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セールスイネーブルメントとは?具体事例やおすすめ書籍を紹介

記事公開日:2022/06/09

最終更新日:2022/05/30

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営業組織が抱えがちな課題として、営業活動の属人化やスキルのバラつきなどが挙げられますが、このような問題を解消するヒントになるのがセールスイネーブルメントです。聞き慣れない言葉ですが、欧米では導入している企業が多く、日本でも注目されています。

そこで今回は、セールスイネーブルメントを導入する目的や具体的な効果について解説します。また、おすすめの書籍もご紹介しますので、組織づくりに悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。

そもそもセールスイネーブルメントとは?

セールスイネーブルメントは、成果を出す営業パーソンを育成し、輩出する仕組みのことです。新人研修といえば、まずは全体研修を実施し、各部署でOJTを行うのが一般的です。その後は上司や先輩と同行し、仕事を覚えていきます。

しかし、その後のフォローは現場任せとなることも珍しくありません。人材育成のプログラムはどのような成果があったのか、検証されていない・できないといった問題もたびたび起こります。

セールスイネーブルメントは、育成プログラムを実施した結果、組織にどのような成果をもたらしたかを検証する際にその力を発揮します。客観的なデータを使い、人材育成を行うため、営業パーソン個人のレベルアップの他、営業組織全体の底上げも可能です。

セールスイネーブルメントを行う目的

セールスイネーブルメントを行う目的は主に2つあります。

  1. 営業組織の強化や最適化を図るため
  2. 社内全体のパフォーマンスを向上させるため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

営業組織の強化や最適化を図るため

人材育成のために研修を行っても、実際の現場に沿わない研修内容では、最終的には上司のセンス・経験による指導になるおそれがあります。営業スキルが属人化すると、ノウハウや顧客ニーズが共有されないため、個人の営業成績にバラつきが出てしまうことが予想されます。不動産営業の場合、顧客との商談内容が属人化しやすく、隣の席の営業担当者がどのように仕事をしているのかがわからないというケースも少なくありません。

営業担当者のノウハウをチーム全体で共有すれば、属人化を防ぐことができ、営業成績のバラつきも防げます。トップ営業パーソンの営業プログラムを仕組み化することで、営業組織全体の強化が叶います。

社内全体のパフォーマンスを向上させるため

ノウハウやマニュアルが全体で共有できれば、資料作成や営業活動における工数を減らすことができ、生産性が向上します。セールスイネーブルメントは、ツールを活用し、客観的なデータをもとに施策を可視化します。営業担当者がどのようなアプローチをしたのか、どれだけの成果を出したのかなどを数値化して分析すれば、営業担当者一人ひとりに適切な評価が可能です。

適切な評価がされればメンバーも納得し、モチベーションアップにも繋がります。

セールスイネーブルメントでできること

セールスイネーブルメントを導入すれば、以下のようなメリットが得られます。

  • 育成施策の整備、改善
  • 現代に合った顧客対応

多くの企業では、人材育成のトレーニング実施を主な目的としています。しかし、本来の目的は企業に成果をもたらす営業パーソンを育てることです。

組織の達成したい「成果」と、達成するための「行動」ができる人材、そして行動できる人材にするために必要な「知識やスキル」といった、3つのポイントを結びつけて人材育成をします。この3つがバラバラだと、それぞれの目的に合わせたトレーニング内容となり、企業の成果には結びつきません。育成プログラムがもたらす効果を検証し、部門を横断しながら人材育成の仕組みを作ることで、成果をもたらす人材の育成が叶うのです。

また、前述のとおりセールスイネーブルメントは成果を出す営業パーソンの輩出を主な目的としており、そのためには顧客の購買変化に柔軟に対応する力も求められます。インターネットの普及により、顧客の購買プロセスは多様化しており、顧客はすでに情報を得ている状態です。

このような背景から、顧客は営業担当者に魅力的な提案力を期待しています。時代の変化に合わせ、顧客目線で提案ができる営業パーソンを育てられるのもセールスイネーブルメントの魅力です。

セールスイネーブルメントの具体事例

セールスイネーブルメントは、これまでバラバラに動いていた「営業部門」「マーケティング部門」「採用部門」の3つが連携して営業パーソンを育てます。ここからは、それぞれどのようにセールスイネーブルメントを活用するのかを紹介していきます。

