営業マンバイブル

深耕営業と一般営業との違いとは?おすすめの人やポイントなどを徹底解説!

記事公開日:2022/06/09

最終更新日:2024/01/11

深耕営業と一般営業との違いとは?おすすめの人やポイントなどを徹底解説!の見出し画像

営業といえば、新規開拓をして取引先を増やすイメージがあります。しかし、新規開拓は相手から断られることも多く、成約にいたらないケースがほとんどです。一方、深耕営業は既存顧客を対象にアプローチをするため、営業の難易度が比較的低く、売上を確保しやすい営業手法といわれています。

また、深耕営業は賃貸仲介業との親和性が高いです。比較的マーケティング要素が高い昨今の賃貸仲介業者の方々にとって、知っておいて損はない営業手法といえます。あまり聞きなれない深耕営業についてわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

※下記の関連記事では賃貸営業で成功するためのコツを解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

そもそも深耕営業とは?

深耕(しんこう)営業は、既存の顧客と関係性を深めながら、継続的に取引を増やしていく営業手法のことです。既存顧客の新たなニーズを引き出し、課題解決のためにサービスを提案する力が求められます。

深耕とは、田畑を深く掘り下げるという意味です。既存顧客と深い関係を持ちながら取引を拡大することから深耕営業と呼ばれるようになりました。

営業には、「新規営業」「既存営業」「ルート営業」などさまざまな種類があります。深耕営業とはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴について見ていきましょう。

新規営業との違い

新規営業は、新しい顧客を獲得するための営業活動です。一般的に「営業」と聞いて思い浮かべる手法で、今まで取引がなかった相手に対してアプローチをしていきます。

自社商品やサービスを知ってもらうために、さまざまな手法で宣伝活動を行います。主にテレアポや飛び込み営業でアプローチする方が多いのですが、見込み顧客を作れず目標を達成できないことも珍しくありません。また、これまで話したことがない担当者と話すため、信頼関係の構築に時間がかかります。

既存営業との違い

既存営業は、すでに自社商品やサービスを利用している顧客に対して営業を行うことです。発注や契約更新など、顧客へのフォローが業務の中心です。既存顧客へのアプローチという点では、既存営業と深耕営業は似ているところも多いのですが、少々異なる特徴を持っています。

既存営業は購入・契約後のフォローを中心に、必要に応じて新しい商品やサービスを提案するため、どちらかといえば受動的な営業スタイルです。一方、深耕営業は新たな潜在的ニーズを引き出し、自ら顧客に別の商品やサービスを提案していくため、能動的な営業スタイルといえます。

ルート営業との違い

ルート営業は、取引のある顧客を回ってフォローや新たな提案を行う営業手法です。深耕営業と同じように既存顧客が対象ですが、あらかじめ決められた「ルート」に沿って営業活動を行うという特徴があります。

深耕営業を行う目的

深耕営業は、なぜ企業にとって必要なのでしょうか。深耕営業を行う目的は主に3つあるといわれています。

  1. 既存顧客の新たなニーズを引き出す目的
  2. 既存顧客との取引内容を拡大する目的
  3. 既存顧客の現状をあらためて確認する目的

それぞれ詳しく見ていきましょう。

既存顧客の新たなニーズを引き出す目的

深耕営業は、契約によって生まれる新たなニーズを引き出すことが目的です。無事に成約をして顧客の課題解決を図ったとしても、利用するうちに「もっとこうしたい」という希望を抱いている可能性があります。

顧客自身が気づいていない課題(潜在ニーズ)を引き出すことで、顧客が課題を認識して別の商品やサービスの利用を検討し始めます。顧客ニーズを深堀りすることで、新たなビジネスチャンスが広がることも少なくありません。

既存顧客との取引内容を拡大する目的

既存顧客へのアプローチは、安定的な売上確保に繋がります。前述のとおり、新規開拓は多くの手間と時間がかかるのがデメリットです。テレアポを行って見込み顧客を作り、現地に足を運んで打ち合わせをするなど、契約にいたるまでには多くの苦労が伴います。

