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【完全網羅】ラミネーターの使い方と注意点を解説!

記事公開日:2022/05/26

最終更新日:2023/11/17

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アパートやマンションなどの資料や広告は、紙のままだと汚れてしまったり破れてしまったりする可能性があります。汚れた資料や破れた広告では記載している物件の印象も悪くなってしまうので、できるだけきれいな状態を保っておくことが重要です。

今回は、紙ベースの資料や広告、書類や写真などを汚れや破損から守ってくれるラミネーターの使い方や注意点を解説していきますので、資料の扱いに困っている方はぜひチェックしてみてください。

また、ラミネート加工した書類の効果や営業活動に与える影響についても説明します。賃貸仲介店舗の営業担当者の方はもちろん、マネージャーの方もぜひご一読ください。

※下記の関連記事では営業資料の作り方・押さえておくべきポイント・作成の手順などを解説しているので、チェックしてみてください。

目次

そもそもラミネーターとは?

首をか下げる営業マン女性の画像

ラミネーターとは、透明なフィルムで紙をコーティングする機械のことです。ラミネート加工は、身近なものだと病院の診察券やポイントカード、カフェやレストランなどの季節限定メニューや店内ポップなどが挙げられます。また、高級感を演出するために、自身の名刺をラミネート加工してお客様に渡す不動産営業マンも少なくありません。

透明なフィルムはラミネートフィルムと呼ばれており、紙をラミネートで挟み、ラミネーターを使って高熱で圧着させるとラミネート加工できます。

ラミネートフィルムで加工をしておけば湿気や水分をシャットアウトでき、紙のシミ汚れや破損を防ぐことが可能です。写真はそのまま保存しておくと、状態によっては時間の経過とともに色褪せてしまいますが、ラミネート加工をしておけば光や酸素の影響を受けず色褪せしません。なお、ラミネートフィルムはハサミで手軽にカットできるので、オリジナルデザインなどの活用アイデアにも使えます。

要確認!ラミネーターしてはいけない素材やアイテム

さまざまなシーンで活用されているラミネーターですが、どんなものにも利用できるわけではありません。法的に規制されているケースや、ラミネーターの適切利用という観点から推奨されないものまで注意すべき点は多々あります。次項で詳しく解説していきますので、一度確認しておきましょう。

一枚しか無いような大切な用紙

ラミネーターの仕様上、一度作業を始めてしまうと、途中で紙を取り出すのは非常に困難になります。万が一失敗してしまうと、大事な用紙に傷がついたりシワができたりする可能性があります。世界に一枚しか存在しないような大切な用紙であれば、ラミネートしない方が無難といえるでしょう。

有価証券や紙幣

多くの有価証券や紙幣は特殊な加工が施されており、ラミネートから剥がすことがほぼ不可能といわれています。やむを得ずラミネートしなければいけない事情があったとしても、原状のままで取り出せる保証もありませんので、ラミネート加工はすべきではありません。

特殊な用紙(布地、ガラス、トレーシングペーパーなど)

ラミネートは熱で圧着させるという性質上、熱でくっつかないもの、また凹凸があるものに対する加工は難しいとされています。たとえば、布地は厚みや凹凸がありますし、ガラスは熱で圧着できないため注意が必要です。

トレーシングペーパーについては、紙質のものがある一方、プラスチック質のタイプも少なくありません。プラスチック質のものをラミネート加工すると、場合によっては熱で溶けてしまうおそれがあるので、ラミネート加工するのはやめておいた方が無難といえるでしょう。

クレヨンなどで書いた用紙

クレヨンなど書いた用紙をラミネート加工すると、クレヨンが熱で溶けてしまい、きれいな保存ができなくなることがあります。これに関しては、熱で圧着させるという性質上やむを得ないと考えるべきでしょう。

湾曲やシワがあり平面ではない紙

ラミネートしたい紙が平面ではない場合、ラミネート加工したときに下地を引っ張ってきてしまうことがあります。これによってシワや不陸が生じることも珍しくないため、表面がきれいではない紙はラミネートには不向きといえます。