営業部門の場合

営業部門では、営業活動のプロセスを洗い出して可視化させます。営業プロセスやデータを整理した後は、課題を見つけて改善に取り組んでいきますが、自社目線ではなく顧客目線で考えていくことが大切です。

マーケティング部門の場合

マーケティング部門は見込み客の獲得や育成を行い、意欲の高い顧客を営業部門にパスします。しかし、十分な連携が取れなかったり、情報共有ができなかったりすることも多く、せっかくのビジネスチャンスを失うことも珍しくありません。マーケティング部門と営業部門の連携は、セールスイネーブルメントにおいて大事なポイントとなるため、後述するSFAやCRMなどのツールを活用して情報共有することが大切です。

採用部門の場合

採用部門は人材の選定を行います。営業経験も重要なポイントですが、仕事に対するマインド・スタンスなどを重視して採用活動を行うところも少なくありません。たとえば、「人の成長を支援したい」というマインドや「クリティカルシンキング」の考え方、「親切心」といった協調性など、組織に必要な能力を持つ人材を選びます。

セールスイネーブルメントの実現には「SFA/CRM」を活用しよう!

セールスイネーブルメントでは、営業活動におけるさまざまなデータを蓄積する必要があるため、SFAやCRMといったツールを活用するのがベターです。顧客情報や営業活用の履歴などのデータも管理しやすく、面倒な事務作業の効率化が図れます。

セールスイネーブルメントが学べるおすすめ書籍3選

セールスイネーブルメントを導入している企業は増えつつありますが、まだまだ少数派といえます。「セールスイネーブルメントの導入を検討している」「セールスイネーブルメントに興味がある」という方に、おすすめの書籍を3つご紹介します。

  1. 山下貴宏『世界最先端の営業組織の作り方』
  2. バイロン・マシューズ『営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント』
  3. 河村亨『Sales Enablement アカウント型BtoB営業における営業力強化』

それぞれどのような内容の書籍なのか、詳しく見ていきましょう。

山下貴宏『世界最先端の営業組織の作り方』

日本のイネーブルメント分野の第一人者である、山下貴宏氏による著書です。少々ぼんやりとしているセールスイネーブルメントの定義を明確にし、なぜ営業組織にセールスイネーブルメントが必要なのか、日本の営業が抱える課題にフォーカスしながら説いています。

実際にセールスイネーブルメントを取り入れた企業の具体例も紹介しており、セールスイネーブルメントの概念から導入・運用までを網羅した良書です。

【おすすめポイント】

  • セールスイネーブルメントがどんなものなのかがわからない初学者にも理解しやすい内容
  • 日本企業の導入例が書かれていて実践的

バイロン・マシューズ『営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント』

営業力強化分野の先駆的企業であるミラーハイマングループの手法を豊富な事例や客観的なデータとともに紹介している実践的な本です。部門間の連携について、あらためて考えることができます。

【おすすめポイント】

  • 営業の在り方が理解できる
  • 営業部門とマーケティング部門の強化方法を学べる

河村亨『Sales Enablement アカウント型BtoB営業における営業力強化』

セールスイネーブルメントに必要不可欠なSFAやCRMの活用方法、また営業の働き方について学べます。どのような営業設計をすべきかが解説されており、組織の幹部やマネージャーの方はもちろん、若手営業マンにも理解しやすい名著です。

【おすすめポイント】

  • SFAやCRMツールについて理解が深まる
  • BtoB営業の本質を解説

セールスイネーブルメントは企業に必要な仕組み

セールスイネーブルメントは、成果を出せる営業パーソンを育て、強力な営業組織を作ることを目的に作られる仕組みのことです。営業の経験や勘に頼らず、成果を上げている営業パーソンのノウハウを共有し、データを分析・検証しながら組織を育成していきます。

セールスイネーブルメントは、欧米では多くの企業で導入されていますが、日本ではまだまだ浸透していません。企業の成長のためには、放任されがちな営業パーソンをそのままにするのではなく、それぞれが成果を上げられるよう導く必要があります。営業組織の在り方に悩んでいる人は、セールスイネーブルメントの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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CHINTAI JOURNAL編集部

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