最終更新日:2026/01/07
記事公開日:2026/01/08
新しい職場や業種で仕事を始めるときは、「何から覚えたらいいのか」「どんな流れで仕事が進んでいくのか」が見えず、不安になることも多いものです。
とくに、不動産業は時期によって仕事のリズムが大きく変わるため、あらかじめ全体の流れを把握しておくと安心して動きやすくなります。
この記事では、賃貸営業職の年間スケジュールの一例をもとに、時期ごとの動きや準備のポイントを紹介します。落ち着いて繁忙期を迎えるためのヒントとして、参考にしていただけると幸いです。

目次
賃貸仲介営業の仕事は、時期によって問い合わせ数や内見件数の増減がはっきりと分かれるため、繁忙期と閑散期のリズムをつかんでおくことが大切です。
とくに、1〜3月は新生活の始まりに向けた引越し需要が集中し、多くの営業スタッフが最も忙しくなる時期です。一方で、6月頃になると引越しを希望する人が減るため、来店数や反響数も落ち着く傾向にあります。
また、9〜10月は異動や単身赴任などをきっかけとした動きが再び増えるため、「第二の繁忙期」と呼ばれています。年末の11〜12月は、年明けに向けて現場全体が少しずつ準備を始めるタイミングです。
こうした1年間のおおまかな流れをつかんでおくだけでも、気持ちに余裕を持って日々の業務に向き合いやすくなります。
ここからは、反響の出方やお客様の来店傾向といった「時期によって変化しやすい動き」について、より詳しく見ていきましょう。
繁忙期をスムーズに迎えるための準備や、社内の体制をどう整えていくかといった具体的なポイントも紹介します。

1〜3月は、1年のなかでもとくに反響が多く、問い合わせ・内見・申し込みが集中するシーズンです。
転勤や進学、就職など新生活に向けた引越し需要が一気に高まるため、営業スタッフにとってはもっとも忙しくなる時期といえます。
とくに、推薦などで早めに進学先が決まった学生は、1月から部屋探しに取り掛かることも多く、年明けからすでに反響が増え始める傾向があります。また、私立大学の合否は2月に、国公立大学の前後期の合否は3月に発表されるのが一般的です。
加えて、2〜3月には人事異動の内示も集中するため、月を追うごとに来店数は増していきます。
この時期は来店対応や物件案内が連日続くため、現場全体にスピード感が求められます。とくに週末は来店が集中しやすいため、曜日ごとの動き方にも工夫が必要になるでしょう。
・内見ルートの最適化
・電話・メール対応の優先順位付け
・申込・契約条件の事前確認
・週末来店を見据えたスケジュール調整
繁忙期の現場では、ミスしやすいポイントを先回りでつぶし、目の前の業務を効率よく回していかなければなりません。
内見希望が集中しやすいこの時期は、スケジュールの調整ミスがそのまま機会損失につながることもあります。物件もあっという間に埋まってしまうため、空室状況の確認や資料の差し替えなど、最新情報を即反映できる管理体制を整えておきましょう。
また、契約条件の聞き間違いや確認漏れなど、ちょっとしたミスが後になって大きなトラブルにつながることもあります。トラブル対応は時間的・精神的にも大きな負担となるため、忙しい時期こそ一つひとつの確認を疎かにせず、丁寧に取り組む意識が大切です。

4〜5月は、1〜3月に続いた反響や来店が少し落ち着く時期です。
とはいえ、3月末に退去となった物件が市場に出回り始めるため、条件の良い部屋を狙って動くお客様の姿も引き続き見られます。気候が安定するこの時期は、繁忙期には決めきれなかったお客様が、あらためてじっくり物件を検討し直す傾向もあります。
また、5月はゴールデンウィークの影響で来店のタイミングが分散したり、管理会社や審査担当が休業になることで手続きが遅れやすい場面もあります。そのため、余裕をもったスケジューリングが欠かせません。
・担当エリアの実地調査
・3月退去物件の調査・確認
・連休前後のフォロー体制
少し落ち着きが出てくる4~5月は、繁忙期の慌ただしさで後回しになっていた物件確認や現地調査を進めておく絶好のタイミングです。
自分の足でエリアを歩いて回り、現場の様子や新たに募集が始まった物件の情報などを細かくチェックしておきましょう。3月に退去した物件も、原状回復を終えて内見可能な状態になってくるため、室内の確認や最新条件の把握を早めに行っておくと、スムーズな案内につながります。
さらに、ゴールデンウィーク中は社内外の調整に時間がかかることも多いため、申込中のお客様の進捗確認や、社内の連携体制の見直しなど、先回りした対応を心がけておくと安心です。

