記事公開日:2022/01/06
最終更新日:2023/11/16
営業マンの多くが壁にぶつかり、その難しさに頭を悩ませているのは「飛び込み営業」でしょう。見ず知らずの相手のところに突然訪問し営業をするのは、特に新人営業マンの下積みとしては非常に勇気が要るものです。
今回は、営業マンに是非チェックしてほしい飛び込み営業の心得やコツ、訪問先でアポイントを取る方法について徹底解説しました。失敗の多さから、自分を責めてしまいがちな仕事にも、前向きに取り組めるような考え方にも触れています。飛び込み営業で「成果を上げられない」、「罪悪感を抱いてしまってつらい」と悩んでいる方は是非最後までチェックしてください。
目次
まずは、飛び込み営業をするうえで基本中の基本といえる「心得ておくべき3ヵ条」について解説します。以下の3ヵ条は心に留めておき、日々の営業活動やちょっとした空き時間の過ごし方に反映させていきましょう。
飛び込み営業による成約数を増やす一番の近道は、訪問数を増やすことです。訪問数に対する成約率を上げるのは難しく、経験値と確かなスキルを求められます。しかし、訪問の母数を増やすことなら誰でもすぐに実践できます。
特に経験が浅い若手の営業マンは、1箇所でも多くの場所へ足を運ぶように意識を変える事で、仮に成約率が低かったとしても、周りの営業マンよりも多くの場所を訪問できれば、成約数で追いつける可能性があります。
飛び込み営業を終えた後は毎回振り返りをし、良かった点や次に活かせる反省点、自分の強み・弱みを分析することも大切です。多くの場数を踏みながら、営業マンとしてのスキルアップにも繋げてください。
そして、訪問件数を増やすことは何よりも自分の自信にも繋がります。相手側の反応に対し、どう受け答えするか考える回数が増えれば増えるほど貴重な経験として蓄積され、未来の契約へと近づきます。年齢・性別が一人ひとり異なる顧客と話せるだけでも自分にとってプラスになるため、愚直に続けていきましょう。
もちろん、なかには話しやすい相手もいれば苦手なタイプの方もいるでしょう。しかし、これは経験豊かな営業マンも同じです。今は成績を上げている営業マンでも、過去には大きな苦労をしているものであり、そのような経験を経てどのように話したら良いのか対応策を準備しています。
また、仮に準備をして商談の場に臨んでも、成約に繋がらない場合も多くあるでしょう。しかし、見方を変えれば「潜在的な見込み客を増やした」ともいえます。数年後には成約して顧客になっている可能性もあるので、無駄足だったと思わず、訪問件数は自分の成果でありスキルアップに繋がるものと心得ましょう。
飛び込み営業をするうえで大切なのは「断られて当たり前」という意識をもつことです。たまたま訪問した先がちょうど自社の製品・サービスを求めている見込み客だった、というのは非常にレアなケースなのです。ほとんどの訪問先では、一度話をする場すら設けてもらえず断られてしまいます。
勇気を出して飛び込んだもののあっけなく断られてしまい、これを繰り返していると、徐々に気が滅入ってきてしまうものでしょう。しかし、成約に結びつかない原因がすべて営業マンにあるわけではありません。
成約に繋がらないのは、相手側のタイミングが今ではなかったからというだけのことも珍しくありません。似たような商品・サービスを直近で購入していたなど、タイミングが異なれば成約に繋がっていた可能性も十分にあります。
タイミングがきたら連絡してくるかもしれないため、一度断られたからといって、自分には能力がないと思い込む必要はありません。そのためにも、常に誠実な態度で接するよう心がけ、自分の名前だけでも覚えてもらえるようにしましょう。
また相手も、そのときは忙しくて断ったけれど、後から気になって連絡をくれるということもあります。相手の気持ち次第ではありますが、念のためそのときの状況や相手の名前などは必ずメモしておきましょう。
せっかく連絡をくれたときに、名前が分からないのではどう対応すればいいか対処に困ってしまいます。過去にもらった名刺を整理しておき、いつでも思い出せるような準備をしておきましょう。
より効果的な営業トークやそれに付随するスキルを磨く努力はもちろん必要です。しかし、どんなに優秀な営業マンであっても、飛び込み営業での成約率が100%になることは非常に困難な事です。
営業の仕事へ前向きに取り組むため、「興味があるかどうかも分からないものを売り込むのだから、断られて当たり前」という風に考え、必要以上に自分を責めないようする事が大切です。
