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プロパティマネジメント(PM)とは?他管理業務との違いや業務内容、必要なスキルについて解説

記事公開日:2022/10/20

最終更新日:2022/10/05

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不動産業界に身を置くビジネスパーソンなら、「プロパティマネジメント(PM)」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。しかし、アセットマネジメント(AM)やビルディングマネジメント(BM)など似たような言葉が多いため、なかなか理解しづらいのが現状です。

そこで今回は、プロパティマネジメントについて詳しく解説します。アセットマネジメントやビルディングマネジメントの違い、プロパティマネジメントが注目されている理由などを紹介していきますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

プロパティマネジメント(PM)とは

プロパティマネジメントは、賃貸物件のオーナーに代わり、家賃の回収や入居者のクレーム対応、建物のメンテナンスを行う業務のことを指します。不動産運用のプロに賃貸物件の管理・運営を行ってもらい、賃貸物件の価値を高めるのが目的です。また、プロパティマネジメントを担う人はプロパティマネージャーと呼ばれています。

プロパティマネジメントと似たような言葉に、アセットマネジメントやビルディングマネジメントがあります。それぞれの違いについて、次項で詳しく見ていきましょう。

アセットマネジメント(AM)やビルディングマネジメント(BM)との違い

アセットマネジメントは、オーナーや投資家に代わって不動産の資産を管理・運用を行う業務のことを指します。アセットとは「資産」という意味で、不動産の資産価値を高め収益を最大化するのが目的です。アセットマネジメントを担うアセットマネージャーは、不動産売却の意思決定やファンド運用、プロパティマネジメントに関する指示出しなどを行います。

ビルディングマネジメントは、建物そのものの管理をする業務です。ビルディングマネジメントでは、賃貸物件の清掃や設備のメンテナンス・管理・点検などを行いますが、プロパティマネジメントやアセットマネジメントとは異なり、資産の収益には関与しません。なお、会社によっては、ビルディングマネジメントとプロパティマネジメントの両方を行う場合もあります。

以下に、プロパティマネジメント・アセットマネジメント・ビルディングマネジメントの3つの特徴を表にしてまとめましたので、こちらもチェックしてみてください。

【PM・AM・BMの違い】

プロパティマネジメント(PM)アセットマネジメント(AM)ビルディングマネジメント(BM)
業務・不動産経営に関する業務・不動産の資産運用に関する業務・建物の設備管理に関する業務
目的資産価値の向上収益を最大化する建物の維持

プロパティマネジメント(PM)が注目されている理由

プロパティマネジメントが注目されている理由のひとつに、「日本の人口減少による賃貸物件の空室増加」が挙げられます。総務省の調査によると、日本の人口は2008年をピークに減少しており、今後、賃貸物件の需要も減っていくことが考えられます。

※参考 総務省 「第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長」

かつては賃貸物件の需要が多く、大家さんが何もしなくても入居者が入ってくる時代でした。しかし、現在は人口に対して賃貸物件が多い状況です。じっとしているだけでは空室が埋まることはなく、だからといって家賃を下げると収入に大きな影響を与えます。

人口減少により不動産経営はますます難しくなりますが、大家さんは不動産経営のプロではありません。そこで求められるのが不動産経営のプロが持つノウハウであり、それを活かしたプロパティマネジメントが注目されているのです。

プロパティマネジメント(PM)の業務内容

プロパティマネジメントを行うプロパティマネージャーは、賃貸物件の資産価値を高めるために、大家さんに代わってさまざまな仕事をこなしていきます。ここからは、プロパティマネジメントの具体的な業務内容を紹介していきます。

  1. リーシングマネジメント業務(LM業務)
  2. 集金業務
  3. 建物やテナントの管理業務
  4. 入居者対応

それぞれ順番に見ていきましょう。

リーシングマネジメント業務(LM業務)

まずはリーシングマネジメントです。リーシングマネジメント業務(LM業務)は、賃貸借に関する業務のことで、大家さんに代わって入居者募集の活動をしたり、周辺相場を調査し家賃の設定を行ったりします。また、賃貸物件の空室を埋めるための施策を考えるのもリーシングマネジメントの業務範囲です。

商業用不動産の場合は、マーケット調査からテナントの誘致などを行います。空きテナントが目立つと閑散とした印象を与えてしまい、売上の減少を招く可能性があるので手を抜くようなことはできません。

集金業務

2つ目は集金業務です。プロパティマネージャーは、家賃の回収業務の他にも、家賃の滞納が生じた場合に大家さんに代わって督促を行う業務もあります。

建物やテナントの管理業務

建物やテナントの管理業務もプロパティマネージャーの業務範囲です。主に、建物の清掃や設備のメンテナンス、点検、巡回業務などを行います。建物の管理は入居者の満足度向上にも繋がるため、重要な業務のひとつです。

