エピソード

SNSを駆使した「RoomPa」のマーケティング成功術

記事公開日:2023/12/15

最終更新日:2024/01/11

SNSを駆使した「RoomPa」のマーケティング成功術の見出し画像

RoomPa様の軌跡と学びに迫る

株式会社Amufi/RoomPa 共同代表 江渕大輝さん

SNS集客のシェア50%以上を獲得しているRoomPa様。 不動産仲介会社がSNSを駆使する魅力や、成功の秘訣、フォロワーの魅了術などに迫り、 これまでの RoomPa 様の軌跡を元に学びを得たいと思います。

本日はよろしくお願いします!
さっそくですが、江渕様のご経歴をお聞かせください。

新卒でコンサルティングファームに就職して、クライアントの新規事業開発、国策系のプロジェクトを経験し、独立してAmufiを創業しました。

現在は、不動産関係事業に加えてWeb3事業や、他社と合弁会社を設立してメタバース事業も手掛けています。

多彩なキャリアからの挑戦

さまざまな経験を得て、なぜ不動産の領域を選択されたのでしょうか?

ちょうどコロナウイルスが広がり始めたタイミングで独立を考えはじめ、これをきっかけに全ての業界で大きな変化が訪れると推察しました。

その中でも特に不動産業界は、対面での顧客接点が多くて影響を受けやすい領域で、また不動産市場はすでに大きいこともあり、この領域に参入余地があるのではと考えました。

SNSという特色と、確立した特異なポジション

SNS集客とブランド認知度向上

RoomPaの取り組み・特色をお教えください。

YouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSを活用して、お引越しをされたい人の集客を行っており、SNSの総フォロワー数は約60万人にまで成長しました。

動画SNS(YouTube、TikTok、Instagram等)を利用して1都3県エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉)に引越しをする市場においては、市場全体の50%以上のシェアをRoomPaが占めています。

圧倒的な数字ですね!そのような規模まで成長されたのは何故なのでしょうか?

ありがとうございます!RoomPaの強みは、認知度の拡大と集客力の成長を両立する戦略にあると考えています。

東京都内で調査したRoomPaの認知度は、2023年8月時点で15%程度でした。これは大手不動産サービスと同程度の数字です。また再生回数やフォロワー数を伸ばすのではなく、あくまで事業として運営することにこだわった結果、月間の集客数は2,000〜5,000人程度となりました。

どちらかに特化したアカウントは多いのですが、認知と集客を両立するように運営していることが、RoomPaの特徴といえます。

SNSでの集客戦略のはじまり

どうのように、現在のSNS戦略を考えたのでしょうか?

不動産市場におけるSNSの活用度合いを調査すると、YouTubeとInstagramの両方でお部屋探しに関連するアカウントが既にいくつも存在していました。しかし、これらのアカウントが主なターゲットとしているのは「住むためのお部屋を探したい人」ではなく「色んなお部屋をコンテンツとして楽しむ人」のように見受けられました。例えば、ルームツアー動画やお洒落な家具を魅力的に紹介することで、元々お洒落なお部屋が好きな人を満足させるようなコンテンツを提供するなどです。

これらのコンテンツは一般に長編の動画が多く、中には10~15分かけて紹介するような長尺のコンテンツも存在していました。しかし、これらのコンテンツを投稿しても集客に直接結びつくわけではなさそうで、やはり再生回数やフォロワー数を意識したコンテンツ制作方針なのだろうなと分析しました。

一方、その頃には「ショート動画」が突如登場し、特にTikTokが若者のトレンドとして流行しそうな時期でした。 TikTokのショート動画プラットフォームのアルゴリズムは、YouTubeの「視聴者が自分で選んで観るものを決める」スタンスとは大きく異なり、「視聴者の興味を引きそうなコンテンツをポータルサイト側が強制的に提示する」ような仕組みだったため、認知度が低い状態でもリーチを拡大することが比較的容易だったんですね。

そして、そのショート動画を用いて「どのようにしてコンバージョン(お客様からの問い合わせ)を達成できるか」を考えました。「とにかくお洒落なお部屋を観て楽しみたい」というライトニーズに応える従来のルームツアー動画とは一線を画し、お部屋を探す人々に寄り添ってコンテンツを開発すれば、ショート動画を皮切りに不動産賃貸事業に参入できると確信し、まだ黎明期だったTikTokやInstagram Reelに参入することに決めました。

SNSマーケティングとは

成功の秘訣に迫る

ずばり、成功の秘訣とはなんでしょうか?

