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営業マン向けの社内研修では何を学ぶ?開催頻度やおすすめの社内研修の内容とは

記事公開日:2023/09/23

最終更新日:2023/10/10

営業向け社内研修

営業マン向けの研修は、営業マンの個々のスキルアップをすることによって、会社全体の業績アップを目指して開催するものです。しかし、実際にはどのような内容を、どの程度の頻度で行ったら良いのでしょうか。

本記事では、社内研修の目的を再確認し、研修で学ぶ内容とカリキュラムを作成するポイントを紹介します。また、賃貸仲介営業マン向けの研修で取り入れたい内容にも触れていますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

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そもそも社内研修とは?社外研修と違い

社内研修とは、学ぶ内容の設定からレジュメの準備、開催まで、すべてを社内のメンバーで行うものです。また社内研修は、通常人事担当者が実施します。社内で必要となる知識を効率良く教えられるのがメリットですが、ノウハウがない場合は開催するのに苦労するかもしれません。

社外研修は専門の講師が行うため一定の効果を期待できますが、コストがかかるのがデメリットです。また、フィードバックがない社外研修の場合、単に「やりっぱなし」の状況になりがちなので、参加者一人ひとりがフィードバックし合うといった工夫が必要になります。

営業マン向けの社内研修を行う目的

社内研修を行う目的として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 営業スキルの向上
  • モチベーションアップ
  • 社内全体の営業能力の底上げ

目的①:営業スキルの向上

営業マン向けの研修で、特にその効果を期待するのは営業スキルの向上です。しかし、すべての社員に同じスキルの習得を求めるのは難しいため、年次に合わせて設定します。

新人向けであれば、基本的なビジネススキルの習得を目的とした研修が良いでしょう。中堅社員であれば、提案力やクロージング力を高める研修が考えられます。また勤続5~10年程度の営業マンには、マネジメント力を向上するための研修を用意すると良いでしょう。

なお、全社員を対象とする場合は、社員の成功事例や失敗談を共有する研修がおすすめです。身近なケースをテーマにしているため、実際の営業の場面で活かすことができるでしょう。

目的②:モチベーションアップ

参加者に自己分析をさせて、モチベーションのアップを図るケースもあります。参加者一人ひとりのモチベーションが上がることによって、職場全体が意欲的になり、結果として業績アップも期待できるでしょう。

モチベーションアップは業績アップだけでなく、社員同士のコミュニケーションの活性化にもつながります。モチベーションを維持するためにも、定期的に研修を開くことをおすすめします。

目的③:社内全体の営業能力の底上げ

社内全体の営業能力の底上げを図るために社内研修を実施するケースも少なくありません。社員の中には、営業成績が優秀な営業マンもいれば、力を発揮できていない営業マンもいます。業績を上げているメンバーの行動パターンを社内研修の際に共有し、メンバー全員が体現できるようになれば、社内全体の営業能力の底上げが叶います。

営業マン向けの社内研修で学ぶ内容

営業マン向けの社内研修で学ぶ内容は、主に以下の4つです。

  • ビジネスマナー
  • 提案力の向上
  • ロールプレイングによる実践
  • グループワークやグループディスカッションによる学び

学ぶ内容①:ビジネスマナー

「人は見た目が9割」といわれることがあるぐらい、第一印象は重要です。営業マンはお客様と接する機会が多いため、特に気をつけなければなりません。

しかし、ビジネスマナーは上司によって指導内容や営業スタイルによる差が生まれやすいため、1対1の指導には注意が必要です。ビジネスマナーを社内で標準化させるためにも、あらかじめ資料を作っておき、研修の場で共有することをおすすめします。

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学ぶ内容②:提案力の向上

提案型営業と表現することもありますが、営業職であれば、お客様への提案力は必須です。お客様からの要望にただ応えているだけでは、真の営業マンとはいえません。

一朝一夕に習得できるものではありませんが、優秀な先輩社員から学ぶのが早道になるでしょう。接客時にどんなことを意識しているのか、クロージングする場面で何を大切にしているのかなどを研修の場で話してもらいましょう。

