記事公開日:2022/02/09
最終更新日:2022/02/01
営業職としてのスキルアップを図るために、資格の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。資格は営業マンの能力を向上させるだけでなく、仕事の幅も広げてくれます。ただし、「とりあえず資格を取ればいい」ということではなく、自分の仕事に合うかどうかの判断が重要です。
そこで今回は、営業職で役立つおすすめの資格を13種類紹介します。それぞれの資格で「できること」「役立つこと」などを解説していきますので、自分の仕事に合うかどうかチェックしてみましょう。
目次
まずは、営業職が資格を取得するメリットについて解説していきます。勉強に対するモチベーションのアップに繋がりますので、是非チェックしてみてください。
資格を取得することで、自分の能力を客観的に証明できます。日々の努力によって営業マンとしてのスキルを習得しても、客観的に証明できなければ他者から理解されることが難しい事があります。しかし、資格は知識やノウハウなどが規定の水準をクリアしたことの証拠になるため、持っているだけで「どのようなことができるのか」を理解してもらう事ができるのです。
また、営業マンは接客力やコミュニケーション力など、目に見えない能力も重要視されます。資格を取得することで、こういったソフトスキルをアピールすることも可能です。
資格の取得によって、昇給・昇進といったキャリアアップを図ることもできます。企業によっては、昇進の条件として「特定の資格の取得」が定められています。さらに、資格を持つ人しか従事できない業務(不動産業界であれば重要事項説明など)もあるため、将来的なキャリアアップを目指す人は資格の取得も検討しましょう。
資格があれば、社内で給与面などの優遇に期待できます。専門性の高い資格や国家資格を取得することを給与アップの条件として定められている企業も少なくありません。資格に見合った専門性の高い仕事ができることもあるため、社内での働きやすさを求める人にも資格の取得はおすすめです。
資格の取得を応募の条件としている企業も多く、就職・転職で役立つことも少なくありません。前述のとおり、資格は自分の能力を客観的に証明できるツールでもあります。企業側としては、求める人材にあてはまるかを判断しやすくなり、資格を持たない人よりも採用の可能性が高まります。
資格の取得には、一定水準の知識とノウハウが求められます。そのため、資格の取得を目指す過程でビジネスパーソンとしてのスキルが向上します。また、資格によっては講習への参加が必要であり、勉強を続けることで新たな人脈を築くことも可能です。
ここからは、営業職で役立つおすすめの資格を10個ご紹介します。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルが一定以上あることを証明する資格です。取得することで、WordやExcel、PowerPointなどの製品を実務レベルで扱うことができます。
マイクロソフトオフィススペシャリストは実技試験をクリアすることで取得できます。製品の種類ごとに試験が実施され、一般レベル(スペシャリスト)と上級レベル(エキスパート)にわけられています。なお、上級レベルはWord・Excel・Accessの3種類のみです。
また合格率は正式には非公開となるのですが、比較的高めであり、下記の通りといわれています。
TOEICは試験の合否ではなく、スコアで自身の英語力を測定できます。高いスコアを取れる実力があれば、日常生活やビジネスシーンなど、幅広い場面で英語を使ってのコミュニケーションが叶います。
TOEICには合格ラインがありません。そのため、取得条件などもなく、誰でも受験する事ができるため、自分の英語力がどの程度かを試験を受ける事ですぐに把握できます。
営業士は、マーケティングやセールスのスペシャリストとして活躍できる資格です。初級・上級・マスターの3種類にわかれており、マスターの資格を取得すれば営業戦略立案や営業事業評価などができます。
営業士を取得するには、オンライン受験での試験合格が必要です。初級は受験資格の制限がありませんが、上級・マスターは下位資格を取得していることが条件です。なお、合格率は75~80%(初級)であり、他の資格と比較してもそこまでハードルが高いものではありません。
販売士とは、販売業務に必要な知識・ノウハウを習得し、実務で活用できる資格のことです。資格は1~3級にわかれており、それぞれ習得するレベルや業務範囲などが異なります。
販売士はネット試験(会場のPCで試験を受ける)に合格して取得できます。1級試験については科目合格が適用されます。試験自体が不合格となっても、70点以上取得した科目があれば、次回の試験に適用される仕組みです。
経営学修士(MBA)は経営管理修士号と呼ばれ、資格ではなく学位をあらわします。実業家の育成が目的の1つであり、取得することで事業戦略やマネジメント、マーケティングなどの知識が身につきます。
