記事公開日:2024/02/07
最終更新日:2024/02/07
新生活が始まるときに、親子で物件探しをされるお客様もいらっしゃいます。この場合、賃貸営業マンは、一人で来店されるお客様とは違った提案・接客・交渉に迫られるケースもあります。
そこで今回は、親子で来店されるお客様に関して、起こりうるトラブルや仲裁方法について理解を深めていきましょう。親子のお客様が、円滑に賃貸物件を決められる営業テクニックについても解説するので、新人営業マンの方もぜひ参考にしてみてください。賃貸営業マンは、多種多様なお客様への対応力が求められます。新たなテクニックを身につけることで、ノルマ達成・営業成績アップにもつながるでしょう。
目次
新生活シーズンに、物件探しに来店される親子のお客様でよくあるトラブルの例を紹介します。
お子様の希望条件とご両親の予算が食い違うことで、家賃をめぐるトラブルに発展するケースです。お子様の場合は「バス・トイレの設備を充実させたい」「おしゃれな部屋に住みたい」など、プライベート重視な条件を希望されるケースがあります。
一方、家賃を全額負担するご両親からすると「最低限の設備でも問題ない」「少しでも安く済ませたい」などの理由から条件の緩和を希望されるため、トラブルになってしまいます。
ご両親は、住環境の安全面を考慮して賃貸物件を探したい一方、お子様はそこまで深く気にしないケースもあります。この場合、お子様は条件や利便性を重視して物件を選ぼうとします。反対に、ご両親は繁華街など治安の気になるエリアを避けようとするため、意見が食い違ってしまうのです。
お子様が実家と同じ県内・市内に一人暮らしする場合、「なるべく近くに住んでほしい」と思うご両親と親子間でトラブルになることがあります。ご両親からすると、一人暮らしを始める子どもが心配で「通いやすい距離か」「どのくらいの頻度で通えるか」なども考慮して物件探しを行います。
一方「親に干渉してほしくない」と考えるお子様としては、親の条件を無視して賃貸物件を探したいため、トラブルに発展するのです。
お子様が一人暮らしを始める際、ご両親としてはオートロックや監視カメラなど、セキュリティ設備の有無が気になります。一方、お子様としては「もう大人だから口出ししないでほしい」という思いから、トラブルになりがちです。
お子様が女性の場合、ご両親の安全面に対する考え方はよりシビアになるため、物件探しの際に意見が食い違ってしまいます。
設備や住環境、家賃など、お子様の希望条件をご両親が否定することで、トラブルになるケースもあります。ご両親とお子様の希望条件が異なる、お子様が成人済み・自立しているといった場合に、言い争いへ発展しやすいです。
ご両親は自身の経験から「余計な条件を加える必要はない」「安全性を重視したい」などの思いがあります。そのため、お子様の提示する条件をすべて否定してしまい、トラブルになってしまうのです。
ご来店いただいた親子が喧嘩になってしまったときに、賃貸営業マンとしての仲裁ポイントをトラブル別に解説します。
親子で来店された際は、双方の意見・希望をヒアリングしてから、賃貸物件の提案を行いましょう。安易にどちらか一方の意見・希望を汲み取ってしまうと「<h2>新生活シーズンに親子で物件探しにいらっしゃるお客様のよくあるトラブル</h2>」で解説したトラブルに発展しかねません。
ヒアリングの際は、トラブルになりがちな以下のポイントを重点的に確認しましょう。
<ヒアリングのポイント>
親子間で各ポイントの相違がないか確認し、それぞれの意見・希望が食い違う場合は、賃貸営業マンが仲裁に入りましょう。
ご両親が家賃を全額負担する場合、お子様には希望条件の緩和を提案します。お子様の選択肢は狭まりますが、このケースではご両親に決定権があるため、予算内で抑えることを重視しましょう。
一方、アルバイトで家賃・生活費を負担する意思がお子様にあれば、予算以上の物件も提案できます。賃貸営業マンとして、可能な限りの選択肢を提示しつつ、ときにはご両親・お子様へ交渉することも大切です。
治安を含めた住環境への認識が親子間で異なる場合、賃貸営業マンは可能な限りご両親の意見を汲み取り、治安・安全性を考慮した賃貸物件を提案しましょう。今後のお子様の生活を考慮した場合、ご両親が安心できれば、お子様への干渉を軽減できるかもしれません。お子様がのびのびとした生活を送るためにも、ご両親が安心できる提案を意識してください。
