最終更新日:2025/11/27
記事公開日:2025/11/28
在宅ワークや動画配信サービスが日常になった今、インターネット環境は賃貸物件を選ぶうえで欠かせない判断材料の一つです。そのため、営業スタッフには、回線の種類や必要な手続きについて的確に説明する力が求められています。
本記事では、インターネット「対応」「完備」といった表記の違いや、回線ごとの特徴についてわかりやすく解説します。
インターネット環境に関する「よくある質問と回答例」も紹介しますので、ヒアリングや内見時の説明に不安がある方は、ぜひ参考にしてください!

目次

賃貸物件で採用されているインターネット回線には、主に次の4種類があります。
それぞれ接続方法や通信速度が異なるため、お客様の利用目的に合わせて説明できるよう、基本的な特徴を押さえておきましょう。
光配線方式は、建物の外から室内まで、すべて光ファイバーケーブルでつながっている接続方式です。
通信速度は「最大10Gbps」と非常に高速で安定性も高いため、リモートワークやオンラインゲーム、動画視聴など幅広い用途に適しています。
新築や築浅の物件に導入されるケースが多く、今後の主流ともいえる接続方式です。
| 共用部から各戸への回線 | 光ファイバーケーブル |
| 最大通信速度 | 上り:1~10Gbps下り:1~10Gbps |
| 安定性 | 非常に高い |
VDSL方式は、主にマンションなどの集合住宅に導入されている回線方式です。建物の共用部までは光ファイバーが引かれていますが、そこから各部屋までは電話回線を使って接続します。
そのため通信速度は光配線方式よりやや劣り、利用者が多い時間帯には速度が不安定になることもあります。
工事費用を抑えて導入できるため、築年数のある物件やコスト重視の物件に多く見られます。
| 共用部から各戸への回線 | 電話回線 |
| 最大通信速度 | 上り:50~100Mbps下り:100Mbps |
| 安定性 | やや不安定〜中程度 |
LAN方式は、建物内のルーターから各部屋までLANケーブルを配線する接続方式です。多くのケースでは、各部屋のLANポートにケーブルを差し込むだけでインターネットが使えるようになっており、接続の手軽さが特徴です。
通信速度は最大1GbpsとVDSL方式より高速ですが、建物全体で回線を共有している場合、利用が集中する時間帯には速度が低下することもあります。
光配線方式よりコストが抑えられることから、一部の集合住宅で採用されていますが、実際に導入している賃貸物件はそれほど多くありません。
| 共用部から各戸への回線 | LANケーブル |
| 最大通信速度 | 上り:1Gbps下り:1Gbps |
| 安定性 | 高い |
ケーブルテレビ(CATV)方式は、ケーブルテレビ回線を使ってインターネットに接続する方式です。
多くの物件では、「HFC(ハイブリッド光同軸)」と呼ばれる方式が採用されており、共用部までは光ファイバー、そこから住戸までは同軸ケーブルで接続されます。
通信速度や安定性は契約プランによって大きく異なり、同じCATVでも利用環境に差が出やすい点が特徴です。
また、一部のエリアではケーブルテレビ会社が提供する光ファイバーを直接住戸まで引き込む「FTTH方式」も普及しており、この場合は最大1Gbpsの高速通信も可能です。
内見時には、HFC方式とFTTH方式のどちらが導入されているかを、あらかじめ確認しておきましょう。
| 変換器から各戸への回線 | HFC方式:同軸ケーブルFTTH方式:光ファイバーケーブル |
| 最大通信速度 | サービスによって異なる |
| 安定性 | サービスによって異なる |

物件の募集図面やポータルサイトには、「インターネット対応」「インターネット完備」「インターネット無料」といった表記がよく使われています。
一見似たような言葉でも、実際の利用環境や入居者側の手続きの有無には大きな違いがあるため、意味を正しく理解しておくことが大切です。
もし誤った説明をしてしまうと、「入居後すぐに使えなかった」「無料と思っていたのに費用がかかった」といったトラブルにつながる可能性もあります。
営業スタッフとして、それぞれの表記の意味をしっかり理解し、お客様にわかりやすく案内できるよう準備しておきましょう!
「インターネット対応」とは、建物の共用部までインターネット回線が引き込まれている状態を指します。ただし、各部屋で実際に利用するには、入居者が別途プロバイダー契約を結び、必要に応じて開通工事や機器の設置を行う必要があります。
「対応=すぐ使える」と誤解しているお客様も少なくないため、利用開始には一定の準備期間が必要であることをあらかじめ伝えておきましょう。
一方で、プロバイダーを自由に選べる点は大きなメリットです。引っ越し前と同じサービスやメールアドレスを引き続き利用したい方には、プラス材料としてアピールできますよ。
「インターネット完備」と表記されている物件は、共用部から各住戸までの配線が完了しており、入居後すぐに利用できる環境が整っています。多くの場合、プロバイダー契約もオーナー側で済ませているため、面倒な手続きや開通工事も不要です。
入居直後からインターネットを利用したいお客様には、利便性の高い物件として紹介できます。
ただし、プロバイダーや回線種別はあらかじめ決まっているため、通信速度や安定性に関しては物件ごとに差があります。リモートワークや動画配信など通信品質を重視するお客様には、あらかじめスペックを説明し、了承を得たうえで手続きを進めていきましょう。
「インターネット無料」と表記されている物件は、「完備」と同様に入居後すぐに使える状態で、尚かつ月額の利用料金を別途支払う必要がありません。物件によっては、「インターネット使い放題」などと表記されることもあります。
コストを重視するお客様にとっては魅力的な条件ですが、実際には家賃や共益費に利用料金分が上乗せされているケースも見られます。
さらに、速度が遅かったり混雑時に不安定になったりすることもあるため、「無料だから快適とは限らない」という点を、事前にやんわりと伝えておきましょう。