また、営業活動を行う際、「1:5の法則」という言葉を聞いたことはないでしょうか。これは、新規顧客を獲得する営業コストは既存顧客の5倍かかるということを示すマーケティング用語です。

新規営業は契約までにコストがかかるうえに、断られることがほとんどです。新規顧客を増やすのは難しく、すぐには成果が出ません。

対して深耕営業は、信頼関係が構築された既存顧客へのアプローチであるため、コストを抑えながら売上を増やすことが可能です。

既存顧客の現状をあらためて確認する目的

営業は、商談を成立させ、商品やサービスを提供したら終わりという仕事ではありません。自社と契約をしたことでどのような変化があったのか、新たな問題は発生していないのかなどを確認する必要があります。

既存顧客の状況を把握しておくことで抱えている課題も見えてくるため、顧客目線での商品・サービスの提案も容易です。さらに適切なタイミングでフォローができるため、顧客からの信頼も得やすくなります。

深耕営業のモデルケース

顧客との継続的な関係構築と提案力が、深耕営業の鍵であることがわかりました。それでは、深耕営業の一般的な業務内容やイメージを、「①一般のビジネスシーンで活用するケース」、「②賃貸仲介営業で活用するケース」に分けて解説いたします。

①一般のビジネスシーンの場合

一般のビジネスシーンにおいて、深耕営業としてまず実施しなければならないことは、顧客との関係性をさらに強固にすることです。ツールやサービスを提供している場合は、定例のミーティングやカスタマーサクセスを通じて、サービスの満足度やさらなる問題点を洗い出し、解決に導くことで関係を構築していきます。

一定の関係性を構築できたら、次は導入いただいているサービスをバージョンアップさせたり、追加サービスを提案したりして、問題点の解決とさらなるサービス品質の向上を売り込んでいきましょう。なお、このように、既存のサービスを上位互換したものに乗り換えてもらうことを「アップセル」といいます。また、既存のサービスに、プラスアルファのオプションを購入いただくことを「クロスセル」といいます。

このアップセルとクロスセルこそが、深耕営業の真骨頂ともいえるでしょう。一見、既存営業との違いに気づきにくいですが、虎視眈々とアップセルとクロスセルを目指す営業姿勢は、受け身で成立するものではありません。

②賃貸仲介営業の場合

賃貸仲介営業と深耕営業は、非常に親和性が高い関係にあります。一見、どのような関係があるかわかりにくいですが、具体的に見ていきましょう。

反響を頂き来店されたお客様を接客しているとき、「1~2ヶ月以内に引っ越しをする”いますぐ客”」と「良い賃貸物件があれば引っ越しをする”しばらく客”」に分類することができます。どちらもお客様ですので平等に接客対応すべきですが、どうしても「いますぐ客」ばかりを追いかけてしまうのは仕方ないかもしれません。

しかし、「しばらく客」を追いかけない営業マンは、売上の数値が安定することはありません。その傾向は特に繁忙期が空けた4月から5月の数字に如実に表れます。

確かにお客様に優先順位を付けることは重要ですが、放置してよいということではありません。「しばらく客」であってもきちんとお客様とコミュニケーションをとり、信頼関係を築き、相場や物件状況を通じて最後には成約していただけるようなお付き合いをすることが求められます。

そのとき、単純に「最近どうですか?」ではなく、お客様が気になるポイントをきちんと理解し解決するための手順を踏む営業手法として、深耕営業は役に立つでしょう。

地元企業の法人契約のフォローにも深耕営業が活用できる

その他、偶然出会った地元企業の法人契約のフォローも深耕営業の使いどころです。ほかの社員の方のお部屋探しを依頼されるよう、総務や人事の担当者に定期的にアプローチし続けることが求められます。

