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【2022年】賃貸仲介会社が取り組むべきこととは?キーとなる6つのポイント

記事公開日:2022/05/05

最終更新日:2023/11/17

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長引くコロナ禍により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令、期間延長などで空きテナントが目立ちます。また、テレワークの普及で人が郊外に流れて都心部の空室も増えてきているものの、不動産業界全体としてはそれほど景気が悪いということはありません。

社会全体で見てもウィズコロナへの舵取りがスタートしており、賃貸市場でも今後さらに客足が戻ってくることが期待できます。社会情勢がどのように変化をしていくのかはわかりませんが、いつでも好景気の波に乗れるよう、今回は2022年に賃貸会社が取り組むべきポイントを紹介していきます。

2022年の不動産業界を取り巻く状況

新型コロナウイルスの流行によって日常生活は一変し、あらゆる業界が打撃を受けましたが、不動産業界も例外ではありませんでした。テレワークの普及による不動産ニーズの変化、開催地の賃貸需要が期待された東京オリンピックの延期や無観客開催など、想定外の事態によって営業方針の変更を余儀なくされた会社もあるかもしれません。

では、2022年の不動産業界を取り巻く状況はどうなっていくのでしょうか。まず不動産業の法人数不動産会社の事業所数ですが、公益財団法人不動産流通推進センターが発表した「2021年不動産業統計集」(※1)によると、増加傾向にあることがわかります。また、従業員数には若干の減少が見られるものの、10年前と比べれば増加しているといえます。

【不動産業の法人数推移※1】

年度法人数
平成22年301,004
平成23年302,939
平成24年304,000
平成25年306,280
平成26年310,413
平成27年315,542
平成28年321,361
平成29年328,553
平成30年337,934
令和元年347,791

営業利益に関しても、2020年7~9月期は増加率がマイナスになったものの、それ以降はプラスになっており、売上高も大幅なマイナスになっているわけではありません。このような理由から、今後はさらに景気が上向きになると考えて良いかもしれません。

【営業利益の増加率推移※2(単位%)】

区分2020年
7~9月
10~12月2021年
1~3月
4~6月7~9月
増加率▲0.823.82.019.63.3

(増加率は対前年同期増加率)

【売上高経常利益率の推移(単位%)】

区分2020年
7~9月
10~12月2021年
1~3月
4~6月7~9月
利益率11.012.812.117.012.7

(増加率は対前年同期増加率)

ただし、テレワークの普及によって郊外物件の需要が増加していることから、都心部のオフィスビルの需要がは減少すると考えられます。また今後の感染拡大状況によっては、アパートやマンションなどの賃貸物件も都心部より郊外のニーズが高まる可能性があります。

※1参考: 公益財団法人不動産流通推進センター 「2021不動産業統計集」

※2参考: 財務省 「四半期別法人企業統計調査(令和3年7~9月期)」

前を見据えるビジネスマンの画像

2022年に賃貸仲介会社が取り組むべきこと

厚生労働省の政策研究機関付属機関である「国立社会保障・人口問題研究所」によると、2023年には世帯総数がピークとなりその後は減少するとされています。世帯総数がピークを迎える前の2022年にどれぐらいの顧客を獲得できるかが今後の売上に大きく関わってくるといえるので、これから解説するポイントを参考にし、自身が取り組むべきことを明確にしておきましょう。

※参考:厚生労働省政策研究機関付属機関 「国立社会保障・人口問題研究所」 

①SNSの積極的な活用

「SNSを広告宣伝や会社案内に活用する」というのはすでに多くの方が持っている共通認識です。「平成30年通信利用動向調査の結果」のソーシャルメディアサービスの活用状況(企業)を見ると、不動産業は58.7%と高い数値を記録しているのが目立ちます。

SNSの活用方法と聞くと、広告配信がメジャーだと答える方も多いのではないでしょうか。しかし、企業アカウントを作成して賃貸物件の写真や動画を投稿したり、独自のコンテンツを配信してシェア数やフォロワー数を増やして認知度を上げたりするなど、その内容は多岐にわたります。SNSで集客できるよう、見込み顧客となる世代が利用しているツールを活用し、積極的に情報を発信していきましょう。

