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不動産仕入れ営業とはどんな業務?成果を出すポイントを詳しく紹介していきます

記事公開日:2022/03/17

最終更新日:2023/11/16

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土地や用地の仕入れを行う不動産仕入れ営業は、物件情報を効率よく仕入れたり、条件の良い物件をいち早く見つけたりすることで、利益に繋がる物件の仕入れができます。しかし、頑張って情報を集めているのに、思うように仕入れができないこともあるかもしれません。

ここでは、不動産仕入れ営業の業務について、また成果を出すポイントを詳しく紹介していきます。

不動産仕入れ営業とは?

不動産仕入れ営業とは、不動産会社がマンションや建売住宅などを建設して販売するための土地や物件を仕入れる職業で、「用地仕入れ営業」や「土地仕入れ営業」とも呼ばれています。

建物の販売を行うには土地が必要になるため、不動産仕入れ営業が仕入れをすることで不動産開発がスタートするので、不動産業界では花形とされている職業です。

不動産会社の担当者や企業、地主に対して営業活動を行うのが特徴です。

不動産仕入れ営業の仕事の流れ

不動産仕入れ営業の仕事は以下のような流れになります。

①情報収集

不動産会社や地主さんにあたって、良い土地がないか情報を集めます。

②現地調査

土地が見つかったら現地調査を行います。

③土地の仕入れ

現地調査を行って問題がなければ、不動産会社や地主と売買契約を交わして土地を仕入れます。

一連の簡単な流れは上記のようになりますが、会社によっては土地以外に、一戸建てやマンションなどの仕入れも行います。

不動産仕入れ営業の難易度

不動産仕入れ営業は難しいと言われますが、その理由は条件の良い物件はすぐに買い手がついてしまう、売却のタイミングが決まっていないことが挙げられます。条件が良い物件は競合が多いため、他社よりも良い買取条件をスピーディーに提示できなければ、あっという間に取引が成立してしまいます。

また、戸建て・マンション販売や賃貸物件は年度変わりに成約が多いので営業のタイミングがわかりやすいですが、売り物件は売却のタイミングが決まっておらず、情報をキャッチできないこともあります。そのため、不動産仕入れ営業の業務は難しいとされているのです。

しかし、難しい業務ではあるものの、仕入れ営業の業務内容は会社の利益に関わるので、良い物件を仕入れることでやりがいを実感できます。

不動産仕入れ営業が向いている人

不動産仕入れ営業では、仕入れ価格と造成費用、販売価格まで計算をする必要があるため、会社経営の経験がある、もしくは利益を計算できる会社経営感覚がある人が向いています。不動産仕入れでは大きい金額が動くので、仕入れ価格から販売価格まで緻密な計画を立てなければなりません。

大雑把な計画しか立てられない、仕入れることしか考えられないというのでは会社の利益に繋がらないので、会社経営感覚を持っている人に適した職種と言えます。

不動産仕入れ営業で成果を出すポイント

物件をおすすめする女性営業マンの画像

ここでは、不動産仕入れ営業で成果を出すポイントを紹介します。

不動産仕入れ営業のポイント①:ネットワークを広げる

不動産の物件情報は、不動産業界の人の繋がりで得られるので、ネットワークを広げましょう。情報量が豊富な大手不動産会社はもちろん、地域密着型で地主の信頼も厚い地場の不動産会社の営業マンとのネットワークがあれば、優良物件や掘り出し物件の情報を集めやすくなります。

不動産仕入れ営業のポイント②:動きがありそうな物件に着目する

仕入れ営業では、動きがありそうな物件に着目するのがポイントです。

たとえば、立地条件が良いのに空き家になっている物件であれば、「解体費用を払いたくない」「買い手が見つからない」などの理由で放置されていることがあるので、提案次第で仕入れることができます。また、契約車数が少ない駐車場は、土地活用のために駐車場にしている可能性があるため、アプローチすればうまく仕入れができるかもしれません。

