イケノウハウ

ビジネスマナーとしての挨拶を徹底解説!お辞儀の仕方や種類などを確認

記事公開日:2022/05/19

最終更新日:2022/09/18

ビジネスマナーとしての挨拶を徹底解説!お辞儀の仕方や種類などを確認の見出し画像

「挨拶」をおろそかにすると相手に与える印象が悪くなってしまうため、事前に挨拶の技術を習得しなければなりません。しかし、挨拶のマナーは多種多様であり、「自分のやり方が正しいか不安」「具体的な方法を知らない」といった方も多いのではないでしょうか。

今回は、ビジネスマナーとしての挨拶について詳しく解説します。実践でも使える挨拶のコツやテクニック、使い分けの難しいお辞儀の種類なども紹介していきますので、挨拶の基本を押さえておきたい人は参考にしてみてください。

ビジネスマナーとしての挨拶ポイント

まずはビジネスマナーとしての挨拶を行う基本的なポイントを3つ解説します。基本のマナーを押さえて、社会人としての正しい挨拶を習得しましょう。

挨拶ポイント①:常に自分から挨拶を行う

挨拶は常に自分から行いましょう。ビジネスを成功へ導くために必要な要素として、まずは人間関係の構築が挙げられます。

人間関係を構築するには、相手に敬意を払い、自分の存在を認知してもらわなければなりません。挨拶はこの2つを同時に行える行為なので、ビジネスシーンにおいては積極的に自分から声をかけていきましょう。積極的に挨拶をする人は、相手にポジティブな印象を与えやすく、その場の雰囲気を良くするムードメーカーでもあります。

挨拶ポイント②:大切な3つの「こ」を意識する

挨拶では、以下3つの「こ」を意識しましょう。

<3つの「こ」とは>
  • こころ(心):気持ちを言葉に乗せる
  • ことば(言葉):はっきりと言葉を発して相手に伝える
  • こうどう(行動):状況に応じた表情や行動(お辞儀など)を取る

声が小さく、気持ちのこもっていない挨拶は、ビジネスマンとして好感を持たれません。上記3つの「こ」を意識して、コミュニケーションのきっかけとなる挨拶を行いましょう。

挨拶ポイント③:気持ちの良い声を出す

明るくはっきりと気持ちの良い声を出して、ポジティブな第一印象を与えましょう。ビジネスシーンに限らず、「明るさ」や「声の大きさ」は初対面同士におけるコミュニケーションの基本です。第一印象は相手の人物像を評価する要素のひとつとなるため、円満な人間関係を構築できるよう「気持ちの良い声」を意識しましょう。

ただし、声の大きさは場所やTPOに合わせることが大切です。静粛な場で大きな声を出すのはマナーとしてNGなので、常に大きな声を出す必要はありません。

【挨拶のビジネスマナー】正しいお辞儀の仕方とポイント

お辞儀をする女性の画像

正しいお辞儀の仕方とポイントを男女別に分けて解説します。以下に示したお辞儀の基本を押さえたうえで、正しいマナーをチェックしていきましょう。

【お辞儀の基本】

お辞儀のOKとNG動作・行動
OK・メリハリをつけて、一つひとつの動作を意識する
・背筋を伸ばしてお辞儀する
・腰から前に倒す
NG・ペコペコと首を下げる
・目を合わさずに首だけ下げる
・お辞儀をしながら相手の顔を見る

好感を持たれるお辞儀(男性編)

男性・女性ともに、挨拶のマナーにおいて大きな違いはありませんが、少々異なる部分があるため事前にチェックしておきましょう。男性の場合、以下のポイントを押さえてお辞儀をしてみてください。

<好感を持たれるお辞儀>

  1. 基本の立ち姿を整える:両足を揃えて背筋を伸ばす
  2. つま先とかかとの位置を確認する:つま先はこぶし1.5個分空けて、かかとは揃える
  3. 両手を揃える:人差し指をズボンの縫い目に沿わせることで、胸襟が開くため堂々とした姿勢になる
  4. 相手の目を見て挨拶する:目を見ながら気持ちを乗せて言葉を伝える
  5. お辞儀をする:背筋を伸ばし、腰から上体を倒すイメージでお辞儀をする
  6. 両手を正面で揃える:お辞儀の動作に合わせて、両手を太ももの前に移動させる
  7. いったん停止する:お辞儀の状態で2秒停止、3秒目で上体を起こす
  8. 身体を元の位置へ:上体を戻して相手の目を見る

動作はゆっくりと行うのが基本です。また、指先を揃えるように意識するとより丁寧なお辞儀ができます。

好感を持たれるお辞儀(女性編)

