記事公開日:2022/04/28
最終更新日:2023/11/17
ビジネスシーンには、日常生活とは異なるさまざまなビジネスマナーがあります。ビジネスマナーは社会人にとって覚えておくべきスキルとされており、ビジネスマナーを知らないと顧客や取引先、上司などに迷惑をかけるかもしれません。
今回ご紹介するビジネスマナーは、FAX送付状の書き方についてです。手紙や書類を送る際に添付する送付状は、FAX送信にも必要です。FAX送付状の基本マナーからすぐに使えるテンプレートまでを解説していきますので、興味をお持ちの方はチェックしてみてください。
特に、賃貸仲介営業の現場で使えるFAX送付状の書式を、さまざまなシーン別に紹介しますので、ぜひご活用ください。
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目次
FAX送付状は、顧客や取引先などにFAXで書類を送信する際の表紙のことを指します。そもそも送付状とは、手紙や送付書類、納品物などと一緒に送る文書のことで、この送付状には主に3つの役割があるといわれています。
相手に何かを渡すときは、直接手渡しするのが丁寧です。本来直接渡すべきところを、送付してしまい申し訳ないという気持ちを伝えるために用いられます。
荷物の送付内容や枚数、種類や目的を伝える役割もあります。送付状を見るだけで荷物の概要がわかるため、送付先にも親切です。
送付する荷物の補足説明を行うときにも、送付状が用いられます。たとえば、書類内に不備がある場合などに使うことで、送付先の混乱を避けることが可能です。
このような役割がある送付状は、FAX業務にも使うことが一般的なビジネスマナーです。本来送りたい書類の前にFAX送付状を添付することで、挨拶・通知・補足を行うことができます。
ビジネスマナーに欠かせないFAX送付状には、記載するべき基本項目があります。FAX送付状を送ろうとしている人は、これから解説していく項目が含まれているかを確認しましょう。
FAX送付状には、送付先の会社名・部署名・担当者名の記載が必須です。宛名が記載されていないと、本来届けたい人に書類や情報が届かなくなるおそれがあります。
万が一誤送信してしまった場合も、宛名が記載されていればすぐに気づいてもらえる可能性が高くなります。
また、宛名には敬称を忘れずにつけましょう。個人宛の場合は「様」、部署や会社全体に送る場合は「御中」をつけます。
たとえば、入居を検討していただいているお客様に対するFAX送付状の場合、FAX送付状の見出しの次に「〇〇様」と明記します。
たとえば、社内部署の特定の人宛に送る場合、まず部署名や役職名を記し、次に「〇〇様」と明記します。社内部署宛に送る場合、「〇〇部宛」と明記しましょう。会社全体に送る場合は、「全社員宛」と明記します。
送付先の宛名は、ミスをしないように何度も確認して送ることが重要です。ミスをすると、思わぬトラブルへと発展する可能性がありますので、注意しましょう。
社外へのFAX送付状では、宛名の表現に「〇〇御中」を使用します。この表現は、一般的にビジネスコミュニケーションにおいて使用される敬称です。
「〇〇御中」は、送付先が他社や取引先の場合に適しています。具体的な宛名は、相手先の会社名や部署名を「〇〇」の部分に記入しましょう。たとえば、株式会社ABC不動産へ送る場合は、「株式会社ABC不動産 御中」と表記します。
ただし、個別の担当者に直接連絡を取る場合は「〇〇様」を使用することが一般的です。そのため「〇〇御中」と「〇〇様」は使い分けるようにしましょう。
送信者の情報も、FAX送付状には欠かせません。会社名・部署名・担当者名・住所・電話番号・FAX番号を記載するのが一般的です。
送信元の情報がなければどこから届いた書類かがわからず、要件が正しく伝わらないないおそれがあります。電話番号やFAX番号、住所が漏れていると、返信の際にどこに連絡すればいいのかわからず困る場合があります。
書類に不備があった場合は問合せの連絡が来る可能性が高いので、上記の情報は必ず記載しましょう。
電話と違い、FAXはリアルタイムで情報共有できない場合もあります。相手が不在中などですぐに確認できない場合はタイムラグが生じ、さらに休日を挟むと翌週に返信が来る可能性もあります。
相手の確認漏れで重要事項が伝わっていなくても、送信年月日が記載されていれば疑われることも防ぐことができます。。このようなトラブルを防ぐためにも、送信年月日も忘れずに記載しましょう。
挨拶は、送付状の役割のひとつです。FAX送付状でも「拝啓」などの頭語から始め、「敬具」などの結語で締める挨拶文を入れましょう。
ただし、用紙の大きさは限られているため一般的には略式で問題ありません。丁寧な手紙には、季節の挨拶や起こし言葉が用いられますが、FAX送付状では特別な理由がない限りそれらは不要です。
下記で、賃貸仲介営業におけるさまざまな状況のお客様やクライアント様へ送る、FAX送付状の挨拶分の事例を挙げます。
FAXは封筒などで書類をまとめることができないため、送信枚数を送付状で伝えるのが一般的なマナーです。送付枚数には、送付状や表紙を含んだ数を記入します。
送付枚数が記載されていないと、正しい枚数を受け取れたかどうかの判断がつきません。また、同じタイミングで他のFAXが送られてしまうと、別の書類と混ざってしまうこともあります。