水分を多く含んだ用紙

水分を多く含んだ用紙をラミネート加工する場合、その高温から水分が蒸発することになります。しかし、圧着されている状況下において、蒸発した空気は逃げ場をなくし、結果として気泡という形でラミネート内部に留まることが予想されます。

原則ラミネート加工は糊づけを含めて、よく乾燥させた状態で利用するように心がけてください。

【全4STEP】ラミネーターの利用手順

透明なフィルムで紙を圧着してラミネートするラミネーターは、使い方が難しいのではと思う方もいるかもしれませんが、その工程はいたってシンプルです。製品によって使用方法が異なるものもありますが、ここではスタンダードな利用手順について解説します。

STEP①:ラミネーターを用意する

まずはラミネーターを用意します。設置場所は、フィルムがまっすぐに排出されるよう排出口側のスペースを50cmほど取り、水平かつ安定しているところにしてください。排出口側が狭いと、まっすぐにラミネートできず折れ曲がってしまいます。

また、不安定なところに置くと機械の操作時や稼働時に落下してしまうかもしれません。場合によってはケガをするおそれがあるので、設置場所には十分気をつけましょう。

STEP②:温度設定を行い予熱完了まで待つ

設置場所を決めたら温度設定を行います。温度調節は、説明書を確認してフィルムに適した温度に設定してください。

電源プラグをコンセントに差し込んだら、電源スイッチをオンにして予熱を開始します。設定温度に達していないとフィルムが圧着されないので、予熱を忘れないようにしましょう。レディランプ(予熱ランプ)が点灯するのを確認したら予熱完了まで待ちます。

STEP③:適切なサイズのラミネートフィルムに紙を挟む

予熱が完了するまでの間に、ラミネートフィルムを準備しましょう。加工する紙のサイズに合ったラミネートフィルムを用意し、間に挟んでください。

余白部分が大きくなってしまう場合は、捨て紙やアンダーフィルムを挟んで余白を埋めます。捨て紙の部分をきれいに切り取れるよう、用紙との間隔は5~10mmほど空けておくのがベストです。

STEP④:接合部分からラミネーターに通す

予熱が完了してラミネートフィルムが準備できたら、接合部分(閉じてある方)からラミネーターに通していきましょう。挿入するときは、両手で持ってまっすぐに入れるのがポイントで、もし通すときに歪みやしわがあるとそのままラミネートされてしまうおそれがあります。また、機種によってはバックローダー式のものもあるので、挿入前に説明書を確認しておきましょう。

加工後は熱を持っているので、平らなところに置いて冷まします。しばらくの間放置し、冷めて硬くなったら加工完了です。

ラミネーターを使ううえで注意すべき点

ラミネーターは、利用手順を覚えれば比較的容易に扱うことができます。ただし、使い方を間違えてしまうと圧着がうまくいかず、きれいにラミネートできなくなることもあります。ここからは、ラミネーターを使ううえで注意すべき点を紹介していくので、ラミネート前にチェックしておきましょう。

用紙とフィルムのサイズを必ず確認する

フィルムに挟む前に、用紙とフィルムのサイズを必ず確認してください。特に、余白が大きすぎるとうまく圧着されず、さらにフィルムが詰まってしまうこともあるので気をつけましょう。

ラミネート加工前にフィルムカットは行わない

ラミネート加工前にフィルムカットは行わないようにしましょう。加工前は、まだフィルムに挟んだだけの状態なのでバラバラになってしまいます。また、接合部分を切ってしまうと圧着できないので、カットをするのは加工後にしてください。

ラミネートフィルムのみで使用しない

ラミネートフィルムのみで使用するのもNGです。もしフィルム厚が薄すぎる場合、過熱によってフィルムが溶けてローラーに巻き付いてしまう可能性があります。

一方、厚すぎると挿入できない、適切に圧着されないなどのトラブルが生じます。ラミネーターの故障につながってしまうので、フィルム厚にも気をつけてください。

ラミネート挿入向きや入れ方が決まっている

ラミネートの挿入向きや入れ方は、機種によって決まっています。間違った挿入をしてしまうと、フィルムが波を打ち圧着できない部分が出てくるおそれがあるので、事前に説明書で確認してください。接合部分からラミネーターに通すこと、まっすぐ挿入することを守り、きれいな仕上がりを目指しましょう。