法人契約を優先的に取得することができるようになれば、売上の安定どころか爆発的な改善に繋がることは間違いありません。すぐにでも実践してみましょう。

なお、ここで注意しなければならないことは、法人契約が欲しいというゴールに向けて深耕営業を行うとき、解決すべき課題は部屋探しに必要な質量のみならず、いかにスムーズに契約まで対応することができるか、という点にあることです。実際にお部屋を探している社員さんと総務担当者では解決すべき課題が違うということに注意してください。

地域密着型の賃貸仲介会社も深耕営業が活用できる

地域に根差している賃貸仲介会社であれば、複数棟をお持ちのいわば「メガ家主さん」を抱えていることも少なくありません。しかし、そういった家主さんは、いくつかの賃貸仲介会社や管理会社に任せていることがほとんどです。

可能であれば、一括で専任や管理を受注したいものです。そういったとき、この深耕営業は非常に役立ちます。定期的に訪問を行って他社の状況や困りごとを聞き、先回りして動くことで信頼を勝ち取り、最後には専任や管理を受注するというストーリーです。

また、アップセルやクロスセルは、上記家主様への対応にも役立つほか、お部屋探しのお客様へも転用することが可能です。お部屋を決めあぐねて長期化しているお客様に対しては「家賃を上げるとこういった物件がある」というアップセル提案ができます。成約後の付帯商品の販売においては、問合せ時から培ったヒアリング内容をもとに、お客様にあった付帯商品を販売することで実現可能です。

このように、普段から何気なく行っていることが、実は深耕営業そのものでもあります。そして、深耕営業成功の秘訣は、一連の信頼関係の構築と課題の解決にあることを忘れないようにしましょう。

深耕営業で必ず押さえたいポイント

深耕営業を行う際には、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 既存顧客の情報を必ず確認する
  2. ゴールから逆算した計画を提示する
  3. 既存顧客のニーズや疑問点を把握する
  4. 既存顧客情報を細かく記載しておく
  5. 信頼関係の構築を行う

1つずつ説明していきます。

既存顧客の情報を必ず確認する

既存顧客の情報については、初訪問・再訪問わず必ず確認しましょう。前任者から引き継ぐ場合、営業日報をチェックし、商談内容やフォローの頻度などを確認します。

もし可能であれば、前回訪問している営業マンに直接聞いて詳細を把握するのがベストです。特に不動産営業の場合、顧客の性格やアプローチに対する反応など、データだけではわからない細かい部分を把握することが大切です。顧客に関するさまざまな情報を知ることで、深耕営業の精度を高められます。

ゴールから逆算した計画を提示する

具体的なゴールを決め、実現可能なプロセスを計画することも重要です。このゴールとは、営業担当者が持つ目標であり、半年後や一年後に顧客とどのような取引をしたいのかを定めます。やみくもに顧客を訪問しても、どのタイミングで提案や受注をすべきかが見えず、目標達成が遠のいてしまうからです。

また、営業は日々の業務に追われてしまいがちです。大事な商談が来月、再来月と延びてしまい、顧客の気持ちが離れてしまうことも珍しくありません。状況に応じてスモールゴールを設定し、柔軟に対応するのが大切です。

既存顧客のニーズや疑問点を把握する

顧客にとって営業担当者は、「どうしたらいいだろう?」といった疑問や課題を解決してくれる大事なパートナーです。顧客の真のニーズを把握できず、自身が売りたい商品・サービスだけを提案し続けるようなら、それは本来の深耕営業とはいえません。

たとえば、「顧客は安い価格の商品を求めている」と判断しても、実際には「質や機能面が大切」と考えているのかもしれません。商談中だけでなく、何気ない雑談にも意識を向けて顧客のニーズを探るようにしましょう。

既存顧客情報を細かく記載しておく

既存顧客については、訪問や商談のたびに細かく情報をメモしておきましょう。深耕営業の目的は、顧客のニーズから適切な提案を行うことで信頼関係を深め、さらに取引を増やしていくものです。

