マンへのインタビューなどを紹介していきますので、毎月のノルマがきついと感じている人や営業職への転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
営業ノルマとは、営業マン個人やチームに課せられた作業量や目標のことです。週単位・月単位などでノルマが定められており、期間内に目標件数や目標売上を達成する必要があります。また、企業が営業ノルマを設定する理由は以下のとおりです。
会社を黒字にするには、利益を出すことが必要不可欠です。そのため、営業マン個人やチーム全体に、利益を出すための営業ノルマを与えます。すべての営業マンが営業ノルマを達成できるとは限らないため、個々の営業ノルマは本人が思っているよりも高く設定されているケースがほとんどです。
また、営業ノルマを設定することで、上司は部下を評価しやすくなります。営業ノルマにはインセンティブが設けられているケースも多く、営業マンは成果やインセンティブを含む給与アップによってやりがいを感じることも少なくありません。
なお、仮に営業ノルマを達成できなくても解雇などの厳しいペナルティはありません。しかし、「営業ノルマ=きつい」と思う人は多く、精神面で負担に感じてしまうのが現実です。
営業ノルマをきついと感じる理由は、以下の3点が挙げられます。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
営業ノルマは、契約件数や売上など具体的な数字で明確化されます。同じチームや部署内のメンバーが達成できて、自分だけが達成できない場合、自責の念に駆られてしまいます。日々数字に追われることが大きなプレッシャーになり、目標数値を達成するためにがむしゃらに働く営業マンも少なくありません。
また、営業ノルマは達成できそうなギリギリな数値に設定されるのが一般的です。そのため、営業マンは日々プレッシャーと戦いながら目の前にある業務をこなす必要があるといえます。
上司はそれぞれの営業マンに相応の営業ノルマを課しますが、なかには営業ノルマの目標値を理不尽に定める方も少なくありません。達成できそうな数値であれば、「がんばって達成しよう!」と仕事に対するモチベーションが上がります。しかし理不尽に高すぎる営業ノルマの場合、仕事に対する意欲が下がる他、組織全体の雰囲気も悪化しかねません。
このような営業ノルマの設定は、不動産営業だけでなくどこの業界でも稀に起こり得ます。しかし、今は昔のような体育会系の組織は減り、営業マンの能力に見合った目標を設定するのが一般的なので、過度に不安になる必要はありません。
職場の雰囲気が悪い会社の場合、「ノルマを達成するまで仕事をしろ!」「ノルマを達成していないのに帰るのか!」など、怒鳴られてしまうケースも少なくありません。前述のとおり、他の人がノルマを達成しているのに、自分だけがノルマを達成しないとこのような目に遭うおそれがあります。
しかし、今は組織全体でカバーして目標を達成するようなチームも増えています。また、労働基準法などの関係で長時間の労働はタブーとされる風潮が強く、上司が残業や休日出勤を強要することは減るようになりました。必要以上のノルマを課してくる職場がある一方、社員のことを大事に考え、適切な業務量で調整している会社もあるということを頭に入れておきましょう。
営業ノルマは必ず達成できるというものではありませんが、評価や給料のためにも達成するのがベターです。トップ営業マンが心がけている営業ノルマ達成のコツは以下のとおりです。
それぞれの内容を詳しく解説していきます。
営業ノルマの未達が続く場合、「なぜノルマ達成できないのか?」と自己分析することが重要です。考えられる理由をすべて洗い出すことで、自分には何が足りないのかが見えてきます。また、ノルマ未達の原因を考えるうえで必要なのは、営業活動を3つに分類することです。
それぞれの段階で足りていない部分を洗い出すことで、これからどんなことをすればいいのかがわかります。たとえば、見込み客が足りていないとわかれば見込み客の発掘に力を入れ、顧客のフォローができていないのならアフターフォローに注力するなど、ノルマ達成に向けて適切な対応が取れます。
営業活動の成果が出ていない場合、扱っている商品・サービスの魅力がうまく顧客に伝わっていないことが考えられます。そのため、商品・サービスの強みや弱みを改めて勉強し直すことで、今まで伝えられていなかった魅力を顧客にアピールできるようになるかもしれません。
