最終更新日:2025/10/23
記事公開日:2025/09/04
「営業車の中が散らかっていて、お客様に申し訳ない思いをした」「車内の臭いを指摘されて恥ずかしかった」…こういった経験はありませんか?
賃貸仲介業において、営業車は単なる移動手段ではありません。内見時にお客様と過ごす密室空間であり、会社の印象を大きく左右する、いわば「動く応接室」です。
そこで、この記事では、営業車の日常的な清掃・点検方法から、お客様を乗せるときの具体的なマナーまで、明日から実践できるポイントを詳しく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、営業担当者は基本マナーの習得に、管理者は社内ルール策定の参考に、ぜひご活用ください。

目次
賃貸仲介業で使用される営業車は、地域特性やターゲット層によって使い分けられています。
都市部では軽自動車(N-BOX、スペーシアなど)が活躍しています。狭い路地での取り回しや燃費の良さが魅力ですが、ファミリー層には手狭なため、事前の人数確認が必要です。
最も普及しているのはコンパクトカー(アクア、フィットなど)です。4〜5人が快適に乗車でき、単身者からファミリーまで幅広く対応可能。複数物件を巡る長時間の内見でも疲れにくいのが利点です。
大家族や荷物の多いお客様には、ミニバン(ノア、セレナ等)が最適です。3列シートで大人数の移動に対応でき、お子様連れのお客様にも好評です。
近年はハイブリッド車や電気自動車も増えています。環境配慮のアピールだけでなく、静かであることにより、車内での物件説明がスムーズに行えるメリットもあるでしょう。
どの車種でも、お客様のニーズを把握し、快適な移動空間を提供することが最も大切です。車は信頼関係を築く重要な空間であることを忘れてはいけません。

営業車の管理は、安全運転の基本であると同時に、お客様への配慮の表れでもあります。これより、具体的な点検や清掃方法を解説します。
日常点検は、安全運転のために欠かせない業務です。点検項目と頻度を以下にまとめましたので、参考にしてください。
■点検項目と点検頻度
・タイヤの空気圧…毎日
・タイヤの溝の深さ…週1回
・エンジンオイルの量…週1回
・バッテリー液の量…週1回
・ウィンドウウォッシャー液の量…週1回
・ライトなどの点灯状況…毎日
・車体の傷の有無…毎日
・社内の清掃…毎日
見た目や安全性に関わるものは毎日、それ以外の項目は週次の点検とするのがよいでしょう。また、走行距離によってエンジンオイルの適切な交換時期は変わります。運行日報などで交換のタイミングを管理しておくとよいでしょう。
洗車の頻度は、1~2週間に1回程度を目安にするとよいでしょう。特に、雨が降った後や泥道を走行した後は、汚れが固着しないうちに早めに洗車するのがおすすめです。
ただし、この洗車頻度にとらわれず、お客様に「汚れているな」と思われないように、常にきれいな状態を保つようにしましょう。
お客様が最も注目するのは、座席周りの清潔感です。営業担当者は運転席に座りますが、お客様は後部座席に座ることが多いため、お客様の目線に合わせた清掃が重要となります。後部座席のシートの汚れやホコリ、髪の毛などは即座に目につくため、乗車前には必ず点検と清掃を行いましょう。
また、清掃にあたっては、お客様が座る「後部座席からの視界」を意識することが大切です。お客様の目線の高さから見えるダッシュボード上部や、ドアの内側のホコリや指紋を重点的に拭き取ってください。運転席からは気づきにくい箇所も、後部座席からは明確に見えることがあります。
後部座席のフロアマットの状態も、お客様が直接足を置く場所として特に注意が必要です。汚れやシミがある場合は、定期的な交換や専用クリーナーでの清掃を実施しましょう。ビニール製のフロアマットに変更しておくと、布製のものよりもカンタンに洗うことができます。
そのほか、車内の臭いは、お客様の印象を大きく左右する要素です。特に後部座席は空気がこもりやすい傾向にあるため、芳香剤は使わず、こまめな換気と清掃により自然な無臭状態を維持することが理想的です。
営業車での快適なサービス提供には、さまざまなアイテムを常備しておくことが重要です。
まず、雨の日の内見案内では使い捨て靴カバーやスリッパが重宝します。お客様の靴が濡れている場合に「よろしければどうぞ」と提案できると、非常にスマートな印象を与えられるでしょう。
冬場の車内では温度調整が難しく、ひざ掛けを用意しておくことで冷え性のお客様への配慮を示せます。車内環境を整えるために、窓拭き用マイクロファイバークロスも欠かせません。曇りやすい窓の即時対応により、常に快適な視界を保てます。
清潔感を維持するためのアイテムも欠かせません。除菌ウェットティッシュや手指消毒液は、食事後や物件案内後にお客様が手を清潔にしたい時にサッと差し出せる必需品です。小型ハンディクリーナーがあれば、座席のホコリや髪の毛を即座に除去でき、車載サイズのゴミ箱へお客様が出したゴミをスマートに回収できます。
お客様の利便性向上には、前部座席の後ろに設置できるポケットが便利です。物件資料やパンフレット、小物などを一時的に収納でき、後部座席での快適性が向上します。さらに、USB充電器やケーブルを用意しておけば、お客様がスマートフォンの充電を必要とするときに安心です。
営業スタッフ自身の身だしなみとしては、携帯用粘着クリーナー(コロコロ)でスーツについたホコリや糸くずをサッと除去できます。ファブリーズなどの衣類用消臭スプレー(無香料)も、自分やお客様の衣服の臭いが気になる時に重宝するアイテムです。
営業車の管理を個人任せにせず、組織的なルールを設けることが重要です。まず、各車両の管理責任者を明確に決定し、点検・清掃の実施状況を記録する仕組みを構築しましょう。
毎朝の業務開始前に、営業車の状態確認を行う習慣を定着させることが大切です。チェックリストを作成し、点検項目を漏れなく実施できる体制を整えてください。紙ベースの管理でも良いのですが、運行や点検状況、アルコールチェックなどをアプリでチェックすることで、運転者と管理者双方の負担を軽減させることが可能です。
また、お客様を乗せた後は、必ず車内の整理整頓と簡易清掃を実施するようルールを設けるようにしてください。次のお客様を快適にお迎えするための準備を習慣化することで、サービス品質の向上につながります。
そのほか、洗車は経費がかかるものですが、必ず定期的に実施するようにしましょう。会社としては洗車を積極的に行うことを徹底させ、洗車をしてくれた社員に「ありがとう」と伝えることで、車を綺麗にすることも重要な仕事の一つ、という認識が作り上げられることになります。