そのためには、顧客を深く理解することが重要です。顧客が何を必要とし、自社が何を提案するべきかを明確にするためにも、顧客情報は漏れなく記録しておきましょう。

信頼関係の構築を行う

顧客との信頼関係の構築は、深耕営業に欠かせないポイントです。すでに取引が行われているため、ある程度の信頼関係が築かれている状態ですが、もう一歩信頼を深めることでさらなる売上向上に繋がります。

信頼関係は顧客の気持ちに寄り添い、課題や悩みを解決し続けることで築かれます。親近感を持ってもらうために、接触回数を増やすことも大切ですが、ただ単に訪問を繰り返すだけでは顧客の時間を奪うだけです。

また、小さな依頼でも迅速に対応したり、連絡をこまめにしたりと、日々の積み重ねが大きな信頼に繋がります。顧客の立場を考えない提案や、自分のノルマだけを考えた商談をしていては、これまでの信頼関係が崩れてしまうおそれがあります。

深耕営業を成功させるために覚えておきたい営業テクニック

深耕営業は、関係性の構築と課題の解決がすべてですが、その過程において役立つ営業テクニックがいくつか存在しています。深耕営業のみならず、営業トーク全般に役立つ内容ですので、ぜひ覚えておいてください。

SPIN話法

SPIN話法とは、ヒアリングで押さえるべき4つの通過点のことです。この4点を的確に通過することで、顧客ニーズの掘り起こしと課題を明確にしたうえで、その解決を訴えかけるステップとなるのです。なお、4つの通過点の頭文字をとって「SPIN話法」と呼ぶことも、参考程度に覚えておきましょう。

顧客課題解決のために通るべき4つの通過点とは、以下の4点です。

①Situation 【状況】
顧客のバックボーンにあるすべての状況のことを指します。状況を横断的かつ網羅的に整理することが、何よりも重要な最初の一歩です。

②Problem 【問題】
Situationでヒアリングした内容から、問題点や課題を抽出する作業です。

③Implication 【影響】
問題点や課題を放置することで生じるリスクや影響を顧客に伝えることによって、顧客に課題解決の必要性を訴えます。

④Need-payoff 【必要性】
課題解決の必要性やメリットを解説します。必要性におけるメリットには、リスクやメリットの抽象的なイメージでは不十分で、具体的にどのくらい利益へ貢献できるかなどの効果も含まれます。

賃貸仲介業におけるSPIN話法は、初回接客時のヒアリングに用いるとよいでしょう。1つずつ順番にヒアリングを行い、契約までのイメージを掴んでもらうのです。

「騒音問題でお悩みとのことですので、角部屋などの独立性の高いお部屋を中心にご紹介させて頂きます。独立性の高い物件は数が少ないですから、気になる物件があればすぐに抑えるようにしましょうね」といった導入トークをするとわかりやすいのではないでしょうか。

応酬話法

応酬話法とは、一見すると激しい議論を交わすことをイメージしがちですが、実際はその真逆です。一言で表現するならば、うまい切り返しのことをいいます。たとえばお客様からマイナスな表現が出たときに、それを頭ごなしに否定してしまうと、商談が破談になるのはもちろんのことですが、日常の会話すら続きません。

そこで、マイナスな表現が相手方から出たときであっても「そうですね、そういう見方もあります。でも~」というように、相手の気持ちや解釈を逆撫ですることなく、うまく話を前向きに進めていく話法のことをいいます。

賃貸仲介業において応酬話法はずっと使える便利なトークテクニックですが、特に物件提案のときに活用することがよいでしょう。あまりお客様が気に入らない物件を提案したときのトークの繋ぎなどでは役に立ちます。

「確かに希望の駅から1駅離れていますが、これだけ家賃が下がるのでメリットは見逃せません。ご希望の駅でこの家賃であれば徒歩15分程度であればご紹介可能です」といった使い方ができるでしょう。

