記事公開日:2023/10/16
最終更新日:2023/10/31
目次
「SNSの活用を推進した勢いで会社を設立」し、異例な方法でスタートを切り、 不動産業界において新たなアプローチを提案・実行し続けているないけんぼーいず。代表であるなかじさんに、成功の秘訣と今後についてお話を伺っていきたいと思います。
本日はよろしくお願いします!
さっそく、なかじさんのご経歴をお聞かせください。
僕は、群馬県藤岡市で生まれ、小学校からは隣接する埼玉県児玉郡神川町という田舎で過ごしました。
大学入学の18歳で東京に引っ越し、新卒で大手不動産会社に入社しました。入社の理由は、意識の高い大学生とは違って、ただ単に「稼げそう」だからでした(笑)
大学ではなにを学んでいたのですか?不動産に通ずる学部でしょうか?
全然関係ないです。社会福祉学科です(笑)
地元が、おじいさんおばあさんが多い町だったんで、本当に何も考えずに決めました。
ですが福祉学科に入ったものの、「福祉って大変な上にお金を稼ぐことが難しいお仕事で自分には合わないな」と感じ、稼げるイメージのある不動産会社に就職しました。
なぜ、稼ぎたかったのでしょうか?
今考えると、その頃は「見栄」だったと思います。
大学時代、結構遊んでいたんですけど、社会に出ても「イケイケ」でありたかったんです(笑)
正直学歴には自信がなかったんです。でも「頑張りたい」という気持ちがあったんです。せっかく東京に来たので、何かしらのチャンスを掴みたいと思っていました。なので、入社先は、名が通っている大手企業に決めました。
なるほど。「成果を上げたい!」という気持ちで一貫していたのでしょうか?
「成果を上げたい」というよりかは、僕は常に楽しさを追求して生きているので、「そっちの方が楽しそう!」を基準に人生を選んできたんだと思います。その時は、「お金がない状況より、お金があるのが楽しそう」だと思っていました。
入社後はいかがでしたか?
入社したら、想像を絶するブラックで、本当に病んでました。
厳しすぎて、自信を喪失し、何のために社会に出たのかを考えたり、親や友人に相談していた気がします。
でも、負けず嫌いな性格で、「この状況に負けたくない」という気持ちが強く、何とかやっていたのですが、この先もこの状況は変わらないことに気づいたんです。
なので、目標を4つ立て、クリアしたら辞めることを決意しました。
1つ目は、役職につく、2つめは年収1,000万円を超える、3つ目はいい時計を買う、そして最後が家を買う。
それで、4年目に最後に家を買って達成して、その冬に退職しました。
4年で達成、有言実行されるのはすごいです!!
退職後はどうされたのでしょうか?
その後は、仲介的な要素があり、人と関われる人材系か、 シンプルにかっこよさそうな広告系に転職を考えていました。そのタイミングで、偶然合コンがあって、そこで大手広告代理店の人に出会ったんです。
合コンですか!
そうです(笑)話したら「君、面白いからおいでよ」と言われて、その当時リファラル採用をしていたので、それで受けることになりました。
すごい縁ですね(笑)
入社後、新しいコミュニティや面白い人、優秀な人との人脈が広がり、日々充実した時間を過ごしていました。私はゲームアプリのプロモーションを担当していたのですが、継続していく中で「プロモーションの提案だけではなく、商品やサービス設計の段階からクライアントに貢献したい」と考えるようになりました。
商品やサービスをクライアントと共につくりあげたうえで、プロモーションをするような、クリエイティブな仕事に就きたいと思うようになりました。
そのタイミングで偶然、クラウドファンディングサービスの会社に転職した先輩の話を聞く機会があり、とても楽しそうでやりがいのある仕事内容だと感じ、ご紹介していただき、結果的に広告会社を経て、30歳の時に転職しました。
転職先では、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?
クラウドファンディングサービスの会社では営業コンサルみたいなことをしていました。そこで、2年間で約1200件の相談を受けてたんですよ。
自分のアドバイスを通じて、商品の見せ方や伝え方を少し変えるだけで、商品が魅力的に映ることがあり、それを面白いと感じました。
そんな時に、「やっぱり自分で挑戦したいな」という思いが強くなりました。物件購入を検討していた友人との会話の中で、面白いサービスのアイディアが浮かんだんです。
僕が本来携わっていた不動産業に関連することを、YouTubeなどで紹介することで、多くの興味を持つ人がいるのではないかと感じました。それがきっかけで、2020年6月に”ないけんぼーいず”のアカウントが立ち上がりました。
不動産業界にした理由は、以前働いてこの業界に課題を感じていたからでしょうか?