内見時や問い合わせ時に、インターネット回線への質問を受ける場面が増えてきています。
ここでは、お客様から寄せられやすい代表的な質問とその回答例を、トーク形式で紹介します。スムーズに対応できるよう、シミュレーションしておきましょう!
A.「建物内には光回線が引き込まれている状態ですが、ご利用いただくにはお客様自身での契約や立ち合い工事が必要になります。お申し込みから開通までに2週間から1か月ほどかかることもありますので、早めのご準備をおすすめします。」
「対応」表記の物件では、「お客様自身での契約が必要なこと」と「利用開始までに時間がかかること」をはっきりと伝えましょう。この2点について説明が不足していると、「すぐ使えると思っていたのに」と入居後のクレームを招いてしまいます。
即日インターネットが必要なお客様には、回線開通までの期間を逆算してスケジュールを組むよう促すのがポイントです。
A. 「月々の利用料は完全無料で、退去時の解約や撤去に伴う追加費用も発生しません。家賃と一緒にまとめて管理できるので、毎月の支払いをシンプルにしたい方にもおすすめですよ。」
月額料金が無料であることに加えて、「最後まで費用負担がないこと」を明確に伝えると、お客様の安心感につながります。
さらに、「手間がかからない」「支払い管理がしやすい」といった利便性も併せて伝えると、コスト以外の面でも魅力が伝わります。
ただし、無料インターネットの中には、通信速度や安定性が不十分なケースも少なくありません。
「光ほどの速度は出ないかもしれませんが、お仕事でご利用ですか?動画などよく見られますか?」といったように、「注意喚起+ヒアリング」へとつなげましょう。
A. 「こちらにルーターが設置されていますので、入居後すぐにご利用いただけます。スマートフォンやパソコンなど、複数の機器を接続される際に便利ですよ。」
内見時に実際のルーターの設置場所を案内しながら、「こちらに機器があるので〜」と伝えられると、より親切な印象を与えられます。
一方で、ルーターが未設置の物件については、「Wi-Fiをご利用になる場合は、お客様ご自身で無線LANルーターをご用意いただく必要があります」と、追加費用や設置の手間が生じることを伝えましょう。
A. 「光ファイバー対応物件なら、リモートワークやオンライン会議でも問題なくご利用いただけるかと思います。他の回線方式に比べて混雑時の影響も少ないので、安心してお仕事に集中できますよ。ちなみに、『入居してすぐに使いたい』といったご希望はありますか?」
光配線は、現時点で最も通信品質の高い接続方式です。とくに、VDSL・LAN・CATVなどに比べて速度や安定性に優れているため、在宅勤務が多いお客様にははじめから光配線の物件を優先的にご案内すると安心です。
また、「入居後すぐにネットを使いたい」といったニーズも一定数あるため、利用開始のタイミングについても忘れずに確認しておきましょう。
お客様の使い方に応じて、「自由にプロバイダーを選べる『光ファイバー対応』が適しているか」「入居後すぐに利用できる『完備』か適しているか」をしっかりと見極めることが大切です。
A. 「こちらの物件にはまだ光回線が導入されていないので、もしご希望であれば新たに工事と契約が必要になります。オーナー様の承諾が必要なので、私のほうで確認しておきますね。」
光回線の新規導入には、建物への外部工事が発生するため、オーナーの承諾が不可欠です。
また、エリアによっては「対応している通信会社が限られている」「そもそも工事自体が難しい」といったケースも少なくありません。まずは、一旦持ち帰って「工事が可能かどうか」を確認しましょう。
さらに、工事の可否を確認するのと並行して、オーナーの承諾が得られなかった場合の対応策もシミュレーションしておきましょう。
「光回線でなくても入居を希望するのか」「別の物件を探すのか」といった点をすり合わせ複数の選択肢を用意しておくと、その後の対応がスムーズです。
インターネット環境は、今や賃貸物件選びにおいて欠かせない要素です。とくに「対応」「完備」「無料」といった表記の違いはお客様も混乱しやすいため、丁寧かつ正確な説明が求められます。
回線の種別や利用条件、接続方法など細かな記載にまで目を通し、情報を整理したうえで物件案内に臨みましょう。
本記事で紹介したトーク例や説明のポイントを参考に、お客様の利用目的やライフスタイルに沿った提案へとつなげていってください!
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