※参考:総務省 「平成30年通信利用動向調査の結果」

②空き家や築年数の古い物件を用いたドラスティックなアプローチ方法の確立

空き家や築年数の古い物件は、今の時代のニーズに合わせてリフォームをしたり、見せ方を工夫したりしていくことも、2022年に取り組むべきポイントです。ここ数年、YouTubeなどのSNS上で、古民家の再生や古い空き家を自分でリノベーションする動画が流行りのコンテンツとなっており、古い物件へのネガティブなイメージには変化が出てきています。

築年数が古い物件は敬遠されがちですが、今後も増えていくことが考えられるので、昭和レトロをイメージしたリノベーションやSDGsを意識した古民家再生など、ドラスティックなアプローチを確立していきましょう。

③不動産テックの導入推進

不動産テックは、不動産とテクノロジーを組み合わせた造語で、テクノロジーを活用して不動産業界の課題解決を図ることを指します。不動産テックには、VRやARを活用する物件内見サービスや、登記情報をデータベースに集めて物件データを一度に閲覧できるなどの情報サービス、リフォーム業者と見込み顧客をマッチングするサービスなどがあります。なかでも積極的に導入したいのは、不動産業務不動産の管理業務をテクノロジーによって支援する仲介業務支援と管理業務支援の2つです。

仲介・管理業務支援に不動産テックを導入するメリットは、不動産情報をデータ化できること、反響対応メールや追客メールをシステム化できることなどが挙げられます。不動産情報をデータ化して可視化をすれば、情報の質が向上します。また、反響対応や追客へのアプローチをシステム化すれば、物件登録にかける作業負担を減らせるので、オーナーや顧客への対応などコア業務に集中できます。賃借人のニーズを独自に入手できる点にあります。不動産情報を取得する際に頼っていた専門業者が不要になり、コストカットの他、業務効率の改善にも効果的です。情報の質の向上やコア業務に集中できることは、業務効率の改善にも効果的なので、さらなる売上アップのためにも、不動産テックの導入は必須だといえます。

④管理会社と大家さん・入居者さんの繋がりの強化

ここ数年は大家さん同士の横の繋がりによる紹介などで案件を獲得する賃貸不動産会社が増えています。また入居者・入居希望者に関しても、TwitterやInstagramなどで住み心地や不動産会社の対応を発信する人が増えていることから、より多くの人に信頼されるような対応や発信を行い、繋がりの強化に努めましょう。

⑤オンライン重説浸透に伴う電子契約の導入

オンライン重説浸透に伴う、電子契約の導入も2022年に取り組むべきことのひとつです。デジタル改革関連法の施行により、宅地建物取引業法も改正されたことで、2022年5月までにオンライン契約が実現するとされています。

完全に施行されるまでにはまだ時間がありますが、施行されたタイミングで電子契約を導入してもすぐには運用できないかもしれません。電子契約には、書面の印刷や製本などの手間が省ける、印紙税削減によるコストカットなどのメリットもあるので、今から賃貸借契約や重説の電子化準備を進めていきましょう。

⑥テレワーク需要の落ち着きへの対応力

2022年は、テレワーク需要の落ち着きへの対応力も強化しましょう。コロナ禍では、感染防止対策としてテレワークが推奨されていたことから、都心に住む必要がなくなり郊外に移住する人が増えました。また、都心部やターミナル駅周辺はシェアオフィスの需要が高まったため、このエリアの賃貸物件の仲介に力を入れていた不動産会社も多いのではないでしょうか。

しかし、ウィズコロナの社会浸透に伴い、旧来の社会体制への回帰が徐々に始まっています。「週3日以上の出社が義務付けられた」「テレワーク自体が廃止になった」という声も増えていることから、今後は都心物件の需要が再増加すると考えられています。今すぐというものではありませんが、再増加の波に乗り遅れないように、都心物件の大家さんへアプローチしておくなど、都心物件の需要に対応できるように準備しておきましょう。

2022年を飛躍の年にするために、早め早めの対策を!

2020年以降、日常生活を送るうえでの生活様式に変化が生まれました。不動産業界でもデジタルシフトやマネジメントの変化が起こり、今まではその変化についていくことに追われていたかもしれません。しかし、2022年は「アフターコロナ」「ウィズコロナ」を踏まえた取り組みが活発化し、経済が活性化していくと考えられます。

経済が活性化することで不動産業界を取り巻く環境も大きく変わるかもしれないので、早め早めの対策を行い、2022年を飛躍の年にしていきましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。

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