そうですね。不動産業界は、情報が不透明で、信用することが難しく、消費者を不安にさせてしまっている現状が課題と感じていました。
この課題に対して、SNSで情報を発信することで、解決策が見つかるのではないかと考え、これまであまり、積極的に投稿していなかったSNSですが、急に活動を始めることにしました。
今は、インスタグラム、TikTokがメインですが、最初はYouTubeをメインに活動していました!
そうなんですね。試行錯誤があって、今の形に辿りついたんですね!
最初から、今の会社を起業することを目標にしていたのでしょうか?
最初は、不動産仲介会社を起業したいとは特に思ってなかったです。トップに今まで立ったことがなく、どちらかと言うと2番手だったんです。
ですが、SNSをやり始めてみて、ゼロイチでプロダクトを作る楽しさを知りました。
そうすると、シンプルに夢中になったんです。でも最初は、もちろん全然うまくいかなくて、YouTubeも全然再生されないですし……
最初どのくらいだったんですか?
数百人くらいでした。まったく数字が伸びず焦りを感じていた時、その時の彼女が「TikTokを始めてみたら?」と提案してくれたんです。
ナイス彼女!
何も分からない中、とにかく初めてみたんです。なので、クオリティーは低かったんですけど、僕はやはり運が良く、一発目で270万回再生されたんです。
@naikenboys 港区の1億8,800万円のタワマンを内見しながらとにかく皮肉をいうだけの動画 #内見 #不動産 #港区女子 #港区おじさん #不動産仲介 #不動産賃貸 ♬ ジェンカ – 橋 幸夫/ひばり児童合唱団
すごいですね……運とかじゃなく実力なのでは?
広告の仕事をやっていたから、「こんな風にしたら伸びそうかも」とかっていう感覚と、それに沿ったコンテンツを作る努力はしました。
それで、楽しくなっちゃって、2個目もすぐ作ったんですよ。
2本目は、その時「事故物件」という映画が上映されていたので、「事故物件の紹介を、ポップにやってみたらどうかな」と思い、動画を制作し、その動画も150万回再生されました。
映画のタイミングもあったのでしょうか?
あったと思いますよ。それで、再生回数が回るのが楽しくて、中毒気味になっちゃって、最初に動画を制作するのに慣れることができました。
ヒットをずっと続けるのって、大変だと思うのですが、コツとかはありますか?
常に考えることですかね、あとは他のジャンルからたくさん見て学んで、とにかくやってみる。
そもそも「何を考えていいかが分からない」みたいな人も多いと思うのですが、どのように解決したら良いでしょうか?
SNSをやる際に、「なにを考えるか」はとても明確です。結局、SNSを見るのは、「僕」ではなく他者。なので、僕の欲しいものを作ってもしょうがないんです。
SNSを見る人が、求めていそうなもの、「こういう人はこういうのを求めているのかな?」、「こういうのがあったら、こういう人は嬉しいかな……」など、人のためをずっと考えています。
なので、別に自分が伝えたいことを、伝えている訳ではないです。自己満にならない考えが重要です。
自分の伝えたいことを言っている動画って、誰も見ないと思うんです。
ぶっちゃけて言うと、僕の動画を見て、動画に写っていた物件の入居者や購入者を獲得しようとはしていません。
SNSを見ているうちに「信頼できそうだな」「面白そうだな」「会ってみたいな」って思ってもらえたら良いなという感覚です。
以前のインタビュー記事で、「マーケティングの基本はしっかり抑えておくべきだ」 というお話を拝読させていただきました。 なかじさんご自身の独自のマーケティングの法則やポイントについて、お教えいただけますでしょうか?