学ぶ内容③:ロールプレイングによる実践

座学に加え、ロールプレイングも実践してみましょう。ロールプレイングとは、具体的な場面を想定し、2人以上でお客様役と営業マン役になりきって演じる研修方法です。

想定した場面を事前に体感することによって、実際の場面で慌てることなく対応できるようになります。また、より具体的な対応方法やトークを上司からアドバイスしてもらえれば、さらに学びを深めることができます。

なお、ロールプレイングをするうえで重要なのは、緊張感を持って行うことです。いつも同じメンバーで行っていると慣れ合いになってしまうので、タイミングを見計らって先輩社員や上司を交えてロールプレイングを実施すると良いでしょう。

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学ぶ内容④:グループワークやグループディスカッションによる学び

研修の内容によっては、グループワークやグループディスカッションによる学びが有効です。自分にとっての「常識」は、世間から見たら「少数派の意見」であることが多いです。グループワークやグループディスカッションをすることによって、答えは一つではなく、「世の中にはさまざまな考え方や意見がある」ということを認識できるようになります。

また、お互いに意見を交わすことによってコミュニケーションを深められるというメリットもあるので、時間に余裕があればぜひ取り入れてみてください。

営業マン向け社内研修の開催頻度はどのくらいがベスト?

一般的に、社内研修はある程度繰り返し実施した方が良いといわれています。たとえば新人研修の場合、入社時のみ開催することが多いです。しかし、その後も継続して開かないと、そこで学んだ知識や技術が抜け落ちてしまうことも少なくありません。

また、中堅営業マンやマネージャーなどに対しても、状況を見て繰り返し実施する必要があります。内容に応じて頻度は異なりますが、数ヶ月に1回、あるいは1年に1回など、かかるコストや労力を考えて実施するのがベストです。

営業マン向けの社内研修カリキュラムを作るポイント

次に、営業マン向けの社内研修カリキュラムを作るポイントを4つ紹介します。労力がかかると思えるカリキュラムも、ポイントを押さえておけば、そこまで難しいものではありません。

  • 最終目標から逆算して目標を設置する
  • 詰め込みすぎた内容にならないように
  • 社内でアンケートを行い、学びたい内容を採用する
  • 対象者と講師となる人を決める

ポイント①:最終目標から逆算して目標を設置する

大きな目標を達成するためには、プロセスを踏むことが重要です。最終目標から逆算して、研修を設定しましょう。

たとえば、1年後には会社にとって即戦力になって欲しいのであれば、1ヶ月後に営業スキルアップ研修を実施し、半年後に提案営業研修を計画すると良いでしょう。

逆算して研修を準備することによって、大きな目標も達成しやすくなります。また受講者自体も段階を経て成長できるので、つまずきにくくなるでしょう。

ポイント②:詰め込みすぎた内容にならないようにする

研修のカリキュラムを作成しているうちに、あれもこれもと詰め込みすぎてしまうことがあります。目的や目標が多すぎると、それぞれの研修や目的の印象が薄くなってしまいます。研修のテーマはある程度絞るようにし、わかりやすいゴールを設けて開催するようにしましょう。

ポイント③:社内でアンケートを行い、学びたい内容を採用する

人事担当者と営業担当者では、日々行う業務が異なります。学びたい内容とズレが生じないように、アンケートを行い、研修テーマを決めるのも有効です。

しかし、具体的な回答が得られないケースも少なくありません。そのような場合、研修テーマの候補をいくつか挙げて、そこから選んでもらうといった方法を採用すると良いでしょう。現場の声が反映された研修であれば、参加者のモチベーションもアップします。

内容によっては毎年同じでも問題ありませんが、トレンドを盛り込んだ内容にするなど見直すことも大切です。受ける側も飽きずに研修を受けることができます。

ポイント④:対象者と講師となる人を決める

研修の開催を決定したら、対象者と講師役を選定しましょう。たとえば中堅営業マン向けの研修を実施する場合、対象者を年次や役職などで選定し、該当者の人数を把握しておきます。

