最終更新日:2025/10/10
記事公開日:2025/10/03
お客様は賃貸営業スタッフを「建物のことをなんでも知っているプロ」として見ています。
しかし、木造・鉄骨造・RC造といった基本構造の違いや建築基準を正しく把握しているスタッフは、意外と多くありません。
そこで本記事では、代表的な建物構造の特徴を整理し、木造マンションに関する基準、さらに営業現場で使える具体的なトーク例をまとめました。
営業力アップにつながる基礎知識として、ぜひご活用ください!

目次

賃貸物件を案内するときに欠かせないのが、建物構造の基本知識です。
構造の違いによって「家賃相場」「遮音性」「耐震性」などが大きく変わるため、お客様への説明に直結します。
ここでは、代表的な5つの建物構造を整理しておきましょう。
柱や梁など主要部分に木材を使用する構造です。建築コストが比較的低いため、家賃も抑えめになるケースが多いです。
一方で、遮音性や断熱性は構造によってばらつきがあります。とくに築年数が古い物件の場合、生活音が響きやすい点に注意が必要です。
厚さ6mm未満の鉄骨を使った建物です。木造より耐震性や耐久性に優れていますが、コストを抑えやすく、2〜3階建てのアパートでよく採用されています。
遮音性はRC造に比べると劣るため、単身者や学生向け物件に多い傾向があります。
厚さ6mm以上の鉄骨を使用するため、頑丈で耐震性に優れています。3階建て以上の中層マンションに用いられることが多く、しっかりした造りが安心感につながります。
ただし建築コストが高いため、軽量鉄骨造や木造より家賃が高めに設定されることが多いです。
柱や梁に鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造です。遮音性・耐火性・耐震性に優れており、賃貸マンションで最も普及しています。
家賃相場は木造や鉄骨造に比べると高めですが、静かさや安心感を求める層に選ばれやすいです。ただし湿気がこもりやすく、換気や結露対策を意識して案内すると説得力が増します。
鉄骨の周囲を鉄筋コンクリートで覆った構造で、高層マンションに使われます。耐震性・耐火性・耐久性ともに最高レベルで、揺れや火災に強いのが特徴です。
その分、建築コストが最も高く、家賃も他の構造に比べて高水準になります。高級賃貸や都市部のタワーマンションで多く採用されています。

木造建築には、外観や設備だけでは判断できない「法律上の制約」が多くあります。耐火性能や延べ面積、立地の地域区分によって建築条件が変わるため、基準を正しく理解していないと誤った説明につながりかねません。
営業スタッフとしては、「なぜこの物件はこういう構造なのか」を背景まで説明できると、お客様の安心感につながります。
ここでは、基礎知識として押さえておくべき木造建築基準を整理していきましょう。
木造建築は長らく「3階までが限界」と言われてきました。これは、旧来の建築基準法では木材の耐火性能を前提にした規制が十分でなく、安全性確保の観点から、木造は低層建築が一般的だったためです。
しかし、2019年の建築基準法改正により、木造建築物における耐火構造の規制が見直されました。これにより設計や材料の選択肢が広がり、4階建てや高さ16mを超える木造住宅が建てやすくなってきたのです。
実際に都市部では、4階建ての木造マンションが建築されるケースが少しずつ広がっています。また、大手ハウスメーカーの住友林業は、「高さ350m・70階建ての超高層木造ビルディング」の建築計画を発表しています。
このように、商業施設やオフィスでも大規模木造の実用化が進んでおり、「木造=低層」という常識が大きく変わりつつあるのです。
延べ面積が大きくなるほど、防火区画の設置や準耐火構造の義務付けなど、建築基準が厳しくなります。
例えば数百㎡を超える規模の木造マンションでは、外壁や床を一定時間火に耐えられる仕様にする必要があり、窓や扉も防火設備を採用しなければならないケースが増えます。
こうした基準の厳しさは、裏を返せば「大規模な建物ほど防火・耐火対策がしっかりしている」ということです。営業の場面では、この点を「安心材料」として活用しましょう。
たとえば「このマンションは延べ面積が大きいので、建築基準法上もしっかりとした耐火性能をクリアしています」と伝えれば、お客様からの信頼を得られます。
防火地域・準防火地域内で建築する場合には、建物を「準耐火建築物」または「耐火建築物」としなければなりません。
準耐火建築物とは、主要な柱や壁・屋根などが一定時間火に耐えられる建物のことです。火災が起きても「すぐ燃え広がらない」ようにつくられており、避難や消火活動の時間を稼ぐ役割を果たします。
たとえば、外壁は60分、屋根は30分といった耐火性能が求められるケースがあります。
一方で、耐火建築物にはさらに厳しい性能基準があり、主要な構造部は原則すべて「耐火構造」とすることが求められます。
営業の場面では「この物件は準耐火基準を満たしているので、火災が起きても避難や延焼防止の時間が確保されているんです」と伝えると、お客様も納得しやすいでしょう。
防火地域は、火事が起きたときに延焼しやすい市街地の中心部などに指定されるエリアです。ここでは、地階を含む3階以上の建物や、延べ面積100㎡を超える建物は、必ず耐火建築物としなければなりません。
たとえば「小さな2階建ての店舗兼住宅」なら対象外ですが、「3階建ての賃貸マンション」や「100㎡を超える集合住宅」は耐火仕様が必須です。
準防火地域は、防火地域ほど厳しくはありませんが、一定の防火性能が求められるエリアです。基準は以下のように、建物の大きさによって変わります。
つまり準防火地域では「500㎡を超えると準耐火、1,500㎡を超えると耐火」と段階的に厳しくなるイメージです。
さらに、自治体によっては独自のルールもあります。
たとえば「東京都の一部地域では、準防火でも4階建ては耐火建築物が必要」といったケースもあるため、説明の際は地域ごとのルールもきちんと確認をしておきましょう。
なお、2025年4月には建築基準法が改正され、「4号特例」の範囲が縮小されました。
これにより延べ200㎡を超える木造建築物は、構造計算や確認審査の対象となり、従来より厳しくチェックされるようになっています。
営業担当者としては「これからの木造建築は安全性をさらに重視する方向に進んでいます」と伝え、お客様の不安を和らげましょう。
また「法改正後に建てられた木造住宅は、より最新の安全基準で設計されています」と説明すれば、築浅物件を案内する際の後押しになりますよ。