マーケティングとか言っていたんですけど、最近はハートフルな考え・行動を大事にしています。
先ほどもお話しましたが、「自分がこうしたい!」じゃなく、人のためを考えることを重要視しています。
「いい家に住んだら人生が上がる」ってことに気づいてないと思うんですよ。だから、我慢していることとか、そもそも目標設計を間違えていたりとかで、おざなりに部屋を選んじゃったりしているので、そういうのをちゃんと伝えていきたいなという。
「いい家に住んだら人生が上がる」ってよく聞きますね。例えば、無理してでも高いところに住むとか……
その点は微妙ですね。要するに、それぞれの個人に合った住環境を整えることが大切なんです。家賃が高い場所である必要は全くありません。
目標や希望は人それぞれ異なるものであり、皆が同じように家賃を上げることが解決策ではないですね。この部分は非常にパーソナルな要素が強いです。
例えば、僕自身は、家を売って賃貸住宅に引っ越しました。今回の引っ越しのテーマは「仕事を頑張る」でした。具体的にどういう生活が「仕事を頑張る」につながるのか考えたとき、「会社にすぐ行けること」、「会食からすぐ帰れること」、「大きなベットが置けること」が重要な要素だと気づき、会社から徒歩15分程度の距離で広めの1Kの部屋を選びました。
そもそも、目標設定が間違っている場合もあります。それを正すことが重要で、僕たちの仕事だと思っています。僕はこうした提案が得意なので、一緒に働く仲間にもこのアプローチを共有したり、スクリプトを制作して、当社に依頼していただいたお客様に対して、より適切な選択をサポートしたいと考えています。
小手先の技術はあんまりなくて、結局は人のためになることを考える。
結果的に、最初はマーケティングなどと話していましたが、この1年の経験を通じて徐々に考えが深まり、方向性が明確になってきました。今は「ハートフル」なアプローチがベストであると感じています。本当に、みんな嬉しそうに、幸せそうにお部屋を決めてくれるんですよ。
もしかしたら、毎月言ってることが変わってるかもしれないですけど、核は同じです。発見が毎日あるから、それに応じてどんどん変えていく感じです。
ないけんぼーいずの今後のビジョンとは
株式会社ないけんぼーいずの今後のビジョンをお教えください!
ビジョンは、売買・賃貸の仲介で年商100億円を達成することです。
あと、嫌いな物は、世間がイメージするような不動産屋なんですよ。嫌いな理由は明確で、人のこと考えず自分のことしか考えてないところが多いからです。それなら、「僕がトップでもいいんじゃないか」と思っています。
別に変に偉くなりたいとか、そういうのは全くなくて、
要は人のために働くというマインドを、不動産全体に伝えたいなみたいなのがあります。
年商100億円の企業を作って、いろんな地域・海外に展開していったら、それまでのいろんな学んだこととか、人にギブする方法とか、不動産業界の人にも教えてあげられると考えています。
みんながみんな、根っこからの悪い人ではないと思っています。なので、顧客ファーストなマインドをもつ人が増えたら、業界が変わるのではないかなと思っています。
楽しいじゃないですか。日本全土にいいやつが増えるんですよ。最悪、うちの会社に利益がなくてもいいかもしれない。
良いクオリティーのサービスと、良いクオリティーのサービスが争うんだったらめっちゃいいと思う。そしたらみんな幸せですし、ワクワクします。
「良いところで争う」って、めちゃくちゃいい世界ですね。
業界同士で、足を引っ張る必要はないと思います。
あとは、それは不動産業界にも思ってることですけど、顧客側の力もあげていけたらと思っています。
最後に、なかじさん個人のビジョンなどございましたらお教えください。
子どもたちに「こうやって考えるといいよ」など、ギブの精神を教える講演などができたらいいなと思っています。
あとは、ただの僕の個人的な目標なんですけど、死んじゃった時、「泣く人が1万人ぐらい出ました!」みたいになりたいです。
笑笑笑笑笑笑
要は1万人の心を動かせた人ってことじゃないですか。「あなたのおかげで人生よくなりました!」、が1万人です。
いいですね、1万人ってことは長生きしなくちゃですね!
長生きすれば、その分関わる人も増えますしね(笑)
そうですね。だから、今僕がやろうとしているのってどちらかというと、短期間で上がっていくというよりかは、積み上げていくものだと思います。
長い期間をかけて、仲間やお客様と積み上げていければいいなと思ってます。
インタビューをして印象がすごく変わりました!熱いお方なんだと感じました。
SNS使ってるととっぽいって見られるんですけど、意外とそういうマインドです。
熱いっていうよりかは、熱苦しいんじゃないですか(笑)
SNSも目的じゃなくて、手段の一つです。常にレベルアップしていけたらいいなと思っています。
貴重なお話ありがとうございました!
今後もご活躍、期待しております。
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