このように、動きがありそうな物件を見つけてコンタクトを取る、というのも成果を出すポイントです。

不動産仕入れ営業のポイント③:戸籍謄本から情報を読み取る

仕入れ営業で成果を出すには、ネットワークから情報を得るだけでなく、自分で情報を取りに行くことも必要です。

情報を取りやすいのは戸籍謄本です。戸籍謄本を見れば、不動産の現状や状況を把握できるでしょう。たとえば、相続後に共有物件となっているものは分割協議が長引いて扱いに困っているかもしれません。所有者がころころ代わっている物件は、受け手が定まっておらず売却する可能性があります。

戸籍謄本を上手に活用すれば掘り出し物が見つかるかもしれません。

不動産仕入れ営業のポイント④:しつこく追及しない

なかなか仕入れが成功しない場合は、売主に対してしつこく追求しないことを意識してみましょう。

効率よく営業活動をするには、できるだけ少ない回数で売却してもらうのがベストですが、信頼関係がない相手では条件を提示されたからといってすぐに「売ろう」と決断する売主はいません。

営業のアプローチは複数回に分けて行うことが大事なので、1度目は顔を覚えてもらう程度で十分です。何回かアプローチする中で、少しずつ契約の条件を提示していくという流れにしてみてください。

不動産仕入れ営業のポイント➄:いくつかの物件へアプローチする

一つの物件に絞って成約を狙うのは悪いことではありませんが、いくつかの物件に同時にアプローチした方が成約率は上がります。一つの物件に執着をして成約に至らなかった場合、その物件にかけた時間がまるまる無駄になってしまいます。

それよりも複数の物件にアプローチをしておいた方が、成約に至らないというリスクを分散できるので、常にアンテナを張っておきましょう。

不動産仕入れ営業のポイント⑥:業界の現状や今後の動きを考察する

不動産の仕入れでは、不動産業界の現状や今後の動きを考察することも重要です。

現在で言えば、コロナウイルスの流行によって緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されたことで、経営難となり売り店舗や空き店舗が増えています。このような動きを掴んでおくと、担当している地域で売りに出されるかもしれない物件の目星をつけることができるのです。

目星をつけておけば、売却情報が入った際にすぐにアプローチできるので、優良物件を仕入れやすくなります。

不動産仕入れ営業で成果を出すためのトーク

老夫婦に提案をする男性営業マンの画像

仕入れの営業は、こちらの要望や提案を聞いてもらうのではなく、売主さんの要望を必ず聞いたうえで、双方の落としどころをうまくすり合わせることが大切です。ここが分かっていないと一方的な営業トークになってしまい、成果が出なくなってしまいます。

ここでは、トークの流れと例文を紹介するので、ぜひ実際の営業に役立ててください。

①要望の確認

まずは要望の確認から行います。この段階では、こちらの要望は一切関係ないので、悩み相談に乗る感覚で売主さんにたくさんしゃべってもらうことを意識しましょう。

例文

「今回は、専門的な見地からいろいろとご相談に乗らせていただきたいと
 思っております。(売主)様はどのようなお考えをお持ちでしょうか?」

②希望額確認

要望を伺ったら、次は希望額を確認します。お金のことはデリケートな話になるため、本心からの希望額を聞くには細心の注意が必要です。ここで売主さんに本音を教えてもらえないと成約に至らないこともあるので、「手元にいくら残したいか」を話してもらいましょう。

例文

「ご希望額はおいくらですか?」
「相場があるとしても関係ありません。
 値段はお客様がお決めになるものなので、ぜひご教示ください。」

③買取もしくは販売価格提示

希望額を聞いたとしても、物件の状態や環境によってはその金額では買取が難しいかもしれません。しかし、もし聞かれたら買取価格もしくは販売価格を提示しましょう。

もし希望額より大幅に少ないと売主は動揺、もしくは怒ることもあるかもしれませんが、買取価格が低い理由を冷静に説明してください。

例文

「お客様の希望金額はごもっともですが、相場の金額はこのくらいになります。」
「〇〇のような理由でこれだけの金額になりますが、
 売らないという選択肢もございます。」

