記事公開日:2022/02/24
最終更新日:2023/11/16
不動産営業は複数の顧客に対し、問合せから入居まで複雑かつ煩雑な業務を同時に行います。しかし、多くの業務をアナログで行っているため、効率化が図れず顧客対応に集中できないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そのようなときに役立つのが、業務を自動化して効率化が図れる営業支援ツールです。
今回は不動産営業に役立つツールについて、導入するメリットや事前に確認すべき注意点、おすすめのツールなどをご紹介します。
目次
不動産業界では、紙の書類を整理したり、その書類に手書きで記入したりと、アナログ作業を行うシーンも少なくありません。お客様はスマートフォンやアプリで賃貸物件を探すのが主流であり、コロナの影響でオンライン内見も増えています。お客様のニーズに合わせるためにも、ツールを導入しIT化する必要があるのです。
アナログ作業からの脱却、そして業務の効率化を図るために、現在「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の導入が進んでいます。DXとは、新たなビジネスモデルの創出や業務の改変をするために、IT化やデジタル技術を駆使するもので、経済産業省ではDXを以下のように定義しています。
『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』
アナログ業務が根強い不動産業界はDX化する余地が十分にあるといえます。また、ツールの導入により以下のようなメリットを得られます。
ここからは、上記3つのメリットについて詳しく解説していきます。
物件情報の管理など、これまで手入力していたアナログ業務を自動化することで、業務の効率化が図れます。また、マンパワーに頼っていた業務を自動化できれば社員の業務負担が減り、余計な残業もなくなります。業務効率がアップするだけでなく、社員の働き方改革にも繋がるというメリットも見逃せません。
パーソル研究所と東京大学・中原淳准教授による「希望の残業学プロジェクト」の結果によると、30時間以上残業している人の割合が多い業種のうち、不動産業界は14業種中4位です。長時間労働がなくなれば離職率も下がり、さらなる生産性のアップが期待できます。
物件を探す際、これまでは不動産会社へ足を運ぶのが一般的でした。しかし、チャットによる問合せ対応やリモートでの物件相談などができれば、お客様はわざわざ不動産会社に足を運ぶ必要がなくなります。また非対面での接客は、コロナ禍で外出を控えたいなど、時代のニーズに合った対応方法のひとつともいえます。
書類のペーパーレス化により、コピー用紙などの経費削減ができます。また先述のとおり、業務効率化により残業時間を減らしたり、マンパワーに頼っていた業務をデジタル化したりすることで、人件費削減にも繋がります。
不動産営業で使うツールのなかには、以下のような機能が搭載されています。
ツールを使うことによって、管理業務や入稿作業、チラシ・間取り図の作成といった面倒な作業の効率化が図れます。自動値追客機能によって、見込み客へのアプローチにかかる手間が減る他、オンライン面談も可能なので、移動にかかるコストも削減できます。
とくに反響対応は重要なプロセスであり、反響対応が遅れると「返信が遅い」といったマイナスイメージにより、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。反響対応が早ければ早いほど来店率は向上するので、成約率アップ・売上アップにも期待できます。
反響管理FAは、不動産営業で重要な反響対応を効率化できるツールです。反響管理FAの3つの特徴を見てみましょう。
まずは、よくある問合せに自動回答できる点です。年間10万顧客の対応で学習したシステムが、手間がかかる返信対応をサポートします。
2つ目は、物件提案を自動化する点です。ユーザーの条件に合った物件を自動化し、追客時間を短縮します。担当者が手動で追加提案もできるので、業務の効率化だけでなく、ユーザーに寄り添った提案も可能です。
3つ目は、反響情報をすべて一元化できる点です。外出中でも、顧客情報や過去の履歴を確認できます。また属人化も防げるため、「営業担当者しか顧客情報を知らない」という状況をなくし、会社全体での営業活動に繋げられます。
https://chintaibb-s.net/solutions/
「反響管理FA」以外にも、不動産営業に役立つツールは数多くあります。
それぞれのツールの特徴について、詳しく見ていきましょう。
Zoho CRMは、ゾーホージャパン株式会社が提供する不動産業界向けのCRMツールです。