BANT

BANTとは、特に法人営業において、必ず押さえるべき4つのポイントのことです。4つのポイントの頭文字をとって、BANTと名付けられています。

B:Budget 【予算】
相手方の予算が10万円しかない状況で、100万円の商品を売ろうとするのは、極めて無謀なことです。ビジネスにおいては、相手の予算感を知ることが重要です。

A:Authority 【権限】
誰かに物を売ろうとするとき、決定権がある人に営業をするのが基本です。誰が決定権者なのかを見極めることが、ビジネスの成功への最短経路といえるでしょう。

N:Need 【必要性】
求められていないものを販売するのは、ほぼ不可能でしょう。相手方がどのような課題や問題点に悩みを持っているかを確認して、その課題解決のために自社のサービスや商品がどのように貢献できるかを知ることが、ビジネスの成功には不可欠です。

T:Timeline 【導入時期、タイムライン】
いつ頃導入できるのか、いつ導入予定なのかによって、営業アプローチの濃度や角度は当然に変わります。この導入時期を知ることで、顧客の優先順位を付けられるほか、どのタイミングでどのようなアプローチをすべきなのかを戦略的に組み立てることが可能になります。

子どものころのお年玉を思い出してみてください。お年玉が合計1万円だった場合、これが予算に該当します。そして、この1万円はすべて自分の自由に使って良いのか、はたまたお母さんの許可がいるのか、これが権限です。

さらに、今自分が欲しいものは何かを考えることが、必要性に該当します。最後に「本当に今買わなくてはいけないものかどうか」「小学校6年生最後の冬休みに買うのではなく、中学校1年生になってからの方が選択肢は増えるのではないか?」と考えるのがタイムラインです。

賃貸仲介営業においてBANT話法は、最初のヒアリングで完全に済ませておくべき内容と心得ましょう。

インサイト営業

元来、特に日本では御用聞き的な営業スタイルが主流でしたが、時代の流れとともに、へりくだるだけでは仕事が取れなくなってきました。そこで台頭してきたのが、この「インサイト営業」と呼ばれるものです。

インサイトは英語でinsightと表記され、その意味は「洞察力」「見識」とあります。直訳すれば洞察力を持った営業スタイルとなりますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

インサイト営業は能動的に顧客にアプローチを行い、自社の利益を最大化するというゴールは営業そのものですが、そのアプローチをする方法に特徴があります。顧客に対して「こういった点が課題として考えられるので、このような商品やサービスを導入して解決してはどうでしょうか?」という課題認識と解決をワンセットで持ち込み、顧客を教育しつつリードする役割が求められる営業スタイルです。

賃貸仲介営業においてインサイト営業は、過去のお客様に対する追客で役立つことでしょう。「当時は希望する条件の物件がありませんでしたが、希望に叶う物件に退去の予定がでました」…これもインサイト営業といえます。

しかしここは少し工夫して「やはり検索してみましたが、ご希望に叶う賃貸物件はどうも存在していないようです。そこでご提案ですが、この物件を一度見てもらえないでしょうか?当社で過去同じようなお悩みのお客様をご紹介して気に入っていただけた物件です」というように、追加の提案をする際の導入や切り口にも盛り込むことで、お客様もスムーズに話を聞いてもらえるようになることが期待されます。

深耕営業が向いている人の特徴

深耕営業は、顧客のもとに何度も足を運びながら、信頼を築いて課題解決に努めるのが主な仕事です。そんな深耕営業に向いているのは、いったいどんな特徴を持つ人なのでしょうか。

  1. 愛嬌があり親しみやすい人
  2. 人の話を聞くのが得意な人
  3. 清潔感がある人
  4. ビジネスマナーがある人
  5. 物事に対して臨機応変に対応できる人