営業マンとしてのスキルを伸ばしたいなら、次の訪問先へ行くまでの空き時間こそ有効的に使いましょう。前回の反省や分析をしたり、売り込む製品に関する情報や、企業・顧客それぞれのニーズに合わせた勧め方を改めて確認したりと、取り組めることはたくさんあります。1日の始めや終わりにだけまとめて行うよりも、参照できる資料は都度確認したりなど、空き時間を使ってどんどんスキルを磨いていきましょう。
先述したように、訪問件数を増やすことは大事なことです。しかし、だからといって焦って訪問すると、資料を忘れてしまったりうまく話せなかったりします。また、焦りによって過度にアピールしてしまう方も多いので、相手の反応を見ながら落ち着いて話を進めていきましょう。
資料を準備する際、事前にどう説明するかロールプレイングしておくのも重要です。資料を単に棒読みするだけでは顧客の心を動かすことはできません。上司や先輩に協力してもらい、万全な体制で提案しましょう。
なお、ネットニュースなどで新しい情報を仕入れるのも、アイスブレイクや雑談のネタになるのでおすすめです。そこからトークが弾むと、その後の商談もスムーズに進むことでしょう。ただし、ネタによっては会話が弾まない可能性もあるので、相手の好みに合わせて複数用意しておきましょう。
とにかく多くの数をこなすことが重要となる飛び込み営業は、反省と実践を繰り返し、着実に自分の営業スキルを磨く事ができます。これから解説する「飛び込み営業の成功率を上げるコツ」を意識し、日々の営業トークに積極的に取り入れてみてください。
特に初対面の相手と話すときは、直接的な売り込みトークを押しすぎないようにしましょう。「契約が取りたくて必死なんだな」という印象を持たれてしまっては、製品の魅力が伝わらなくなってしまいます。
「売りたい」ではなく、「相手の役に立つような製品を是非おすすめしたい」という気持ちで接するように心がけましょう。まずは売り込みをする前に、世間話や雑談を交わして、本題となる話を聞いてもらいやすいような空間作りも重要です。
然るべきタイミングでより効果的な売り込みをするためには、まずは訪問先のニーズを把握することが重要です。初回の訪問では、相手の警戒心を解いて顔見知りになることを目標としましょう。相手の現状について話してもらえるような状況を作り、相手が今抱えている課題は何か、それを解決に運ぶために自分が提案できることやものは何かを掴む事ができれば、初回では十分な成果といえます。
具体的に売り込みを進めていくときも、自分の話を聞いている相手の反応を必ずチェックしてください。興味を持って聞いてくれていそうか、あるいは時間がなく早く済ませて欲しそうにしているかによって、アプローチの方法を変えていく必要があります。
相手の状況・反応を伺い、深く理解したうえで売り込みをすることで、「なぜこの製品がおすすめなのか」がより伝わりやすくなります。
会話の中で自然に売り込みへ繋げるためには、関心を持ってもらえるような雑談ネタで、相手の心を掴むことが重要必要です。特に初対面の相手には、いきなり売り込みを始めたところで興味を惹く事は困難です。
顔見知りの相手に対してであっても、直接的な営業トークばかりを続けていると相手は飽きが来てしまい「早く終わらないかな」という気持ちが生まれてしまいます。さまざまなテーマの雑談ネタを事前に用意しておき、相手の関心がありそうなものを選んで会話を切り出していきましょう。
自社の製品の魅力をアピールして成約まで運ぶためには、製品の質はもちろんのこと、営業マン自身も相手の信頼を得なければなりません。しかし、商談を行う短い時間だけで相手の信頼を得るには工夫が必要です。
まずは誰でもすぐに取り入れられる、身だしなみを整えるというところから意識する事をおすすめします。特に注意深く確認すべきポイントをチェックしましょう。
生まれ持った顔立ちなどは関係なくこれらのポイントを意識するだけで、身だしなみを整える事ができ、相手に好印象抱いてもらう事ができます。
全身の身だしなみに気を配っていることが見た目で分かる人は「誠実で丁寧な仕事をしてくれそうだ」という印象を与えられます。コミュニケーションなど内面的な部分では同じレベルのスキルを持っていても、見た目だけでも成約率は変わるのです。
営業マンにとって、第一印象はとても大切です。人間の見た目は初対面の人の第一印象を大きく左右するため、決してあなどれないポイントになります。
営業マンは、訪問先の相手に「感じの良い人だ」という印象を与えることが非常に重要です。丁寧語・尊敬語・謙譲語を正しく使い分けられているかを気にする人は多く、特に尊敬語と謙譲語の使い方を間違えることは、相手に対する大きな失礼にあたります。尊重して接している事が相手に伝わるように、丁寧で正しい言葉遣いを身につけましょう。
