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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?注目理由やメリットなどを解説

記事公開日:2022/09/08

最終更新日:2022/09/18

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DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業にとってこれから重要となるキーワードです。しかし、「よく聞くけど具体的に何かわからない」「DXのメリットを知りたい」というビジネスパーソンも多いでしょう。

そこで今回は、DXの注目理由やメリット、日本が抱える課題に触れながらお伝えします。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXはDigital Transformationの略で、デジタル技術を活用してビジネスや生活を変革することです。DXは、2004年にエリック・ストルターマンが提唱したとされており、「IT技術により人々の生活を良い方向にしていく」と定義しました。

日本におけるDXは、経済産業省が以下のように定義しています。

『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、ユーザーや社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

DXは、デジタル技術を用いた付加価値の創出や、企業組織そのものの変革を実現することです。DXは企業にとって、市場を生き抜くための重要なテーマであるといえます。

デジタイゼーションやデジタライゼーションとの違い

DX(デジタルトランスフォーメーション)と似た言葉に、デジタイゼーションとデジタライゼーションがあります。

「デジタイゼーション」は、紙などで管理しているアナログ・物理データをデジタルデータ化することです。紙の書類をデジタルで管理するのが、デジタイゼーションにあたります。

一方、「デジタライゼーション」は、業務や製造プロセスなど部分的にデジタル化することです。たとえば、オンライン商談を活用し、録画した商談内容を今後の改善や研修に役立てるなどが、デジタライゼーションにあたります。

段階としては、デジタイゼーション→デジタライゼーションを経て、DXを目指す流れです。

IT化との違い

「DXってIT化と同じじゃないの?」と混同されますが、DXとIT化はイコールではありません。IT化はアナログ作業をデジタル化する意味で、現在の業務プロセスを効率化するための手段として用いられます。対してDXは、ビジネスや組織そのものを変革することです。IT化は、DXのための手段のひとつといえます。

DXが注目されている理由

DXが注目されるようになったのは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜」がきっかけです。このレポートでは、DXが進まなければ、2025年以降に最大12兆円(年間)の損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしています。これが、「2025年の壁」です。

2025年までにDXを実現できなければ、以下のような問題が出ると想定されています。

■市場の変化に合わせてビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になる

■システム維持管理費が高額化し、多くの技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持や継承が困難になる

■保守運用の担い手の不在により、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブル、データ滅失・流出等のリスクが高まる

また、新型コロナウイルスもDXが注目されている理由のひとつです。2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークやオンライン化が一気に進み、これまでになかった新しい考え方が生まれ定着しました。

DXの本質は、時代の変化に適応しながら企業文化や組織そのものを変革することです。そのため、DXはますます注目されるようになったのです。

企業がDX推進に取り組むメリット

企業がDX推進に取り組むメリットは、以下の3つです。

  1. 競争優位性を獲得できる
  2. レガシーシステムからの脱却が期待できる
  3. 消費者ニーズの変化に対応できる

ひとつずつ見ていきましょう。

競争優位性を獲得できる

DX推進により、市場での競争優位性を獲得できます。たとえば、AmazonやUber Eatsなどは、これまでになかったビジネスモデルを開発しました。企業の付加価値を創出し、競争上の優位性の確立に成功したのです。

レガシーシステムからの脱却が期待できる

レガシーシステムは、ITシステムが長年の使用により老朽化や複雑化していたり、開発時の社員がおらずブラックボックス化したりすることです。レガシーシステムは保守費や運用費がかかり、新しいシステムを導入できない問題があります。また、トラブルやデータ滅失などを引き起こす可能性もあるのです。

企業の負債であるレガシーシステムから脱却できれば、新たなシステムによる迅速な変革が期待できます。

消費者ニーズの変化に対応できる

消費者のニーズは、時代とともに変化します。たとえば、「モノ消費」と「コト消費」です。モノ消費は、商品を所有することに価値がありましたが、コト消費は体験や経験に価値を見出します。現代ではコト消費がさらに進み、イベントなどその日・その場でしか体験できない「トキ消費」の時代に突入しているのです。

