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【広告審査入門】プロでも迷う!不動産広告表示~アピールコメント編~

記事公開日:2024/07/01

最終更新日:2024/06/07

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アパート、マンション、一軒家。単に賃貸物件といっても、消費者にはたくさんの選択肢があります。物件選びをする際に参考にする不動産広告には、正しい情報が載っていることが大前提です。消費者の新生活を、適切な情報発信で支えていきましょう。ここでは、物件広告審査の門戸を叩いた新人社員が、不当表示にあたるか迷い立ち止まった物件表示例を取り上げて紐解いていきます。消費者に誤解を与えず正しい情報を届けるために、情報発信前の事前準備を行っていきましょう。

CASE 1 〇〇良好、〇〇な住宅街とは?

物件表示のコツ。眺望・日当たり・閑静さの判断基準

眺望良好、閑静な住宅街……。物件の魅力を伝えるために使いたくなるコメントですよね。どのくらいの高さであれば眺望が良いと言えるのか、閑静と聞いてどのような街を想像するかは受け取り側により様々です。

判断が分かれる価値観だからこそ、CHINTAIでは表示できる条件を設けています。今回は表示する際の判断に差が出そうなコメントを挙げてみました。みなさんは、どのような条件の物件に、これらのコメントを表示するでしょうか?

「良好」というコメントは、実際に「良好」であるだけではなく、「良好」であると裏付ける根拠を説明できるようにしましょう。内容によっては根拠の併記も必要となりますので、表示の際には確認を怠らないようにしましょう。

例えば「日当良好」と表示するためには、

  1. 方位が南向きか南に準ずる向き
  2. ベランダや窓などの開口部から日中(少なくとも午前10時~午後2時)しっかり陽が射すこと

を満たす必要があります。また、「眺望良好」も、

  1. 建物が高台にあるか2階以上の高さ
  2. 景観を遮るものがなく見晴らしが良いこと

が叶う物件のみに表示できます。陽の差し方や景観は、現地で確認しなければ分からない物件も多いです。表示をする際は、図面や画像だけではなく、できるだけ現地で確認することを心がけましょう。

続いて「閑静」な住宅街について検討していきます。こちらは実際にそのような環境であれば表示ができる為、表示する側のモラルに託されているとも言えます。昼夜問わず車の音や話し声が聞こえたり、近隣住人ではない不特定多数の人が行き交ったりするような、明らかに「閑静」とは言い難いエリアの物件には使用を控える必要があります。

では前述したエリアで、防音設備を整えた場合はどうでしょうか。防音設備自体をアピールすることはできますが、やはり「閑静な住宅街」と表示することは避けるべきです。防音設備を整えたからとはいえ周辺環境が変化したわけではなく、あくまで遮音しただけの為、優良誤認となる懸念は拭えません。消費者が抱く印象とギャップのない表示を心がけましょう。

CASE2:NO.1と自負していたとしても…

ポイントは、根拠を明確に、公正に調査を

「物件紹介満足度NO.1」…。消費者が不動産会社を選ぶ際に影響を与えそうな表示です。自社の対応が他社と比較して良いと自負していても、「NO.1」と掲げるには相応の根拠が求められます。今年に入り、NO.1広告の措置命令を耳にする機会が増えました。優良誤認にならないよう、感度を上げて表示していく必要がありそうです。 では、表示するにあたりどのようなことを意識する必要があるのでしょうか。消費者庁が定める比較広告ガイドラインのポイントとして、3つの要件が定められています。

【適正な比較広告の要件】

① 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
② 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
③ 比較の方法が公正であること
参照:消費者庁「比較広告に関する景品表示法上の考え方(改正平成28年4月1日)」

大前提として、客観的にNO.1だと主張できる事実が必要ですが、その事実をきちんと調査し立証することも求められます。どのような調査機関が、どの地域で、いつ調査した結果、NO.1だったのかを確認しましょう。また、調査の方法(対象選定など)や内容、範囲が適切であることも重要です。「物件紹介満足度NO.1」等を掲げる場合は、店舗がきれいだったなどの物件紹介とは異なる満足度で回答を誘導するような調査を基にNO.1表示をしてしまうと、不当表示に抵触する可能性がありますのでご注意ください。

NO.1を主張するために、調査範囲を特定のエリアに絞ったり、キャンペーン期間だけを調査にしたりすると公正さに欠けてしまいますよね。比較広告ガイドラインのポイントに沿った公正な調査を心がけましょう。また、消費者から問い合わせを頂いた際に回答できるよう根拠を記録した上で、NO.1表示をしましょう。

CASE3:イチオシ、特選、厳選の温度感は?

「イチオシ」はOK、「特選」「厳選」はNGの理由とは?

イチオシ、特選、厳選。どれも同じくらい特別感のある響きに感じるでしょうか?違いが分かりづらい為、あまり深く考えずに使いがちかもしれません。CHINTAIで表示可能と判断しているものは、「イチオシ」のみとなります。「イチオシ」は良くて、「特選」、「厳選」はなぜ不可としているのか詳しく見ていきましょう。

「イチオシ」は、一個人としての意見により、他の物件と比較することなく単品としてのおすすめにとどまっていますが、「特選」や「厳選」といった表現は、消費者に著しく良いものという印象を与えます。また、数ある物件の中から「特に」「極めて」良いものとして一定の基準をクリアして選ばれたと誤認させる可能性もありますので、「イチオシ」と同じ温度感での使用は避けましょう。

例えば、単純に一人暮らし向けの物件を集めて「〇〇大学生にイチオシ」と表示できても、「〇〇大学生向け厳選物件」という意味で表示するのは説明が難しそうです。家賃が低いから、大学から近いからという理由だけで「厳選」とは言い難いですよね。唯一無二を連想させる表現をむやみに表示することは、消費者からの信頼を失うことにつながりかねません。

「イチオシ」はあくまで表示する側の主観であるのに対し、「特選」や「厳選」は、他社が客観的に調査し選別したと誤認させる恐れがあります。使用できるかどうかも含めて、アピールコメントの選択は、慎重に行いましょう。

広告表示において大切なことは、消費者に誤認を与えないこと。常に立ち返り念頭に置くことによって、消費者誤認は事前に防ぐことができます。適正な広告を掲載し、消費者にとっての当たり前を叶えられる情報提供が常に求められます。知らぬ間に「違反広告」を掲載してしまわぬよう、ポイントを抑えて表示していきましょう。

株式会社CHINTAIは、ポータルサイト広告適正化部会に所属しております。他ポータルサイトと連携し、適正な広告が消費者に届くよう推進していきます。



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