相手に対する丁寧な姿勢は、どのような場面であっても崩してはいけません。たとえば、商談中に成約の見込みがなさそうだと感じたときでも、最後まで誠意をもって対応することを心がけ、適当にあしらうような会話をしないように注意しましょう。不満を態度で表して、相手に当たるのはもってのほかです。
いくら言葉遣いが丁寧であっても、ボソボソと話していたら相手に良い印象は与えられません。明るく、はっきりと、相手に伝わりやすいよう落ち着いて話すことを意識してください。
営業トークにおいて、早口でまくしたてるように話す事は、相手に圧迫感を与え、売り込む製品の印象をも悪くしてしまいます。余裕がないようにも見られてしまうので、ゆっくりと穏やかに会話を進めていきましょう。
飛び込み営業だからといって、やみくもに訪問するのは好ましくないため、事前に訪問スケジュールを立てることが重要です。「今日は○○のエリアで営業し、その次は近くの△△のエリアに移る」など、移動時間のことを考えながら計画を作ると、無駄な時間を取られることがなくなります。
また訪問スケジュールだけでなく、その日1日の目標も設定しましょう。「今日は100件訪問しよう」「10人の人に話を聞いてもらえるまで帰らない」といった目標を立てるとモチベーションを維持できるため、達成可能な目標を考えてみてください。
タイミング次第で商談の結果が変わることも多いため、相手が忙しそうにしていたら無理に話を続けず切り上げましょう。人によって難しいかもしれませんが、可能であれば「午前中はお忙しいのでしょうか?」などと相手の都合を聞いてみてください。
「月曜日は会議があって忙しい」など、相手のスケジュールを聞き出すことができるかもしれません。そのような情報を手に入れることができれば、今後のスケジュールも立てやすくなります。相手から情報を聞き出した後は、「それでは日を改めてお伺いします」と伝えて早々に失礼しましょう。
忙しいときに長時間居座るのは得策ではありません。最初は長くお話できなくても、何回か繰り返し訪問しているうちに、「一度ぐらい話を聞いてみよう」「いつも断ってしまって悪い」と思ってもらえるようになれば成功です。
もちろん、しつこく訪問して相手に嫌われてしまうような行動は慎むべきです。「この人は自分のことを理解してくれる人だ」と思ってもらえることが重要で、この塩梅を間違えないような行動を心がける必要があります。
なお、遠方の場合は移動時間のことも考えて、その日のうちに再度伺いたい旨を伝えるのも有効です。案外、夕方や夜の時間単位であれば時間が取れる可能性もあるため、状況を見ながらこちらの意見を伝えてみてください。
飛び込み営業はそもそも失敗する確率が高いため、もし契約にいたらなかった場合でも自分を責める必要はありません。目標の訪問件数を達成できたら成功、もし話を聞いてもらえたら大成功と自分のことを褒めるようにしましょう。
しかし、飛び込み営業をしていると、なかなか話を聞いてもらえずつらくなることもあるでしょう。ここからは、飛び込み営業を楽しく感じられる方法やコツについて解説していきますので、日々の営業活動に取り入れてみてください。
自分に自信を持ち、顧客との会話を楽しむよう心がけましょう。初対面の人と会話を楽しむのは難しいかもしれませんが、数をこなすことである程度慣れてくるため、なるべく多くの人との会話を経験し、自身のトーク力を磨いていってください。
また、会話を楽しむコツは契約を意識しないことです。まずは雑談でもいいので会話を楽しむことに注力し、顧客との信頼関係を深めることに専念すると良いでしょう。
自分に自信がない人は、見た目から変えるのもひとつの方法です。たとえば、オシャレな美容院へ行って髪型を変えてみる、またはシャツやネクタイのコーディネートを楽しんでみるのもおすすめです。もしかしたら、訪問先で気づいてもらえたり褒められたりするかもしれません。
会社指定の書式で日報を書く方も多いかと思いますが、それとは別に個人的な日報を書くことをおすすめします。もちろん箇条書きで構わないので、気をつけるポイントや注意しなければならないこと、過去の成功事例などをメモしておくと後々役に立つでしょう。
また日報だけでなく、顧客ごとのやりとりをメモしておくのもおすすめです。前回した話の内容や、趣味や家族構成など、得られた情報をメモしておき、そしておさらいをしてから再訪問します。そうすれば相手との話がスムーズに進むうえに、「覚えていてくれた」と喜んでくれることでしょう。
人は気にかけてくれる人や大事に思ってくれる人を信頼します。得られた情報は蓄積して、営業に活かしてください。