入居者対応

4つ目は入居者対応です。主に、入居者の契約手続き・退去の手続き・クレーム対応などが挙げられます。

プロパティマネジメントを行うプロパティマネージャーは入居者に接する機会が多く、いわば現場監督のような存在です。入居者の声に耳を傾け、入居者同士のトラブルを適切に処理します。また、設備修繕の手配を行うこともあるので、状況に応じて判断する力も求められます。

プロパティマネジメント(PM)を行うために必要なスキル・資格

プロパティマネージャーは、大家さんに代わって幅広い業務を担います。人口減少に伴う空室増加により経営が難しくなる中、ライバルとの競争を勝ち抜くためにプロパティマネジメントが注目を集めていますが、プロパティマネジメントをするためにはどのようなスキルや資格が必要なのでしょうか。

プロパティマネジメントを行ううえで、必須なスキルや資格はありません。しかし、以下のような資格があると、キャリアアップに繋がる可能性があります。

  1. 宅地建物取引士(宅建士)
  2. 管理業務主任者
  3. マンション管理士

宅地建物取引士(宅建士)・管理業務主任者・マンション管理士は、不動産三冠資格とも呼ばれる国家資格です。具体的な業務について、1つずつ見ていきましょう。

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引の専門家であることを証明する国家資格です。不動産取引は比較的高額のため、大家さん・入居者のどちらか片方が不当な契約を結ばないよう、契約締結前に重要事項を説明します。

この「重要事項の説明」の他、「重要事項説明の内容を記載した書面への記名」「締結後の契約書の記名」は宅建士しかできない独占業務です。また、不動産売買や仲介会社では、事務所の従業者の5人に1人の割合で専任の宅地建物取引士の設置が定められており、不動産業界では需要の高い資格です。

【宅地建物取引士(宅建士)試験概要】

試験料8.200円
出題数50問(四肢択一式)
試験日毎年1回、10月の第3日曜日
合格率15.6%(令和3年度12月試験)

出典 一般財団法人 不動産適正取引推進機構 「宅建試験」

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンションの委託契約に関する重要事項の説明や、管理事務の報告業務を行うために必要になる国家資格です。管理会社は、30管理組合に1人以上の管理業務主任者を設置することが義務付けられています。

管理業務主任者の独占業務は、主に「管理受託契約に際しての重要事項説明および記名」「管理受託契約書への記名」「管理事務の報告」の3つで、マンション管理には欠かせない資格として認知されています。

【管理業務主任者の試験概要】

試験料8.900円
出題数50問
試験日毎年1回、12月の第1日曜日
合格率19.4%(令和3年度試験)

出典 一般財団法人 マンション管理業協会 「令和4年度 管理業務主任者試験について」

マンション管理士

マンション管理士は、マンション管理組合の指導やコンサルティング、マンションの運営を行うために必要になる国家資格です。マンションの運営・管理に関するスペシャリストであり、マンション区分所有者の相談を受け、各種トラブル解決に向けてさまざまな施策を実践していくのが主な仕事です。

先ほど解説した管理業務主任者は、主に管理会社側から管理状況の報告や受託契約の説明などの業務を行います。一方、マンション管理士は管理組合側の立場に立ってマンション運営に関する業務を進めていきます。管理会社・管理組合のどちらの立場になるのかが異なる点なので、この辺りも含めて押さえておくと良いでしょう。

【マンション管理士の試験概要】

試験料9.400円
出題数50問
試験日毎年1回、11月の最終日曜日
合格率9.9%(令和3年度試験)

出典 公益財団法人 マンション管理センター 「マンション管理士試験」

プロパティマネジメント(PM)は不動産管理に欠かせない業務のひとつ

営業マンの画像

プロパティマネジメントを行うプロパティマネージャーは不動産経営のプロであり、賃貸物件を所有する大家さんにとっては心強い味方となる存在です。近年は、賃貸物件の所有と経営を分けて考える大家さんも多く、プロパティマネジメントの質を上げることが重要になってくるといわれています。

日々の業務ではあまり使わないかもしれませんが、プロパティマネジメントについて大家さんに質問されたときに対応できるよう、知識のひとつとして覚えておくようにしましょう。

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CHINTAI JOURNAL編集部

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CHINTAI JOURNAL編集部は、営業活動に役立つ情報や業務効率化するための工夫をはじめとして、賃貸仲介業務に「おもしろさ」と「ライフハック」を提供します。