エピソード

デジタル×不動産で描く賃貸仲介・管理の未来とは?

記事公開日:2023/03/23

最終更新日:2023/03/20

らいおん不動産ってどんな不動産会社?

代表河野さんにお話を伺いました

不動産業界ひいては賃貸仲介・管理の世界では、年々業界の労働人口減少や反響対応時間の増加が鮮明になってきているように感じています。事務作業や反響対応業務等については、ITを中心とした効果・効率の最大化に取り組む会社も多いようです。

そんな中「デジタル革命で不動産業界を価格破壊する」というミッションを掲げている会社が兵庫県伊丹市にある株式会社ONENESS らいおん不動産様です。そのミッションの真意はどのようなものなのか。代表河野さんにお話を伺いました。

河野さんはじめまして。本日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

本日のテーマは「デジタル×不動産で描く賃貸仲介・管理の未来」となっております。

貴社では「デジタル革命で不動産業界を価格破壊する」というミッションを掲げているとお聞きしました。今日はそのあたりのお話をゆるりとお伺いしたいと思っています。

わかりました。お答えいたします。

コンサルティング会社を辞めて不動産業界へ

さっそくなんですが、河野さんが「らいおん不動産を立ち上げるまで」についてお話をお伺いしても良いですか?

はい。私は兵庫県伊丹市生まれ伊丹市育ちです。大学4年まで県内で過ごし、そこから新卒で船井総合研究所に入社。3年間不動産会社様を顧客としたコンサル業務に携わりました。

入社時に「不動産会社の社長100人と会え」というミッションがあって、北海道から沖縄まで計126社の社長様と会って、様々な業務改善に取り組んだ というのが、会社員時代です。

おぉ!コンサルのご出身だったんですね。126社ってすごい。勝手な想像なんですがコンサル会社勤務って、寝る暇もないくらい激務なイメージなんですけど、当たってますか?

そうですね。基本その通りだと思います。入社1年目はパソコン触らない日がありませんでした。それこそ眠る暇もなく働いてました。

確かにしんどいと感じた時期もあったのですが、中学生の時から起業を志していたので3年は走り切ろうと。

え?中学生の時から将来起業すると決めてたんですか?すごい!
私なんか中学生の時何考えてたかな…。多分何も考えてないですよ 笑。

笑。 大学生の時に学生起業も考えていたんですけど、まずはいろいろな社長様に会って、知見を広げたいな~という結論に至りました。その近道が船井総研だったというわけです。

私が配属になったのは「不動産テックグループ」という部署だったのですが、「賃貸仲介・管理の業務をどう改善していくのか」「どう効率性を高めて利益をあげるのか」を不動産テックを通してご提案する という仕事をしていました。

なぜらいおん不動産を立ち上げたのか?

なるほど~。実際に不動産業を現在やられているのもそのあたりの影響があるんですか?

そうですね。3年目である程度「やり切ったな~」というのもあったので、ここで独立しようという気持ちになりました。

その時から「不動産業をしてみたい」という気持ちがあって。というのも、今まで「こうしたほうが良いですよ」「ああした方が良いですよ」って、不動産会社様にご提案させてもらってたものが正しかったのか、「自分の力を試してみたい」と思い起業を決意しました。

そういう理由だったんですね~。じゃあ自身で出した答えを実践しているというような形ですかね。というか、今河野さんおいくつですか?

1995年生まれで今年28歳です。

若っ!私も見習いたいです。その志の高さ…。

らいおん不動産のテーマ「デジタルとアナログの融合」

そうしましたらここからは貴社のお話に入ってくるんですけど、らいおん不動産の特色をお聞きしても良いですか?

はい。特色として「デジタルとアナログの融合」というものをテーマにしてます。お客様に対しては、効率よりもとことん真摯に対応することを大事にする。これがアナログの部分。そしてそれ以外はどんどん効率化する これがデジタルの部分となります。それらを「バランスよく調和していきましょう」というものです。

私がコンサル時代に不動産業界の慣習に疑問を感じていたことが2つあります。

1つ目が「とにかく紙が多い」ということ。費用もかさんでしまうし、記録を続けると場所に困ってしまいます。基本はデジタルで保存し、紙は必要に応じて…がベストです。2つ目は「二度打ちの多さ」です。

二度打ちですか?

はい。例えば(管理業務で)通帳をチェックした後に、エクセルに記録して、その後オーナーさんに送金するための明細書作って~のような業務です。「通帳チェックって必要なんだっけ?」とか多々疑問があって。「必要のないことはしないように」と社員にも徹底して伝えています。

ただお客様との接客に関しては、できる限りアナログでいたいと思っています。もちろん接客からオンライン内見、IT重説・電子契約と、一度も会わずに契約できるスキームは持ってます。ただ、そこまでしちゃうと楽しくないし親切じゃないケースもありますよね。

効率化できるのはもちろん良いことですが、お客様が望めばとことん丁寧に接客をする。裏側はとことん無駄を省く。その考え方は特色としてあると思います。

なるほど。効率化は当然、ただ肝心な接客の部分は誠意をもってやるべきで、それが「デジタルとアナログの融合」ということですね。ありがとうございます。

「デジタル革命で不動産業界を価格破壊する」とは?