6〜8月は、年間を通して最も反響数や来店数が落ち着く時期です。梅雨や猛暑の影響で、引越しを先延ばしにする動きも増えるため、現場の稼働は4~5月よりさらに緩やかになります。
そのため、この時期は次の繁忙期に向けた「仕込み期間」として活用すると効果的です。日々の業務に追われて手が回らなかった課題に取り組める貴重なチャンスとして、しっかりと準備を進めておきましょう。
・接客フローや営業トークの見直し
・社内マニュアルの整備
・空室物件の撮影・設備更新の確認
手が空きやすいこの時期こそ、接客や案内時の動線を見直したり、営業トークをブラッシュアップしたりといった「仕組みづくり」に力を入れておきたいところです。
曖昧なまま運用していた社内ルールやマニュアルなどを閑散期のうちに立て直すことで、チーム全体の動きがスムーズになります。次の繁忙期に向けて、メールの返信テンプレートやトークスクリプトも整えておきましょう。
なかなか決まらない空室物件については、最新の写真に差し替えたり、設備の状態を確認してオーナーに改善を提案したりと、再提案につなげるための仕込みも欠かせません。
また、来店数が少ないこの時期は、ただ待つだけの営業では成果につながりにくいのが実情です。自社のホームページやSNSアカウントを活用して、物件やエリアの情報などを積極的に発信していくことも大切です。
このように反響の入口を広げておくことで、閑散期でも少ないチャンスをつかみやすくなります。

9〜10月は、秋の引越しシーズンにあたることから「第二の繁忙期」と呼ばれます。
1〜3月ほどの大きなピークではないものの、人事異動や秋採用による就職をきっかけに、引越しのニーズが再び高まりやすい時期です。中には急な転勤や単身赴任といった事情を抱え、「今すぐにでも物件を決めたい」というお客様からの問い合わせも寄せられます。
また、暑さが和らぎ気候が安定してくる秋は、来店のハードルが下がるタイミングでもあります。閑散期を抜けて反響が少しずつ戻り始める時期として、現場の空気も徐々に活気づいてくるでしょう。
・法人対応のフロー確認
・急な問い合わせへの対応体制づくり
・ファミリー向け物件や地域情報のリサーチ
秋の異動シーズンは、法人契約の対応が増えやすい時期でもあります。必要書類や社内フローなどをあらためて確認し、対応ミスを防げるよう整えておきましょう。
急ぎの問い合わせや遠方からの相談も入りやすいため、オンライン内見やIT重説の流れを確認しておくことも大切です。
また、ファミリー層のニーズに備えて、学区や保育園、周辺の買い物環境といった地域情報もあらかじめ把握しておくと、より的確な提案につながります。
短期間で物件選びから申し込みまで進むケースが多いため、スピード感と丁寧さの両立を意識した対応が求められます。

11〜12月は、秋の異動シーズンが落ち着き、現場に少し余裕が出てくる時期です。
来店されるお客様も「急いで決めたい」というよりは、希望条件を吟味しながら、納得のいく部屋探しをしたいという方が増えていきます。
一方で、年明けからの繁忙期を前に、社内では徐々に準備の空気が高まってくる時期でもあります。業務の合間に少しずつ仕組みを整えたり、次の繁忙期に向けて、気持ちを切り替えていくタイミングともいえるでしょう。
・業務フローや社内ルールの見直し
・営業資料や物件データのアップデート
・年末年始のスケジュール確認
・体調管理・感染対策
繁忙期を控えたこの時期は、日々の業務が落ち着いているからこそ、普段後回しにしがちな業務や資料の整理に取り組むチャンスです。業務フローや社内ルールを見直し、あいまいな部分を一つずつ減らしていきましょう。
また、年末年始は管理会社や審査機関の休業によってやりとりが滞りやすいため、スケジュールを確認し、社内外の連携体制も整えておくと安心です。
さらに、体調面の備えも見落とせません。インフルエンザや風邪が流行しやすい時期であるため、早めの予防接種や感染対策について社内ですり合わせておくことも大切です。万全の体調で繁忙期を迎えられるよう、生活スタイルも整えておきましょう。
賃貸営業の仕事は、時期によって反響数や業務量が大きく変わるため、場当たり的な対応になりやすい側面があります。そのため、一年の流れや来客傾向を意識しながら、先を見据えて準備・行動することが大切です。
本記事で紹介した年間スケジュールの考え方や時期別の準備ポイントを参考に、自身の現場に合った進め方を整えていってください。
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