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今さら聞けない「レインズ」とは?仕組みや活用する流れをわかりやすく解説!

記事公開日:2022/06/09

最終更新日:2022/05/24

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不動産業界に携わる人にとって、「レインズ」は欠かせないシステムです。しかし、これから不動産営業に挑戦したいと考えている人には、聞き慣れない言葉かもしれません。

そこで今回は、不動産業務にかかせない「レインズ」について、仕組みや活用の流れをご紹介します。

レインズとは

レインズは、国土交通大臣の指定を受けた公益社団法人が運営する、不動産情報を交換するネットワークシステムです。Real Estate Information Network System (不動産流通標準情報システム)の略で、レインズに会員登録をした不動産会社だけが利用できます。そのため、一般の人がレインズを閲覧することはできないのです。

また、このレインズは全国に4つの組織があります。

  • (公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
  • (公社)中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
  • (公社)近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
  • (公社)西日本不動産流通機構(西日本レインズ)

参考:国土交通大臣指定 公益財団法人 「東日本不動産流通機構」

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レインズの仕組み

レインズの主な役割は、不動産業界全体で不動産の取引を円滑に行うことです。不動産会社は、不動産の売却を依頼されるとその不動産のデータをレインズへ登録します。不動産を購入したい人は、不動産会社に良い物件がないかを依頼し、レインズを通して検索します。

これまで、物件の売買情報を知るためには、知りたい物件ごとに不動産会社を訪れなければいけませんでした。たとえば、Aの物件ならA不動産、Bの物件ならB不動産という具合です。しかし、これでは情報を不動産会社全体で共有することができず、取引をスピーディーに行うことができません。

そこで、レインズに情報を集約し、他の不動産会社が持つ情報も共有できるようにしたのです。

【注意】レインズが使用できる人は限られている

全国の不動産情報が登録されているとなれば、誰でも利用したいと思うのが心情です。しかし、先述のとおり一般の人は使用できません。レインズを使用できるのは宅地建物取引業者(不動産会社)のみで、さらにレインズに会員登録した不動産会社に限られます。

東日本不動産流通機構では、以下の2つの方法でレインズへの登録が叶います。

(1)以下の東日本不動産流通機構の構成団体(サブセンター)のいずれかに入会する
  • 各都道県の宅地建物取引業協会
  • 全日本不動産協会
  • 不動産流通経営協会
  • 全国住宅産業協会
(2)団体に加盟しない会員外の宅地建物取引業者(会員外利用事業者)が、東日本不動産流通機構指定の手続き(別途費用が発生)により利用する

店頭に「レインズマーク」が提示されている場合、レインズに登録している不動産会社といえます。

参考:国土交通大臣指定 公益財団法人 「東日本不動産流通機構」

レインズを活用するメリットと注意点

レインズを活用することで、全国にある不動産会社はさまざまなメリットを得られます。一方、実際に活用する際にはあらかじめ注意点を知っておく必要があります。

【メリット】
  • 不動産取引が短期間でできる
  • 媒介契約制度で安全な取引ができる
  • 取引事例を参考にして適正価格がわかる
【注意点】
  • 一部悪質な不動産会社がいる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット

レインズを活用して得られるメリットは以下の3つです。

①不動産取引が短期間でできる

レインズに登録すると不動産取引に関する情報の共有が叶います。また、物件を探している人に対しても、自身の希望条件に合った不動産の情報を一度にチェックできるため、一軒ずつ不動産会社に連絡するといった手間がかかりません。

②媒介契約制度で安全な取引ができる

物件を売る際には、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。この媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、この中から1つを選ばなければなりません。
「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を選んだ場合、レインズへの登録や登録証明書の交付が義務付けられます。不備なく取引がされているかをチェックできるため、安全に不動産取引ができる点がメリットです。