「仲介」における価格破壊

ここからがテーマに入っていく形になるんですけど、貴社のホームページを見ていると「不動産業界を価格破壊する」ということが力強く書かれていて、「それが我々のミッション」とも書かれているんですけど、この点お聞きしても良いですか?

仲介と管理で2つありまして、仲介に関しては「初期費用を0にする」という試みを今行っています。

初期費用0ですか!?仲介手数料0では無くて?

そうです。敷金・礼金0ではなくて初期費用を0にするというものです。もちろん管理物件限定のお話ですが、管理以外の物件でも出来る限り安くしようと動いています。

例えばスマートフォンも10~15万円くらいしますが、多くの方は月賦で払ったりしますよね。それだけでなく、車を買うにも住宅を買うにもローンを組むし、なんで賃貸だけ一括で払わないといけないの?というのは凄く疑問で。そこで初期費用を0にしたら、部屋探しのハードルも下がるのでは?と思ったのがきっかけです。

なるほど~。でも初期費用を0にした分はどうなるんですか?

分割してます。毎月一定額を入居者様からいただくイメージです。サブスクのようなものをイメージしていただけると良いと思います。

それでも2年住んだときに通常のご契約よりも契約者様は十数万はお得になります。賃貸仲介会社は、それをやりたくないことが多いと思うんですよね。一気にまとまったお金入ってこないので。

あくまで管理物件っていう前提なんですけど、始めに弊社がいくらか立て替えます。2年住んだら普通の仲介と同じくらいの利益になるようになっている というスキームです。

協力会社と提携し、初期費用を分割でお支払いいただくだけでなく、クレジットカード払いなどもできるようにしております。

「管理」における価格破壊

そういうことですか。素敵な取り組みですね!私も部屋借りる時に経験あります。まとまったお金が無いので住みたい部屋をあきらめたことが 悲。

不動産管理はいかがですか?

はい。不動産管理は通常、管理手数料5%というのが相場です。例えば伊丹市だと家賃が7万円の市場なので1戸につき3,500円+税くらいのイメージです。

これも同じ管理なのに、家賃が増えるとなんで管理手数料増えるの?という漠然とした疑問がありました。5万円と10万円の物件で、5万円のお部屋は2,500円、10万円のお部屋は5,000円です。家賃の大小で手数料が変わるのはおかしいと。

なので管理手数料は一律で1,500円にしました。

一律で1,500円ですか?それは思い切りましたね。

確かに手数料が家賃で差が出るのは多少疑問があるかもですね。売買の仲介手数料なんかも、2,500万円の物件と5,000万円の物件で同じ労力をかけたとしても差が出ますもんね。腑に落ちないかも…。

でもそれってどういう仕組みでそうなるんですか?ビジネスになります?

不動産管理ってすごく効率的でないことが多々あると思うんです。

私が以前コンサルで携わった某飲食口コミサイトの会社様だと一万社くらいの加盟店を5名で管理されてたんですよ。びっくりですよね。でも不動産管理業の多くは、およそ300戸を1人で回すイメージです。

実際に私やってみたんですけど、システムいれてみて、ある程度の作業は自動でできるようにして、オーナー様への送金作業も電子化してアプリを導入すると、かなり効率化できました。これなら最小工数でいけるなぁと。

結果一律1,500円の管理手数料で十分利益を確保できるという結論に至った形です。

なるほど~。私が不動産管理のことをほとんど知らなくて、なんだか漠然となんですけど、結構労働集約的な働き方が必要だから、それくらいの手数料が必要と思ってたんですね。

実際にやってる業務は、お金や連絡のやりとりなので電子化したら驚くほど時間短縮できたっていうことですね。

それは他の会社様でも実現できるスキームですか?

新しく不動産管理を始める会社は、問題なくできると思います。ただすでに管理物件を多く抱えていらっしゃるところですと難しくなりますよね。

また、不動産テックを利用して効率化を図ろうとしても、恐らく多くの会社様は「よく分からないし既存の方法でも…」というのが先行するかと思います。

特にオーナー様と長いお付き合いをされていると余計に…というのはあるかもしれません。不動産テック活用は、社長のITリテラシーが十分でないと、社内に浸透しないので、まずは社長のITリテラシーを高めることが一番重要になります。

そうなんですね。それだけお得なら「ぜひらいおん不動産に管理を」というお声も多いんじゃないですか?そのあたりいかがでしょうか。

そうですね。アパート管理は月40戸ペースで任せていただき、駐車場管理は先月150台任せていただきました。おそらく管理会社としては、5,000~10,000戸くらいの会社様と同じくらいの伸び率です。

そんなに?やっぱり業界的にはすごいんですか?