次に、女性のお辞儀の手順を解説します。

<好感を持たれるお辞儀>

  1. 基本の立ち姿を整える:両足を揃えて背筋を伸ばす
  2. つま先とかかとの位置を確認する:両方を揃える
  3. 両手を揃える:中指をスカート(パンツ)の縫い目に沿わせる
  4. 相手の目を見て挨拶する:目を見ながら気持ちを乗せて言葉を伝える
  5. お辞儀をする:背筋を伸ばし、腰から上体を倒すイメージでお辞儀をする
  6. 両手を正面で重ねる:上体を倒したまま、両手を正面で軽く重ねる
  7. いったん停止する:お辞儀の状態で2秒停止、3秒目で上体を起こす
  8. 身体を元の位置へ:上体を戻して相手の目を見る

女性の場合、つま先は平行を意識するのがポイントです。また男性と同様に、各動作で指先を揃えておくと丁寧なお辞儀ができます。

【挨拶のビジネスマナー】5種類のお辞儀と使用場面

お辞儀にはいくつか種類があるので、ここから解説する5パターンのお辞儀をチェックしておきましょう。実際のビジネスシーンをイメージして、いつでもできるように準備しておくのがベストです。

目礼

目礼とは、お互いに目を合わせながら軽く頭を下げて行うお辞儀です。主に、以下のような場面で使われます。

<目礼の使用場面>
  • 離れた距離に立ち、お互いが相手を認識したとき
  • 相手が別の取引先と会話している際、たまたま目が合ったとき

目礼の使用場面には明確な決まりがありません。取引先や顧客が目視できる範囲にいれば、目礼でお辞儀をするイメージです。使用頻度が多いため、相手を不快にさせないポイントも押さえておきましょう。

<目礼で意識するポイント>
  • 目礼と同時に笑顔を見せる
  • 相手の目を見る
  • 目線はすぐに外さない

目礼は動作の少ないシンプルなお辞儀ですが、他のお辞儀よりも自分の表情が相手に見えやすいです。そのため、目礼をする際は笑顔を作りつつ、離れていてもコミュニケーションが取れるよう目を合わせましょう。

会釈

会釈は目礼同様にカジュアルな部類のお辞儀ですが、正しい方法を身につけなければ相手に失礼な振る舞いをしてしまいます。まずは会釈の使用場面についてチェックしておきましょう。

<会釈の使用場面>
  • 社内で上司とすれ違ったとき
  • 同僚や上司と遠くで目が合ったとき
  • 訪問者と顔を合わせたとき

また、会釈をする際には以下のポイントを押さえておきましょう。

<会釈のポイント>
  • 腰から上体を前へ約15度に傾ける
  • 目線は自分の足元から約1.5m先を意識する

首を少し傾ける程度では会釈とはいえないので、失礼のないように正しい作法で会釈を行いましょう。目礼と同じように、会釈も自分の表情が相手に見えやすいので、笑顔を忘れないことも大切です。

普通礼(敬礼)

普通礼(敬礼)は会釈よりも丁寧に行うお辞儀で、商談などのビジネスシーンで使われます。普通礼の使用場面と大事なポイントを見ていきましょう。

<普通礼の使用場面>
  • 取引先や顧客との挨拶
  • 打ち合わせ終了後
  • 訪問者を出迎えるとき
<普通例のポイント>
  • いったん立ち止まって姿勢を正す
  • 腰から状態を前へ約30℃に傾ける
  • 目線は自分の足元

普通礼は上司や取引先、顧客などへ向けて使用しますが、1日に何度も同じ相手に行うのは避けましょう。相手に気を遣わせてしまうおそれがあり、必要以上に行っても意味がありません。初対面のときや、その日に初めて顔を合わせたタイミングで普通礼を行っていれば、気を遣わせることなく丁寧な印象を与えられます。

丁寧礼(最敬礼)

丁寧礼(最敬礼)は特に丁寧なお辞儀で、普通礼よりも深々と頭を下げてお辞儀します。丁寧礼の使用場面と押さえておくべきポイントを見ていきましょう。

<丁寧例の使用場面>
  • 相手への謝罪のとき
  • 相手に感謝を伝えるとき
  • 自分から相手に何かしらの申し出をするとき
<丁寧例のポイント>
  • 腰から状態を前へ約45度に傾ける
  • 目線は自分の足元

丁寧礼の使用場面は限られるものの、相手への感謝や謝罪の意を示す際に効果を発揮します。ただし、多用しすぎてしまうと「簡単に頭を下げる人」という認識を持たれかねないので注意しましょう。

拝礼

拝礼は神前へ参拝する際に使用されるお辞儀ですが、ビジネス上においても活用できます。拝礼の使用場面と大事なポイントは以下のとおりです。

<拝礼の使用場面>
  • 心からの謝罪を行うとき
<拝礼のポイント>
  • 腰から状態を前へ90度に傾ける
  • 顔は上げずに目線は足元

大手企業が消費者に対して謝罪を行う際、腰を90度に曲げて数秒間のお辞儀をするのが一般的です。また不動産営業の場合、例えば見積もりの金額に誤りがあり、顧客に大きな迷惑をかけてしまったときなどに使われることがあります。失った信頼を取り戻せるよう、大きく頭を下げて心から謝罪の意を示しましょう。

ビジネスシーンで好感・反感を持たれるのはどんな挨拶?