DX推進は、このような消費者ニーズに迅速かつ柔軟に対応できます。時代に取り残されるのではなく、時代に合ったビジネスモデルを創出することで、市場を生き抜いていけるのです。

DX推進で企業が抱える課題

DX推進は企業に大きなメリットをもたらすことがわかっていながらも、日本はDXが思うように進んでいません。企業が抱える4つの課題について触れながら、その理由について見ていきましょう。

  1. 日本人のITリテラシーの低さ
  2. デジタル領域に精通したIT人材の不足
  3. 日本独自の商習慣
  4. 既存システムへの依存

ひとつずつ説明していきます。

日本人のITリテラシーの低さ

日本では、コロナ禍をきっかけに、チャットツールやペーパーレス化が定着しつつありますが、FAXや紙のやりとりを中心に業務を行う企業もまだまだ多いものです。不動産業界においても、アナログに業務を採用しているケースが目立ちます。

これでは、DXの手段のひとつであるIT化が進まず、DX推進はおろか業務の生産性も低下してしまうのです。日本人のITリテラシーの低さが課題となり、DXがうまく実現できていない状況といえます。

デジタル領域に精通したIT人材の不足

総務省「令和3年版 情報通信白書」によると、日本のDXを進める際の課題は、人材不足が53.1%とトップを占めていました。

また、DX推進にあたり不足している人材は、具体的にDXの主導者やUI・ UXに係るシステムデザインの担当者などです。

DX推進には、デジタル領域に精通したIT人材の確保が必要不可欠ですが、日本は社内研修などで人材を育成しようとする傾向にあります。外部からの人材確保も視野に入れなければ、DXを実現するのは難しいでしょう。

日本独自の商習慣

日本独自の商習慣といえば、代表的なものがハンコ文化です。企業のあらゆる場面で使われるハンコですが、この文化により思うように物事が進まず、時間だけがすぎていきます。スピーディさが求められるDXとは真逆の道を進んでいるのです。

また、日本人に多い勤勉で完璧主義な性格も、DX推進の課題といえるでしょう。デジタル分野では、最小限のものから始め、アップデートを重ねていきます。最初から完璧な状態を目指しがちな日本人の性格とは真逆のスタイルのため、DXが進みにくいのです。

既存システムへの依存

経済産業省「デジタルトランスフォーメーション に向けた課題の検討〜 ITシステムに関する課題を中心に〜」によると、8割以上の企業で老朽システムを抱えています。古くから使われているカスタマイズシステムを捨てたくても捨てられない意識や考えが、新たなシステムへの移行を阻んでいると考えられるのです。

また、老朽化したシステムは運用費がかかっており、DX推進に予算を充てられないという課題もあります。

DXを進める手順

DXを進める手順を、5つのステップでご紹介します。

①DXの目的を明確にする

ゴールが設定されていなければ、何に向かって歩けばいいのかわかりません。新たなビジネスを創出したいのか、ビジネスモデル開発のためのデジタル技術を求めているのか、目的を明確にしましょう。

②DX推進の組織づくり

部署を新設したり、IT人材を確保したりしてDX推進の体制を整えます。外部の人材にも目を向けながら、組織をつくっていきましょう。

③自社の現状把握

自社のレガシーシステムなどを確認・評価し、可視化します。既存システムを横断的に活用できないかを確認し、既存システムの維持または新規システムの導入を判断しましょう。

④既存業務のデジタル化

DXの下準備が進んだら、いきなりDXに進まず既存業務をデジタル化することから始めましょう。取り組みやすい業務からデジタル化するのがおすすめです。

⑤DX推進と見直し

これまでのデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを創出するDXを実現します。消費者ニーズや時代に合った価値を生み出せるよう、進捗状況を確認・見直しながら、進めていくことが大切です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は企業の未来を握るカギ

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DXはデジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルの創出・改変をするものです。既存システムがブラックボックス化していたり、DXを実現できなかったりすると、デジタル市場では敗者になってしまいます。

新型コロナウイルスに直面し、時代の変化に柔軟に対応できず、遅れをとった企業も多いはずです。市場で生き残るためには、レガシーシステムからの脱却や組織変革、新しいビジネスモデルの開発で価値をつける必要があります。企業の未来のためにも、DX推進を検討してみましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

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