記事公開日:2023/09/24
最終更新日:2023/10/11
昨今の不動産賃貸仲介営業において重要なのがWeb集客で、いかに自社サイトの物件情報を魅力的に伝えるかが集客に関わってきます。そして、端的に顧客に物件の良さを伝えるにはキャッチコピーが重要です。
競合他社が多い賃貸仲介業界において、WEB掲載物件や紙媒体の物件資料にキャッチコピーを多く使います。キャッチコピーは、顧客が最初に目にする部分なので疎かにしてはいけません。
今回は、不動産賃貸のキャッチコピーが重要な理由や、賃貸仲介営業向けのキャッチコピーの例などを紹介します。「思ったような反響が得られない」「キャッチコピーの作成方法がわからない」と悩んでいる賃貸仲介営業マンはぜひ参考にしてみてください。
※下記の関連記事では営業資料作成のコツやポイントを紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
目次
ライバル企業が多く、さまざまなWeb媒体が存在する不動産賃貸業界では自社の広告が埋もれがちです。しかし、ノルマを達成させるには、自社の広告を1人でも多くの方に見てもらい、成約に繋げなければなりません。
キャッチコピーは、短時間で顧客の心を掴む優れたツールです。自社の物件に興味を持ってもらうには、魅力のあるキャッチコピーを作り、契約に対する意欲を高めることが求められます。
顧客は不動産情報を一つひとつ熟視しません。なぜなら、物件情報をすべて確認していると時間がいくらあっても足りないからです。
最近は、ポータルサイトで自分の希望条件に合う物件を検索するのが当たり前になりました。しかし、顧客が物件情報を見る時間はごくわずかです。このわずかな時間で物件の魅力をいかに伝えるかが、反響の数に大きく影響しています。
最近ではWeb媒体が重要視されていますが、Web媒体にもさまざまな種類があります。キャッチコピーをひとつ作れば、自社ホームページはもちろんポータルサイトにも派生させることができ、複数の媒体から反響を得ることも可能です。
また、Web媒体に限らず、店内で顧客に見せる紙媒体の物件資料にもキャッチコピーを活用できます。仮に紙媒体であっても魅力的なキャッチコピーであれば顧客の目に留まりやすく、反応が良ければ内見に繋げることができます。
キャッチコピーは営業トークにも利用することができます。なぜなら、しっかり考え込まれたキャッチコピーであれば、端的に物件の魅力を伝えることができるからです。
接客の場面では、いかに簡潔に物件の情報・魅力を伝えるかが重要となります。その点、キャッチコピーは短い言葉で作られているので非常に効果的です。物件紹介の際には、まずはキャッチコピーで物件を簡潔に紹介し、顧客の反応を伺うのもひとつの手です。
続いて、キャッチコピーを作る際に確認しておきたいルールを紹介します。もしルールを破ると、広告掲載禁止のペナルティを受けることもあるので注意してください。
宅建業法でも明確に誇大広告の掲載は禁止されています。実際よりも著しく優良であると誇大に表示して、一般消費者に誤認させるようなことをしてはいけません。
誇大広告の禁止対象は以下のとおり決まっているので、作成前に確認しておきましょう。
参考 :宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(PDF)|国土交通省
誇大広告の掲載を行えば、現実に誤認する被害がなくても宅建業法違反となります。基本的に6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。
不動産広告に用いるキャッチコピーでは、合理的根拠のない言葉を使用してはいけません。不動産の表示規約「不動産の表示に関する公正競争規約」には下記のように定められています。
1.まったく欠けるところのない、又はまったく手落ちがないことを意味する用語
例:絶対、完璧
2.他社の供給するもの、又は他社よりも優位に立つことを意味する用語
例:日本一、業界一、抜群
3.一定の基準により選別されたことを意味する用語
例:厳選、特選
4.最上級を意味する用語
例:最高、特選
5.著しく安いという印象を与える用語
例:激安、格安
参考:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(PDF)|不動産公正取引協議会連合会
他の物件との差別化を図るために禁止文言を使用してしまうケースも少なくありません。また、禁止文言には普段何気なく使っている言葉もあるので注意が必要です。