また、ご両親から「なるべく近くに住んでほしい」という希望があった場合、お子様の自立について賃貸営業マンから伝えてみてください。一人暮らしは、お子様が親元を離れ、自己管理や生活能力向上など成長のきっかけになります。ご両親が子離れするためにも、お子様の意見を尊重する提案も行いましょう。
ご両親とお子様で、セキュリティ設備の有無、設備の種類などの意見が食い違う場合は、ご両親の意見を尊重しつつ提案してください。セキュリティ設備を二の次にしてしまうお子様もいますが、万が一の事態が起きてからでは取返しがつきません。
ご両親に安心していただければ、お子様も気兼ねなく一人暮らしを続けられます。賃貸営業マンは、お子様に対して賃貸物件に関するリスクを伝え、どのような防犯設備が有効かを説得することも大切です。
ご両親がお子様の希望条件や意見をすべて否定している場合、賃貸営業マンは間に立ってご両親を説得しましょう。予算やセキュリティなどの条件を満たしつつも、お子様を否定しているのであれば、ご両親は自身の経験や心配・不安などの感情から、否定的な意見を出している可能性があります。
このような場合は、譲れない条件をお子様からヒアリングして、なぜその条件が必要なのか賃貸営業マンからフォローします。説得が難しいときは、お子様の自立や責任感を養うためなど、お子様の意見を尊重する理由について、感情面へ訴えかける交渉も試してみましょう。
親子で来店されたお客様が、納得する賃貸物件を決められる営業テクニックについて解説します。
ご両親・お子様が安心して賃貸物件を決められるよう、不安を感じる要素について丁寧なヒアリングを行ってください。ただし、ヒアリングの際は、直接的な質問は避けましょう。
たとえば「何か不安な点はありますか?」と質問されても、漠然とした不安を抱えているお客様は回答できません。家賃に対する不安をヒアリングするのであれば「○○の家賃相場は□□円ですが、ご予算はどのくらいをお考えでしょうか?」など、具体例を用いてヒアリングしましょう。
希望条件を把握できるほか、会話の流れで不安な要素を聞き出しやすくなります。
希望条件が明確に定まっていないときは、定量的な条件まで落とし込んで、お客様の潜在ニーズを引き出しましょう。具体的には、事実の確認から始めて、お客様の考えを導き出す方法です。
たとえば、駅からの距離に関する条件を確認するとき「今のご自宅から駅まではどのくらいですか?」と質問します。お客様は事実ベースで回答できるほか、その距離を基準にどのくらいの条件がいいのか判断できます。
感覚的な条件を定量的に落とし込むと、ご両親・お子様はイメージを共有しやすくなり、提案する物件の良し悪しも判断しやすくなるでしょう。
ご両親・お子様の希望条件を確認する際は、すべて叶えることは難しいことも伝えてください。すべての条件がそろう賃貸物件は、必ずしも存在するとは限らず、期待させてしまうと信頼・信用を損ねてしまう恐れもあります。
また、希望条件の緩和を提案する際、あらかじめ上記の旨を伝えておけば、落としどころを探りやすくなるでしょう。
お客様に納得していただいたうえで契約を得るためにも、物件探しが長引くデメリットも説明してください。お客様の心理としては「ほかにいい物件があるかも」「もっと時間をかけて決めたい」と悩みがちです。
しかし、あまり時間をかけすぎると空室がどんどん埋まってしまい、希望条件を叶えられない恐れがあります。クロージングできないリスクもあるため、物件探しが長引くデメリットを説明して、悩みを払拭できる理由づけを行いましょう。
新生活シーズンになると、親子で来店されるお客様もいらっしゃいます。個人のお客様とは異なり、ご両親・お子様それぞれの意見・条件があるため、話し合いによってはトラブルに発展するケースもあるでしょう。
賃貸営業マンは、このようなトラブルにも対応できるよう「新生活シーズンに親子で物件探しにいらっしゃるお客様のよくあるトラブル」を参考に、具体的なケースを頭に入れておくことが大切です。万が一トラブルに発展した際は、必ず仲裁に入って落としどころを探る必要があります。もちろん、トラブルに発展させないことも重要なので、スムーズに成約を取るためのポイントも押さえておいてください。とくにご両親は、お子様の一人暮らしに不安を抱えています。その不安を払拭できるよう交渉・提案を行い、納得していただける商談を進めましょう。
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