ここからは、ビジネスシーンで好感・反感を持たれる挨拶について解説していきます。相手から好感を持たれるためには、ネガティブな印象を与えない方法を理解することも大切なので、それぞれのパターンを理解しておくようにしましょう。

好感を持たれる挨拶

好感を持たれる挨拶は以下のようなパターンがあります。

<好感を持たれる挨拶>
  • 常に先手で挨拶
  • 相手に身体を向けて目線を合わせる
  • 微笑みの表情
  • 相手に聞こえる清涼
  • 相手の名前を呼んでから挨拶を添える(〇〇さん、今日もよろしくお願いします)
  • 挨拶の次に言葉を添える(おはようございます、先日はありがとうございました)

先述したように、お辞儀の際は声や表情にも気を配ることで、自分の気持ちを相手に伝えやすくなります。感謝や謝罪、敬意などを状況に合わせて伝えられれば、ネガティブな印象を与えにくいです。

心理学には「メラビアンの法則」というものがあり、こちらの意図を効果的に伝えるには、視覚情報と聴覚情報を一致させる必要があるといわれています。大きな声で丁寧にお辞儀をしても、表情が伴っていなければ自分の気持ちは伝わらない可能性があります。自分の気持ちを示して相手に好感を持ってほしいときは、目線・表情・声などのバランスを考えましょう。

また、名前を呼んだり、挨拶の後に言葉を添えたりすると、相手を気遣う気持ちが伝えられます。「自分のことを考えてくれている」と思ってもらえれば、より好印象を与えられる可能性があります。

反感を持たれる挨拶

相手に反感をもたれる挨拶の例をいくつか挙げるので、ビジネスシーンで挨拶をする際は注意しましょう。

<反感を持たれる挨拶>
  • ながら挨拶
  • 「どうも」で済ませるような軽い挨拶
  • 相手の目を見ない
  • ぼそぼそとした聞き取りにくい声
  • 無表情
  • 相手の状況を考えない挨拶

上記の挨拶は相手への敬意や感謝などが伝わらず、反感を持たれるおそれがあります。前述したように、こちらの意図を相手に伝えるには言葉と表情・態度を一致させなければいけません。相手の状況も考慮しつつ、思いやりを持って挨拶に臨みましょう。

ビジネスシーンで使われる基本的な挨拶

最後に、ビジネスシーンで使われる基本的な挨拶の例をご紹介します。社内・社外それぞれのパターンに分けて解説するので、使い分けられるように理解を深めましょう。

社内の人への基本的な挨拶

社内の人への基本的な挨拶は次のとおりです。

【社内向けの挨拶】

挨拶の種類使うシーン
おはようございます出社したとき
~~へ行ってまいります外回りや得意先との打ち合わせなどを理由に会社から出るとき
行ってらっしゃいませ社内の人が会社から出るとき
ただいま戻りました自分が帰社したとき
おかえりなさい社内の人が帰社したとき
はい、かしこまりました上司や先輩から、新しい指示や仕事を受けたとき
お疲れ様でした自分、他の人が退社するとき
ありがとうございます仕事に対する褒め言葉や激励を受けたとき
恐れ入ります自分の仕事を他の人にフォローしてもらったとき
申し訳ございません仕事でのミスがあったとき

それぞれの挨拶をうまく使い分けて、社内で良好な人間関係を構築しましょう。

社外の人への基本的な挨拶

次に、社外の人への基本的な挨拶を見ていきましょう。

【社外向けの挨拶】

挨拶の種類使うシーン
いらっしゃいませ取引先や顧客が来社したとき
失礼いたします打ち合わせの場へ入室するとき
いつもお世話になっております・継続して取引のある相手から声をかけられたとき・こちらから得意先へ連絡(電話やメール)するとき
ご無沙汰しております久しぶりに会う得意先や顧客に連絡を取ったとき

親しい間柄の取引先であれば、上記よりもカジュアルな挨拶でも問題ありません。初対面やビジネス上での付き合いしかないような取引先・顧客の場合は、丁寧な言葉遣いでの挨拶を意識しましょう。

挨拶は人間関係のスタート合図

握手する男女の画像

仕事・プライベート問わず、挨拶によって人との繋がりが始まります。名刺交換や打ち合わせの前などでも、まずは挨拶で自分の気持ち(感謝や敬意)を表現します。挨拶におけるビジネスマナーは良好な人間関係構築に必要な要素なので、人との接点が多い職種(不動産営業や不動産仲介業など)の人は習得しておきましょう。

また、以下のポイントを押さえておくとマナーを守った挨拶ができます。

<挨拶のポイント>
  • 常に自分から挨拶を行う
  • 大切な3つの「こ」を意識する(心、言葉、行動)
  • 気持ちの良い声を出す

正しい挨拶マナーを身につけて取引先・顧客と良好な関係を結び、自身の成績や会社の売上・利益アップを目指しましょう。

「CHINTAI JOURNAL編集部」の画像

CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。