正直な話、単純に「ショート動画市場への参入時期が非常に早かったこと」が最大の成功要因だと思います。

もちろん、自社内でショート動画に特化したマーケティングチームを組成したことや、各SNSのショート動画アルゴリズムの差やトレンド転換を機微に察知して最適な動画を提供し続けたことなど、さまざまな強みがあると信じていますが。

いつ頃参入されたのですか?

スタートしたのが2020年の11月頃です!

SNSマーケティングの考え方とは

初心者でも実践可能なSNSマーケティングのコツは何ですか?

「ユーザー目線」になることではないでしょうか。
なぜこの動画がバズってるのか、なぜ自分の動画がバズったのか、という問いに対して、ユーザーの目線や心の動き、視聴意思決定の仕組みと真っ向して、粘り強く分析することが重要だと考えます。

私が分析するときには、分析したい年代やペルソナごとに複数のアカウントを作成します。例えば、高校生のアカウント、女子大生のアカウント、一人暮らしのシングル男性でお金を持ってる人のアカウント、といったように作成し、それぞれの視点になりきって動画を視聴することでどのような動画が自動的にサジェストされるのか等といった情報収集を行います。

なるほど。異なるユーザー目線になって分析するっていうところがコツなんですね。勉強になりました。

要するにユーザーの目線になるっていうのは、そこまでやることをユーザー目線の分析と呼んでいます。

メリット・デメリットについて

ショート動画を使った集客を行うメリットを教えて下さい。

メリットとしては、集客経路が多様になることです!

では、デメリットを教えて下さい。

デメリットとしては、費用対効果が合わない点が挙げられます。
これだけSNS上に不動産アカウントがある中で、集客の観点で費用対効果が合っていると言えるのは、上位数社だけなんです。

新規アカウントの立ち上げは不動産のジャンルに限らず、昨今非常に難しくなっています。
これは、プラットフォーム上で投稿者が増加したことにより動画が拡散されるアルゴリズムが変化されたことや、コンテンツに対する視聴者の要求水準が上がったことが原因だと考えます。

とりわけ、アルゴリズムの変化は如実です。かつてはTikTokで新規アカウントを作成して動画を投稿すると、最初の数回の投稿に限っては再生回数が凄く取りやすくなるアシストのようなアルゴリズムが設定されていました。現在ではそのアシストが減っており、新規参入をする個人も法人も苦戦を強いられています。

今後の展望や目標

今後の展望や目標について教えてください。

今後推進していくことは、2点あります。
1点目は、日本の物件を探していらっしゃる外国人ユーザーに対応できるサービスの開発です。
RoomPaのTikTokとInstagramは外国のユーザーに対してもリーチができていて、Instagramでは視聴者の30%を外国のユーザーが占めます。マクロな視点から見ても、外国人のユーザーは増加していくことが見込まれるので対応が必要だと考えています。

2点目は、物件検索から契約までの一連の流れをLINE上で完結できるサービスを実装することです。現在のプロダクトでもLINEを介した部屋探しは可能ですが、まだまだ改善の余地があるため、AIやXRを活用した解決策を積極的に模索しています。

素敵なサービスですね!

賃貸仲介業のこれから

最後に、賃貸仲介業の「これから」について想いをお教えください。 

今後は、「内見動画を観ながら物件や仲介会社を探したい」と考える顧客の要望を叶えるサービスが、集客プラットフォームとして一定のシェアを獲得すると考えます。

TikTokやYouTubeなど既存のSNSで動画投稿を続ける体制を崩さない限り、そのプラットフォームのアルゴリズムやガイドラインに従わなければならず、すなわちフォロワーを既に多く抱えている上位数社の不動産仲介会社しか満足に集客できない状態が続きます。そのため、「ショート動画を使って集客をしたい」と意気込む多くの仲介会社の体力が尽きるのは時間の問題でしょう。

一方、ショート動画への参入を試みていた各社が、内見動画を制作できるノウハウや市場観を得て、顧客の内見動画ニーズを満たせるようになったことも事実です。今後は、お部屋探しに特化した動画プラットフォームが出現して、上位アカウントを持っていない仲介会社にもやさしい集客チャネルとして定着する未来も想像できますね!

今回はありがとうございました!

■株式会社Amufi■
〒106-0032
東京都港区六本木四丁目2番45号 高會堂ビル2階
TEL:070-8402-2510
営業時間:9:00~20:00
(定休日:年末年始)

■会社HP 
https://amufi.net/

さくらさん

中山桜

この記事を書いた人

自然が大好きです。好きな食べ物は、すいかとピータンです。
人の部屋見るが好き。

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