③取引事例を参考にして適正価格を把握できる

レインズには、豊富な取引事例が蓄積されています。不動産会社は、取引が成立すると成約日や取引価格といった詳細情報を登録します。これらの情報は他社の不動産会社でも確認できるため、過去の事例を参考にして適正価格を把握することが可能です。

注意点

レインズでは、「囲い込み」をする悪質な不動産会社が一部いることに注意が必要です。囲い込みとは、自社で抱えている売却情報を他社に渡さないようにすることです。

売却を依頼された不動産会社は、自社で売買の取引が成立すれば、売主と買主の両方から手数料を受け取れます。しかし、他社が買主を見つけた場合、受け取れるのは売主からの手数料のみです。

利益を独り占めするために、他社に虚偽の情報を流すなどして、自社で売買を成立させようとするケースも少なくありません。このような悪質な行為をする不動産会社も見られるため、不安に感じた場合は別の不動産会社に相談しましょう。

レインズを活用する流れ

ここではレインズを活用する流れについて、売却と購入の2つのパターンに分けて解説します。

売却の場合

現在所有している不動産を売りたい場合、不動産会社は以下の流れで取引を成立させます。

①売主から依頼を受けたらレインズを検索

売主から売却の相談を受けた場合、まずはレインズで過去の取引事例や付近の相場を検索します。

②売却価格の提示

依頼された不動産を調査し、レインズの検索結果も踏まえて売却価格を売主に提示します。

③媒介契約を締結する

先述のとおり、媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類です。この媒介契約の違いや内容について、売主に説明をして媒介契約を締結し、その後書面を交付します。

④レインズに登録をする

不動産の情報をレインズに登録し、登録証明書を発行します。

⑤登録証明書を売主に渡す

発行した登録証明書は、売主に渡して不備がないか確認してもらうよう促します。

⑥売主に業務報告をする

不動産会社は、売主に業務報告をしなければなりません。「専属専任媒介契約」の場合は1週間に1回以上、「専任媒介契約」は2週間に1回以上の頻度で売主に報告する義務があります。これは、宅地建物取引業法にて定められており、書面または電子メールで行うものです。

⑦物件案内

購入希望者が現れたら、売主に紹介をします。また、購入の申し込みがあった場合にも売主に報告をします。

⑧売買契約を締結

売主と買主の間で価格などの条件が合えば、契約を締結して書面を交付します。

⑨成約した取引をレインズに登録する

取引が成立したら、成約日や価格などをレインズに登録します。売買契約が締結された場合、成約登録は義務なので必ず行いましょう。

⑩物件の引渡し

買主から残金を受け取り、不動産を引き渡せば取引は完了です。

購入の場合

続いて、不動産購入の依頼を受けたケースの流れを見ていきましょう。

①物件購入の依頼を受けレインズで検索

購入の相談を受けたとき、まずは希望条件に合った物件をレインズで検索します。

②物件を紹介する

検索結果をチェックし、希望の条件に合った物件を購入希望者に紹介します。

③物件の内見と申し込み

買主が希望をすれば、売主側の不動産会社に物件の内見を申し込みます。

④重要事項説明と売買契約締結をする

売主と買主で条件が合意されれば、宅地建物取引士が買主に重要事項に関する説明を行います。その後、売買契約を締結して書面の交付という流れです。

⑤物件の引渡し

売主に残金を支払い、物件の引渡しを受けたら取引は終了です。なお、売買契約が成立した際のレインズへの登録は、売主側の不動産会社が行います。

不動産会社はレインズの活用が欠かせない

レインズは、迅速な不動産売買のためになくてはならないシステムです。スムーズかつ安全に取引をするために、多くの不動産会社が活用しています。

大事な個人情報を取り扱っているため、利用できるのはレインズに会員登録している不動産会社のみで、一般の人は利用できません。また、レインズにはメリットがある一方、注意しなければならない点もいくつかあるので、円滑な取引を叶えられるよう事前に確認してから活用しましょう。