ここからは、反響を少しでも増やすキャッチコピーの作成ポイントを紹介していきます。大事なポイントは以下の5つです。
正しい手順を踏むことで、訴求力の高いキャッチコピーの作成が叶います。比較的簡単にできますので、ぜひ実践してみてください。
まずは、ターゲットを明確に絞りましょう。ターゲットを絞らないとキャッチコピーの意図もぼやけてしまい、誰にも伝わらなくなってしまいます。なお、SNSを使った集客でも、ターゲットを絞ることが重要といわれています。
ターゲットは、物件の広さ(間取り)・設備・周辺環境・家賃などを考慮しながら絞っていくのが一般的です。1Kなら単身、3LDKならファミリーですし、オートロック付きの物件であればセキュリティを重視している人をイメージできます。
キャッチコピー作成にあたって、物件の強み・弱みを把握しておきましょう。強み・弱みを把握しておかないと、他物件と似たようなキャッチコピーになってしまいます。
いくつか強みを挙げることで、他物件との差別化が叶います。たとえば、「駅から3分の距離にあります」という強みであれば簡単に埋もれてしまうでしょう。しかし、「駅から3分でオートロックも完備しています」であれば、多くの人の目に留まる可能性が高いといえます。
競合他社のキャッチコピーを分析することも大事です。たとえば「駅から5分」を強みにしてキャッチコピーを作成した場合、「駅から3分」という物件があれば負けてしまうので注意しましょう。なお、分析することで新たな知識が身に付き、そこから斬新なキャッチコピーが生まれるケースも少なくありません。
キャッチコピーの効果を高めるポイントのひとつが、「具体的なワード・数字」を入れることです。たとえば、「駅から近い」と書かれたキャッチコピーは抽象的で、「どのくらい便利なのか」がわかりません。
駅から近いことを伝えたいのであれば、「駅から○分」と具体的な数字を記載しましょう。また、部屋の大きさを伝えるときは、具体的な平米数を記載してください。もしペット飼育可能な物件であれば、犬・猫など具体的な種類に加え、頭数
なども記載するとより効果的です。
自分だけでなく、周りにいる先輩社員にアドバイスを求めるのも有効です。第三者の視点でキャッチコピーの良さ・悪さを指摘してもらえるためです。
また、物件のオーナーの意見を取り入れて作成するケースも少なくありません。一般的に、貸主の方が物件のことをよく知っているものであり、場合によっては自分が見落としている魅力を教えてくれるかもしれません。
最後に、賃貸仲介営業マン向けのキャッチコピーの例文を紹介します。どれも効果的なものなので、ぜひ参考にしてみてください。
「小学校に通うお子様がいらっしゃる方へ!子どもが遊べる公園が目の前!」
小さなお子様がいるファミリー層に絞ったキャッチコピーです。冒頭にターゲットを記載することで、ストレートに呼びかけることができます。また、「歩道の幅が広い」「歩道橋が多い」「街灯が多く明るい」など保護者が気になる周辺環境や通学路の情報を記載することも訴求力を高めるポイントです。
「○○駅へ徒歩○分!坂道もなく、平坦な道です!徒歩○分圏内にコンビニ、スーパーもあり、お買い物も便利!」
駅までのアクセスを重視されている方へのキャッチコピーです。駅までの時間はもちろん、駅までの道のりや買い物ができるのかなどより具体的に生活をイメージできる情報を伝えることが大切です。また、駅近なのに賃料が安い場合は、その点もアピールしましょう。
「日当たりを気にする人に喜ばれています!駅から離れる分、周辺に高い建物なし!東向きですが、昼以降も明るいお部屋です!」
日当たりを重視している人向けのキャッチコピーです。南向きでなくても明るい部屋がたくさんあります。周辺環境などからその点をアピールできます。第三者の視点で実際に住んでみないとわからない点(家具の配置、音など)を紹介するのが良いでしょう。賃貸仲介営業マン目線ではなく、第三者視点であることをアピールすることが大切です。
日々多くの仕事に追われている賃貸仲介営業マンは、キャッチコピーの重要性を見落としがちです。しかし、キャッチコピーは端的に物件の良さを伝えることができる、非常に画期的な宣伝ツールです。また、キャッチコピーを作成する過程において物件のことをより知ることができるので、作成して損はありません。
最後に、キャッチコピーの作成ポイントをおさらいしましょう。
初めは少し面倒かもしれませんが、慣れてくれば簡単にキャッチコピーを作成できるようになります。集客アップのためにもぜひ実践してみてください。
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