相手の手間や万が一のトラブルを防ぐためにも、FAX送付状には送付枚数を忘れずに記載しましょう。
送付状の役割のひとつである通知をするために、FAX送付状には何のためのFAXであるかを記載する必要があります。すぐに内容がわかるよう、文章ではなく箇条書きで記載するのがより丁寧です。
また、前述のとおりFAXはすぐに相手に見てもらえない可能性があります。さらに、本人ではなく事務員などの別のスタッフが受け取ることも珍しくありません。
そのため、返信を要する場合や急ぎの案件の場合は、この書類が重要書類であることがわかるように記載しておきましょう。
FAX送付状を送る際、いくつか押さえておかなければならないポイントがあります。これらを無視してしまうと相手からの印象が悪くなったり、重要な情報が届かなかったりする可能性もあります。それぞれの内容は以下のとおりです。
FAX送信は、相手のFAXに入っている紙を使って印刷されます。また、FAXの受信中は他のFAXを受け取ることができないため、送信枚数が多い場合は事前に電話で了承を得ることが重要です。
目安として、送信枚数が送付状を含めて5枚以上になる場合は、相手に事前確認を取りましょう。
大量の文章を送る場合は、FAX送信を避ける方がベターです。メールにPDFを添付して先方に出力してもらったり、郵送で送るようにしましょう。郵送でも配達記録が残るサービスがあるため、配達状況を知ることもできます。
FAXで送付する書類が複数枚ある場合は、それぞれにページ番号を振るのも親切です。順番が前後すると意味が正しく伝わらない場合もあるため、相手に正確な情報を伝えるためにもページ番号を活用しましょう。
たとえ枚数が多くなくても、急な案件の場合には事前に電話連絡をしておくことがおすすめです。FAXは相手が会社や家にいるときにしか受け取れず、外出中にはすぐに確認することができないからです。
返信がすぐにほしい重要書類は、前もって電話で確認を取りましょう。
FAXは、必ずしも担当者が受け取るものではありません。他のスタッフが見る可能性も大いにあるため、プライバシー情報や機密情報といったセキュリティレベルが高い内容の記載は控えましょう。
万が一情報漏洩が起こってしまった場合、大きなトラブルに発展することもあります。不動産営業の場合、顧客の氏名や住所といった大事な個人情報を取り扱っています。
営業マン・顧客間の信頼関係が崩れる他、会社全体の信用に傷がつくかもしれません。
FAXで手紙や書類を送付する場合は、複数人に見られても問題のない範囲の記載に留めることが重要です。
文章をFAX送付する場合、実物よりも不鮮明に出力されるおそれがあります。そのため、細かい文字や図を用いると、出力時に文字がつぶれてしまうかもしれません。そうなると内容を確認できない場合もあるため、FAX送付の際には細かい文字や図の使用は避け、シンプルな構成の書類を作成しましょう。
情報量が多い場合、紙の枚数を増やすなどの工夫をするのもおすすめですが、文字に色をつけるのは控えるのがベターです。相手の出力設定にもよりますが、モノクロになる場合があるからです。カラーの使用は最低限に留め、記号などを使ってアクセントをつけてみてください。
ここではFAX送付状テンプレートを2つご紹介します。初めてFAX送付状を作る人や、FAX送付状作成に不明点がある人はぜひ参考にしてください。まずは、不動産業界で使えるテンプレートを見ていきましょう。賃貸仲介会社が、大家さんに入居申込書を送るシーンを想定しています。
賃貸仲介会社が、大家さん宛にFAX送付状を送るシーンを想定します。
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次に、請求書送付の例を見ていきましょう。
賃貸仲介会社が、賃貸入居候補者宛にFAX送付状を送るシーンを想定します。
賃貸仲介会社が、管理会社宛にFAX送付状を送るシーンを想定します。
近年、電子メールやソーシャルメディアの普及により、FAXは古くなったコミュニケーション手段と思われがちです。しかし、実際には賃貸仲介営業マンにとって、FAXは強力なツールといえます。以下に述べるような理由から、積極的に活用すべきです。
FAXは、電子メールと比べてよりセキュリティが高い情報伝達手段です。重要な契約書類や個人情報を含む書類を送信する際には、FAXを利用することで情報漏洩のリスクを低減できます。
また、通信の安定性も高く、電子メールのようなネットワークの問題やフィルタリングの制約に悩む必要がありません。
FAXを使用することで、重要な契約書類や書面を実物として保管できます。紙の形式で受け取った文書は、デジタル化や印刷によるアーカイブが容易であり、必要な場合に迅速にアクセスすることが可能です。
また、FAX送信履歴や受信確認のデータも取得できるため、トラブル発生時の追跡や証跡の管理も行いやすくなります。
FAX送付状には通常の書類の送付状とは異なる注意点があり、送付枚数や文字の細かさなどに気をつけなければなりません。どれも相手の負担を軽くするための工夫であり、読み手の立場に立って記載するのが重要です。
もし作成に困ってしまった場合、今回ご紹介したテンプレートを活用して、正しいFAX送付状を作成してみてはいかがでしょうか。
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