また、顧客のニーズは時勢によって変わっていきます。以前とは違ったニーズが出てくるかもしれないため、時代の変化を意識しつつ、顧客の悩みや不安などを真摯に聞くことが重要です。
営業ノルマを達成するには、綿密な計画を立てることも欠かせません。見境なく新規顧客を発掘して営業活動を行っていても、なかなか成果を出すことができません。扱っている商品・サービスや、見込み客の幅を絞り込むことで、効果の高い営業活動が期待できます。
また、これらの幅を絞ることで、身につけるべき知識もわかってきます。質問されやすいポイントも想定しやすいため、自信をもって商談に臨むことが可能です。
ノルマを達成できている同僚や上司には、それぞれが達成のコツを持ち合わせています。自分と違った行動や考え方に触れることで新たな気づきを得ることができるかもしれないので、可能であればノルマを達成している同僚や上司の営業活動に同行させてもらいましょう。
もし同行が難しければ、相談をするのもおすすめです。とくに、上司は自分の営業活動の悪いクセに気づいている可能性もあります。相談することで、改善点を教えてくれるかもしれません。
実際の営業マンは、営業ノルマをどのように考えているのでしょうか。ここからは、実際に不動産営業マンとして活躍している人のリアルな声を紹介していきます。
Q:営業ノルマ=プレッシャーだと感じていますか?
A:個人的には、営業ノルマはコミットするべきものだと考えています。実際に、ノルマを達成するとインセンティブがもらえ、その分給料も増えます。ノルマは達成することで自分のやりがいにも繋がるので、マイナスではなくプラスのものではないでしょうか。
営業ノルマをプレッシャーに感じる人は、不動産営業には向いていないと思います。不動産営業にはノルマがつきものです。ノルマが怖い人は、営業職以外の仕事がおすすめです。
Q:営業ノルマを達成するコツを教えてください。
A:自信をもてないと良い結果に繋がらないので、「自分は営業が得意だ!」と思い込むようにしています。また、ノルマをポジティブなものだと捉え、仕事に対するモチベーションを高めています。
「営業ノルマの設定やペナルティは違法なのでは?」と考えたことのある人も多いのではないでしょうか。とくに近年ではパワハラの被害が多く叫ばれているため、営業ノルマ=パワハラと考える人も少なくありません。ここからは、営業ノルマの設定やペナルティにおける違法性について、詳しく解説していきます。
営業マンや営業チームに営業ノルマを課す行為そのものに違法性はありません。社外で行われる営業活動は上司の目が行き届きにくく、成果をノルマで数値化するのはビジネスにおいて正当な手段です。会社の利益を上げるためにも営業ノルマの設定は正しいものであり、法的に問題があるものではないのです。
しかし、ノルマ未達成のペナルティの場合、違法性が問われるケースも散見されます。
会社には「営業ノルマを設定する自由」がある一方、労働者には「営業ノルマを達成する義務」は法的にはありません。成果を出すための責任は会社にあるため、ノルマが未達でも処罰を受ける必要はないのです。しかし、一部の会社ではノルマの未達に以下のようなペナルティを用意しています。
上記のような行為は立派な違法行為です。これらが原因で営業活動自体に大きなプレッシャーを感じ、体調を崩して休職や退職に追い込まれてしまう方も少なくありません。
理不尽な営業ノルマの設定やノルマ未達の重すぎるペナルティが続けば、転職を視野に入れることがおすすめです。前述のとおり、無理して仕事を続けてしまうとメンタルが不安定になり、体調を崩してしまうかもしれません。
ただし、このような会社はごく一部で、決してすべての営業マンが同じ思いをしているわけではありません。営業職が嫌いになる前に、環境の整った会社へ転職しましょう。
営業ノルマは、会社の黒字化や営業マンの正当な評価を理由に定められている評価システムです。きついと思われがちな営業ノルマですが、営業活動のやりがいと捉えることもできます。
仮にノルマが達成できなくても解雇などの大きなペナルティはないため、プレッシャーを感じすぎず、営業ノルマにと向き合うことが重要です。今回ご紹介したコツや方法を参考に、ポジティブに営業活動を楽しみましょう。