また、社内研修では講師役となる社員が必要になります。企業理念やビジネスマナーであれば人事担当で問題ありません。しかし、実践的な営業スキルを学ぶ研修であれば、適任者を選定し、あらかじめスケジュールを確保しておく必要があります。

【賃貸仲介営業向け】おすすめしたい社内研修の内容

賃貸仲介営業マン向けに、おすすめしたい社内研修の内容を紹介します。しかし、いずれもあくまでも参考例なので、営業マンのレベル・年次によってアレンジしてください。

  • 不動産知識クイズ
  • 想定したシチュエーションでのロールプレイング
  • 先輩営業マンの成功事例を学ぶ
  • クレーム事例からトラブル回避術を学ぶ

研修内容①:不動産知識クイズ

難しく思える不動産の知識も、クイズ形式にすることによって楽しく学ぶことができます。新人に対しては、簡単なテストを実施すると良いでしょう。

また、宅地建物取引士試験合格に向けて研修を行う会社もありますが、この場合もクイズ形式での研修が有効です。たとえば、以下のようなクイズを出題すると良いでしょう。

家賃5万円・礼金1ヶ月・敷金2ヶ月の場合、仲介手数料や火災保険料などを含めた初期費用はいくらになりますか?

原状回復費用として、修復費用が入居者の負担になるのは以下のどのケースでしょうか?

・カレンダーを掲示するために、壁に画鋲で開けた穴

・結露をそのままにしたことによってフローリングにできた変色

・経年変化によるクロスの変色

研修内容②:想定したシチュエーションでのロールプレイング

ロールプレイングは、営業マンと人事担当者の双方にメリットがある手法です。営業マンは実地で対応する前に、自分がどの程度対応できるのか確認できます。そして人事担当者は、営業マンの特性や対応力を確認し、必要に応じてアドバイスもできます。

しかし、繰り返し行っているうちに慣れが生じるため、状況に応じてロールプレイングする相手を変えたり、テーマを変えたりするといった工夫が必要でしょう。

例えば以下のようなロールプレイングがおすすめです。

  • 顧客へ希望や条件をヒアリングする手順
  • 顧客とともに物件を内覧するときの案内の仕方
  • 入居申し込み書の書き方や賃貸契約までの流れを説明

研修内容③:先輩営業マンの成功事例を学ぶ

新人に限らず、中堅やある程度経験を重ねた営業マンでも興味があるのは、先輩営業マンの成功事例ではないでしょうか。具体的な成功事例をチーム全員で共有できれば、社内全体のモチベーションアップにもつながります。

たとえば、以下のような成功事例があれば参考になるでしょう。

  • 希望しているエリアに対し、予算が厳しかったときの対処法
  • 保証人が立てられないときの対処法
  • 成約率をアップする方法
  • 効率よく内見する方法
  • 紹介案件を増やす方法

研修内容④:クレーム事例からトラブル回避術を学ぶ

成功事例と同じように大切なのが、トラブル回避術です。同じ失敗を繰り返さないために、社内で起きたクレームを共有し、どのように解決したかまで周知させましょう。

たとえば、以下のようなクレーム・対処法が挙げられます。

  • 内見時に鍵の手配ができていなかったときの対処法
  • 初期費用の計算に間違いがあったときの対処法
  • 引越し日に鍵の準備ができず、入居者の対応に困ってしまったときの対処法
  • 入居者から「上の階から水漏れがあった」と連絡を受けたときの対処法
  • 原状回復費用の清算の際に、入居者に納得してもらえなかったときの対処法

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まとめ

社内研修は、会社全体の営業スキルを底上げするのに非常に有効な手段です。時間や労力はかかりますが、効率的に行えば、期待以上の成果を得ることも可能です。社内研修はその自由度が魅力なので、ぜひ社員全員のモチベーションがアップするような研修を実施してみてください。

桜木 理恵

この記事を書いた人

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、念願の不動産仲介営業として約8年従事。その後結婚・出産を機にハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し5年ほど勤務。現在は不動産の知識や経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。保有資格は他に2級ファイナンシャル・プランニング技能士と管理業務主任者。

■現在の職業・肩書き・資格など
Webライター / 宅地建物取引士 / 管理業務主任者 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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