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REIT(リート)とは?種類やメリット・デメリットなど詳しく解説!

記事公開日:2022/08/18

最終更新日:2024/01/11

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「不動産投資を始めたいけど十分な資金がない」と悩んでいる方にぴったりなのがREITです。しかし、REITは種類や銘柄など投資をする際に考えることが多く、初めての方は難しいと感じるかもしれません。

そこで今回は、実際に不動産を購入する投資方法との違いや、REITを購入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。買い方や注意点も紹介していきますので、お困りの方はぜひ参考にしてみてください。

REIT(リート)とは

投資家から集めた資金を不動産運用に充て、利益を分配する金融商品がREITであり、不動産投資を証券会社や銀行など通じて行うのが特徴です。REIT発祥の地はアメリカで、日本ではJ-REITとも呼ばれています。

不動産投資信託としていくつもの銘柄が存在し、株を売買するような感覚で運用していきます。高額な不動産を所有する必要がなく、銘柄を購入するだけで完結するため、忙しいビジネスマンの投資対象として選ばれることも珍しくありません。

REITの仕組み

REITの仕組みも通常の投資信託とそれほど変わりません。投資家が不動産投資信託のREITを購入し、集まった資金を不動産投資法人が管理します。業務委託を活用して物件の調査・選定・売買などで利益を出し、その利益を分配金として投資家に支払うといった手順を繰り返すのがREITの主な流れです。

また、REITそのものは有価証券なので、株券と同様に売買で利益を出せます。このように、現物不動産を購入するのではなく、不動産経営を営む事業に投資するのがREITの大きな特徴といえます。

現物不動産投資との違い

主な違いは次の3点で、特に「自分で運用するかしないか」という点が大きく異なります。

≪REIT≫≪現物不動産投資≫
初期費用少額高額
不動産の管理不要自己管理もしくは管理会社に委託
資産としての安定性

現物不動産投資では、物件の購入費などの初期費用が必要ですが、新築・好立地などの条件が揃えば固定資産として長く運用可能です。一方REITは手軽な金額で始められますが、金融資産のため暴落の不安があります。現物不動産よりも高い下落率で資産価値が下がる可能性があるので、値動きに注意が必要です。

REITが保有する不動産の種類

個人で行う現物不動産投資では、主にマンション・アパートなどの居住を目的とした不動産を取り扱いますが、REITではさまざまな不動産を保有・運用しています。

REITでは、集合住宅などの居住系はもちろん、オフィスビル・物流センター・工場といったビジネス系にも注力しています。駅前ショッピング施設から郊外のスーパーマーケットまで、特定の地域の生活環境に注目した不動産投資法人もあるなど多種多様です。

ここからは、REITが保有する不動産の特性と、REIT型ETFと呼ばれる上場投資信託について解説していきます。

単一用途特化型

住宅・オフィス・商業施設・ヘルスケア施設・ホテル・物流施設・工場・研究開発施設など、多数の投資対象の中から1つのジャンルに絞って資産運用を行うのが単一用途特化型です。

投資対象が1つなので、値動きを察知しやすいのが特徴です。たとえば観光産業が好況になれば、リゾートホテルをメインに扱う銘柄の時価総額は上昇傾向になることが予想できます。

複数用途特化型

投資対象を2つ以上のジャンルで展開する方法が複数用途特化型です。オフィス・商業施設・住居など、用途の異なる不動産を保有するのが一般的です。仮に1つが景気の影響で低迷しても他の投資先があるため、リスクヘッジとしても活用されています。

ただし、複数用途とはいえ無計画に不動産を購入しているわけではありません。特定の地域を限定し、駅周辺の住居・駅ビル・商業施設といった組み合わせで、地域に密着した運用商品を展開する銘柄もあります。

REIT型ETF

REITの投資対象は2022年2月時点で61銘柄あり、どの銘柄を買うべきなのか迷ってしまう人も少なくありません。購入する銘柄を決められない場合は、REIT型ETFと呼ばれる上場投資信託がおすすめです。

REIT型ETFを利用すれば、REITのマーケット全般を対象に投資できます。東証REIT指数や日経ESG-REIT指数の価格に連動しているので、初心者でも値動きを判断しやすいのが特徴です。

REITのメリット

REITは少ない資産から投資が可能で、不動産の購入・運用などの手間がなく、リスクヘッジにも効果的な金融商品です。また、管理費のようなランニングコストもかからず売却もスムーズにできるため、大金を用意できない・時間に余裕がない・大きなリスクは避けたいといった人にぴったりです。ここからは、そんなREITのメリットについてより詳しく説明していきます。

少額から資産運用できる

投資信託(J-REITファンド)では、金額買付を選択すれば100円から購入可能です。個別銘柄は株券とは違い1口から購入可能で、さらにJ-REITファンドは金額を指定できるので、少額の資金で始められます。

自分で不動産を購入・所有する必要がない

REITはプロにすべてお任せできるのも大きなメリットといえます。ある程度の知識は必要ですが、多くの場合、自分の好きな銘柄やファンドを選んで購入するだけです。また、実際の不動産を購入する必要がないため、不動産の目利きもほぼ不要となります。

管理の手間や時間がかからない

現物の不動産を購入する必要がないため、空室対策・集客といった工程に割く時間も不要です。そのため、現物不動産投資と比較すると比較的自由な時間を作りやすく、仕事や家事・育児などもスムーズに行えます。