上記5つの特徴について、詳しく解説していきます。

愛嬌があり親しみやすい人

深耕営業は既存顧客と何度も顔を合わせるため、無神経な人の場合、顧客から疎まれることがあります。一度限りの取引であれば問題ないかもしれませんが、長い付き合いになればいずれ見抜かれてしまいます。どんなに優れた商品やサービスだったとしても、営業担当者の人柄によっては取引が終わる可能性も十分に考えられるのです。

一方、愛嬌があり親しみやすい人は、顧客と長く付き合えば付き合うほど信頼が増します。人柄が良ければ顧客も本音を話しやすく、適切な提案もしやすくなります。

人の話を聞くのが得意な人

顧客との会話からニーズを引き出し、提案をするのが深耕営業です。顧客の本音や課題が出るのは商談のヒアリング中だけでなく、雑談中かもしれません。

このようなヒントを得るためには、自分が話すのではなく、相手に話してもらうよう促すことが重要です。顧客が本当に必要なものを把握するために、顧客の話を聞くのが得意な人が深耕営業に向いています。

清潔感がある人

営業職全般にいえることですが、清潔感のない営業マンは信頼を得ることが難しいです。「中身で勝負!」と思っていても、見た目の印象で判断されることも少なくありません。人の印象が決まる時間はほんの数秒であり、判断する要素の大半が視覚情報といわれています。

なかでも不動産営業は、マンションや戸建てなど扱う商品の額が大きく、顧客は慎重に判断して購入するかどうかを決めます。見た目の印象が悪ければ、そもそも営業担当者の話を聞こうという姿勢にもなりません。髪の毛からスーツの着こなし、靴や小物まで気を配りましょう。

ビジネスマナーがある人

営業職は人柄が重要ですが、それはビジネスマナーがあるうえでのことです。いくら人柄が良くても、ビジネスパーソンとしてのマナーがなってないと顧客に信頼してもらえません。何度も会ったりやり取りを繰り返したりするうちに、マナーのなさは顧客に伝わってしまいます。

また、付き合いが長くなって親しくなることで、ビジネスという意識がおろそかになりがちです。たとえば、約束の時間に遅れたり、言葉遣いが崩れたりしてしてくると、「本当は無礼な人」と思われ、これまでの信頼関係が壊れる可能性があります。

相手の懐に入ることは大切ですが、信頼関係の維持のために、基本のビジネスマナーを忘れない営業活動を心がけましょう。

物事に対して臨機応変に対応できる人

既存顧客だからといって、いつも同じような提案をするのはNGです。顧客はさまざまな課題を抱えている他、状況も常に変化しています。そのため、前回とは違った切り口で提案する柔軟さが必要といえます。

顧客の課題を解決できるよう、さまざまな視点から顧客にアプローチしましょう。変化に対して柔軟な対応ができる人は深耕営業に向いているといえます。

深耕営業は顧客との信頼関係がポイント

営業マンの画像

深耕営業は、既存顧客との関係性を深めて売上を作る営業手法です。企業の売上を作るうえで、既存顧客にアプローチする深耕営業は新規開拓と同じくらい重要な役目を果たしています。

また深耕営業は、すでに関係性ができているため営業しやすいという利点があります。しかし、顧客との信頼関係が崩れると契約が途切れてしまうという点に注意しなければなりません。顧客の状況を把握しながら臨機応変に対応することはもちろん、基本的な清潔感やビジネスマナーも大切にし、顧客から信頼を得られるような営業活動を心がけましょう。

KS

この記事を書いた人

大学卒業後、賃貸仲介業や管理業を約4年間経験したのち、知人の独立を手伝い賃貸仲介会社を2社立ち上げ。後に賃貸管理業のプロパティマネージャーやアセットマネージャー、総合不動産会社での経営企画室室長としてのキャリアを積む。
現在は、賃貸事業、管理事業、注文住宅事業の立て直しのため、店舗店長を兼任し、マネジメントを行っている。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

記事へのコメント
1
2
3
4
5
送信
     
キャンセル

コメントを書く

CHINTAI JOURNAL
レビュー:  
 0 コメント