建物構造の特徴を正しく理解したら、実際にお客様にどう伝えるかが重要です。ここではお客様のニーズ別に、実践的なトーク例を紹介します。
家賃の安さを第一条件に探している方に対しては、構造ごとのコスト面の違いをうまく伝えることがポイントになります。
「こちらの物件は木造建築なので、家賃が比較的リーズナブルです。同じご予算でも、広めのお部屋や築浅物件を選びやすくなっていますよ。」
「軽量鉄骨造は木造に比べて耐久性が高いので、家賃は抑えつつ安心感も得られます。
コストと性能のバランスを求める方にぴったりの構造です。」
コスト面を重視するお客様には「家賃を抑えられる」という直接的なメリットを明示すると響きやすいです。
ただし安さばかりをアピールすると、品質を不安視される恐れがあるため、「広さ」「築年数」「バランス」といった付加価値とセットで伝えるのがコツです。
さらに「最近は遮音性や断熱性を強化した木造・鉄骨アパートも増えています」と補足すると、安心感が増し、より前向きに検討してもらいやすくなります。
静かに暮らしたい方や、小さなお子様がいるご家庭など「音のストレス」を気にされる方には、RC造の「遮音性」をアピールしましょう。
「RC造は壁や床がコンクリートで造られているため、上下階や隣の生活音が響きにくいのが特徴です。静かな暮らしを望む方にはぴったりな環境といえます。」
「こちらの物件はRC造なので、子育て世帯でも安心です。小さなお子様の足音や生活音を気にせず暮らせる点を気に入っていただく方が多いです。」
RC造=防音性が高い、という点は多くのお客様が期待している部分です。ただし「完全防音」ではないため、あくまで「響きにくい」といった表現に留めましょう。
さらに、「家具の配置やカーペットでさらに生活音を軽減できます」といったアドバイスを付け加えると、お客様が実際の生活をイメージしやすくなりますよ。
長く住むことを前提にしていたり、地震の多い地域で安心感を重視される方には、重量鉄骨やSRC造の「安全性」を伝えるのが効果的です。
「重量鉄骨は柱や梁が頑丈なため、地震に強く安心感があります。長く住むことを考えている方におすすめです。」
「SRC造は都市部のタワーマンションにも採用される構造で、耐震性・耐火性の両方に優れています。高層ビルと同じ仕組みなので、安心して暮らせる点を魅力に感じていただけます。」
地震の多い日本では「耐震性能」は非常に強い訴求ポイントです。
重量鉄骨は「戸建てや低層賃貸と比べて安心」、SRC造は「都市部のタワーマンションでも使われるほど高性能」という具体例を交えると説得力が増します。
木造に対して「音に弱い」「火に弱い」といった古いイメージを持っているお客様には、最新の木造技術を背景に安心感を与えることが重要です。
「最近の木造マンションは耐火性能を高めて建築されており、従来の木造と比べて安心感が大きく向上しています。遮音・断熱の性能も改善されているので、快適に暮らせます。」
「木造の魅力は、鉄筋コンクリートに比べて湿気がこもりにくく、木の温かみを感じられる点です。自然素材にこだわる方や健康志向の方から好評をいただいています。」
木造=「安いけれど音や火災に弱い」という古いイメージを払拭するのが営業の役割です。
最新の木造マンションは法改正や技術革新により耐火・遮音・断熱が強化されており、「RC造に大きく劣らない性能を持つ物件もある」と説明できれば信頼を得やすいです。
さらに「木の温かみ」「健康的な住環境」といった情緒的な価値を合わせて伝えることで、お客様に「選びたくなる理由」を提供できますよ。
建物構造の知識は、お客様の信頼を得るための大きな武器になります。「木造は安い」「RCは静か」といった一般的な説明だけでなく、建築基準や性能の背景まで踏まえて話せる営業は差別化につながります。
また、構造ごとの特徴をお客様のライフスタイルや要望に結び付けて説明できれば、単なる物件紹介を超えた提案営業となります。
本記事で紹介した構造知識を日々の営業トークに取り入れ、信頼される営業スタッフを目指していってください!
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