記事公開日:2022/06/09
最終更新日:2024/01/11
不動産業界に携わる人にとって、「レインズ」は欠かせないシステムです。しかし、これから不動産営業に挑戦したいと考えている人には、聞き慣れない言葉かもしれません。
そこで今回は、不動産業務にかかせない「レインズ」について、仕組みや活用の流れをご紹介します。
目次
レインズは、国土交通大臣の指定を受けた公益社団法人が運営する、不動産情報を交換するネットワークシステムです。Real Estate Information Network System (不動産流通標準情報システム)の略で、レインズに会員登録をした不動産会社だけが利用できます。そのため、一般の人がレインズを閲覧することはできないのです。
また、このレインズは全国に4つの組織があります。
参考:国土交通大臣指定 公益財団法人 「東日本不動産流通機構」
レインズの主な役割は、不動産業界全体で不動産の取引を円滑に行うことです。不動産会社は、不動産の売却を依頼されるとその不動産のデータをレインズへ登録します。不動産を購入したい人は、不動産会社に良い物件がないかを依頼し、レインズを通して検索します。
これまで、物件の売買情報を知るためには、知りたい物件ごとに不動産会社を訪れなければいけませんでした。たとえば、Aの物件ならA不動産、Bの物件ならB不動産という具合です。しかし、これでは情報を不動産会社全体で共有することができず、取引をスピーディーに行うことができません。
そこで、レインズに情報を集約し、他の不動産会社が持つ情報も共有できるようにしたのです。
全国の不動産情報が登録されているとなれば、誰でも利用したいと思うのが心情です。しかし、先述のとおり一般の人は使用できません。レインズを使用できるのは宅地建物取引業者(不動産会社)のみで、さらにレインズに会員登録した不動産会社に限られます。
東日本不動産流通機構では、以下の2つの方法でレインズへの登録が叶います。
店頭に「レインズマーク」が提示されている場合、レインズに登録している不動産会社といえます。
参考:国土交通大臣指定 公益財団法人 「東日本不動産流通機構」
レインズを活用することで、全国にある不動産会社はさまざまなメリットを得られます。一方、実際に活用する際にはあらかじめ注意点を知っておく必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
レインズを活用して得られるメリットは以下の3つです。
レインズでは、「囲い込み」をする悪質な不動産会社が一部いることに注意が必要です。囲い込みとは、自社で抱えている売却情報を他社に渡さないようにすることです。
売却を依頼された不動産会社は、自社で売買の取引が成立すれば、売主と買主の両方から手数料を受け取れます。しかし、他社が買主を見つけた場合、受け取れるのは売主からの手数料のみです。
利益を独り占めするために、他社に虚偽の情報を流すなどして、自社で売買を成立させようとするケースも少なくありません。このような悪質な行為をする不動産会社も見られるため、不安に感じた場合は別の不動産会社に相談しましょう。
ここではレインズを活用する流れについて、売却と購入の2つのパターンに分けて解説します。
現在所有している不動産を売りたい場合、不動産会社は以下の流れで取引を成立させます。
続いて、不動産購入の依頼を受けたケースの流れを見ていきましょう。
レインズは、迅速な不動産売買のためになくてはならないシステムです。スムーズかつ安全に取引をするために、多くの不動産会社が活用しています。
大事な個人情報を取り扱っているため、利用できるのはレインズに会員登録している不動産会社のみで、一般の人は利用できません。また、レインズにはメリットがある一方、注意しなければならない点もいくつかあるので、円滑な取引を叶えられるよう事前に確認してから活用しましょう。
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