終了後はメンテナンスを行う

加工が終了したらメンテナンスを行いましょう。メンテナンスが必要になるのはゴムローラー部分で、ここには加工する際に発生する糊汚れがこびりつきます。メンテナンスをせずに汚れを放置すると、加工物に汚れがついてしまったり、フィルムが巻き付いて本体が壊れてしまったりするので注意してください。

メンテナンス方法は説明書に記載されていますが、どの機種であっても方法に大きな違いはありません。以下に、基本の手順を紹介していきます。

1.ゴムローラーを清掃する

ゴムローラーの清掃は、温度を「中」以上に設定して電源スイッチを入れ、レディ(予熱)ランプが点灯した状態にして行います。

クリーニングペーパーを挿入口から入れて、排出口から出てきたら取り出すという作業を汚れの度合いに合わせて5~10回ほど繰り返しましょう。クリーニングペーパーを通すことで、ゴムローラーについた糊汚れが落ちます。

クリーニングペーパーは、カレンダーやカタログなど厚口用紙で代用可能です。一方、コピー用紙のような薄口用紙を使うと故障の原因なるため使用は控えましょう。

2.本体を清掃する

本体の挿入口や排出口、外側についた汚れは中性洗剤を水で薄め、それをやわらかい布につけて拭き取ります。ただし、加工直後は熱を持っているので、十分に冷ましてから作業しましょう。

また、作業をする際には、間違って電源が入らないようにコンセントからプラグを外すことも忘れないでください。

賃貸仲介営業担当者がラミネーターを使う主な場面

賃貸仲介営業では、さまざまなシチュエーションでラミネーターを利用します。DX化が進んでいるとはいえ、まだまだラミネーターが活躍する場はたくさんあります。以下の解説をチェックし、ぜひ日々の業務に活かしてみてください。

物件資料をラミネート加工する

「物件資料のラミネート加工は」最もイメージしやすく、実践している会社も多いのではないでしょうか。新しく入荷した近隣の新築物件の資料を大きく印刷してラミネート加工して店頭に掲示したり、優良物件の物件資料をA4サイズで大量にラミネート加工を施し店頭に何枚も掲示したりするなど、どの店舗でも活用できる方法です。

店頭に掲示された物件資料は、案外通行人の目に入っているものです。こういった「すりこみ」は将来のお客様に対して非常に有効になりますので、定期的に物件情報の入替えを行うようにしましょう。

設備や仕様の説明にラミネート加工を活用する

新築物件における設備や仕様の進化は留まることを知らず、日々新しい設備や仕様が導入されています。

社内や各営業店舗でこのような設備仕様に関する勉強会がなされていれば良いのですが、社員全員が細かい仕様を説明できるという状況を作るのは困難でしょう。そこでおすすめなのが、「専任物件の設備仕様を調査してその説明をお部屋でラミネート加工してポップとして飾る」というものです。

イメージが湧きづらいときは、一度分譲マンションのオープンハウスなどに赴いてみてください。効果的なラミネート資料がふんだんに利用されており、業務に役立つアイデアが思いつくことも少なくありません。

鍵渡しの際の物件説明やライフラインカードをラミネート加工する

お客様にご成約いただき、鍵をお渡しするタイミングになったとき、物件住所やライフラインの開栓先・管理会社の連絡先・ダイヤルポストの解錠番号などをお渡しすることになります。このとき、事前にカードサイズにまとめてラミネートしてお渡しするのも有効な方法のひとつです。

財布やスマートフォンカバーに入る大きさであればお客様が見返すのも楽ですし、今後の紹介カードを兼ねるような使い方も期待できます。

収納やインテリアのアイデアを店内に掲示する際にラミネーターを使う

賃貸仲介業では、原則として「空いているお部屋」が商材になりますが、それだけではお客様に対して実際に住んでみるイメージを持っていただくことが難しく、営業ツールとしては不十分といえます。

そこで、収納アイデアやモデルルームの写真をラミネート加工して店内や物件内に掲示・設置してみましょう。お客様に対して実際に住んでからの家具レイアウトや収納アイデアを提供することができるようになり、営業トークの幅が広がることで成約に結びつくことが予想されます。