④販促トーク

希望額とかけ離れた買取価格の場合、売主さんは契約をためらうかもしれません。しかし、ここからが営業の腕の見せ所で、販促トークを始めましょう。販促トークでは、売主さんにネガティブなイメージを与えないよう、ポジティブな提案をしていくことが重要です。

提案の際には、客観的なデータや状況を根拠にして、あくまでも「自社の利益のための営業」ではなく「売主さんがその気になる」話をしましょう。

例文

「希望額には満たないかもしれませんが、
 売却をすればこういったことができます。」
「〇〇の影響で、今が一番の売り時とも言えるので、
 売却をご検討いただいているようであればチャンスです。」

⑤クロージング

売主さんの要望や希望額と、こちらの提案が上手くすり合わせられない場合、クロージングは一番難しいかもしれません。しかし、当面の結論をもらって媒介受託か買取を提案しておきましょう。

次回に繋げられる場合は、打ち合わせをする時期とタイミングをはっきりさせておくことが重要です。これを曖昧にしてしまうと契約に持っていきづらくなったり、提案内容を揉むこともできません。売主さんの意向を踏まえたうえで努力をすることを伝え、次に繋げてください。

例文

「当社で買取をさせていただければ、時間を要することはございません。
 価格はできる限り努力いたします。」
「(特に急いで売る必要がない場合)お返事を急ぐ必要はございませんので、
 ご希望に近い価格で出せるようにいたします。」
「次回は、査定額を詰めていただき、〇〇に関してさらに調べて参ります。」

不動産仕入れ営業で成果を出すためのメール

不動産の仕入れ営業では、アポイントが取れた際の営業トークも重要ですが、こまめにやり取りができるメールも重要大事です。特に、最初のアポイントを取る時にはメールから始まることも多いので、成果を出すためのメールの送り方も頭に入れておきましょう。

タイトル名・・・売主のメリットが一目で分かる

タイトル名は、売主のメリットが一目で分かるようなものにしましょう。どの売主さんにも送れるようなタイトルでは、一斉メールやコピーメールだと思われてしまい、開封してもらえる確率が低くなります。

メールのタイトルは、売主さんにだけに送っているということが分かるように、具体的なメリットが感じられる内容にすることが大切です。

例文

「〇〇様ご所有の不動産で、物件購入希望者がいらっしゃいます。」
「弊社では、〇〇様ご所有の不動産を高値で売却する自身がございます。」

内容・・・顧客ごとに内容を変える

タイトルだけでなく、内容も顧客ごとに変えましょう。たとえ複数配信するとしても、一ヶ所だけポイントを押さえ、お客様の属性にあった内容にすることが重要です。

例文

<初めてアポイントを取る場合>
「お持ちの物件の〇〇エリアで、購入を希望するお客様が
 2組お見えになりました。」


<購入経験がある場合>
「その後、何か気になる点や不都合などはございませんでしょうか?」

情報・・・顧客にとって有益な情報を書く

メールであっても、トークと同じようにこちらの要望を押しつけない内容にしましょう。もちろん、無駄にへりくだる必要はありませんが、顧客にとって有益な情報を書いて、「この会社なら信頼できる」「こちらに希望を聞いてもらえる」という気持ちになってもらうことが重要です。

例文

「ご希望や困ってらっしゃることなど、何でもお聞かせくださいませ。」
「財産分与や相続はもちろん、リフォームなどでもお役に立つ
 ご提案をさせていただきます。」
「〇〇万円の仲介手数料は、通常〇〇万円ですが、
 当社では〇〇万円でやらせていただきます。」

不動産仕入れ営業はネットワークが肝!

オフィスビルと青空の画像

不動産の仕入れというのは、いつどのタイミングで物件情報が出てくるか分からないというのが難しいところです。だからこそ、常に物件情報に目を光らせている他社の営業や地元の土地情報に精通している地主さんとのネットワークが肝になります。

紹介したポイントを押さえておけば、今までよりも情報を掴みやすくなるので、ぜひ参考にして成果を出してください。

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CHINTAI JOURNAL編集部

この記事を書いた人

CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。

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