営業車でのお客様案内では、基本的なマナーを押さえることでスムーズな対応が可能になります。ちょっとした気遣いや配慮により、お客様に快適に過ごしていただけるでしょう。
案内物件までのルートを事前に確認し、最適な経路を把握しておくことが基本です。
交通渋滞の時間帯や工事区間なども考慮に入れ、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。周辺のコインパーキングの位置と料金も事前にリサーチしておくことが重要です。物件によっては専用駐車場がない場合もあるため、複数の選択肢を用意しておくと安心です。
所要時間の見積もりは、実際の距離に加えて信号待ちや駐車場探しの時間も含めて計算してください。もちろん、社内の質疑などによってスーパーマーケットや最寄りのコンビニを確認する、などの「有効な寄り道」は時間の許す限り積極的に行いましょう。
営業車での座席位置には一般的なルールがあります。運転手がいる場合、後部座席の右側(運転席の後ろ)が上座とされ、左側が下座となります。
お客様をお迎えする際は、後部座席の右側をご案内するのが基本ですが、お客様のお好みに応じて柔軟に対応することが大切です。ご夫婦やカップルでいらっしゃる場合は、お二人でゆったりとお座りいただける後部座席をおすすめしましょう。
原則として助手席には座らせないほうがよいのですが、お客様からどうしても後部座席だと車酔いが心配、などのリクエストがあれば、お客様の声を優先しても差し支えありません。
乗車時と降車時は、ドアの開閉をサポートすることで、お客様により快適にご利用いただけます。安全面にも配慮しながら、自然な気遣いを心がけることがポイントです。
なお、車を含めた上座・下座のマナーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
お客様を乗せての運転では、安全運転を最優先に考えることが重要です。急発進・急ブレーキ・急カーブは避け、スムーズで安定した運転を心がけましょう。
車内での会話は、運転に支障がない範囲で行います。物件の特徴や周辺環境について説明する際も、安全確認を怠らず、信号待ちの時間などを有効活用してください。
音楽やラジオについては、お客様との会話が盛り上がらないときなどは「音楽をかけさせていただいてもよろしいでしょうか」と確認を取ったうえで沈黙がお互いに重たくならないような工夫として活用するのはアリです。音量は会話の妨げにならない程度に抑え、ジャンルは誰でも聞きやすいインストゥルメンタルやクラシックなどを選ぶと安心です。
エアコンの温度設定は、お客様の快適性を考慮して調整します。「温度はいかがですか」と定期的にお声がけし、お客様のご要望に応じて調整するようにしましょう。
お客様の状況や同行者によって、営業車での対応も柔軟に変える必要があります。事前の確認とシーンに応じた配慮により、より快適なサービスを提供できるでしょう。
事前の確認が最も重要です。ペットの種類やサイズ、アレルギーの有無などを確認し、必要に応じてシートカバーを用意しましょう。換気を徹底し、他のお客様への配慮も忘れずに行ってください。
車内での喫煙は丁重にお断りし、必要に応じて喫煙場所への配慮を行います。物件案内の途中で喫煙休憩が必要な場合は、適切な場所をご案内することが大切です。
トランクを事前に空けておき、荷物の積み下ろしを積極的にお手伝いしましょう。大切なお荷物を傷つけないよう、慎重な取り扱いを心がけてください。
チャイルドシートの必要性について確認し、必要に応じて準備します。車内におもちゃや絵本を用意している場合は、「よろしければお使いください」とご提案することで、お子様にも保護者の方にも好印象を与えられるでしょう。
「社名の入った社用車でお伺いしてもよいか」を事前に確認してください。引っ越しをすることを周囲に知られたくないお客様や、職場で転職活動を知られたくないお客様もいらっしゃいます。お客様のプライバシーに配慮し、必要に応じて社名の見えない位置での待ち合わせや、徒歩での合流をご提案することが大切です。
賃貸仲介業において、営業車での対応はお客様との大切な接点の一つです。車両の清潔感を保ち、安全で快適な移動を提供することで、お客様に安心感を与えることができます。
日頃からの点検や清掃はもちろん、お客様それぞれの状況に合わせた気遣いを心がけることが大切です。雨の日の靴カバーや冬場のひざ掛け、お子様連れのご家族への配慮など、ちょっとした心遣いがお客様の印象を大きく左右します。
営業車での移動時間は、お客様とのコミュニケーションを深める貴重な機会でもあります。快適な車内環境を整え、適切なマナーを身につけることで、より良い関係性を築いていけるでしょう。
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