賃貸仲介営業担当者がラミネーターを使う理由

ここまでラミネーターの活用シーンを紹介してきましたが、そもそもなぜ賃貸仲介営業の現場でラミネーターが利用されているのでしょうか。具体的な理由や、賃貸仲介営業の構造との関係を理解することで、営業店舗のレイアウトや集客方法、社員教育などに役立てることができるでしょう。

掲示物がきれいに見えるためお客様の印象が良くなる

賃貸仲介業は接客業であるため、お客様が来店しようと思う店舗づくりや、来店されたときの印象は非常に重要です。

ラミネート加工され、きれいに印刷された掲示物が整えられていると、多くのお客様は「清潔感のある店舗」という印象を持ちます。反響来店率のほか、来店成約率にも少なからず影響を与えることが考えられます。

社員教育コストが軽減される

店内や賃貸物件内にラミネート加工された物件資料や設備説明資料が整理整頓されていることにより、社員間での賃貸物件知識や設備知識が向上することも少なくありません。

「○○さんは知っているが他の社員は知らない」という状況では、店舗全体の営業レベル、ひいては営業売り上げが底上げされることは期待できません。ラミネート加工された資料を作成・掲示することには、お客様に対するアピールもありますが、「社員に対する教育を兼ねている」ということも覚えておきましょう。

営業ツールとしての機能

さまざまなアイデアをラミネート加工してお客様に提供することで、営業補助ツールとして機能されることが期待できます。

特に、来店されてからの成約率の低さに悩んでいる営業店舗では、営業担当者のスキルアップや営業の引き出しを増やすことが重要です。営業アイデアを目に触れる場所に置いておくだけで自動的に営業ツールとして活用されるため、ラミネートされた資料は、自社に足りない「決定力」を底上げしてくれる営業ツールになることでしょう。

ラミネートで作ったものを処分する方法

ラミネートで作成したものは基本的に「燃えるゴミ」として処理することが可能です。物件資料程度であればそのままゴミ箱に捨ててしまって問題ありません。

一方、個人情報が入ったものや、機密情報が含まれている資料を処分する場合、ハサミで細かく裁断してから廃棄してください。このとき、ラミネート加工したものをシュレッダーで裁断することはできません。ラミネート加工には糊が含まれており、これが原因でシュレッダーが故障してしまうことも多いので、シュレッダーを利用するのは控えてください。

なお、ラミネート加工した作成物を大量に廃棄するときは、専門業者の活用もおすすめです。ラミネート加工は自社でラミネーターを使い行うことが一般的ですが、先述した熱ラミネーターに向かないものをラミネートするときや、大量のラミネートをするときは、ラミネートの専門業者でなければ非常に厳しいといえます。

費用はかかりますが、ラミネートの専門業者に廃棄を依頼するというのもひとつの手なので、ぜひ覚えておくようにしてください。

ラミネーターの使い方を覚えて日々の仕事に活かそう!

ラミネーターは、慣れるまでは上手にラミネートするのが難しいかもしれませんが、作業の工程は比較的シンプルで、練習すれば自分の好きなように加工できます。ラミネート加工をしておけば、汚れてもかんたんに拭き取れるほか、破れたり濡れたりすることもないので、大事な資料や広告をきれいな状態で保つことができます。

資料や広告だけでなく、店舗のお知らせや社員カードなどもラミネートできるので、ラミネーターを上手に使いこなし、仕事の幅を広げましょう。

また、ラミネート加工され、きれいに陳列された掲示物が店舗に与える影響は計り知れません。今回ご紹介した活用方法をはじめとして、さまざまな方法でラミネーターをご利用いただき、営業補助ツールとしての利活用を促進してみてください。

KS

この記事を書いた人

大学卒業後、賃貸仲介業や管理業を約4年間経験したのち、知人の独立を手伝い賃貸仲介会社を2社立ち上げ。後に賃貸管理業のプロパティマネージャーやアセットマネージャー、総合不動産会社での経営企画室室長としてのキャリアを積む。
現在は、賃貸事業、管理事業、注文住宅事業の立て直しのため、店舗店長を兼任し、マネジメントを行っている。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

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