どんなに仕事ができる営業マンでも、100%契約を取れる人はいないでしょう。そして、そんな営業マンも経験が浅いときは大変な苦労をしたはずです。成約に結びつかない日々が続いている場合、社内のトップ営業マンに、営業のコツや考え方のアドバイスを仰ぐのもひとつの手です。
そもそも飛び込み営業は、相手が欲しいと思っていないときに商品を提案するため、来店型の商売に比べて難しいとされています。もともと難しい仕事をしているということを認識し、たとえ話を聞いてくれない顧客だったとしても、それを引きずることなく次の顧客のもとに向かうようにしましょう。
飛び込み営業は相手の状況が分からないまま行うため、時には都合が悪く話の場を設けてもらえないこともあります。その場合は、次回訪問のアポイントを取って、後日の商談の機会を確約するのが良いでしょう。
また大家さんが留守の場合は、ひとこと書いた名刺をポストに投函しておくのもひとつの手です。
次に、飛び込み営業での訪問先でアポイントを取るコツについてご紹介します。
こちらから日時を示して相手の都合を伺う場合は、できる限り近い日にちを提案しましょう。具体的には、翌日や翌々日です。1週間後などの遠い日にちのアポを取ってしまうと、それよりも優先度の高い予定が生まれたときに、商談をキャンセルされてしまう可能性が高まります。
もちろん、可能ならば飛び込みをしたその場で話をできるのがベストです。まずはその場ですぐに時間をもらえないか提案し、断られた場合のみ、後日のアポイントを打診しましょう。
無理にアポイントを取ったところで、相手が自社の製品にまるっきり興味をもってくれていなければ、お互いに時間を無駄にすることになってしまいます。アポイントを打診しつつ、はっきりと「興味がない内容でしたら断ってください」と伝えることが大切です。相手にとって気兼ねなく断れる余地を用意して、実際にその場で断られてしまったときは、いさぎよく身を引きましょう。
相手が”営業先”でなくなった後も、必ず最後まで誠実に対応してください。営業マンが良い印象を与えられていれば、後になって商品の需要が生まれたときに自社のことを思い出してくれるかもしれません。
アポを取る段階で契約を急かすのはNGです。お互いの信頼関係にヒビが入ってしまうおそれがあるため、焦る気持ちを抑えて次回の商談に繋げましょう。
また、商談のときは改めて会社や商品、自分自身について説明しましょう。その後見積書を提案し、金額的なイメージができるよう提案します。予算的に問題がなければ契約までの流れを説明し、そこで相手に契約する意思があれば契約手続きへと進みましょう。
またゴールにいたるまでも、相手が不安に感じていないか、予算的に難しくないかなど、表情などを見ながら提案することが大切です。もし不安に思っているようであれば、金額の見直しや契約日の変更も検討してみてください。
営業において一番大切なのは「相手の気持ちに寄りそう」ことです。単に製品を売る、契約を取ることだけを目標としていては、相手との良い関係は築けません。「相手の役に立ちたい、そのためにこの製品をおすすめしたい」という気持ちを忘れず、常に親身になって接してください。
また、「押し売りのようなアプローチ」になっていないかをチェックしましょう。相手も一人の人間であり、押し売りのようなアプローチをされてはたとえ温和な方であっても嫌な気持ちになってしまうでしょう。もし気に入ってもらえればリピーターになる可能性もある他、別の方を紹介していただける可能性もあります。
飛び込みで営業をかけた相手が、その日たまたま機嫌が悪く、強引に追い返されてしまうことも時にはあるでしょう。そのような場合、相手の事はもちろん、自分の事ことも必要以上に責めないのも、飛び込み営業において大事なポイントです。
飛び込み営業における心構えや成約に結びつけるコツ、アポイントを取る方法について解説しました。最後にもう一度、飛び込み営業を行う営業マンが心得ておくべき3ヵ条をおさらいしましょう。
この3ヵ条を前提に、飛び込み営業の成功率を上げるコツは以下の6つです。
飛び込み営業は、多くの新人営業マンがぶつかる壁であり、ほとんどの訪問先で、話を聞いてもらえる事すらなく断られてしまうものです。そんな仕事にも前向きに取り組み続けるためには、相手に対する誠意を持ちつつ、自分自身のメンタルも大切にしなければなりません。
営業が成約に結びつかなかったときは、必要以上に自分を責めたり罪悪感を抱いたりせず「どうしたら相手にもっと良い印象を抱いてもらえるか」、「どうしたら製品の魅力が伝わるか」を考え、営業マンとしてのスキルアップに繋げていきましょう。
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