業界では凄い方と思います。2年で恐らく市内で一番になれるくらいのスピード感で進捗しています。

らいおん不動産の今後の方向性

らいおん不動産としては今どのような方向に向かっているんですか?やっぱりエリアのシェアをとりたいとかですか?

その通りです。とことんお客様本位の接客と、効率化による従来価格の破壊でエリアのシェアをとれるよう邁進したいです。

まずは、店舗の数キロ圏内のシェアを獲得する。エリアの不動産会社様が弊社を通さないといけないような状態を作っていきたいです。管理物件が増えれば初期費用0にできるお部屋も増えることになります。

さらに言うと、私も不動産業界に飛び込んで分かったんですが、「情報を隠す」ことって業界に慣習的に結構あると思うんですよ。

普通の方が不動産屋さんに足を運ぶのって恐らく生涯で5回程度だと思うんですね。そうするとお客様と不動産会社では、当然持っている情報に差があります。だから情報を隠したりするのはフェアじゃない。

お客様を想って「これいらないよね」という提案ができるのかは重要だと思います。情報の格差はできる限り無くしていきたいです。

確かにですね。部屋探しって不動産屋さんのアドバイスうけて、なんとなく納得して ってなりますよね。不動産会社様としては、できる限り実入りが良い物件を進めたいですしね。

それをできる限り無くすことは業界のイメージアップに繋がりそうです。

賃貸仲介・管理で大事にしたいこととは?

「泥臭く」お客様満足度を高める

ここまででテーマの部分は、ある程度聞けたと思うんですけど、河野さんが思う賃貸仲介・管理で大事にしたい事もお聞きしても良いですか?

そうですね~。「泥臭さ」っていうのは結構大事にしてます。アナログを残すことは絶対にしたい。今の時代だからこそ大事なことだと思っています。

自分も若者の分類なんで恐縮なんですが、今の若者は中途半端な頭でっかちが多いと思っています。ちょっと頭良いこと言って業務効率化しようとするけど、全然想いが無くて泥臭さがない。

一方「そのアナログさは非効率…」ということも多いのかなぁと。なので最初にお話した「デジタルとアナログの融合」が大事だと、私はそう思っています。

貴社のサイトで河野さんのプロフィールを見た時に、すごく効率主義の方なんだろうと思ってて、「泥臭さ」っていう言葉に人間味があって安心しました。

笑。ありがとうございます。

不動産業界自体があまり信頼される業界じゃないだけに、どれだけお客様に真摯に向き合えるかはすごく大事ですよね。正直不動産があれだけフォーカスされたのもその表れじゃないのかな~と。不動産業者=金の亡者的な 笑。

なので「お客様からの満足度」というのはすごく重要視してます。私たちも去年の10月にお店をスタートしまして、口コミにも力を入れています。

一ヶ月で6件ほどかなり良い口コミを頂いたんですけど、これらを積み重ねていくことで地元のお客様に信頼され、紹介が増える会社にしたいと思ってます。

ぜひ応援させてください。「お客様からの満足度」を高めるために行っていることって具体的にあったりしますか?

気に行った物件ができるまでとことん案内するようにしてます。

特に店長の山﨑さんは売買の経験者でもあるので、普通は比較的薄利な賃貸だと効率重視で接客しそうじゃないですか?

でも実際は、1人のお客様のために1日かけて7件もお部屋をまわってAD無しの物件を契約するという。また、申し込み後から鍵の受け渡しの間に採寸まで行っていて正直「すごいな!」といつも感銘を受けております!

納得いくまでとことんご案内して、らいおん不動産を選んで良かったと思える接客を目指しています。

うおぉ…。それ普通の営業マンだったら耐えられないかもですね。

伊丹の新進気鋭な不動産会社「らいおん不動産」

本日はとても良いエピソードがたくさん聞けました!
最後に店舗PRがございましたらお願いします。

ありがとうございます。常日頃から「お部屋の紹介」ではなく「街の紹介」ができる不動産会社でありたいと思っています。お部屋も大事なんですけど、「実際に住む街」がお部屋探しでは重要です。移動手段や近隣のお店に至るまで、お客様に知っていただき、納得していただけるよう接客をしています。

社員の半分は伊丹市出身なので、ばっちり地域密着の店舗です。
ぜひ安心してお越しになってください。

「不動産業界を価格破壊」しつつ、お客様には真摯で丁寧ならいおん不動産代表 河野さんにお話をお聞きしました。ありがとうございました!

■らいおん不動産■

〒664-0881
兵庫県伊丹市昆陽3丁目134-1
TEL:072-767-9285
営業時間:9:00~20:00
(定休日:毎週水曜日)

なかそね

なかそね

この記事を書いた人

沖縄県出身。宅地建物取引士で2児(双子)の父。引越し好きが高じて住宅会社の営業マンになったり、たくさん転勤したり、結果CHINTAIに入社したり…という半生です。
今までの経験活かしつつ、現在はCHINTAI JOURNAL編集部で主に活動しています。

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