Zoho CRMは、入力項目などを自由にカスタマイズできます。導入時にコストをかけて機能を追加したり、カスタマイズの度に外部へ依頼したりする必要がありません。
また、営業担当者と顧客の過去のやり取りを分析し、顧客が連絡を確認できる時間帯や曜日を提案します。またZoho SalesIQと連携すると、ユーザーが自社サイトを訪問しているときに営業担当者へ通知されるため、見込み客に対しタイミングを逃さずに追客することが可能です。
営業プロセスを設計図化する「ブループリント機能」は、起こりがちな追客漏れを防ぎます。各プロセスで登録されたアクションを実行しなければ、次の営業プロセスに移行できないようにできるため、顧客ごとに必要な追客対応が可視化され、追客漏れを防げるのです。
いえらぶCLOUDは、仲介業務と管理業務の両方に対応した、不動産業務支援システムです。
いえらぶCLOUDは反響管理・分析をはじめ、広告出稿やホームページ制作、チラシ作成やWEB接客など、多種多様な機能で不動産業務をサポートします。さまざまな機能が備わっていますが、業務の流れを意識して作られているため、操作に迷うことなく使える点が特徴です。
nomad cloudは、不動産仲介会社向けの顧客管理システムです。
複数のポータルサイトからの反響を自動で取り込み、物件情報と顧客情報を登録します。また、リアルタイムで物件の空室状況を確認できるうえに、来店の日程調整メールの自動化も可能なため、営業時間外の問合せも逃しません。
SMSハンターは、携帯電話やスマートフォンのSMS(ショートメッセージサービス)で、自動追客するサービスが特徴です。
開封率90%以上のSMSを活用し、見込み客に自動で長期間コンタクトを取り続けられます。配信内容は豊富なテンプレートが用意されているので、原稿作成の手間がかかりません。
また、ユーザーが連絡をしやすいように、専用の問合せ受付ページを作成できます。「価格を知りたい」「連絡がほしい」などの要望を1クリックで伝えられるため、「不動産会社に電話する」ハードルを下げられるのも特徴です。
Atlicuは、不動産会社と顧客をチャットで結ぶサービスです。
ビジネスツールのひとつでもあるチャットを使い、ユーザー一人当たりのコミュニケーション時間を削減します。用件だけをやり取りできるので、よりスピーディーな対応が可能です。
また、営業担当者とユーザーのチャット内容・個人情報は、他の管理者も閲覧できます。営業担当者が対応できない場合でも、チーム内での対応や引き継ぎをスムーズに行えます。
IESHIL CONNECTは、物件の査定額や物件ごとの災害リスクなど、多角的な情報をまとめて確認できる営業支援ツールです。
地震や洪水などの災害リスクに関する情報を確認できるので、忘れがちな災害リスクに関する質問にも詰まることなく答えられます。また、物件情報や災害リスクをまとめて確認できるため、事前準備にかかる時間も減らせます。さらに、査定書や物件提案資料は1クリックでダウンロードできるため、事務作業にかかる時間を減らし、顧客対応に集中できるのも特徴のひとつです。
不動産営業ツールを導入することで多くのメリットが得られますが、導入には以下の点に注意が必要です。
後悔のないよう、事前に確認してから導入するかどうか決めるようにしましょう。
便利な機能が豊富に備わっているツールですが、機能が多ければ多いほど良いというものではありません。自社の目的や必要な機能が備わっているかを考える必要があります。
また、ツールの導入にはコストがかかります。せっかくコストをかけてツールを導入しても、必要な機能が備わっていなかったり使い勝手が悪かったりすると、ツールを使わないままになる可能性もあるのです。導入する目的や予算など、細かいところまで考慮したうえでツールを選ぶようにしましょう。
ツールを導入したからといって、すぐに業務が軌道に乗るわけではありません。結果が出るまでに時間がかかる可能性もあるため、最初に長期的な計画を立て、順調に進んでいるかどうか定期的に検証することが必要です。
不動産営業はマンパワーに頼る業務が多いため、ツールの導入により業務効率化やコスト削減が期待できます。なかでも、不動産営業にとって反響対応は大切なプロセスです。反響にスピーディーに対応したり、長期的に追客をしたりする必要がありますが、他の業務に時間を割くことになり、反響対応に手が回らないことも少なくありません。
反響対応への課題をクリアするために、反響対応を効率化できる「反響管理FA」の導入がおすすめです。反響対応メールの自動送信や、物件情報を自動で提案できるため、迅速な対応と長期的な追客が叶います。不動産営業の効率化を図りたいと考えている方は、一度こちらのツールを導入してみてはいかがでしょうか。
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