経営学修士は大学院へ入学し、卒業することで学位を取得できます。入学には試験をクリアしなければならず、出願資格なども定められています。出願資格は大学院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
ビジネス実務法務検定に合格することで、ビジネスシーンで活用できる法律知識が習得できます。検定は1~3級まであり、種類によって差はありますが、合格することで企業が抱えている法律上の問題点などをチェックできます。
ビジネス実務法務検定の取得には、ネット試験に合格する必要があります。誰でも受験でき、学歴や職歴などの制限はありません。
セールススキル検定は、営業マンとしての「営業力」を総合的に測定する試験のことです。こちらも1~3級まであり、各級では求められる知識や経験が異なります。試験に合格することで、営業職としての成長はもちろん、転職の際にアピールすることも可能です。
また、3級であればどんな方でも受験可能ですが、2級以上には受験資格が設けられており、これに該当する人しか受験できないので注意しましょう。
セールスレップはメーカーの営業代理人として、企業や店舗などに営業を行う手法です。日本セールスレップ協会では、この手法を体系的に習得できる資格として「セールスレップ資格」を設けています。
資格を取得することで、セールスレップ事業へ取り組んでいることをメーカーや販売先などへ明示でき、セールスレップが可能な営業マンとして働けます。
セールスレップ資格には3級・2級・マイスターの3種類があります。3級取得には認定試験への合格か、資格認定研修プログラムの受講のどちらかが必要です。
なお、認定試験の合格率は公表されていません。しかし、研修プログラムからでも3級を取得できるため、知識やノウハウを習得したい人におすすめです。
営業力強化検定とは、優れた営業マンが持つ要素を理論的に習得できる試験です。営業活動全般を、理論と実践から体系的に学べます。検定に合格することでマーケティングや提案力、ユーザーへの対応技術などを身につけられ、実際の商談や打ち合わせの際に活用できます。
営業力強化検定に合格するには、リモートWebテストで得点率70%以上を取らなければなりません。合格率は開示されていませんが、自宅で受験可能である他、学歴などの制限もないため受験しやすい試験です。なお、合格者には認定証が発行されます。
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題を解決すべく、経営者に対してアドバイスや提案などを行う専門家です。経営診断や助言などが行える他、中小企業と行政を繋ぐ役割も担っています。
中小企業診断士を取得するには、まず一次試験に合格しなければなりません。その後、二次試験or養成課程を経ることで、中小企業診断士の登録が行えます。二次試験に合格した場合は、実務補習や実務従事なども必要です。
ここからは、不動産業界の営業職におすすめしたい資格を3つご紹介します。
宅地建物取引士は、不動産取引のスペシャリストであることを証明できる資格です。重要事項説明や、契約書類への記名・押印などの独占業務ができます。
宅地建物取引士を取得するには、試験へ合格後、登録申請を行わなければなりません。各試験地がある都道府県の窓口で登録手続きを行うことで、宅地建物取引士として働けます。ただし、登録には以下のような条件があるので事前に確認しておきましょう。
※いずれか1つに該当
また、試験の合格率は約15~17%といわれており、出題範囲が広く、十分な準備と対策を行う必要があります。
マンション管理士の資格を取得することで、マンション管理の専門家としてコンサルティング業務が行えます。マンションの修繕工事計画の作成や、管理規約の作成なども仕事の範囲です。
マンション管理士の資格を取得するには、筆記試験への合格の他、登録申請が必要です。登録は公益社団法人のマンション管理センターにて行います。なお、筆記試験の合格率は過去5年間でも10%未満であり、他の資格と比べて難しい試験になると予想されます。
ファイナンシャルプランナーは、依頼者の金銭面のサポートや、課題解決に向けた提案などを行う専門家です。
ファイナンシャルプランナーになるためには、1~3級まである技能検定に合格しなければなりません。各級には学科と実技試験があり、合格率は以下のとおりです。
学科 | 実技 | |
1級 | 約10~20% | 約80~90% |
2級 | 約51% | 約66% |
3級 | 約85% | 約81% |
今回は営業職として持っておくべき資格について解説しましたが、資格は1つだけではなく、複数取得することをおすすめします。相性の良い資格を取得すれば、仕事の幅が広がるだけでなく、転職の際に求められる市場価値も向上します。将来的には独立・開業なども可能なので、キャリアを考えた資格取得を目指してみてください。
ただし注意点として、資格取得の試験は出題範囲が変わることもあります。情報収集を欠かさず、十分な準備を進めておくことが大切です。