資産減少のリスクヘッジとして期待できる

REITは現物不動産投資ではありませんが、不動産運用である点に変わりはなく、資産分散の手段としても有効です。現物不動産投資の場合、1つの物件の購入に多くの資産を使ってしまいますが、REITなら分散投資が可能なためリスクヘッジにもなります。また、「よりリスクを抑えたい」と考えている方は複数の銘柄が分散されたREIT型ETFを選んでみてください。

REITのデメリット

REITは株の保有に似ているといわれています。現物の不動産を所有せず、価値や収益の変動も大きく不安定で、また納税面でも不都合が生じることも少なくありません。購入後に後悔しないよう、ここからはREIT投資を行ううえで知っておくべきデメリットについて解説していきます。

実物不動産が保有できない

実物不動産には、自宅にする・家族に財産分与できるといったメリットがあります。また、賃貸経営で得られる家賃収入といったメリットもREITでは得られません。

しかし、REIT自体は不動産投資法人が倒産する、あるいは売却しない限り手元に残ります。いきなり資産がゼロになることはないため、投資方法の違いを区別しておくのが重要です。

価格・収益が変動する可能性がある

現物不動産投資で新築を購入した場合は、価値は徐々に下がっていくため、突然無価値になるようなことはほとんどありません。

一方、REITの価格変動は読みづらく、不動産投資法人の業績次第で急な暴落もないとはいえません。株券と同じようにREITの価値も上下するので、元本のほとんどを失ってしまうケースもあります。

投資法人の倒産や上場廃止のリスクがある

投資法人もあくまで民間企業のひとつなので、場合によっては業績が傾いてしまうことがあります。市場の縮小で上場廃止になったり、企業側の都合で上場廃止になったりするなどさまざまなリスクを抱えながら運用を続けています。

また、業績悪化に留まらず倒産してしまう可能性もあるので、このような上場廃止・倒産の可能性を考えて無理のない範囲の資金で投資するのが重要です。

配当控除が適用されない

株を保有して配当金を得ている場合、配当金に課される所得税が軽減される「配当控除」が受けられます。

REITも株と同じ証券に分類されるので、所得税率は同様です。しかしREITへの配当控除は適応外となり、税額軽減効果が発揮されません。配当控除は受けられないことを前提に考えておかないと、確定申告時に支払う税金に差異が生じてしまうので注意しましょう。

REIT購入の仕方

REITは各証券会社で購入可能ですが、ここではネット証券を利用したREITの買い方をご紹介します。これはそれほど難しいものではなく、任意の証券会社で口座を開設し、その後に好きな銘柄のREITを選ぶだけです。それでは最後に、個別銘柄・ ETF(REIT型ETF)・投資信託(J-REITファンド)それぞれの具体的な買い方や注意点をチェックしていきましょう。

個別銘柄

ネット証券のホームページから特定のREIT個別銘柄を検索し、業績やチャートの情報をもとに購入する銘柄を決定しましょう。購入方法は株券と同じで、購入したい口数や金額を指定すれば即購入できます。

興味のある銘柄があれば、法人名か銘柄コードを検索して、企業のホームページをチェックしましょう。そこにはポートフォリオが記載されており、どのエリアでどんな物件を扱っているか一目でわかります。

ETF(REIT型ETF)

購入方法は個別銘柄と同様で、ネット証券のホームページでETFのREIT一覧から好きな銘柄を選びましょう。注意点は、銘柄によって最低口数が異なる点です。株券のように100口~と指定された銘柄もあるので、必ずしも少額でスタートできるとは限りません。

またETFはファンドに分類され、複数の銘柄が含まれているので個別銘柄とリサーチの方法が少し異なります。東証・日経といった連動指標を選定して、チャートから相場動向を調べるなど、個別銘柄以上に数字のチェックが必要です。

投資信託(J-REITファンド)

投資信託(J-REITファンド)の場合、個別銘柄やETFと購入方法が少し異なります。ネット証券のホームページから購入できる点までは同様ですが、買付の種類が金額指定・口数指定・積み立ての3種類あるのが特徴です。

金額指定を選んだ場合、100円から購入できるため少額から投資したい人に便利です。また口数指定はあらかじめ何口購入するか決める方法で、一般的に1口から注文できます。そして、積み立ては毎月決まった日付に買い増しをする購入方法で、これを使って毎月コツコツ資産を増やしている方も少なくありません。

なお、ETFもJ-REITファンドも同じ投資信託といわれていますが、ETFは上場企業のみ、J-REITファンドはそれ以外の企業という点に違いがあることを押さえておきましょう。

REITは少額で不動産投資をしたいと考えている人におすすめ

REITは「不動産投資に興味があるけど不動産を購入する資金が足りない」といった人におすすめです。これまでの不動産投資のように現物不動産を所有・運用する必要がなく、経営はすべて投資法人や外部委託先が行うため管理の手間がかかりません。

また、証券の流動性も高く購入・売却も即日可能なので、現物不動産よりもスピーディーに取引できます。自身の予算の範囲で購入できるのがREITの魅力なので、投資したい銘柄やファンドがあれば実際に始めてみてはいかがでしょうか。

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CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。

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